82 / 217
第五部 風雲急編
本気か、逃げか
しおりを挟む
ジゼルたちがそんな話をしていた頃。
パックはグリード地区の中でも一際年季の入った民家が建ち並ぶ区画で、スケッチブックに鉛筆を走らせいた。
話題に上っていた件の家具店の倅も一緒にいたが……
「ぜぇ、ぜぇ……パックせんせー。これ、絶対助手の仕事じゃないと思うッス……」
「ははは、寝言は寝て言え。なんでもお手伝いしますっつったのはそっちだろ? いいからキリキリ働け、レニ」
「うええええ……」
特に彼のアシスタント業をしているわけでもパシリにされているわけでもなく、何故か子守りを手伝わされていた。このあたりに住む子供たちである。
孤児院にいる子たちと同年代で、いつもならそっちに遊びに行っているのだが、建て直しを前に仮住まいの公民館への引っ越しをするため忙しくしていて、大人たちが邪魔にならないよう訪問を控えさせているのだ。
その大人たちも家事や仕事があるから四六時中子供に構ってやれないし、子供たちだけで遊ぶのもだんだん飽きてきたタイミングでパックが現れた。
このひと月頻繁に出入りしているから自然と顔見知り状態で、いいカモが来たとばかりに「遊んでくれ」とせがんで作業の邪魔をするので、自称助手をこれ幸いと子守りという名の人身御供役に命じた――という次第である。
パックとて子供と遊ぶのは好きだが、画家であるがゆえに絵の方が圧倒的に優先順位が高い。その作業を捗らせるためにやる子守りは立派な助手の仕事、というわけだ。
筋が通っているような単なる屁理屈なような……ともかくそのレニなる倅は、尊敬するパック先生の姦計ですでにヘトヘトだった。
自称画家志望の引きニートに、体力無限の子供たちの相手など務まるはずがない。
「おにーちゃん! つぎ、おにごっこしたい!」
「ぼく、なわとびがいい!」
「あたし、けんけんぱ!」
「ああもう、そんな一気にできるわけないだろ! 順番だ、順番!」
「えー、おにごっこ!」
「なわとび!」
「けんけんぱ!」
「だーかーら! 一個ずつ順番っつってんだろー! なんでそんなまとまりがねーんだよ、お前らはー!」
大人げなく結構マジギレしているが、子供たちは無邪気にキャッキャ笑って自己主張を繰り返すばかり。
天使の顔で悪魔のようにおちょくってくる。
面倒を看るべき大人のレニの方がいいように弄ばれている。
普通ならここまでコケにされれば「もう知らん! 勝手にしろ!」とそっぽ向いて去って行くところだが、パックの目があるところで子供たちを邪険にすれば助手の座を追放されるかもしれない。
それが嫌で、とにかく必死に子守りにまい進するレニは、最終的にけんけんぱで縄跳びを飛びながら鬼ごっこをするという、もはや遊びというより地獄のトレーニングみたいな荒業をやってのけて、ようやく解放された。
「――……もう、無理……いろいろ……」
「ご苦労、ご苦労。ご褒美にこの飴玉をやろう」
疲労困憊で燃え尽きた灰みたいになった助手に、出がけにジゼルから渡された黄色い飴玉を横流しするパック。
レニはそれを無言で受け取り、薄紙を解いて口に放り込むが……ギュッと眉間にしわを寄せた。
「うわっ! なにこれ、酸っぱくてしょっぱくて……なんスかこれ!?」
「ははは、初めて食ったらびっくりするよな。別に罰ゲーム用の菓子じゃねぇぞ。それ、塩レモン飴っていうらしい」
酸味と塩味のコンボは、梅干しを食する日本人にとってなじみ深い味だが、そうでない文化圏の人にとってはありえない組み合わせで、衝撃の味だという。
レニの反応もさもありなんだ。
「俺が世話になってるところのお嬢サマがな、熱中症対策に効くんだって言ってくれたんだ。慣れると結構美味いぞ」
「……ねっちゅーしょー、って?」
「運動のしすぎだとか暑さだとかに体が負けてぶっ倒れることだって、お嬢サマは言ってたな。それを予防するのに、塩とレモン汁が効果的らしい」
「へー……」
なんとも適当な説明に、理解したのかしてないのか曖昧な相槌を打つレニ。
口の中で転がすうちに飴の主成分である糖分となじみ、徐々に酸っぱい顔から元に戻っていく自称助手を横目に見ながら、パックはスケッチの手を休めずに問う。
「なぁ、レニ。そろそろ俺に付きまとうのを……いや、絵そのものをやめたらどうだ?」
「え? それって、オ、オレに、才能がないってことッスか?」
「才能のあるなしの問題じゃない、絵に向き合う心構えだ」
パックはきりのいいところまで描き上げると、尊敬する人物から三下り半を突きつけられ、血の気を失ったレニの方に顔を上げる。
「お前さ、絵を描いてる時、全然楽しそうじゃないんだよ。むしろ、溜まった不平不満を絵にぶつけてるだけに見える。個人のストレス解消法についてとやかく言うつもりはないし、趣味の範囲ならそれもアリだとは思うが、芸術家としては失格だ」
「そんな……でも、オレには絵しかないのに……」
「そうやって、勝手に自分の選択肢を狭めるのはよくないぞ。まあ、親の跡を継ぎたくなくて、他に逃げたい気持ちは分かるが。俺が絵にのめり込んだのも、似たようなモンだったしなぁ……」
正室の産んだ第一王子として、真っ先に王太子候補に挙がったパックだが、端からそんな面倒臭いばかりで面白くもないものに興味がなかった。
だから、毎日のように勉強をサボって周囲を困らせていたが……そんな時、なんの気まぐれだったのか母が知り合いの 画家を講師に呼んで、彼に絵を学ばせた。
元々さほど絵に興味はなかったが、やってみたら案外すぐにのめり込んでしまい、あっという間に才能を開花させていった。毎日勉強などそっちのけで筆を取り、いつの間にか高名な画家の模写も苦なくこなせるレベルになった。
だが、どれだけ技術を磨いても達成感がない。
好きなことをしているはずなのに、心は満たされない。
でも、王太子の座からは逃れられても王子としての責務は山ほどあり、そこから逃れるには絵に没頭するより他がなかった。
「けどな、ある奴に出会って、絵は楽しく描かなきゃ意味がねぇって分かったんだよ。そいつはさ、妾の産んだ子で、長男だってのに跡を継げねぇ不憫な奴だった。それに腐ることなく、自分なりに家族を支える方法を模索してたカッコイイ奴ではあったが……まあ、そいつなりにいろいろと苦悩があったみたいでな、気晴らし方法に絵を教えてやったんだよ」
あれはいくつの時だったか明確ではないが、まだ十代前半だったと記憶している。
友好式典だかなんだかで、フォーレン王国の国王夫妻と当時はまだ第一王子だったカーライルが招かれた時があった。
その時はすでに義弟のフロリアンが立太子されており、彼は『長男なのに側室腹のせいで玉座をつけない憐れな王子』だと面白おかしく揶揄されて、異国でも肩身の狭い思いしていた。
同じように長男だが玉座を逃しているパックは、そこに至る経緯はまるで違えど似たような境遇に興味を引かれ、滞在中に彼の世話役を買って出た。
しかし……何をすればいいのかとっさに思いつかなかった。
女子ならそれこそお茶会でもやれば半日くらいあっという間に潰れるが、男同士だとそうもいかない。
カーライルは他愛ないおしゃべりをしそうにないタイプだったし、剣の腕が立つという噂だったから試合したところで即負けそうだし、書庫で読書というのは自分が耐えられない。活字なんて三秒で眠気が来る。
考えあぐねいた挙句、手っ取り早く暇を潰せる庭の写生に連れ出すことにした。
勉強以外でペンや鉛筆を持ったことのないカーライルに絵を教えるのは、絵画に限っては天才肌だったパックにはなかなか骨が折れることだったが……一生懸命目の前の景色を写し取ろうとする彼の横顔は真剣な中にも喜びや楽しさが満ちていて、ひどく拙い絵なのにキラキラと輝いて見えた。
改めて自分のスケッチブックに目を落とす。まるで風景を切り取ったかのように、細部に至るまで緻密に再現できている自負がある。だが、それだけだ。
その時パックは痛感した。
好きなことに没頭するということは、熱中するとは、こういうことなのだと。
「そこでズブの素人から『なんでも楽しまなきゃ意味がねぇ』って、当たり前なのに大事なことを学んだ俺は、本当に絵は自分にとって楽しいモンなのか、改めて向き合うことにした。親とか家業とか将来とか周りの思惑とか、そういうのを全部取っ払って、ひたすらに絵と向き合って――ようやく思い出したんだよ、絵を描き始めた頃に感じてたワクワクとかドキドキとか、褒められた時にすごく嬉しかったとか、とにかく絵を描くのが楽しいって気持ちを」
それがいつの間にか現実逃避の材料になっていた。
優秀すぎる弟に対するコンプレックスとか、周囲からの評価とか、一進一退を繰り返す母の病状とか――自分では気にしていないつもりでも、様々なプレッシャーから心を守るために自然とそうなったのかもしれない。
「だからさ、お前もいっぺん頭を空っぽにして絵を描いてみろ。そしたら、本気でやりたいことなのかどうか、本当に好きなのかそうじゃないのか、きっと分かると思う」
「パック先生……」
「俺はたまたま絵に生きる道を見出した。けど、お前はそうじゃないかもしれない。人生に正解なんかないが、一度きりのモンだから後悔しない道を選べよ」
時は少し流れて。
親子間できっちり腹を割った話し合いが行われたのか、レニがしっかり向き合った結果絵の道に見切りをつけたのか、「ついに家具店のドラ息子がおとなしく跡を継ぐ気になった」という噂を聞いた。
パックはグリード地区の中でも一際年季の入った民家が建ち並ぶ区画で、スケッチブックに鉛筆を走らせいた。
話題に上っていた件の家具店の倅も一緒にいたが……
「ぜぇ、ぜぇ……パックせんせー。これ、絶対助手の仕事じゃないと思うッス……」
「ははは、寝言は寝て言え。なんでもお手伝いしますっつったのはそっちだろ? いいからキリキリ働け、レニ」
「うええええ……」
特に彼のアシスタント業をしているわけでもパシリにされているわけでもなく、何故か子守りを手伝わされていた。このあたりに住む子供たちである。
孤児院にいる子たちと同年代で、いつもならそっちに遊びに行っているのだが、建て直しを前に仮住まいの公民館への引っ越しをするため忙しくしていて、大人たちが邪魔にならないよう訪問を控えさせているのだ。
その大人たちも家事や仕事があるから四六時中子供に構ってやれないし、子供たちだけで遊ぶのもだんだん飽きてきたタイミングでパックが現れた。
このひと月頻繁に出入りしているから自然と顔見知り状態で、いいカモが来たとばかりに「遊んでくれ」とせがんで作業の邪魔をするので、自称助手をこれ幸いと子守りという名の人身御供役に命じた――という次第である。
パックとて子供と遊ぶのは好きだが、画家であるがゆえに絵の方が圧倒的に優先順位が高い。その作業を捗らせるためにやる子守りは立派な助手の仕事、というわけだ。
筋が通っているような単なる屁理屈なような……ともかくそのレニなる倅は、尊敬するパック先生の姦計ですでにヘトヘトだった。
自称画家志望の引きニートに、体力無限の子供たちの相手など務まるはずがない。
「おにーちゃん! つぎ、おにごっこしたい!」
「ぼく、なわとびがいい!」
「あたし、けんけんぱ!」
「ああもう、そんな一気にできるわけないだろ! 順番だ、順番!」
「えー、おにごっこ!」
「なわとび!」
「けんけんぱ!」
「だーかーら! 一個ずつ順番っつってんだろー! なんでそんなまとまりがねーんだよ、お前らはー!」
大人げなく結構マジギレしているが、子供たちは無邪気にキャッキャ笑って自己主張を繰り返すばかり。
天使の顔で悪魔のようにおちょくってくる。
面倒を看るべき大人のレニの方がいいように弄ばれている。
普通ならここまでコケにされれば「もう知らん! 勝手にしろ!」とそっぽ向いて去って行くところだが、パックの目があるところで子供たちを邪険にすれば助手の座を追放されるかもしれない。
それが嫌で、とにかく必死に子守りにまい進するレニは、最終的にけんけんぱで縄跳びを飛びながら鬼ごっこをするという、もはや遊びというより地獄のトレーニングみたいな荒業をやってのけて、ようやく解放された。
「――……もう、無理……いろいろ……」
「ご苦労、ご苦労。ご褒美にこの飴玉をやろう」
疲労困憊で燃え尽きた灰みたいになった助手に、出がけにジゼルから渡された黄色い飴玉を横流しするパック。
レニはそれを無言で受け取り、薄紙を解いて口に放り込むが……ギュッと眉間にしわを寄せた。
「うわっ! なにこれ、酸っぱくてしょっぱくて……なんスかこれ!?」
「ははは、初めて食ったらびっくりするよな。別に罰ゲーム用の菓子じゃねぇぞ。それ、塩レモン飴っていうらしい」
酸味と塩味のコンボは、梅干しを食する日本人にとってなじみ深い味だが、そうでない文化圏の人にとってはありえない組み合わせで、衝撃の味だという。
レニの反応もさもありなんだ。
「俺が世話になってるところのお嬢サマがな、熱中症対策に効くんだって言ってくれたんだ。慣れると結構美味いぞ」
「……ねっちゅーしょー、って?」
「運動のしすぎだとか暑さだとかに体が負けてぶっ倒れることだって、お嬢サマは言ってたな。それを予防するのに、塩とレモン汁が効果的らしい」
「へー……」
なんとも適当な説明に、理解したのかしてないのか曖昧な相槌を打つレニ。
口の中で転がすうちに飴の主成分である糖分となじみ、徐々に酸っぱい顔から元に戻っていく自称助手を横目に見ながら、パックはスケッチの手を休めずに問う。
「なぁ、レニ。そろそろ俺に付きまとうのを……いや、絵そのものをやめたらどうだ?」
「え? それって、オ、オレに、才能がないってことッスか?」
「才能のあるなしの問題じゃない、絵に向き合う心構えだ」
パックはきりのいいところまで描き上げると、尊敬する人物から三下り半を突きつけられ、血の気を失ったレニの方に顔を上げる。
「お前さ、絵を描いてる時、全然楽しそうじゃないんだよ。むしろ、溜まった不平不満を絵にぶつけてるだけに見える。個人のストレス解消法についてとやかく言うつもりはないし、趣味の範囲ならそれもアリだとは思うが、芸術家としては失格だ」
「そんな……でも、オレには絵しかないのに……」
「そうやって、勝手に自分の選択肢を狭めるのはよくないぞ。まあ、親の跡を継ぎたくなくて、他に逃げたい気持ちは分かるが。俺が絵にのめり込んだのも、似たようなモンだったしなぁ……」
正室の産んだ第一王子として、真っ先に王太子候補に挙がったパックだが、端からそんな面倒臭いばかりで面白くもないものに興味がなかった。
だから、毎日のように勉強をサボって周囲を困らせていたが……そんな時、なんの気まぐれだったのか母が知り合いの 画家を講師に呼んで、彼に絵を学ばせた。
元々さほど絵に興味はなかったが、やってみたら案外すぐにのめり込んでしまい、あっという間に才能を開花させていった。毎日勉強などそっちのけで筆を取り、いつの間にか高名な画家の模写も苦なくこなせるレベルになった。
だが、どれだけ技術を磨いても達成感がない。
好きなことをしているはずなのに、心は満たされない。
でも、王太子の座からは逃れられても王子としての責務は山ほどあり、そこから逃れるには絵に没頭するより他がなかった。
「けどな、ある奴に出会って、絵は楽しく描かなきゃ意味がねぇって分かったんだよ。そいつはさ、妾の産んだ子で、長男だってのに跡を継げねぇ不憫な奴だった。それに腐ることなく、自分なりに家族を支える方法を模索してたカッコイイ奴ではあったが……まあ、そいつなりにいろいろと苦悩があったみたいでな、気晴らし方法に絵を教えてやったんだよ」
あれはいくつの時だったか明確ではないが、まだ十代前半だったと記憶している。
友好式典だかなんだかで、フォーレン王国の国王夫妻と当時はまだ第一王子だったカーライルが招かれた時があった。
その時はすでに義弟のフロリアンが立太子されており、彼は『長男なのに側室腹のせいで玉座をつけない憐れな王子』だと面白おかしく揶揄されて、異国でも肩身の狭い思いしていた。
同じように長男だが玉座を逃しているパックは、そこに至る経緯はまるで違えど似たような境遇に興味を引かれ、滞在中に彼の世話役を買って出た。
しかし……何をすればいいのかとっさに思いつかなかった。
女子ならそれこそお茶会でもやれば半日くらいあっという間に潰れるが、男同士だとそうもいかない。
カーライルは他愛ないおしゃべりをしそうにないタイプだったし、剣の腕が立つという噂だったから試合したところで即負けそうだし、書庫で読書というのは自分が耐えられない。活字なんて三秒で眠気が来る。
考えあぐねいた挙句、手っ取り早く暇を潰せる庭の写生に連れ出すことにした。
勉強以外でペンや鉛筆を持ったことのないカーライルに絵を教えるのは、絵画に限っては天才肌だったパックにはなかなか骨が折れることだったが……一生懸命目の前の景色を写し取ろうとする彼の横顔は真剣な中にも喜びや楽しさが満ちていて、ひどく拙い絵なのにキラキラと輝いて見えた。
改めて自分のスケッチブックに目を落とす。まるで風景を切り取ったかのように、細部に至るまで緻密に再現できている自負がある。だが、それだけだ。
その時パックは痛感した。
好きなことに没頭するということは、熱中するとは、こういうことなのだと。
「そこでズブの素人から『なんでも楽しまなきゃ意味がねぇ』って、当たり前なのに大事なことを学んだ俺は、本当に絵は自分にとって楽しいモンなのか、改めて向き合うことにした。親とか家業とか将来とか周りの思惑とか、そういうのを全部取っ払って、ひたすらに絵と向き合って――ようやく思い出したんだよ、絵を描き始めた頃に感じてたワクワクとかドキドキとか、褒められた時にすごく嬉しかったとか、とにかく絵を描くのが楽しいって気持ちを」
それがいつの間にか現実逃避の材料になっていた。
優秀すぎる弟に対するコンプレックスとか、周囲からの評価とか、一進一退を繰り返す母の病状とか――自分では気にしていないつもりでも、様々なプレッシャーから心を守るために自然とそうなったのかもしれない。
「だからさ、お前もいっぺん頭を空っぽにして絵を描いてみろ。そしたら、本気でやりたいことなのかどうか、本当に好きなのかそうじゃないのか、きっと分かると思う」
「パック先生……」
「俺はたまたま絵に生きる道を見出した。けど、お前はそうじゃないかもしれない。人生に正解なんかないが、一度きりのモンだから後悔しない道を選べよ」
時は少し流れて。
親子間できっちり腹を割った話し合いが行われたのか、レニがしっかり向き合った結果絵の道に見切りをつけたのか、「ついに家具店のドラ息子がおとなしく跡を継ぐ気になった」という噂を聞いた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。