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第五部 風雲急編
危機一髪と熊さん
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身バレした上子供たちに見つかってしまった今、そのまま回れ右でトンズラするわけにはいかなくなった。騎士たちに事情を話して中に入れてもらい、あの子たちの相手をしてから帰らないとへそを曲げそうだ。
空気の読める大人たちがあとから言い聞かせてくれるとは思うが、無邪気なちびっ子たちの期待を無碍にするのも心苦しいし、この歳で「大人は平然と裏切るものだ」と刷り込みをしてしまうのは教育上よくない。
ひとまずテッドに交渉を任せるべく、一度引っ込めた体を再び外に押し出したところで、騎士たちの怒鳴り声が聞こえてきた。
「おい、お前たち。こんなところで何をしている! 今はお二方のお言葉を頂戴する時間のはずだぞ!」
「お前らみたいな薄汚いクソガキが、殿下方とまみえるなど一生かかってもあり得ないというのに、その奇跡を無駄にするのか!? さっさと戻れ!」
「えー、やだ! つまんないし!」
「おうじさまのおはなし、ぜんぜんわからないもん!」
王太子のありがたいお言葉をつまらないと一刀両断する子供の主張に、朝礼で校長先生の長話を聞き流していた前世を思い出してつい吹き出してしまった。
食い意地の張っている子供たちのことだから、自分の取り分をもらっても余りが出ることを期待して鍋の傍に張り付いているはずで、こんなところをウロついているのはおかしいと思っていたが、お堅い演説を垂れ流されていてじっとしていられるわけがない。
しかし、今後のことを考えれば忍耐力もつけさせる必要があるが、どうして伝えたものか……と呑気なことを考えている場合ではなかった。
子供と直接相対していた騎士は、笑って済ませてくれるほど心が広くなかったのだ。
「ちっ、不敬極まりないガキどもめ! この場で斬り捨ててやる!」
「え、ちょ……!」
不穏な空気を察知してとっさにドアを開けて身を乗り出すと、騎士が腰に佩いた剣を抜き払った。
「ちょ、ちょちょちょ、ちょい待ち、ちょい待ち!」
ジゼルが転がるように馬車から飛び出すのと同時に、テッドが動いた。
足元に転がっていた石を掴むと、剣を持つ手に目がけて剛速球を投げつける。
「痛っ……!」
「え、一六〇キロ越え……?」
プロ野球選手もびっくりの剛速にして正確無比の投石が手の甲に激突した騎士は、剣を取り落とすことはなかったが、痛みに顔をしかめてテッドを睨みつける。
「使用人風情が、邪魔をするな!」
「何をおっしゃるやら。私は使用人として、主の命令に従ったまでですよ」
「オイコラ、ウチはアンタになんも言うてへんで。まあ、ええ仕事してくれたから構へんけど」
厚顔無恥にしれっと返すテッドにジト目になってしまうが、彼のおかげで子供たちが助かったので掘り下げるのはやめる。
「どうも、こんにちは。そこの食えん男の主やってます、ジゼル・ハイマンです」
ここから先は自分が話をした方が早くまとまるだろうし、テッドを後ろに下げて対応をバトンタッチすると、騎士は彼女の方を向きながらゆっくりと剣を降ろす。
「ちっ、ハイマン公爵家の令嬢か」
「このあたりの再開発に携わっていると聞くが、視察にでもいらしたのですか?」
「ええ、そうです。ウチの知り合いの子らが失礼を働いて、えらいすんませんでした。あの子らにはよく言うて聞かせますから、そんな物騒なモンは仕舞ってもらえます?」
王宮騎士に取り立てられるのだから、爵位があるか平民でもかなりいい家柄の出のはずだが、公爵令嬢に対抗しうる身分の持ち主が立ち番を任されるはずがない。
その予想は当たっていたようで、騎士は渋々という様子ながら剣を鞘に納めてほっとしたが、これでお終いというわけではない。
「ジ、ジゼルさま……」
普段から肝っ玉母さんからの雷を落とされても平然としている子たちだが、さすがにむき身の剣を突きつけられて命の危機を感じたせいか、泣きべそをかきながら地面にうずくまっている。
この子たちには今後同じことが起きないよう、言っていいことと悪いことをちゃんと教えないといけないが……まずは落ち着かせる方が先だろう。
「はいはーい、ジゼルちゃんやで。ウチが来たから、もう大丈夫や」
「う、うわーんっ!」
しゃがんで手を広げて見せれば、次々にジゼルのむっちりボディに抱きついて、わんわんと泣きじゃくる。代わる代わる震える背中を撫でて彼らを慰めてやっていると、
「おい、一体なんの騒ぎだ?」
「あ、マシューさん……」
子供泣き声を聞きつけてか別の騎士がやってきた。
やけに野太い声だなと思いながら振り返ると、熊さながらの巨体が近づいてきて驚いたが、いかつい体躯に対して愛嬌のある顔立ちをしているので不思議と親しみが湧く。
それに、マシューという名前には聞き覚えがあった。
「……もしかして、アンの婚約者のデフォーさん?」
「そうだが……ああ、ひょっとしてジゼル・ハイマン嬢ですか。アン嬢やトーマ殿からよく話を聞いていますよ。お会いできて光栄です」
初対面なのに素性を言い当てられ一瞬警戒した様子だったが、特徴的な顔面と言葉遣いのおかげか、すぐに婚約者の友人だと分かって表情を緩めて一礼をする。
会計係とは思えない逞しすぎる容貌だが、人食いモンスターのような狂暴な熊というよりも、森で落とし物を拾ってくれそうな親切な熊さんといった雰囲気で、お子様のアンが懐くのもよく分かる。
「ところで、先ほど騒がしかったようですが、部下が何か失礼を?」
「あー、いや。そういうわけやないです。そこの騎士さんらはこの子らが騒いでたんを注意しただけなんで、気にせんでください」
「……そうでしたか」
子供相手に剣を抜いたことを告げ口されることを恐れ、とっさに身を固くした騎士だが、思いがけず庇われてバツ悪そうに視線を逸らす。
マシューは彼の変化を見逃さず、何かを悟ったように目を光らせたが、ここで叱責して話を拗らせてもいいことはないと考えたのか、ジゼルの弁に素直にうなずいたのち、子供たちの前にしゃがむ。
「君たち。もうすぐ炊き出しが始まるから、公民館前に戻ろうか」
ひとしきり泣いて落ち着いてきた子供たちも、突然目の前に出没した熊男に一瞬ビクリと肩を震わせたが、優しそうな笑顔とご飯タイムの告知にパッと瞳が輝いた。
「え、ホント?」
「おうじさまのおはなし、おわった?」
「ああ、終わったよ」
「やった、ごはん!」
「ごはんだー!」
「あー! こらこら、ちょい待ち!」
変わり身の早い子供たちが、すっくと立ち上がって駆けだそうとしたが、ジゼルはすかさず首根っこを掴んで引き留め……ようとしたが、運動不足のおデブが俊敏なちびっ子に勝てるはずもなく、代わりにテッドがまとめてひっ捕まえてくれた。
できる従者でありがたいことだ。
空気の読める大人たちがあとから言い聞かせてくれるとは思うが、無邪気なちびっ子たちの期待を無碍にするのも心苦しいし、この歳で「大人は平然と裏切るものだ」と刷り込みをしてしまうのは教育上よくない。
ひとまずテッドに交渉を任せるべく、一度引っ込めた体を再び外に押し出したところで、騎士たちの怒鳴り声が聞こえてきた。
「おい、お前たち。こんなところで何をしている! 今はお二方のお言葉を頂戴する時間のはずだぞ!」
「お前らみたいな薄汚いクソガキが、殿下方とまみえるなど一生かかってもあり得ないというのに、その奇跡を無駄にするのか!? さっさと戻れ!」
「えー、やだ! つまんないし!」
「おうじさまのおはなし、ぜんぜんわからないもん!」
王太子のありがたいお言葉をつまらないと一刀両断する子供の主張に、朝礼で校長先生の長話を聞き流していた前世を思い出してつい吹き出してしまった。
食い意地の張っている子供たちのことだから、自分の取り分をもらっても余りが出ることを期待して鍋の傍に張り付いているはずで、こんなところをウロついているのはおかしいと思っていたが、お堅い演説を垂れ流されていてじっとしていられるわけがない。
しかし、今後のことを考えれば忍耐力もつけさせる必要があるが、どうして伝えたものか……と呑気なことを考えている場合ではなかった。
子供と直接相対していた騎士は、笑って済ませてくれるほど心が広くなかったのだ。
「ちっ、不敬極まりないガキどもめ! この場で斬り捨ててやる!」
「え、ちょ……!」
不穏な空気を察知してとっさにドアを開けて身を乗り出すと、騎士が腰に佩いた剣を抜き払った。
「ちょ、ちょちょちょ、ちょい待ち、ちょい待ち!」
ジゼルが転がるように馬車から飛び出すのと同時に、テッドが動いた。
足元に転がっていた石を掴むと、剣を持つ手に目がけて剛速球を投げつける。
「痛っ……!」
「え、一六〇キロ越え……?」
プロ野球選手もびっくりの剛速にして正確無比の投石が手の甲に激突した騎士は、剣を取り落とすことはなかったが、痛みに顔をしかめてテッドを睨みつける。
「使用人風情が、邪魔をするな!」
「何をおっしゃるやら。私は使用人として、主の命令に従ったまでですよ」
「オイコラ、ウチはアンタになんも言うてへんで。まあ、ええ仕事してくれたから構へんけど」
厚顔無恥にしれっと返すテッドにジト目になってしまうが、彼のおかげで子供たちが助かったので掘り下げるのはやめる。
「どうも、こんにちは。そこの食えん男の主やってます、ジゼル・ハイマンです」
ここから先は自分が話をした方が早くまとまるだろうし、テッドを後ろに下げて対応をバトンタッチすると、騎士は彼女の方を向きながらゆっくりと剣を降ろす。
「ちっ、ハイマン公爵家の令嬢か」
「このあたりの再開発に携わっていると聞くが、視察にでもいらしたのですか?」
「ええ、そうです。ウチの知り合いの子らが失礼を働いて、えらいすんませんでした。あの子らにはよく言うて聞かせますから、そんな物騒なモンは仕舞ってもらえます?」
王宮騎士に取り立てられるのだから、爵位があるか平民でもかなりいい家柄の出のはずだが、公爵令嬢に対抗しうる身分の持ち主が立ち番を任されるはずがない。
その予想は当たっていたようで、騎士は渋々という様子ながら剣を鞘に納めてほっとしたが、これでお終いというわけではない。
「ジ、ジゼルさま……」
普段から肝っ玉母さんからの雷を落とされても平然としている子たちだが、さすがにむき身の剣を突きつけられて命の危機を感じたせいか、泣きべそをかきながら地面にうずくまっている。
この子たちには今後同じことが起きないよう、言っていいことと悪いことをちゃんと教えないといけないが……まずは落ち着かせる方が先だろう。
「はいはーい、ジゼルちゃんやで。ウチが来たから、もう大丈夫や」
「う、うわーんっ!」
しゃがんで手を広げて見せれば、次々にジゼルのむっちりボディに抱きついて、わんわんと泣きじゃくる。代わる代わる震える背中を撫でて彼らを慰めてやっていると、
「おい、一体なんの騒ぎだ?」
「あ、マシューさん……」
子供泣き声を聞きつけてか別の騎士がやってきた。
やけに野太い声だなと思いながら振り返ると、熊さながらの巨体が近づいてきて驚いたが、いかつい体躯に対して愛嬌のある顔立ちをしているので不思議と親しみが湧く。
それに、マシューという名前には聞き覚えがあった。
「……もしかして、アンの婚約者のデフォーさん?」
「そうだが……ああ、ひょっとしてジゼル・ハイマン嬢ですか。アン嬢やトーマ殿からよく話を聞いていますよ。お会いできて光栄です」
初対面なのに素性を言い当てられ一瞬警戒した様子だったが、特徴的な顔面と言葉遣いのおかげか、すぐに婚約者の友人だと分かって表情を緩めて一礼をする。
会計係とは思えない逞しすぎる容貌だが、人食いモンスターのような狂暴な熊というよりも、森で落とし物を拾ってくれそうな親切な熊さんといった雰囲気で、お子様のアンが懐くのもよく分かる。
「ところで、先ほど騒がしかったようですが、部下が何か失礼を?」
「あー、いや。そういうわけやないです。そこの騎士さんらはこの子らが騒いでたんを注意しただけなんで、気にせんでください」
「……そうでしたか」
子供相手に剣を抜いたことを告げ口されることを恐れ、とっさに身を固くした騎士だが、思いがけず庇われてバツ悪そうに視線を逸らす。
マシューは彼の変化を見逃さず、何かを悟ったように目を光らせたが、ここで叱責して話を拗らせてもいいことはないと考えたのか、ジゼルの弁に素直にうなずいたのち、子供たちの前にしゃがむ。
「君たち。もうすぐ炊き出しが始まるから、公民館前に戻ろうか」
ひとしきり泣いて落ち着いてきた子供たちも、突然目の前に出没した熊男に一瞬ビクリと肩を震わせたが、優しそうな笑顔とご飯タイムの告知にパッと瞳が輝いた。
「え、ホント?」
「おうじさまのおはなし、おわった?」
「ああ、終わったよ」
「やった、ごはん!」
「ごはんだー!」
「あー! こらこら、ちょい待ち!」
変わり身の早い子供たちが、すっくと立ち上がって駆けだそうとしたが、ジゼルはすかさず首根っこを掴んで引き留め……ようとしたが、運動不足のおデブが俊敏なちびっ子に勝てるはずもなく、代わりにテッドがまとめてひっ捕まえてくれた。
できる従者でありがたいことだ。
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