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111話 最後の復讐
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さぁ、最後の復讐に参りましょう。これでおしまい。
ルーフェス公爵夫人として、やられたらやり返す。最後まできっちりと務めあげてみせますね。
「お集まり頂き、ありがとうございますーークリプト伯爵家の皆様、マルクス伯爵家の皆様」
私が出したルーフェス公爵家の招待状は、たった二通。実家と、元・義実家に宛てたもののみ。
元・マルクス伯爵邸にあった豪華絢爛な庭と違い、ただただ広いグラウンドみたいな庭に、ポツリと用意した真っ白い長いテーブルに、椅子。
用意された椅子に座る面々は、エレノア、カインを除けば、皆、顔色が悪く、さらにお父様を除くお母様、マルクス伯爵夫妻は、ガタガタと怯えるように震えていた。
「ルエル!」
空気も読めず、気安く私に声をかけ、傍に近寄ろうとするカインを、ヴェルデとサンスの両方が道を塞いで止めた。
「お席にお戻り下さい。ルエル様に近付くことは許しません」
2人とも、成長しましたねーー!みっちりと敬語を教え込んだ甲斐がありました!
カインは納得いかない様子だったが、もう二人の強さを知っているからか、逆らわずに席に戻った。読んでいないけど、カインからの手紙は毎日送られてきている。
初回の手紙のままなら、未だに勘違い全開で、私が貴方を好きだと思ってるのでしょうね。
「……ルーフェス様、ルエル。この度、ルーフェス公爵家に私達を招いた理由をお聞かせ頂けますか?」
テーブルの上には、最低限のお茶の用意のみで、お菓子も料理も無い。歓迎されていないのは明白で、何も考えていないお馬鹿なエレノアとカインを除けば、ただ家に招待されたワケでは無いと理解している。
「そうよ!早くしてよね!私には、まだ小さい子供がいるのよ?ルエルお姉様には子供が出来ないから分からないと思うけど、子供のお世話って大変なの!私、疲れてるの!」
多分、この場にいる誰もが、お前、育児全然してねーのに、よく言うよ。って思ってると思いますよ。
エレノアが育児放棄をしているのは、この場にいる誰もが知ってる。なのに、私にマウントを取りたいがために平気で嘘をつくエレノア。
無能な貴女が、唯一私に勝てることだものねーーー今までは。
「やっぱり、子供のお世話って大変なのね。私も、子供が産まれたら頑張らなきゃ」
「ーーぷっ。ルエルお姉様ってば、何言ってるの?」
吹き出して笑うエレノアは、私に子供が出来るなんて、考えても無いのでしょうね。
「子供が産まれたら、なんて。まるで、ルエルお姉様に子供が出来たみたいな言い方ーーー」
いつもいつも、子供のことだけは、貴女が羨ましかった。貴女の言葉が、私をいつも傷付けた。でも、残念、それも今日でおしまいよ。
「ええ、そうよ。私、子供が出来たのーーーメトとの子供よ」
ニッコリと満面の笑みを浮かべて、皆様に妊娠を告げる。皆様の驚いた顔がとても滑稽で、いい気味。
「嘘だ!ハズーールエル…様に、子供なんてーー!」
危なかったですね、元・お義父様。ここでハズレ嫁だなんて言っていたら、愚か過ぎて目も当てられませんでしたよ。
「本当ですよ。安定期に入りましたので、ご報告しようと思いまして、皆様をお呼びしました」
「そんっーーー何で!どうしてだよ、ルエル!どうしてーーー僕の時は出来なかったのに、今、子供なんか出来たら、君は僕の元に戻ってこれなくなるんだぞ?!」
あーあ。元・お義父様は思い留まったのに、カインは遠慮なく、愚かな発言を繰り出しますね。
「マルクス伯爵愚息ーーカイン、今の発言はどういうつもり?まさか俺から、妻を奪おうとでも?」
ほら、私の旦那様がお怒りじゃない。
ただでさえ、妊娠してからというもの、メトってば凄い過保護になったんだから……。
「いや……その、ル、ルエルは、僕のことをまだ好きでーー僕を好きなのに、ルーフェス様の傍にいるなんて、ルーフェス様に失礼だと思ってーー」
「へぇ。それは初耳だね」
「そ、そうなんです!だから、ルエルを僕に返して下さい!ルーフェス様も、自分を愛していない妻を傍に置くのは嫌でしょう?!」
「……そうだね。もしそれが本当なら、俺は君を始末しないといけなくなるね」
「ーーへ?始末?」
魔力を持たない私達でも肉眼で分かるほど、カインの周りに、強い魔力の渦が見えた。
「ひっ!」
「俺はルエルを愛してるからね。他に好きな男が出来ようとも、ルエルを手放すつもりは無い。でも、他に好きな男がいるのは不愉快だよね。それならーーーいなくなって貰うのが1番手っ取り早いよね」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
え。それ、演技ですよね?本気ですか?いや、他に好きな男を作るつもりは毛頭無いですけど、怖いーー!!
ふと、ラットの方を見たら、笑顔で頷かれた。
それは、本気だから、頑張ってメトの愛を受け止めろよ!と言われてる気がした……。
「ちちち違います!ルエルは、僕を好きじゃありません!」
呆れた……あれだけ、ルエルは自分のことを好きだと言い張っていたのに、結局、命惜しさに簡単に手のひらを返すのね。
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