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紅の魔法使い
ケイ先生
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「やぁやぁ!これは失敬!良く来たね!えーーっと、キリアちゃん!だね!俺はケイ。この家の主で、クラ、ジュンの保護者だ。よろしくね」
クラとジュンに水を飲まされたり、背中をさすられたりと介抱されつつ、少し酔いを覚ましたケイは、扇子を振りながらキリアに挨拶+自己紹介をした。
「……」
あのまま森にいても、行き着く先は死だったから、連れて来てくれた事には感謝してるけど、色々と追い付かない。
魔法凄いなぁ。とか、先生もイケメンだなぁ。とか、酔い潰れてたなぁ。とか、色々あるけど、何より、気になったのはーーーキリアは、ケイの紅い瞳に視線を向けた。
「ああ。やっぱり気になる?」
「…はい」
私が軟禁されていて、屋敷から出た事が無かったのも要因の一つなのかもだけど、私以外の紅い瞳の持ち主に会うのは、これが産まれて初めて。屋敷にいた人達、家族、使用人含め、私以外に紅い瞳の持ち主はいなかった。
そもそもが、屋敷に軟禁されて、この世界の事をほぼ何も教えられずに生きてきた私にとって、紅の瞳が、人口としてどの位いるのか、珍しいのか、どうして不吉と言われているのか、何も分からない。
「今の時代、この瞳は生き辛いからなぁ。君が、家族からどうゆう扱いをして育ったかは、見れば分かるよ」
ボロボロの服に、荒れた手足。栄養の届いていない痩せこけた体。満足にお風呂にも入れていない、不衛生な身体。
「安心して良い。君も俺がこのまま預かる。君が望むまでここで暮らせば良い」
「え?!い、いいんですか?」
大変有難い申し出に、キリアは食い気味で飛び付いた。
家に帰されても、また悲惨な目に合うのは目に見えてるし、また森に捨てられるし、かと言って、1人森に放置されても、野垂れ死ぬしか道は無い。
「いーよ。いやぁ、むさ苦しい男3人暮らしだったから、これから花が出来て良いじゃないか!」
随分簡単に判断してるみたいだけど、本当に良いのかな?自分で言うのもなんだけど、正直、得体の知れない女の子をそんなに簡単に面倒見る。なんて言って良いの?
「私を預かると言ってくれたのは、私が、紅い瞳だからですか?」
それ以外に理由が思い付かない。今まで、この目の性で迫害されてきたけど、同じ紅い瞳だから、優しくしてくれるの?
「勿論、それが大きな理由だね」
否定しない。正直に答えてくれる。
「……どうして?」
今までこの目で、優しくされた事なんて1度も無い。
「紅い瞳は呪われて無いから。紅い瞳は、特別な証。神様から愛されている証なんだ」
「そうなんですか?!」
「そ。いやぁキリアちゃん、すっごい綺麗な紅い瞳してるよねー!魔力の量も半端ないんだろうなー!!」
思いがけない事実に驚愕する。まさか、神様に愛されている証だったの?!
(いやいやいや、でも、呪われてるって言われてる事には変わりないからね!)
神様的には愛してるつもりなんだろうけど、結果、迫害されるなら本末転倒だ。しかも、特別な実感無いしね、今の所マイナス要素しか無い。
魔力の量?は、紅の瞳なら強いの?なら、私も魔法が使えるようになるってこと?それは嬉しいけど、もう少し考えて欲しかった。瞳の色を目立たないように変えるとか、神様なら出来ない?!出来るよね?!
「因みに、魔力を制御出来るようになったら、瞳の色は元に戻るよー」
ケイはそう言うと、自身の目の色を黒に変えた。
「俺は紅い瞳が気に入ってるから、紅いままでいる事が多いけどね」
「……」
神様は、転生前にそこら辺の説明とか出来なかったのかな?てか、元の色にしといてくれても良くない?神様はそんな融通きけないの?人生イージーモードにしてくれるって約束だったよね?
「因みに、そこの2人も、紅の瞳の持ち主だぞ」
「えぇ?!」
今は薄い綺麗な青い瞳をしているが、ケイと同じ様に、魔力を制御し、元の色に戻しているのだろう。
2人が私の紅い瞳を見ても恐れなかったのは、自分達も、同じ紅の瞳をしていたからーー!?
「改めてよろしくね、キリア。僕はクラ。短剣使いだよ」
そう言い終えると、クラの瞳の色が変わった。
クラの瞳は、自分やケイに比べると色が薄く、ピンクに近く見える。
「……ジュン。魔法使い」
ジュンの色は、私やケイと同じように濃かった。
「……キリアです。よろしくお願いします」
正式名称はキリア=ラナン。だが、親から捨てられた今、ラナンの姓はもう必要無い。他の3人も、同じように姓を名乗らないのは、同じ理由なのかも知れない。
何だか良く分からないけど、とりあえず命拾いしたし……。
紅の瞳さえ隠せれば、普通の生活が出来るようになるかもだし……。ここから、平穏な人生が送れれば、本当は殴ってやりたいくらいだけど、とりあえずは許します!神様!
だからこれ以上、私にハードモードな人生を送らせないで下さい!!
キリアは強く強く強く強く、そう望んだーーー。
クラとジュンに水を飲まされたり、背中をさすられたりと介抱されつつ、少し酔いを覚ましたケイは、扇子を振りながらキリアに挨拶+自己紹介をした。
「……」
あのまま森にいても、行き着く先は死だったから、連れて来てくれた事には感謝してるけど、色々と追い付かない。
魔法凄いなぁ。とか、先生もイケメンだなぁ。とか、酔い潰れてたなぁ。とか、色々あるけど、何より、気になったのはーーーキリアは、ケイの紅い瞳に視線を向けた。
「ああ。やっぱり気になる?」
「…はい」
私が軟禁されていて、屋敷から出た事が無かったのも要因の一つなのかもだけど、私以外の紅い瞳の持ち主に会うのは、これが産まれて初めて。屋敷にいた人達、家族、使用人含め、私以外に紅い瞳の持ち主はいなかった。
そもそもが、屋敷に軟禁されて、この世界の事をほぼ何も教えられずに生きてきた私にとって、紅の瞳が、人口としてどの位いるのか、珍しいのか、どうして不吉と言われているのか、何も分からない。
「今の時代、この瞳は生き辛いからなぁ。君が、家族からどうゆう扱いをして育ったかは、見れば分かるよ」
ボロボロの服に、荒れた手足。栄養の届いていない痩せこけた体。満足にお風呂にも入れていない、不衛生な身体。
「安心して良い。君も俺がこのまま預かる。君が望むまでここで暮らせば良い」
「え?!い、いいんですか?」
大変有難い申し出に、キリアは食い気味で飛び付いた。
家に帰されても、また悲惨な目に合うのは目に見えてるし、また森に捨てられるし、かと言って、1人森に放置されても、野垂れ死ぬしか道は無い。
「いーよ。いやぁ、むさ苦しい男3人暮らしだったから、これから花が出来て良いじゃないか!」
随分簡単に判断してるみたいだけど、本当に良いのかな?自分で言うのもなんだけど、正直、得体の知れない女の子をそんなに簡単に面倒見る。なんて言って良いの?
「私を預かると言ってくれたのは、私が、紅い瞳だからですか?」
それ以外に理由が思い付かない。今まで、この目の性で迫害されてきたけど、同じ紅い瞳だから、優しくしてくれるの?
「勿論、それが大きな理由だね」
否定しない。正直に答えてくれる。
「……どうして?」
今までこの目で、優しくされた事なんて1度も無い。
「紅い瞳は呪われて無いから。紅い瞳は、特別な証。神様から愛されている証なんだ」
「そうなんですか?!」
「そ。いやぁキリアちゃん、すっごい綺麗な紅い瞳してるよねー!魔力の量も半端ないんだろうなー!!」
思いがけない事実に驚愕する。まさか、神様に愛されている証だったの?!
(いやいやいや、でも、呪われてるって言われてる事には変わりないからね!)
神様的には愛してるつもりなんだろうけど、結果、迫害されるなら本末転倒だ。しかも、特別な実感無いしね、今の所マイナス要素しか無い。
魔力の量?は、紅の瞳なら強いの?なら、私も魔法が使えるようになるってこと?それは嬉しいけど、もう少し考えて欲しかった。瞳の色を目立たないように変えるとか、神様なら出来ない?!出来るよね?!
「因みに、魔力を制御出来るようになったら、瞳の色は元に戻るよー」
ケイはそう言うと、自身の目の色を黒に変えた。
「俺は紅い瞳が気に入ってるから、紅いままでいる事が多いけどね」
「……」
神様は、転生前にそこら辺の説明とか出来なかったのかな?てか、元の色にしといてくれても良くない?神様はそんな融通きけないの?人生イージーモードにしてくれるって約束だったよね?
「因みに、そこの2人も、紅の瞳の持ち主だぞ」
「えぇ?!」
今は薄い綺麗な青い瞳をしているが、ケイと同じ様に、魔力を制御し、元の色に戻しているのだろう。
2人が私の紅い瞳を見ても恐れなかったのは、自分達も、同じ紅の瞳をしていたからーー!?
「改めてよろしくね、キリア。僕はクラ。短剣使いだよ」
そう言い終えると、クラの瞳の色が変わった。
クラの瞳は、自分やケイに比べると色が薄く、ピンクに近く見える。
「……ジュン。魔法使い」
ジュンの色は、私やケイと同じように濃かった。
「……キリアです。よろしくお願いします」
正式名称はキリア=ラナン。だが、親から捨てられた今、ラナンの姓はもう必要無い。他の3人も、同じように姓を名乗らないのは、同じ理由なのかも知れない。
何だか良く分からないけど、とりあえず命拾いしたし……。
紅の瞳さえ隠せれば、普通の生活が出来るようになるかもだし……。ここから、平穏な人生が送れれば、本当は殴ってやりたいくらいだけど、とりあえずは許します!神様!
だからこれ以上、私にハードモードな人生を送らせないで下さい!!
キリアは強く強く強く強く、そう望んだーーー。
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