世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!

光子

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「事実だ!俺は馴れ合うつもりは無い!」
「あんなぁルドはん。こんなド田舎の小さな村に住む以上は、多少なりとも繋がりは大切にせなあかんねん。がっつり関われとは言わんから、最低限挨拶はせなあかん」

  本当に初歩的な人との付き合い方を教えられてる…。

「挨拶なんてして何になる?そんなもの、した所で何の役にも立たねぇよ!」

  そうですよね…。貴方そう言って、王様や王子にも一切、挨拶しませんでしたよね。他の人がしたら不敬罪で牢獄行きですよ。
  城にいた時は、ルドがどんな立ち振る舞いをしようが、それで周りがどれだけ怒っていようが、何も思わなかった。
  自由に生きている貴方は、私以外の誰に対しても、そんな態度だから、決して、この村だけを下に見ての発言では無いのでしょう。
  でもーーー

「リーシャ、待たせたな」
  荷物を手に、こちらに駆け寄るレナルド。
「……」
  無言で、そっぽを向く。
「リーシャ?遅くなった…のを、怒っているのか?!それはあいつがーー!!」
「リーシャはん?」
「イマル、お疲れ様でした。思っていたより早く戻ってこれたんですね」
「?おお。掃除任せっきりなのも悪いし、教えなあかんしな」
「イマルは本当に優しいですね」
  レナルドを無視し、イマルとは笑顔で会話するリーシャ。
「リ、リーシャ?」
「……」
  徹底的に無視する。


「お姉ちゃん……怒ってるね」
  そんなリーシャを見たサクヤは、コソッとイマルの方までやって来ると、小声で呟いた。
「せやな。まーでも折角やから、使わせて貰おかな」
「使う?」
  意味の分からないサクヤは、首を傾げた。

「ルドはん、時間もボチボチ無くなってくるし、そろそろ掃除始めよか」
  何事も無かったように、マスクをつけ、先程買ってきた箒とチリトリを手に持つイマル。
「五月蝿い!今それ所じゃねぇ!」
  リーシャに無視されているのが相当堪えているのか、焦っているのが伺える。
「えー何で?リーシャはんに無視されてるだけやん」
「ふざけるな!それがどれだけ辛い苦しみなのか、お前に分かるかーー?!」
「でもルドはん、さっき挨拶なんてしても何の役にも立たんって言っとったやん」
「!それは、リーシャ以外の事でー!!」
「リーシャはんも、ルドはんと話すのなんて何の役にも立たんと思ったんちゃう?」
「なっーー!!!!」
  先程、村の人達に対して言った言葉を、そっくりそのまま返されると、レナルドは激しい衝撃を受けたようにその場に崩れ落ちた。
「俺が…無駄…!リーシャが…!」
「おーい、ルドはーん」
  声をかけるも、激しいショックを受けているようで、イマルの言葉は全く届いていないようだった。
  対して、無視をするリーシャはーーー

  (うう…!心が痛い…!)

  聖女として正しくあるよう生きてきたのは勿論、元来心優しい性格のリーシャにとって、人を無視するのは初めての事!

  (よくこんな……無視なんて出来ますね……逆に胃がキリキリします……!挨拶されているのに無視するなんて……どうゆう心持ちなのでしょう?そう言えば、私も城で1部の侍女達に冷たく無視とかされていましたね……!あの人達も、ある意味強心臓の持ち主なのでしょうか!)

  話し掛けられているのにも関わらず無視をする行為自体がリーシャには合わないらしく、必死で思考を張り巡らせ、レナルドの存在を忘れるようにしていた。

「リーシャ!俺が悪かった!挨拶はする!」
「……絶対ですよ」
「分かった!」

  直ぐに反省してくれて良かったです。無視は私には合わないみたいですから。


「一件落着で良かったわ。ほな、さっさと掃除初めて行こか」
  上手くまとまったのを確認してから、イマルは本題に移った。
  リーシャの時は、完全お荷物リーシャをイマルがスパルタで教えながら、一気に進めたが、今日はイマル以外にサクヤもいるし、リーシャも多少なりと掃除が出来るようになった。が、出来るようになったとはいえ、人に教えるまでは出来ないし、サクヤはレナルドを怖がっているので、必然的にイマルが家事初心者のレナルドの指導係になり、順々に掃除を進めて行く。
  1人より2人、2人より3人。安定で次々と掃除を進め、家は想像していたよりも早く綺麗になった。


「いやぁ。凄いなルドはん。飲み込み早くて助かるわー」
  想定外は、レナルドだった。
  リーシャと違い、物覚えが早く、1度教えればすぐに理解し、難無くこなす。
「ふん。こんな簡単な事、出来ない筈が無い」

  ルド的には私を馬鹿にしている気は無いのでしょうけど、ズキッと心に来ますね…。

  リーシャは未だに掃除が苦手で、今日だけで簡単にレナルドに先を越されてしまった。手際良くて、ピカピカ…。
「お、お姉ちゃんは、人付き合いがルドさんよりもピカイチだよ!」
「ありがとうございます。サクヤ」
  リーシャの心情を察し、サクヤは慰めるようにリーシャの長所を述べた。

「ルドはん、料理はーー出来へんよな?」
「出来るか」
  一応確認の為に聞いてみたようだが、返答は想像通り。
「リーシャはん達の冒険って一体どんな冒険やったん?ノルゼスはんの負担やばない?」




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