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37話 《完》死に戻り令嬢の復讐
◇
神の誓いを破ってしまったあの日、罰を与えられると思ったけど、意外にも神様は私に罰を与えなかった。もしかしたら、神様は今度こそ幸せになるために死に戻らせてくれたのかもしれない、っと、自分に都合の良いように考えるようになった。
「イリア」
「ケント様!」
エルビスと正式に離婚し、カスターニア子爵家に戻って来た私は、グレイブ兄様の手伝いをしつつ、良好な関係が続いている薬師のケント様の手伝いをしたりして、平和に過ごしていた。
「前に頼んでおいた薬草はある?」
「はい、見付けておきましたよ」
「薬草に詳しくなったね、イリア」
「勉強していますから」
薬草農業が盛んになったカスターニア領では、最早薬草の勉強は幼い頃からスタートされる。私も領主の妹として、小さい子には負けていられない!
「それに、表情が明るくなった」
「……ケント様のおかげです。ケント様が、私を復讐から救い出してくれました。とても感謝しています」
ケント様がいなければ、きっと私は、ここにいない。ケント様は、命の恩人だ。
それに――――
「あ、あの、ケント様……もし良かったら、その、またピクニックにでも行きませんか? お時間がある時で大丈夫です! 私、お弁当作るので……!」
ずっと、普通の恋がしてみたかった。
復讐から解放されて、すぐに恋に落ちた相手は、ケント様だった。
(あれだけ私を助けてくれたんだもん! 好きにならない方がおかしい!)
「ピクニックか、どうしようかな」
「あ……駄目、ですか?」
「嘘、いいよ。イリアの手料理楽しみにしてる」
「! ありがとうございます! 私、張り切って作りますね!」
実らなくてもいい。
ガルドルシア公爵家当主のケント様との恋が実るとは思ってないけど……折角恋愛出来たんだから、もう少し、片思いを楽しみたいな。
「ケント様は、何か好きな食べ物とかありますか? 苦手なものもあったら教えて下さい!」
「……本当のイリアは、随分、愛情が分かりやすい性格をしているんだな」
「何か言いましたか? ケント様」
「何も」
こんな幸せな日々が、ずっと続きますように――
《完》
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