異世界探訪!~VRMMOプレイ記~

劉竜

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第2章

1話~新しい場所へ~

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 洞窟探索後、家を建てていた俺だったが、久しぶりに冒険に出てみることにした。一次職について(ファイター、魔法使い、鍛治屋の三つについた)、初めて探索に出る。場所はいつもの場所のさらに奥。スライムにフルボッコにされた場所のさらに奥だ。
 現地に到着すると、エルフっぽい感じの少年がいる。誰だろうと声を掛けると、「師匠!」という返事。ノームか。こいつは洞窟探索後、気分ばらしに郊外を歩いていると「そこの人ぉ、助けてくださぁぁい!」という悲鳴と共にスッポンとラビットンの団体さんに追われていたところを助けたんだが、なぜか師匠と呼ばれるようになってしまった。弟子なんてとってないし。師匠って言うな。
 とにかくなぜここにいるのか聞いてみると
「そろそろこちらに参る頃合いかと思いまして、待っておりました!」とさ。なんなの、一体。おまけに
「どういうことかな?」と聞くと
「ピピッと感じたっていうか何て言うか…」と。
要するに勘かよ。しかもそろそろここに来ると思ってここにいたんだろ…当たっちゃってるし。おまけに「師匠、つれてってください!」とか言い出したし。ここで返してもストーカーのように付きまとわれそうだなぁ。そう考えた俺は連れていくことにした。ん?もちろん条件付きに決まってるじゃないですかぁ。

 郊外の平原のまわりは森のようで、ラビットンとかスライム、他にはゴブリンらしきやつがいる。うん、ゴブリンらしきやつ。
「師匠、あのゴブリンみたいなのってなんなんですか?」
いや、俺も来たことないから分かんないんだけど。とりあえず適当に「そんなことは戦って自分で考えろ」的なこと言っといたが。
 ノームの腕は出会った頃と比べてよくなっている。あくまでも比べてだが。最初なんてエルフの十八番の弓さえも満足に使えないというレベルだったし。当てれてる分だけまだいいよ。弓使えないエルフって微妙だけど。多分、ほとんどの人がエルフってきたら弓だもん。笹みたいな耳もあるか。あ、ノームには笹みたいな耳はあります。笹穂耳でいいのかな、ノームにはあります。笹穂耳。
 ノーム一人じゃどうしても倒しきれないので、まずノームが弓で攻撃。次に俺が魔法で燃やすor凍らせる。最後に俺が大剣で叩っ斬る。この連続でモンスターを倒していく。たまにノームが精霊魔法?でモンスターを攻撃する。ノームが魔法を撃つと大抵範囲魔法なので俺が魔法で片付ける。一日かけて討伐していると、帰り道が分からなくなった。そういや、森で迷うってお約束だよね…最悪変なやつが来て大変なことになるよね。いつかのあれみたいな。

 森で迷って彷徨うこと数十分。右前方から人の話し声がする。誰かいるのかと思い、ノームにここで待つように言って一人で声がする方へ向かった。近くの木に隠れると、チラ見するように話している人たちを見る。話しているのは…あれ?人じゃない?いや、人二人とドワーフ、エルフ、鳥人の五人だった。人とドワーフがどこか場所を聞いているようだ。声は…ほとんど聞こえないな。ただ、「ま……ある?」とか、「ま……は…う」と右手で俺から見て右を指しながら何か言い返している。街か?いや、地名かもしれない。とにかくどこか場所を聞いているのは間違いない。そろそろ戻るか。ひとまずこの木からあっち側と、覚えてノームの元に戻った。
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