異世界探訪!~VRMMOプレイ記~

劉竜

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第3章

7話~機巧騎士の提案を蹴る~

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 両者の間が開いてからおよそ三十秒。機巧騎士がこんなことを言い出した。
「汝ら、なかなかやるようだ。初めの言葉は取り消そう。しかし!そこで倒れている男は全身がしびれて使い物にならぬ。そして残っている戦力はそっちの女子のみ。ここまで頑張った褒美に一つ、提案をしてやろう」
提案?一体何を言い出すんだ?
「その内容は…一つは今ここで戦いを終わらせて汝らの街に無事に戻るか。二つ目は…そうだな、あくまでも私を倒すか、だ。どちらを選んでも構わぬ。ただし、今すぐ街に戻るというのなら、今回手にいれたであろう素材はすべて置いていって貰おう。そうすればその男を治療し、街に返す。どうだ?悪い話では無かろう?」
確かに、ここまで強いとは思わなかった。このままひとまず帰れるというのならこの提案に乗ってもいい。ただ、素材をすべて置いていくってのはきついがな…。こればっかりはメイが決めるしかない。俺は声がちゃんと出せないからな。で、肝心のメイは…こっちに「どうする?」といった目線を向けているな。どう伝えようか。頷くだけでは間違えられるかもしれない。いや、無理に声で伝えようとしなくてもいいのか。パーティを組んでいるのだから、パーティチャットで伝えればいい。
〈俺は戻っても構わない。メイに任せるよ〉
〈わかりました~。私はまだ戦ってみます~〉
え?マジ?見間違いだよね?
「そこで倒れている人は返してくださ~い。私はまだ戦いま~す」
ああ、幻聴が聞こえる~。
「一人だけ返すことは出来ぬ相談だ。バラバラにはさせられん。残念だがな」
嘘でしょ。あ、ランスの先をこっちに向けてきた。ぐっさりやる気だ。
「もう一度問う。街に戻るか?それとも戦うか?」
ああ、メイの答えによっては喉の辺りにぐっさりか。でも、デスペ貰ってまた来れるっちゃあ来れるけど…なるべく死に戻りとかはしたくないなぁ。で、肝心のメイの答えは、
「………。耀一、逃げてくださいね~?」
あ、まじですか。とにかく、刺される前に、横に転がろう。どうにかなるでしょ。
「まだ戦いま~す」
はい、来た。機巧騎士がまっすぐランスを降ろしてくる。俺はどうにか転がって避けた。ある程度しびれはとれてきたので、耐久がかなり減っているであろう鉄の両刃剣を構える。意外そうに機巧騎士が言う。
「む?避けた、か。なかなかの根性だな。しかし…そういうのを悪あがきと言うのではないのか?」
悪あがきでも何でもいいよ。どうにか生き残ってやるから。要は勝てばいいんだ。勝てば。勝てなくても実力を認めさせなきゃいけないんだ。
 再び戦闘が始まってから十分が経過した頃だろうか。俺とメイは満身創痍だが、機巧騎士はまだまだ余裕そうな感じだ。十分間、ひたすら防御。メイは回復。時々攻撃魔法を撃つが、ランスによって無効化されてしまっている。一度だけ魔法をランスで裁いているときに剣で斬りかかろうとしたら逆に盾で飛ばされた。そのあともう少しで完全に崩されるところまで持っていかれた。くそ、ここに壁になってくれる人がいれば…。
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