異世界探訪!~VRMMOプレイ記~

劉竜

文字の大きさ
上 下
43 / 110
第7章

4話~行きはよいよい、帰りは恐い、みたいな?~

しおりを挟む
 休憩が終了し、ダンジョン内を彷徨うこと一時間。戦果は上々で沢山の強化素材を手に入れることが出来た。
「そろそろダンジョンから出るか?」
俺が皆にそう提案してみたところ、全員賛成したので帰途につく。

 で、今は探索中に見つけた二つ目のモンスターハウスにいる。実はここは部屋自体が罠になっていて、部屋に入った途端出口が無くなるというものだった。幸い、出現してきたドラゴンも数が数えるほどしかいなかったのでサックリと制圧し、先に進んだ、というわけだ。こういう罠って、今回もそうだけどメンバーを分断されることがあるから以外に侮れないんだよな…
 ここから最初に制圧したモンスターハウスまでは結構距離があり、討伐したドラゴンもほとんどが一つ目と二つ目のモンスターハウスの間で出てきた。
 帰りもおそらく大量に出てくるんだろうなぁとか思いながら先に進む。実際はその通り一回遭遇するごとに大体七~八体位でてくる。もう三回目だよ…距離的にはまだ十分の一も進んでないんだが…まぁ、サックリと終わったが。
 そのまま進んでいくこと二分。再びドラゴン登場。ただ、なんか色違いのやつがいてまるで指示を出してるみたいだ。
「耀一、あれは?」
「わからないな。ただ、指揮官クラスのドラゴンだということはわかるが…」
「指揮官、ですか~。強さも一段階くらい上なんでしょうかね~?」
あー、確かに。大概指揮をしてるやつっていうのはこういう場ではかなり強い。実戦で叩き上げられてるやつなんかはもっと恐ろしいが。てか、ここにも沢山のプレイヤーが挑戦に来てるはずだし…最悪、歴戦の猛者ってことも考えとかなきゃな。
 ともかく、戦闘を開始。まずしょっぱなに今回のダンジョン攻略で後半辺りからお世話になってるスキル同士の合わせ技を使う。今回はダスト系魔法を『守護の王』で展開される盾に纏わせ巨大な障壁みたいなものを張る。これ、各属性の障壁が出来るからなかなか便利なんだよね。火には水の、水には土の、みたいに。
 障壁を張り、防御体制が整ったので、メイが一発でっかい魔法を使う。最初のモンスターハウス周辺のドラゴンならこれで倒せるんだが、二つ目のモンスターハウス周辺のドラゴンはほとんどが耐えきっている。なのであくまでこれは体力を減らすためだけの攻撃。本番はゴロウの大剣によるなぎはらい、ウィーさんの攻撃ポーションによる攻撃で数を減らしていく。その間、カナとミユが支援魔法を使い、二人の支援を行う。ちなみにミユはこの間魔法特化になることに決めたそう。今回始めに魔法を撃たなかったのは攻撃力の低さとターゲットをもらった場合の回避行動がまだおぼつかないからだ。
 対するドラゴンの方は、指揮官ドラゴンが共にいた二体のドラゴンに指示を出していた。その直後、その二体のドラゴンは駆け出す。向かっている場所的にカナとミユ、メイの三人を狙っているようだ。なので、『守護の王』をずっと使っていたお陰で増えた盾を三人の方に一部回す。残りはウィーさんの方の防御に使う。ゴロウは大剣で防御できているので必要なしと判断した。なので盾を回していない。
 で、ドラゴンの別働隊二体は思った通り後ろの三人目当てだった。まぁ、防御はこちらの盾が自動でしてくれるので後は任せとこう。これ、集中力を使うからなぁ。数値的な減少は無いけど集中力を使うっていうのは長期戦には向かないんだよな…数値的な減少なら回復薬でも使えばいいけど、そうじゃないものは時間と意識でしかどうにもなら無いからな。
 さて、前衛の方は、もうすぐで指揮官ドラゴンと対峙するな。しかし、改めてみるとあの指揮官ドラゴンの体ってまるで水晶みたいだな…レベル〇〇イブのゲームに出てくるドラゴンみたいな。あれ?てことは以外と硬い…?
しおりを挟む

処理中です...