異世界探訪!~VRMMOプレイ記~

劉竜

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第11章

1話~第一次防衛戦・始まり~

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 エルフの村がある森の中から何かが迫ってくる様子がうかがえる。ガサリ、ガサリと少しずつ、確実にこちらに向かってきている。
「な、なあ、耀一。この戦い、勝てるよな?」
「ゴロウ…勝てるよな?じゃない。勝たなきゃいけないんだ」
「あ、ああ。そうだ、そうだよな。ここで俺たちが弱気になっちゃいけないよな!」
ゴロウの言葉に静かに頷く。そして、開戦の火蓋はゾンビどもが姿を表した瞬間に切って落とされた。
「魔法が使える者は一番の威力を持つ魔法を使え!あいつらの数を減らすぞ!」
後方で指揮を執っている指揮官が叫ぶ声が聞こえる。それと同時に多くの魔法使いプレイヤー、エルフ、ダンジョンからきたモンスターが一斉に詠唱を始める。
「前線組はやつらの気を引き付けろ!ただし、前には出過ぎるなよ!」
さらに別の指揮官の声が聞こえる。前線組ということは俺達のことだ。全三列。一列に九千から一万人(一部人ではない者も含む)いるので総勢二万八千ほど。その中の最前列にいる。ちなみにゴロウも隣だ。
 指揮官からゾンビどもの気を引き付けろと言われたので、ヘイトが上がりやすい攻撃をする。ヘイトの上がり方だが、強力なスキルを使うほどヘイトが跳ね上がる。また、最もヘイトが上がるのが攻撃に対する防御行為と挑発行為だ。なので俺の場合、『光反砕』と『守護の王』の二つがヘイトの上がり具合が良い。まぁ、挑発した方がてっとり早いかもしれないが。無理にスキルでなくてもヘイトが上がるのが挑発なので、防御の合間にちょこちょこ挑発を入れていくと戦闘中はほぼ確実に他にターゲットが移ることはない。
 とはいえ、ざっと数千体はいるので流石にこれだけを一度に相手にするのはきつい。あと俺にとってはどちらのスキルも隠しておきたいスキルではあるので、ピンチにでもならない限りは使わないことにしよう。
 なので、出来ることは片手剣で複数体を同時に切ること。ランスだとこの乱戦じゃ取り回しがしにくいので片手剣にした。とはいっても、こいつもランスには劣るどころか勝ってしまっている。付加効果で剣の方が攻撃力が上になってしまっているのだ。メインよりもサブの武器の方が攻撃力あるってどうなの?
 ゾンビどもを一体ずつ処理しながらも前に出すぎないようにする。今前に出過ぎると大剣の錆にされてしまう。そのくらい大剣使いが暴れまわっているのだ。こういった場面での大剣の破壊力は異常だからな、近づかないが吉だ。
 ここまで暴れまわっていたら時間も経つ。魔法使いの詠唱が完了したらしく、指揮官が「前線組は一時後退!死にたくなければ下がれ!」と指示を出している。
 幸いこの場には味方の攻撃によって死にたいというおかしな脳の方はいなかったようで、全員が素直に後退。後退を確認した直後、空から、地面から、隕石だー太陽だーマグマだーなんだーがゾンビどもを襲う。全て範囲魔法なので姿を見せていたゾンビはそのほとんどが姿を消した。まさに跡形も残らず、だ。
 それでも残ったゾンビや森から出てくるゾンビの数は減った様子がない。それどころか増えている気配すらする。
「前線組、前進!やつらを吹き飛ばせ!」
この指示で前線組が前進し、ゾンビどもとの距離を狭める。ゾンビどもも負けずとこちらに迫ってくる。
 再び前線同士がぶつかり合い乱戦にもつれこんだ。今度はランスで一体ずつ処理する。時々『百連突』を使いながらどんどん前に進む。周りには大剣使いがいて、剣を右に左に凪ぎ払い進んでいる。
 ゾンビどももちらほらと剣やくわ、斧を持った個体が出始めた。おそらくこいつらのいた世界で某ゾンビゲーのように人々がウイルスに感染してこうなっているんだろう。そして人を食らうために偶然出来たこの世界との接点を利用してこの世界に攻めこんで来たということか。ということは、地球の世界人口を考えると、何億という数のゾンビが今この場にいるんじゃないのか?そして、そいつらは数が尽きるまで増えてくるということか?おそらくこの世界の住人がゾンビに食われたら間違いなく敵が増える。下手をすると顔見知りを殺らなきゃいけなくなるということで……それだけは絶対に阻止しなければ。
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