芽生え

こたつみかん

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三話

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「ヤッ……、動いた……」
「自然に動くのォ……?」

 2人が一歩前ににじり寄って来る。
 
 しかし、彼が想像していたような笑いが、2人の顔に戻ることはなかった。

「触ってみる?」

 ハジメも一歩、前に出る。

「ええェ……」

 2人が顔を見合わす。

 1時間ばかり、この2人の相手をしていて、ハジメにはこの少女達の力関係が何となく分かってきた。

 おそらく、少女の方から手を出してくるとすればユウカ。彼の方から強引に触れさせるとすればアオイの手を取った方が、この3人の怪しい関係が崩壊する可能性が低そうだった。

 そんなことを考えながら、ハジメがもう一歩2人に近付いた時だった。

「ああ、私、もう我慢出来ない。いいや、この人になら見られても……」

 ユウカがそう声をあげると、突然ショートパンツのベルトを外し、荒々しく右手を中に滑り込ませた。ショートパンツが自然と彼女の足を滑り落ち、ガチャンとベルトの金具が音を立てる。

 ハジメの目に、小学生にしてはオシャレなショーツの中で、ユウカの手がモゾモゾと動くのがはっきりと見えた。

「ユウカちゃん、オナニー知ってるのか?」
「ウン……。これぐらい、みんな……知ってるよ、ね……? アオイ……」
「えっ? う、うん。まァ、ね……」

 突然、声を掛けられたアオイが肩をビクンと震わせて言葉少なげに答えた。

 そういえば、先程からアオイも腰をモゾモゾとさせて、内股をこすり合わせるようにしているみたいだ。

「見てるだけで、我慢出来なくなっちゃったのか……?」

 ハジメの何気ない一言は、2人の少女、特にアオイのプライドを刺激したのかも知れない。

「ウン、見てるだけじゃつまんない……」

 そんな一言とともに、アオイがサッと手を出し、彼のシャフトを握った。

「ウソォ……、固い……」

 彼女は、シャフトの存在を確かめるように何度も握り直し、汗でじっとりと湿った掌をまとわりつかせてきた。

「ああァ、いいなァ、アオイ……、触らせてもらってるゥ」
「そうじゃないさ、アオイちゃんが自分から触ってきたんだから……」

 ハジメはそう言うと、ユウカの左手を取って、同じようにシャフトに導いた。

「あのさァ、男の人って、こうすると、よくなるんでしょ……?」

 ユウカはスリットを触っていた右手もシャフトに添えると、ぎこちない手つきで前後にこすり始めた。 
 その右手の指先にわずかな湿り気を感じたのは、ハジメの錯覚だろうか。

「あぁ、そう。男の人のオナニーでしょ?」

 そう言ったのはアオイだった。彼女はシャフトをユウカにゆずるように手を引くと、熱っぽい視線をシャフトとそれをしごく友達の手に注いだ。

「こんな感じでいいの……?」

 はっきり言って、力の入れ方もリズムも、とても効果が出るとは思えないものだった。

「本当は、もうちょっと力を入れて、早さも早いけど、やり方はそれでいいよ」

その時、ハジメはユウカが真剣に自分の射精を見たがっているとは思っていなかった。だからこそ、気軽にそんな説明が出来たともいえる。

 ところが、ユウカはコクンと頷くと、シャフトを包み込む両掌に力を入れ、一気に手を動かす速度を早めた。

「オ、オイ……。そんなにしたら……」

 ハジメが慌ててその手を止めようとする。

「いいでしょ? 見せてよ、『せいえき』が出るの。私たち見たいと思ってたんだから」

 意外にも、ハジメの手を止めたのはアオイだった。
 彼女は鼻がぶつかりそうなほど顔を近付けて、シャフトの先端を覗き込んでいる。
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