15 / 21
第15話
しおりを挟む
レーゼも僕と同じで煙草をたくさん吸う。レーゼが吸う煙草の銘柄は「ハローグッバイ」
最近僕と同世代の人達の間で流行りつつある芳香煙草というジャンルの煙草で、菓子や果実の香りを楽しむ、デザートワインのような煙草だ。
「ハローグッバイ」はミルクチョコレートの香りの煙草だが、かなり本格的なタイプで、見た目こそ普通の凡百な煙草だけど、煙草を箱から出す度に、うっすらとあのまろやかな甘い香りが、辺りに薄く漂うほどで、ただ咥えただけでもチョコレートの甘みを感じるくらいだ。
点火しなくてそれなので、一度火をつければ、しばらく胸焼けがするほどきついチョコレートの香りが周囲に蔓延する。それはまるで、パウンドケーキに顔を突っ込んだような気分に感じられる。
そのため、レーゼは周りに配慮して自室とバルコニー以外では吸わないようにしている。
なぜわざわざチョコレートの味を煙草で味わうのかというと、それは物価が高騰して嗜好品がみんな恐ろしく値上げしているからだ。
つい最近、四つの大国の内の一つが滅んだ為、色々経済が混乱しているらしい。いくら僕でもそこら辺は察せられる。そもそも僕が2歳の頃までこの大陸は戦争をしていた。隠す必要も無いけど、その滅んだのは僕らの国だ。タヒガン南帝国。
「平定戦争」と呼ばれる、件の四つの大国がお互いに、牙を剥け合う残る三つを手中に収めんとする、四半世紀の間続いたという群雄割拠の闘争だ。
だけど、色々血生臭い戦いが続いた割に、どの大国も特にこれといって得る物は無く、むしろどの国も痛み分けが良いところだったそうな。
歴史の教科書を見ると、大陸全土の人民6割を当時は軍人が占めたそうだけど、その半数は死ぬか、一生消えない身体か精神の傷、多くはその両方を負い、本当に不毛そのものの戦争だったらしい。全てを掻っ攫う奴はいなかったけど、全てを失う奴は沢山いた。
当然その爪痕は深く、頭良い学者連中曰く今なお戦争前の経済には戻っていないらしい。確かに戦争前から生きてる団長は、よく酒が値上がりするばかりだとぼやいている。
そして前述した通り、国の一つが消失したことで、どういう経緯があってそうなったのかは、頭良い学者連中じゃあない僕は知ったこっちゃ無いけど、あらゆる需要と供給の歯車が錆びついてしまったようだ。不景気って奴で、失業者もたくさんいるそうだ。
だからああいう芳香煙草が流行る訳は本来なら煙草を介して味わう必要の無い、ちょうど僕のダウンジャケットの裏ポケットにしまってある洋梨のような嗜好品が、早い話一般市民には高くて手が届かないからだ。
その点芳香煙草なら、嗜好品よりかは幾らか高いし風味も劣るけど、ただ嗜好品を買うよりも長期に渡って、その再現された果物やお菓子の味を楽しむことができる。
レーゼはチョコレートだけど、他にもレモンやリンゴやブドウ、マシュマロやモンブランとかもある。「ハローグッバイ」がイレギュラーなだけで、他は煙まで甘い香りはしないけど。
つまり、煙草一つで世間を知ることができるってことだ。いつなるか分からない肺癌なんかより、今を乗り切る快楽が必要ってことよ。別に煙草に限らず、酒なり同衾なり文学なり運動なり多種多様に快楽はある。
そもそもの話、煙草より高い嗜好品はいくらでもある。酒でもブランデーとかは、一番低級なものでもカートン3箱は下らない。
今更だけど、僕が愛飲している煙草は「ヘイ・ジュード」
僕が生まれるずっと前からある、時代が評価した立派な煙草だ。いずれ淘汰されるはずの芳香煙草とは格が違う。
やや辛めの煙草で、香料に使っているカルバドスというリンゴの果実酒の香りが鼻腔をくすぐり、その辛味の中に隠れた酸味には、気品を感じずにはいられない。
僕の周りにも吸っている人はたくさんいるし、正に王道を往く、煙草というものはかくあるんという煙草だ。吐き出す余韻の煙がやや臭うが、僕には気にならない。
ちなみにこの煙草を僕に買って勧めたのは団長だけど、団長はこの煙草は吸っていない。あるいは若い頃吸っていたのかもしれない。
「ま、そろそろ帰るわよアリーフ」
レーゼが煙を真正面に吐き、吸い殻を指の間に挟んでぶら下げる。お互いひと息ついたし、煙草の話は惜しいけどここまでにしよう。僕は両腕を同じ方向に沿わせて、左右に二度腰をひねって骨を鳴らす。
さて、どうあの空中に浮遊する巨大戦艦に僕らが帰るかだけど、まさかあれがわざわざ轟音と共に、草木を押し潰して地上に降りてくるなんて冗談じゃない。
もし、そんな荒々しいやり方でしか外に降りられないのであれば、僕も周りを慮って無闇に外出したりしないだろう。
「さてと、このゴミ箱を」
そこでこのレーゼが活躍する。レーゼは僕と同じ「ルーボフ」を所持しており、彼女は僕の不死の権能とはまた別の力をその身に秘めているのだ。
僕が宣言するが、ただお節介焼きの年増では無い。もしそうなら、口うるさいだけの穀潰しを団長がマインカンプに彼女を置くはずが無い。
「ブンダバー」
レーゼは付与されたその名前を息を吹くように呟きながら、僕が座っていたゴミ箱を撫でる。まるで不良品か否かを確かめるようだ。
「おっと」
すると、真後ろで男の1人が目を覚ましかけていたので、僕はまた靴底で顔面を踏みつけて気絶させた。
「やめなさいって、それ普通に死ぬわよ」
レーゼがたしなめる。しかし、この鉄板の踵で喰らわせる蹴りは中々どうしてか分からないけど、妙に胸がすくのだ。いかにも踏み潰しているという実感を得られるからだろうか?
「ま、いいわ。ほら中に入って、ちゃんと私が持ち込んだ新品だから綺麗だから、さぁ」
レーゼがゴミ箱の蓋を取り、中の空洞に入るよう手で促す。言われた通り、僕は一抹の気恥ずかしさを覚えながら中に入り、苦労して膝を折って、その間に顔を埋めた。
小学生の頃ですらゴミ箱の中に入って遊ぶなんてしなかったのに、よもやハタチになってやろうとは思わなんだ。
「きついよ、もっといいの無いの?」
「贅沢言わないでよ、人がまるごと入るのでこれより安いのは無いのよ、ただでさえ使い捨てなのに、これでガラガラとか使ってたら3日でジリ貧よ。
そして、明日にはこのゴミ箱が見つかって、この中にみんなゴミを入れて、街は綺麗になって、ゴミの回収業者はわざわざゴミをいちいち掴んで捨てる手間が省ける。
やだ、私無意識に社会の衛生面に貢献してるんだわ、バレたら表彰モノね」
レーゼが何やらのっぺりと冗談を言いながら、飛び出る僕の頭を力任せに押さえつけて蓋を閉じる。目を開けると、そこには完全な暗闇があった。星座でも見えてきそうな。
「それじゃ、私もすぐ向かうわ」
蓋を押さえる為に、片足を乗せているからかレーゼの声が真上から聞こえたけど、その声は語尾までは聞こえなかった。
彼女の声は、ラジオの音量調節のツマミを回すようにゆるやかに、なめらかに小さくなっていった。
\\\\\\\\\\\\
「今日はクローゼットか......」
数秒後、ゴミ箱の息苦しい閉塞感が消えた。暗闇からは解放されていないが、顔にすべすべした布が触れ、ほんの僅かな振動を尻に感じた僕は、今いる居場所を察した。
「あれ? 兄貴......」
僕がクローゼットの戸を開けると、豆電球だけをつけたやや薄暗い僕の部屋で、兄貴がパジャマ姿でチーズを齧りながら、僕の小説を読んでいた。
兄貴が僕の顔を見上げる。
「ん? 今日はクローゼットか? この前は戸棚でレパートリーが多いな」
兄貴の部屋と僕の部屋は、鍵を同じに変えてあるのでいつでもお互い部屋に入れるのだ。僕はあんな下水道より汚ったねぇ部屋なんか入りたくないけど。
「はい、ただいま」
「お前は自室に行けばいいだろ」
「あらジェスタフ、今週はもう会わないかと思ったわ」
そして、同じクローゼットからレーゼも出てきた。本人もやってきたことだし、レーゼの能力を説明しよう。
ブンダバー。
能力はあらゆる暗闇から暗闇に自在に移動できる能力。移動、転送できる物体は人から小物まで多岐に渡り、暗闇さえ用意できるならこのマインカンプすら転送できると彼女は豪語している。
最近は田舎町ですら街灯がたくさんあるので、まさに深淵と言えるような暗闇が少なくのが弱点だ。一筋でも光があると使えない。完全な暗闇というのは僕らが思っているほど多くないらしい。
レーゼはこの能力を使って、この玲瓏残党部隊の兵員輸送と弾薬密輸、運搬を担う代わりに、団長から滞在を許可されている。
ちなみに、レーゼが仲間になる前は深夜を狙って本当に一々着陸していた。
レーゼは机の横にあるティッシュを抜き取って鼻をかむと、ジャケットをハンガーにかけ、ネクタイを解く僕の肩を叩いた。
「はい、運賃を払っていただけます?」
あと、おまけにレーゼはこの転送能力をお小遣い稼ぎに使っている。一回につき往復2000サラ。本人は何も消費せずに金が入るんだから羨ましい。
やはり結構潤ってようで、彼女の薬指には小指の爪ほどの大きさはあるダイヤが付いた、白銀の指輪をはめている。
いくら僕でも、そこのところは忖度しないようだ。
「うん」
僕は頷き、クローゼットの下の引き出しから黄色一色の実にシンプルな色と構造のラッパを取り出すと、レーゼの腕を持って握らせた。
「.........?」
「ブブゼラ、バザーで買ったからあげるよ」
「ブフッ」
兄貴が噴き出した。
レーゼはプラスチック製のブブゼラを無表情で見つめながら、踵を返して部屋のドアを開けた。
「また懐かしいものを......いや、この世界観から見たら時代を先取りしてるけど......これ読んでる人で覚えてる人いるかしら......ま、まぁ...おやすみなさい」
そういうと、レーゼは生気を抜き取られたみたいにふらふらと部屋から出ていった。僕がブブゼラを渡したのは、レーゼに払う代金を渋ったからだと思うだろう。事実だ。確かにバザーで買ったけど、たったの350サラだった。
蝿の王を読んで、ほら貝の真似をしてみたかったから買ってみたけど1時間で飽きたからあげた。
「じゃあ僕はシャワー浴びるわ」
「おう、俺はお前のベッドで今日は寝ますからね」
「......僕がダメと言っても聞かないんでしょ?」
「ああ、俺のベッド朝起きたらたまに枕元でゴキブリ死んでるもん」.
その隣が僕の部屋という事実。せっかく空中に浮かぶ戦艦だというのに、どっかのバカが持ち込んだらしい。
あの想像しただけで鳥肌が立つ、黒光りした楕円形の魔物に繁殖されたら敵わない。繁殖するにしても兄貴の部屋だけにしてほしい。ダクトを通ってやって来た日には、僕は本気で号泣する自信がある。
「そろそろ殺虫剤買わないとなー」
僕はそんないずれ現実になるとしか思えない不穏な未来を想像しながら、下着と着替えを持ってシャワールームに入る。
僕は深呼吸をすると、気が狂ったように乱暴にフランネルシャツのボタンを引き剥がし、パンツとスラックスを一緒に脱いで全裸になると、シャワールームに入った。
「あ、お帰り......兄さん」
そこにはくしゃくしゃした癖のある白髪をしっとり艶やかに濡らし、本気で心配になる異様な色白の柔肌と、望遠鏡で見る星雲のように美しい銀色の瞳。
薄幸そうではあるけど僕すら越えるほどに愛らしく小柄で痩せた、素っ裸の美少年がすみに体育座りで座っていた。
「ストクロ......お前もいたのか、シャワー使うのは一向に構わないけど、終わったなら早く出ろよ、お前ただでさえ体弱いのに風邪引きたいのか」
ストクロが引きつった笑いを浮かべて、上目遣いに僕を見る。確かに僕よりも可愛いけど笑顔が下手くそだから、総合的に見たら僕の方が可愛いはずだ。
フィンチネルセルフ・ストクラリアル。15歳。通称ストクロ。
「うん、兄さんが帰ってきたから兄さんと一緒に入りたくって、ねぇ...一緒に入ろう?」
四男にあたるコイツは、そりゃ血を分けた弟だから本当に可愛いし寵愛しているけど、どうやら光栄なことに、僕に兄弟を超越した盲信とすら言える愛情を抱いているようなのだ。
極上の美少年と一緒に風呂に入るなんて、字面で読むなら良いけど、それが実の弟で、なおかつ僕はうんざりしてるのに周りには羨ましがられるのだから頭痛がする。
かといって、大事な弟を他のむさ苦しい連中に引き渡せるほど人をやめてない。
これが店員ちゃんだったら後先考えず、とりあえず押し倒してるんだけど、素晴らしいことに、弟とまぐわうほど僕は性欲を持て余していない。
「素晴らしいね......分かったよ、ほら背中向けろ。お前はまた頭だけしか洗ってないんだろ?」
「うん......」
僕はノズルを取ってお湯を出すと、立ち上がってこちらに背中を向けるストクロの背中にお湯をかけ、石鹸を擦り付けて泡を立てたタオルで優しく拭った。
コイツの肌は画用紙と同じくらいの耐久性しか無く、少し引っ掻いただけで血が出る。おまけに中々血が固まらない体質らしく、傷の度合いによっては輸血が必要なくらいらしい。
だから僕が常に世話を焼かなければならないというわけだ。僕なら傷もすぐに治せるから。そう思うと、僕無しじゃあらゆることに難儀するコイツもいじらしく見えてくるというもの。
からかいがてら、お尻をタオルで撫で回してみたら小さく喘ぎ声を挙げたので、何だか少し変な気持ちになった。
しかし、実に気持ち悪いくらい色が白い。レーゼの青白い肌と違ってコイツはまるで生気が感じられない。例えるなら白無垢姿のような、粉雪すら上回る完璧な純白なのだ。浮き出る肋骨が無ければマネキンと錯覚しそうなくらいに。
そのためうなじや肩にある小さなわほくろや、形の良い桃色の唇や乳首が一層際立ち、肌を舐めて流れ落ちる泡すらも官能的に映った。
もしできるなら女子校に放り込んでみて、一体どんな混沌を極める騒乱が起きるのか見てみたい。
「やれやれ」
僕は瞳を閉じて、ただひたすらにストクロの身体を洗うことに時間を費やすと、僕自身は手短に済ませ、風呂から出るとストクロの身体を拭き、ドライヤーで髪を乾かした。驚くことにストクロは立ったまま寝ていた。
「幸せなヤツ......」
余談だけど、僕ら一族は僕含め一度寝ると目の前でシンバルを鳴らそうが、花火を打ち上げようが4時間は絶対に起きない。これは断言できるけど、僕ら一族を叩き起こすことは定期テストで全教科満点取るより難しいだろう。
そして最悪なことに、ストクロに寝間着を着せると窮屈なのか、無意識に身体を掻きむしって肌を破ることが稀にあるので、ストクロは基本全裸で寝る。ストクロがもし野犬とかだったら自然の営みについていけず、生後一週間とかで弱って死ぬんだろうな。僕はそう思った。
僕は諦めて、神聖とすら思えるくらい華奢な体躯のストクロをいわゆるお姫様抱っこで僕のベッドまで連れていって、仰向けに寝かせる。丸っこいへそが呼吸するたびに膨らむのが愛らしくて、小指をそっと突っ込んでみたらストクロがピクッと震えた。
「おやすみ」
兄貴が寝ていてくれて良かった。また変に冷やかされたら恥ずかしいからだ。
ストクロの長い前髪が目を覆い隠していたから、僕は人差し指で横に払ってやる。
そして毛布を横にしてストクロにもかけてあげた。コイツがおねしょとかしたら僕は色々とえげつないことになるわけだが。
我ながら中々の介護っぷりだ。老人ホームや障害者施設でも案外僕はやっていけるかもしれないけど、ストクロは僕の言うことはしっかり聞いてくれるからな......。ストクロを少し前へやって、僕もまたベッドに入る。
まだ湿ったストクロの真っ平らな胸に、僕の手の甲がぴったりと吸い付いた。
「......」
唇を窄めた寝顔がまた壮絶に可愛い。
にしても兄貴、目を半開きで寝てやがる。兄貴が食っていたチーズの口臭で思い出したけど、僕もストクロも歯磨きをしていない。おまけに脱衣所のスラックスにはガバメントと銃剣をつけたままだ。
しかし睡魔には抗えず、徐々に重くなる瞼のあるがままに目を閉じた。
でも、眠りに入る直前。太ももに何か小さくて柔らかいものが乗ってきて、それがよじ登って僕のお腹の上に乗った。
「......?」
僕は起き上がって毛布をめくる。そこにはストクロと同じく柔らかな白髪の幼児が、すやすやと太平楽に寝息を立てていた。
僕はこの子がベッドから落ちないように片手でそっと抱き抱えるように押さえつけた。
マシュー・リウ。4歳で僕ら兄弟の五男に当たる。ぶかぶかの僕のシャツを着て寝るリウの頭を撫でると、腹にじんわりと伝わる温かなリウの体温を楽しみながら、改めて深い眠りについた。
何か文句があるなら、脳味噌が下半身に付いてる僕らの父さんに言ってくれ。僕は寝る。
最近僕と同世代の人達の間で流行りつつある芳香煙草というジャンルの煙草で、菓子や果実の香りを楽しむ、デザートワインのような煙草だ。
「ハローグッバイ」はミルクチョコレートの香りの煙草だが、かなり本格的なタイプで、見た目こそ普通の凡百な煙草だけど、煙草を箱から出す度に、うっすらとあのまろやかな甘い香りが、辺りに薄く漂うほどで、ただ咥えただけでもチョコレートの甘みを感じるくらいだ。
点火しなくてそれなので、一度火をつければ、しばらく胸焼けがするほどきついチョコレートの香りが周囲に蔓延する。それはまるで、パウンドケーキに顔を突っ込んだような気分に感じられる。
そのため、レーゼは周りに配慮して自室とバルコニー以外では吸わないようにしている。
なぜわざわざチョコレートの味を煙草で味わうのかというと、それは物価が高騰して嗜好品がみんな恐ろしく値上げしているからだ。
つい最近、四つの大国の内の一つが滅んだ為、色々経済が混乱しているらしい。いくら僕でもそこら辺は察せられる。そもそも僕が2歳の頃までこの大陸は戦争をしていた。隠す必要も無いけど、その滅んだのは僕らの国だ。タヒガン南帝国。
「平定戦争」と呼ばれる、件の四つの大国がお互いに、牙を剥け合う残る三つを手中に収めんとする、四半世紀の間続いたという群雄割拠の闘争だ。
だけど、色々血生臭い戦いが続いた割に、どの大国も特にこれといって得る物は無く、むしろどの国も痛み分けが良いところだったそうな。
歴史の教科書を見ると、大陸全土の人民6割を当時は軍人が占めたそうだけど、その半数は死ぬか、一生消えない身体か精神の傷、多くはその両方を負い、本当に不毛そのものの戦争だったらしい。全てを掻っ攫う奴はいなかったけど、全てを失う奴は沢山いた。
当然その爪痕は深く、頭良い学者連中曰く今なお戦争前の経済には戻っていないらしい。確かに戦争前から生きてる団長は、よく酒が値上がりするばかりだとぼやいている。
そして前述した通り、国の一つが消失したことで、どういう経緯があってそうなったのかは、頭良い学者連中じゃあない僕は知ったこっちゃ無いけど、あらゆる需要と供給の歯車が錆びついてしまったようだ。不景気って奴で、失業者もたくさんいるそうだ。
だからああいう芳香煙草が流行る訳は本来なら煙草を介して味わう必要の無い、ちょうど僕のダウンジャケットの裏ポケットにしまってある洋梨のような嗜好品が、早い話一般市民には高くて手が届かないからだ。
その点芳香煙草なら、嗜好品よりかは幾らか高いし風味も劣るけど、ただ嗜好品を買うよりも長期に渡って、その再現された果物やお菓子の味を楽しむことができる。
レーゼはチョコレートだけど、他にもレモンやリンゴやブドウ、マシュマロやモンブランとかもある。「ハローグッバイ」がイレギュラーなだけで、他は煙まで甘い香りはしないけど。
つまり、煙草一つで世間を知ることができるってことだ。いつなるか分からない肺癌なんかより、今を乗り切る快楽が必要ってことよ。別に煙草に限らず、酒なり同衾なり文学なり運動なり多種多様に快楽はある。
そもそもの話、煙草より高い嗜好品はいくらでもある。酒でもブランデーとかは、一番低級なものでもカートン3箱は下らない。
今更だけど、僕が愛飲している煙草は「ヘイ・ジュード」
僕が生まれるずっと前からある、時代が評価した立派な煙草だ。いずれ淘汰されるはずの芳香煙草とは格が違う。
やや辛めの煙草で、香料に使っているカルバドスというリンゴの果実酒の香りが鼻腔をくすぐり、その辛味の中に隠れた酸味には、気品を感じずにはいられない。
僕の周りにも吸っている人はたくさんいるし、正に王道を往く、煙草というものはかくあるんという煙草だ。吐き出す余韻の煙がやや臭うが、僕には気にならない。
ちなみにこの煙草を僕に買って勧めたのは団長だけど、団長はこの煙草は吸っていない。あるいは若い頃吸っていたのかもしれない。
「ま、そろそろ帰るわよアリーフ」
レーゼが煙を真正面に吐き、吸い殻を指の間に挟んでぶら下げる。お互いひと息ついたし、煙草の話は惜しいけどここまでにしよう。僕は両腕を同じ方向に沿わせて、左右に二度腰をひねって骨を鳴らす。
さて、どうあの空中に浮遊する巨大戦艦に僕らが帰るかだけど、まさかあれがわざわざ轟音と共に、草木を押し潰して地上に降りてくるなんて冗談じゃない。
もし、そんな荒々しいやり方でしか外に降りられないのであれば、僕も周りを慮って無闇に外出したりしないだろう。
「さてと、このゴミ箱を」
そこでこのレーゼが活躍する。レーゼは僕と同じ「ルーボフ」を所持しており、彼女は僕の不死の権能とはまた別の力をその身に秘めているのだ。
僕が宣言するが、ただお節介焼きの年増では無い。もしそうなら、口うるさいだけの穀潰しを団長がマインカンプに彼女を置くはずが無い。
「ブンダバー」
レーゼは付与されたその名前を息を吹くように呟きながら、僕が座っていたゴミ箱を撫でる。まるで不良品か否かを確かめるようだ。
「おっと」
すると、真後ろで男の1人が目を覚ましかけていたので、僕はまた靴底で顔面を踏みつけて気絶させた。
「やめなさいって、それ普通に死ぬわよ」
レーゼがたしなめる。しかし、この鉄板の踵で喰らわせる蹴りは中々どうしてか分からないけど、妙に胸がすくのだ。いかにも踏み潰しているという実感を得られるからだろうか?
「ま、いいわ。ほら中に入って、ちゃんと私が持ち込んだ新品だから綺麗だから、さぁ」
レーゼがゴミ箱の蓋を取り、中の空洞に入るよう手で促す。言われた通り、僕は一抹の気恥ずかしさを覚えながら中に入り、苦労して膝を折って、その間に顔を埋めた。
小学生の頃ですらゴミ箱の中に入って遊ぶなんてしなかったのに、よもやハタチになってやろうとは思わなんだ。
「きついよ、もっといいの無いの?」
「贅沢言わないでよ、人がまるごと入るのでこれより安いのは無いのよ、ただでさえ使い捨てなのに、これでガラガラとか使ってたら3日でジリ貧よ。
そして、明日にはこのゴミ箱が見つかって、この中にみんなゴミを入れて、街は綺麗になって、ゴミの回収業者はわざわざゴミをいちいち掴んで捨てる手間が省ける。
やだ、私無意識に社会の衛生面に貢献してるんだわ、バレたら表彰モノね」
レーゼが何やらのっぺりと冗談を言いながら、飛び出る僕の頭を力任せに押さえつけて蓋を閉じる。目を開けると、そこには完全な暗闇があった。星座でも見えてきそうな。
「それじゃ、私もすぐ向かうわ」
蓋を押さえる為に、片足を乗せているからかレーゼの声が真上から聞こえたけど、その声は語尾までは聞こえなかった。
彼女の声は、ラジオの音量調節のツマミを回すようにゆるやかに、なめらかに小さくなっていった。
\\\\\\\\\\\\
「今日はクローゼットか......」
数秒後、ゴミ箱の息苦しい閉塞感が消えた。暗闇からは解放されていないが、顔にすべすべした布が触れ、ほんの僅かな振動を尻に感じた僕は、今いる居場所を察した。
「あれ? 兄貴......」
僕がクローゼットの戸を開けると、豆電球だけをつけたやや薄暗い僕の部屋で、兄貴がパジャマ姿でチーズを齧りながら、僕の小説を読んでいた。
兄貴が僕の顔を見上げる。
「ん? 今日はクローゼットか? この前は戸棚でレパートリーが多いな」
兄貴の部屋と僕の部屋は、鍵を同じに変えてあるのでいつでもお互い部屋に入れるのだ。僕はあんな下水道より汚ったねぇ部屋なんか入りたくないけど。
「はい、ただいま」
「お前は自室に行けばいいだろ」
「あらジェスタフ、今週はもう会わないかと思ったわ」
そして、同じクローゼットからレーゼも出てきた。本人もやってきたことだし、レーゼの能力を説明しよう。
ブンダバー。
能力はあらゆる暗闇から暗闇に自在に移動できる能力。移動、転送できる物体は人から小物まで多岐に渡り、暗闇さえ用意できるならこのマインカンプすら転送できると彼女は豪語している。
最近は田舎町ですら街灯がたくさんあるので、まさに深淵と言えるような暗闇が少なくのが弱点だ。一筋でも光があると使えない。完全な暗闇というのは僕らが思っているほど多くないらしい。
レーゼはこの能力を使って、この玲瓏残党部隊の兵員輸送と弾薬密輸、運搬を担う代わりに、団長から滞在を許可されている。
ちなみに、レーゼが仲間になる前は深夜を狙って本当に一々着陸していた。
レーゼは机の横にあるティッシュを抜き取って鼻をかむと、ジャケットをハンガーにかけ、ネクタイを解く僕の肩を叩いた。
「はい、運賃を払っていただけます?」
あと、おまけにレーゼはこの転送能力をお小遣い稼ぎに使っている。一回につき往復2000サラ。本人は何も消費せずに金が入るんだから羨ましい。
やはり結構潤ってようで、彼女の薬指には小指の爪ほどの大きさはあるダイヤが付いた、白銀の指輪をはめている。
いくら僕でも、そこのところは忖度しないようだ。
「うん」
僕は頷き、クローゼットの下の引き出しから黄色一色の実にシンプルな色と構造のラッパを取り出すと、レーゼの腕を持って握らせた。
「.........?」
「ブブゼラ、バザーで買ったからあげるよ」
「ブフッ」
兄貴が噴き出した。
レーゼはプラスチック製のブブゼラを無表情で見つめながら、踵を返して部屋のドアを開けた。
「また懐かしいものを......いや、この世界観から見たら時代を先取りしてるけど......これ読んでる人で覚えてる人いるかしら......ま、まぁ...おやすみなさい」
そういうと、レーゼは生気を抜き取られたみたいにふらふらと部屋から出ていった。僕がブブゼラを渡したのは、レーゼに払う代金を渋ったからだと思うだろう。事実だ。確かにバザーで買ったけど、たったの350サラだった。
蝿の王を読んで、ほら貝の真似をしてみたかったから買ってみたけど1時間で飽きたからあげた。
「じゃあ僕はシャワー浴びるわ」
「おう、俺はお前のベッドで今日は寝ますからね」
「......僕がダメと言っても聞かないんでしょ?」
「ああ、俺のベッド朝起きたらたまに枕元でゴキブリ死んでるもん」.
その隣が僕の部屋という事実。せっかく空中に浮かぶ戦艦だというのに、どっかのバカが持ち込んだらしい。
あの想像しただけで鳥肌が立つ、黒光りした楕円形の魔物に繁殖されたら敵わない。繁殖するにしても兄貴の部屋だけにしてほしい。ダクトを通ってやって来た日には、僕は本気で号泣する自信がある。
「そろそろ殺虫剤買わないとなー」
僕はそんないずれ現実になるとしか思えない不穏な未来を想像しながら、下着と着替えを持ってシャワールームに入る。
僕は深呼吸をすると、気が狂ったように乱暴にフランネルシャツのボタンを引き剥がし、パンツとスラックスを一緒に脱いで全裸になると、シャワールームに入った。
「あ、お帰り......兄さん」
そこにはくしゃくしゃした癖のある白髪をしっとり艶やかに濡らし、本気で心配になる異様な色白の柔肌と、望遠鏡で見る星雲のように美しい銀色の瞳。
薄幸そうではあるけど僕すら越えるほどに愛らしく小柄で痩せた、素っ裸の美少年がすみに体育座りで座っていた。
「ストクロ......お前もいたのか、シャワー使うのは一向に構わないけど、終わったなら早く出ろよ、お前ただでさえ体弱いのに風邪引きたいのか」
ストクロが引きつった笑いを浮かべて、上目遣いに僕を見る。確かに僕よりも可愛いけど笑顔が下手くそだから、総合的に見たら僕の方が可愛いはずだ。
フィンチネルセルフ・ストクラリアル。15歳。通称ストクロ。
「うん、兄さんが帰ってきたから兄さんと一緒に入りたくって、ねぇ...一緒に入ろう?」
四男にあたるコイツは、そりゃ血を分けた弟だから本当に可愛いし寵愛しているけど、どうやら光栄なことに、僕に兄弟を超越した盲信とすら言える愛情を抱いているようなのだ。
極上の美少年と一緒に風呂に入るなんて、字面で読むなら良いけど、それが実の弟で、なおかつ僕はうんざりしてるのに周りには羨ましがられるのだから頭痛がする。
かといって、大事な弟を他のむさ苦しい連中に引き渡せるほど人をやめてない。
これが店員ちゃんだったら後先考えず、とりあえず押し倒してるんだけど、素晴らしいことに、弟とまぐわうほど僕は性欲を持て余していない。
「素晴らしいね......分かったよ、ほら背中向けろ。お前はまた頭だけしか洗ってないんだろ?」
「うん......」
僕はノズルを取ってお湯を出すと、立ち上がってこちらに背中を向けるストクロの背中にお湯をかけ、石鹸を擦り付けて泡を立てたタオルで優しく拭った。
コイツの肌は画用紙と同じくらいの耐久性しか無く、少し引っ掻いただけで血が出る。おまけに中々血が固まらない体質らしく、傷の度合いによっては輸血が必要なくらいらしい。
だから僕が常に世話を焼かなければならないというわけだ。僕なら傷もすぐに治せるから。そう思うと、僕無しじゃあらゆることに難儀するコイツもいじらしく見えてくるというもの。
からかいがてら、お尻をタオルで撫で回してみたら小さく喘ぎ声を挙げたので、何だか少し変な気持ちになった。
しかし、実に気持ち悪いくらい色が白い。レーゼの青白い肌と違ってコイツはまるで生気が感じられない。例えるなら白無垢姿のような、粉雪すら上回る完璧な純白なのだ。浮き出る肋骨が無ければマネキンと錯覚しそうなくらいに。
そのためうなじや肩にある小さなわほくろや、形の良い桃色の唇や乳首が一層際立ち、肌を舐めて流れ落ちる泡すらも官能的に映った。
もしできるなら女子校に放り込んでみて、一体どんな混沌を極める騒乱が起きるのか見てみたい。
「やれやれ」
僕は瞳を閉じて、ただひたすらにストクロの身体を洗うことに時間を費やすと、僕自身は手短に済ませ、風呂から出るとストクロの身体を拭き、ドライヤーで髪を乾かした。驚くことにストクロは立ったまま寝ていた。
「幸せなヤツ......」
余談だけど、僕ら一族は僕含め一度寝ると目の前でシンバルを鳴らそうが、花火を打ち上げようが4時間は絶対に起きない。これは断言できるけど、僕ら一族を叩き起こすことは定期テストで全教科満点取るより難しいだろう。
そして最悪なことに、ストクロに寝間着を着せると窮屈なのか、無意識に身体を掻きむしって肌を破ることが稀にあるので、ストクロは基本全裸で寝る。ストクロがもし野犬とかだったら自然の営みについていけず、生後一週間とかで弱って死ぬんだろうな。僕はそう思った。
僕は諦めて、神聖とすら思えるくらい華奢な体躯のストクロをいわゆるお姫様抱っこで僕のベッドまで連れていって、仰向けに寝かせる。丸っこいへそが呼吸するたびに膨らむのが愛らしくて、小指をそっと突っ込んでみたらストクロがピクッと震えた。
「おやすみ」
兄貴が寝ていてくれて良かった。また変に冷やかされたら恥ずかしいからだ。
ストクロの長い前髪が目を覆い隠していたから、僕は人差し指で横に払ってやる。
そして毛布を横にしてストクロにもかけてあげた。コイツがおねしょとかしたら僕は色々とえげつないことになるわけだが。
我ながら中々の介護っぷりだ。老人ホームや障害者施設でも案外僕はやっていけるかもしれないけど、ストクロは僕の言うことはしっかり聞いてくれるからな......。ストクロを少し前へやって、僕もまたベッドに入る。
まだ湿ったストクロの真っ平らな胸に、僕の手の甲がぴったりと吸い付いた。
「......」
唇を窄めた寝顔がまた壮絶に可愛い。
にしても兄貴、目を半開きで寝てやがる。兄貴が食っていたチーズの口臭で思い出したけど、僕もストクロも歯磨きをしていない。おまけに脱衣所のスラックスにはガバメントと銃剣をつけたままだ。
しかし睡魔には抗えず、徐々に重くなる瞼のあるがままに目を閉じた。
でも、眠りに入る直前。太ももに何か小さくて柔らかいものが乗ってきて、それがよじ登って僕のお腹の上に乗った。
「......?」
僕は起き上がって毛布をめくる。そこにはストクロと同じく柔らかな白髪の幼児が、すやすやと太平楽に寝息を立てていた。
僕はこの子がベッドから落ちないように片手でそっと抱き抱えるように押さえつけた。
マシュー・リウ。4歳で僕ら兄弟の五男に当たる。ぶかぶかの僕のシャツを着て寝るリウの頭を撫でると、腹にじんわりと伝わる温かなリウの体温を楽しみながら、改めて深い眠りについた。
何か文句があるなら、脳味噌が下半身に付いてる僕らの父さんに言ってくれ。僕は寝る。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる