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聖国と帝国と金色の勇者
冥王、二人の勇者の戦いよりも魔石を優先する妻に頭を悩ませる。
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勇者キンジョウの手から放たれる複数の電撃。
けたましい破裂音や衝撃音を轟かせ、さらに聖剣フラガラッハの刃が、ユカリを襲う。
躱す事に徹するユカリは、二つの攻撃に集中しつつ勇者キンジョウを睨みつける。
「さっさと死ねっ!!」
「……慣れてきた、これなら」
飛び交う剣と電撃を軽やかに躱す様になったユカリは、剣を握りしめる。
「戻れっ」その一言で勇者キンジョウの手に戻る聖剣フラガラッハ。
その瞬間、ユカリが地を蹴る。
勇者キンジョウの驚く顔。
ユカリの剣が勇者キンジョウに迫る。
スレスレで躱す勇者キンジョウ。
そこからユカリから繰り出される無数の斬撃。
慌てふためく勇者キンジョウは、それを躱し剣で弾き返す。
ユカリの斬撃は、終わらない。
――――レベル差がないのか?それともキンジョウよりも場数が多いからなのか?
鬼気迫るユカリに、息を乱す勇者キンジョウ。
剣と剣が激しく打ち合い、火花が散り斬撃の軌道が残像を作り出す。
少しづつ後退する勇者キンジョウ、それを追い詰めるユカリ。
「ふっ……ふふっふざけるなぁァァッ」
「うるさいっ」
「何故だっ。 この俺の方が、レベルが高いんだぞォォッ」
「貴様は、あの子やその剣で楽してきたんでしょっ」
「楽だどォッ!!」
「離れた所で勝利してレベルが上がっても、経験がものを言うっ」
「女子高生ごときがっ、クソ生意気な事をォォッ」
聖剣フラガラッハをユカリの頭を目掛け振り下ろす、勇者キンジョウの渾身のひと振り。
ユカリは、両手で持つ剣を振り上げお互いの剣が交差する。
けたましい衝撃音が鳴ると同時に、低い金属音が響く。
ユカリの剣の剣身が割れる。
目を見開くユカリに、勇者キンジョウの不敵の笑み。
「クソ生意気なテメェは、同じ人間に二度殺されろ」
勇者キンジョウは、口角を上げユカリを見下ろしながら剣を振り上げる。
恐怖におののくユカリは、剣を振り下ろす勇者キンジョウを唖然と見ている。
「正義感で何とかなるなよ。 この偽善者がっ」
「「「ユカリィッ」」」
フェルト達の声が響く中で、一つ違う声「受け取りな」と聴こえるとユカリの前に飛んでくる物を掴む。
甲高い金属音と火花が広がる。
「それはァァっ……。 俺のォォォッ!!」
「こ、これは」
ユカリの手には、聖剣クラウ・ソラスが煌々と光り輝く。
眩しさに目を暗ます勇者キンジョウは、剣の衝撃もあってか、よろけながら後ろへ下がっていく。
ユカリは剣が飛んできた方へ視界をやると、そこにはペルセポネが、賢者アオヤギの……。
――――ちょっと待て。
俺は、ペルセポネに向け大声で問いかける。
「ペルセポネ。 そいつをっ何故?」
「だって暇だし。ムカつくし」
投げた右手の反対側、ペルセポネの左手にしがみつく賢者アオヤギは、首を掴まれて足をばたつかせている。
手を目に当て苦しむ姿を見せる勇者キンジョウは、大声を上げる。
「おい、アオヤギ回復だ。 目をっ、目をやられたっ」
「……だっ」
「おいっ、アオヤギィィッ」
「……だず」
「くそっ、エルフゥッ。 回復しろっ」
「ギャァァァッ」
奴隷エルフの枷が発光した途端もがき苦しむ。
苦痛が収まる奴隷エルフは、顔を紅潮させながら勇者キンジョウを睨みつけ手をかざし何か唱えている。
エルフは何らかの魔法を放っているが、勇者キンジョウは目を開ける事が出来てない。
「おいっ、早くしろっ!! モジャサ、オザール何してるっ」
フェルト達と交戦するモジャサとオザールには、勇者キンジョウの声が届いてないのか、目の前にいる三人から視線を外せないでいる。
賢者アオヤギの援護がない今、モジャサとオザールは窮地に立たされているような苦しい表情だ。
聖剣クラウ・ソラスを軽く振るうユカリは、勇者キンジョウに切っ先を向ける。
「ここで貴様達は終わり」
「うるさい。 たかが目をくらませただけで調子こくなっ」
怒鳴り散らす勇者キンジョウに、金髪細身の女性が薬瓶を渡していた。
「どぉぉなってぇいるぅぅっ!!」
視界が戻った勇者キンジョウは、現状を把握すると驚愕な表情をし首を横に数回振る。
勇者キンジョウのその大声で、ペルセポネの右手が賢者アオヤギの胸に突き刺してしまう。
賢者アオヤギの苦痛の叫びが、天井に向け響かせる。
「ペルセポネェッ!!」
「アオヤギィッ」
俺の声と勇者キンジョウの声が被る。
フェルト達も戦うモジャサ達も、同時にペルセポネと賢者アオヤギの状況に視線を向ける。
抜き取られる右手に掴まれていた賢者アオヤギの魔石。
微笑むペルセポネは、賢者アオヤギの首を掴んでいた手を離す。
鈍い音共に横たわる賢者アオヤギの胸から血が湧く。
「ギッィェェッ。イッデェッェェッ!! ま、ま……せぇ……きぃ……を」
「ええ、魔石あげるわ」
ペルセポネの視線だけが、床に転がる賢者アオヤギを捉える。
ペルセポネに手を差し伸ばそうとする賢者アオヤギ。
ペルセポネの手から賢者アオヤギの胸へ何か光る物を落とすと、更に上からポーションらしき瓶を逆さまにし液体を振り掛けている。
賢者アオヤギの傷がみるみる回復すると、パッと目を開け素早くその場を立ち上がり、ペルセポネから距離をとる。
賢者アオヤギは、後ろ向きで勇者キンジョウに近づいて行く。
「あっぶねぇー。 魔石返すとはあの女、バッカじゃねぇ!!」
「大丈夫か?」
「先輩、大丈夫ッス。 魔石抜かれたけど戻るもんスね」
「こんな事になってたとは。 オザール、モジャサ体制整えるぞ」
「先輩、あの二人。 空間隔離のヤツから出てるッス」
「おいおい、有り得んだろ。 宝具だろっ」
にこやかな微笑みをするペルセポネを見ていた勇者キンジョウ達の視線が、俺に向けられている。
――――あっ、俺も知らぬ間に出ていた。
俺は後ろへ振り返ると、あの宝具で閉じ込められていた空間がひっそりと立っていた。
けたましい破裂音や衝撃音を轟かせ、さらに聖剣フラガラッハの刃が、ユカリを襲う。
躱す事に徹するユカリは、二つの攻撃に集中しつつ勇者キンジョウを睨みつける。
「さっさと死ねっ!!」
「……慣れてきた、これなら」
飛び交う剣と電撃を軽やかに躱す様になったユカリは、剣を握りしめる。
「戻れっ」その一言で勇者キンジョウの手に戻る聖剣フラガラッハ。
その瞬間、ユカリが地を蹴る。
勇者キンジョウの驚く顔。
ユカリの剣が勇者キンジョウに迫る。
スレスレで躱す勇者キンジョウ。
そこからユカリから繰り出される無数の斬撃。
慌てふためく勇者キンジョウは、それを躱し剣で弾き返す。
ユカリの斬撃は、終わらない。
――――レベル差がないのか?それともキンジョウよりも場数が多いからなのか?
鬼気迫るユカリに、息を乱す勇者キンジョウ。
剣と剣が激しく打ち合い、火花が散り斬撃の軌道が残像を作り出す。
少しづつ後退する勇者キンジョウ、それを追い詰めるユカリ。
「ふっ……ふふっふざけるなぁァァッ」
「うるさいっ」
「何故だっ。 この俺の方が、レベルが高いんだぞォォッ」
「貴様は、あの子やその剣で楽してきたんでしょっ」
「楽だどォッ!!」
「離れた所で勝利してレベルが上がっても、経験がものを言うっ」
「女子高生ごときがっ、クソ生意気な事をォォッ」
聖剣フラガラッハをユカリの頭を目掛け振り下ろす、勇者キンジョウの渾身のひと振り。
ユカリは、両手で持つ剣を振り上げお互いの剣が交差する。
けたましい衝撃音が鳴ると同時に、低い金属音が響く。
ユカリの剣の剣身が割れる。
目を見開くユカリに、勇者キンジョウの不敵の笑み。
「クソ生意気なテメェは、同じ人間に二度殺されろ」
勇者キンジョウは、口角を上げユカリを見下ろしながら剣を振り上げる。
恐怖におののくユカリは、剣を振り下ろす勇者キンジョウを唖然と見ている。
「正義感で何とかなるなよ。 この偽善者がっ」
「「「ユカリィッ」」」
フェルト達の声が響く中で、一つ違う声「受け取りな」と聴こえるとユカリの前に飛んでくる物を掴む。
甲高い金属音と火花が広がる。
「それはァァっ……。 俺のォォォッ!!」
「こ、これは」
ユカリの手には、聖剣クラウ・ソラスが煌々と光り輝く。
眩しさに目を暗ます勇者キンジョウは、剣の衝撃もあってか、よろけながら後ろへ下がっていく。
ユカリは剣が飛んできた方へ視界をやると、そこにはペルセポネが、賢者アオヤギの……。
――――ちょっと待て。
俺は、ペルセポネに向け大声で問いかける。
「ペルセポネ。 そいつをっ何故?」
「だって暇だし。ムカつくし」
投げた右手の反対側、ペルセポネの左手にしがみつく賢者アオヤギは、首を掴まれて足をばたつかせている。
手を目に当て苦しむ姿を見せる勇者キンジョウは、大声を上げる。
「おい、アオヤギ回復だ。 目をっ、目をやられたっ」
「……だっ」
「おいっ、アオヤギィィッ」
「……だず」
「くそっ、エルフゥッ。 回復しろっ」
「ギャァァァッ」
奴隷エルフの枷が発光した途端もがき苦しむ。
苦痛が収まる奴隷エルフは、顔を紅潮させながら勇者キンジョウを睨みつけ手をかざし何か唱えている。
エルフは何らかの魔法を放っているが、勇者キンジョウは目を開ける事が出来てない。
「おいっ、早くしろっ!! モジャサ、オザール何してるっ」
フェルト達と交戦するモジャサとオザールには、勇者キンジョウの声が届いてないのか、目の前にいる三人から視線を外せないでいる。
賢者アオヤギの援護がない今、モジャサとオザールは窮地に立たされているような苦しい表情だ。
聖剣クラウ・ソラスを軽く振るうユカリは、勇者キンジョウに切っ先を向ける。
「ここで貴様達は終わり」
「うるさい。 たかが目をくらませただけで調子こくなっ」
怒鳴り散らす勇者キンジョウに、金髪細身の女性が薬瓶を渡していた。
「どぉぉなってぇいるぅぅっ!!」
視界が戻った勇者キンジョウは、現状を把握すると驚愕な表情をし首を横に数回振る。
勇者キンジョウのその大声で、ペルセポネの右手が賢者アオヤギの胸に突き刺してしまう。
賢者アオヤギの苦痛の叫びが、天井に向け響かせる。
「ペルセポネェッ!!」
「アオヤギィッ」
俺の声と勇者キンジョウの声が被る。
フェルト達も戦うモジャサ達も、同時にペルセポネと賢者アオヤギの状況に視線を向ける。
抜き取られる右手に掴まれていた賢者アオヤギの魔石。
微笑むペルセポネは、賢者アオヤギの首を掴んでいた手を離す。
鈍い音共に横たわる賢者アオヤギの胸から血が湧く。
「ギッィェェッ。イッデェッェェッ!! ま、ま……せぇ……きぃ……を」
「ええ、魔石あげるわ」
ペルセポネの視線だけが、床に転がる賢者アオヤギを捉える。
ペルセポネに手を差し伸ばそうとする賢者アオヤギ。
ペルセポネの手から賢者アオヤギの胸へ何か光る物を落とすと、更に上からポーションらしき瓶を逆さまにし液体を振り掛けている。
賢者アオヤギの傷がみるみる回復すると、パッと目を開け素早くその場を立ち上がり、ペルセポネから距離をとる。
賢者アオヤギは、後ろ向きで勇者キンジョウに近づいて行く。
「あっぶねぇー。 魔石返すとはあの女、バッカじゃねぇ!!」
「大丈夫か?」
「先輩、大丈夫ッス。 魔石抜かれたけど戻るもんスね」
「こんな事になってたとは。 オザール、モジャサ体制整えるぞ」
「先輩、あの二人。 空間隔離のヤツから出てるッス」
「おいおい、有り得んだろ。 宝具だろっ」
にこやかな微笑みをするペルセポネを見ていた勇者キンジョウ達の視線が、俺に向けられている。
――――あっ、俺も知らぬ間に出ていた。
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