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人族の神エウラロノースと聖女アルダー
冥王、異世界という理由で期待する。
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俺とペルセポネは、息を切らしながら走るトンドの後を着いて行く。その向かう先は、シャルルが囚われている所。
アースドラゴンと引き換えにシャルルを返す、という手紙が勇者キンジョウの使いの者から届いたらしい。
そして、着いた場所は廃屋らしき建物が乱立し雑草が生い茂っている場所。
「お二人。 この辺りなはず」
「殺風景ね。 人一人見ないわ」
「隠れる事にうってつけな所だな」
「この先だと……」
トンドの指し示す方向に、少し大きめの掘っ建て小屋。
軋む扉を開け慎重に中に入る俺たち。
その奥にいたのは、髭と髪がもじゃもじゃとした男モジャサと猿のような顔のオザールの二人。
建物の柱に縛られているシャルルが、俺たちを見るや叫んでいるが、その口は布で塞がれていて何を言っているか分からない。
「おお、来たか来たか」
「オザール。 早すぎだろコイツら」
「取引は早い方が良いことに越したことはないだろ」
「猫のあの悶えた顔、堪んなかったんだがなぁ」
「アースドラゴン手に入れば、もっといいヤツ入るといったろ」
「三度の飯より六度の交わり。 堪んねぇんだからよ」
「なんじゃ、それっ」
オザールとモジャサが、武器を片手に不敵な笑みで近づく。
トンドの声が響く。
「勇者、勇者のパーティーが、こんな犯罪的なことやって良いのかっ」
「勇者勇者って。 俺達はそんなこと気にしねぇよっ」
「そうだ。 早くアースドラゴンを寄越せ」
「それなら、シャルルを解放しろ」
「目の前に出せっ。 こっちはあそこに居るんだ」
「ハーデスさん……お願いします」
トンドが申し訳なさそうな表情で頭を下げる。
――――正直、この場で二人を殺った方が早く終わるが。アースドラゴンを出したらコイツらが、どういう行動をとるか気になる。
「ちょっと、もしかして出さないよね?」
「いや、あっさり殺るのもつまらんからな。出してどう動くか見もの」
「おらっ、何してるっ」
「アースドラゴン、アースドラゴンっ」
苛立ちを見せるオザールとその横でモジャサが鼻を鳴らし睨みつけてくる。
だが、俺はアースドラゴンを出す素振りをしながら彼らに問う。
「そう、二人はどうした? 勇者キンジョウと賢者……」
「はぁっ、どうでもいいだろ。 早く出せ」
「フンフンッ!!」
――――なんで答えん。コイツら単独行動なのか?勇者キンジョウは関与してないのか?
隣で口元を抑えているペルセポネをよそに俺は、空間収納からアースドラゴンを取り出す。
床に置かれるアースドラゴンをまじまじと眺めるオザールとモジャサ。
「ふふふ、これで俺らも安泰だな」
「三度の飯より九度の快楽」
目を輝かせる二人は、アースドラゴンに手をかけようとするとトンドの怒号が飛ぶ。
「シャルルを解放しろっ」
「うるせぇ。 勝手に持ってい来やがれ」
にんまりと笑顔のオザール。
シャルルの元に走るトンド。
全く気に掛けないモジャサ。
トンドに縄を解かれたシャルルは、泣き叫びながらトンドに抱きついている。
オザールがアースドラゴンを大きな袋に入れる。
「これで取引成立っ……だな」
「うむうむ」
――――はっ?
「ねぇ、アースドラゴン返して貰うわ」
「何言ってるんだ。 バカか? 女っ」
「はぁ、こっちは穏便に……してあげると言ってるのよ」
「穏便だとぉっ? 意味わからん」
「そうだそうだ、猫返すアースドラゴン貰う。 その取引だ」
「連れ去っていてよく言う」
「あの猫、誘拐したのは俺達じゃねぇしよっ。 このモジャサが襲うのを止めてたことに感謝して欲しいもんだな」
「華奢な身体堪らん、どんな壊れ方するか見たかった」
オザールとモジャサは、そう残し再び外へ足を進めるが、二人の回答にペルセポネのため息。
そして、俺もため息を吐く。
「まて、勇者キンジョウとあと、賢者は?」
「知らん。 聖女アルダーに呼ばれてどっか行っちまったよ」
「そうか、あと……」
「なんだい、とっととズラかってアースドラゴンを元に大金得るんだから、早く行かせろ」
「オレも早くイキたいんだからなっ」
「モジャサ、うるせぇ。 あと……なんだ?」
苛立つオザールに、叱られたモジャサは大人しくなっている。
「いや、これだけか。 何も無いのか?」
「はぁ? これで終わりだしなんもねぇよ。 取引成立したし、なければおめぇらが俺たちのコレで死んでただけだ」
オザールとモジャサは、片手に持つ武器をチラつかせて、にんまりとする。
――――何も無い?
――――普通、罠が仕掛けてあったりするだろ?
「なんも無ければ、じゃあな」
「フンフン」
軽い足取りで扉に向かうオザールとモジャサ。
その瞬間、二人の頭が転げ落ち血が噴き上げる。
血に染るオザールとモジャサの体。
転がる満悦な笑みの顔が、真っ赤に染っていく。
剣を鞘に収める音がペルセポネから聴こえると、ため息も届く。
「アースドラゴン返して貰うわ。 あんたらには全く不要な物よ」
倒れた二人の体。
オザールの手にある袋を奪うペルセポネ。
その光景を目にしていた俺は、その状況を眺めながら呟く。
「まさか、バカすぎる……」
「本当にバカな二人よ。 この私かはアースドラゴンを奪おうとするなんて」
「いや、それもそうだが。 普通……魔法や道具とかでで罠とか作るだろ」
「どう見てもバカなんだから、何も考えて無いのよ」
「これなら、そもそもアースドラゴン渡す必要なかったでは無いか」
「見た目通りのバカだったって事」
「バカでも仮にも勇者の仲間なんだ、バカはバカなりに何か策を立てるだろ」
俺は、強いため息を吐きながら天井を見上げるとそこにシャルルの肩を担いだトンドが来る。
「お二人とも、ありがとうございます」
「ありがとう……にゃ」
「軽率なのよ。 捕まった事でどれだけの迷惑がかかったか」
「反省している……にゃ」
「語尾の『にゃ』は何? まるで反省しているようには聴こえないのよね」
冷ややかな目でシャルルをみるペルセポネは、腰に手を当てている。
その目に少し引き気味のシャルルは、トンドの体に身を潜めようとする。
「獣人は、何故か他の種族と話す時に語尾が着いてしまう……にゃ」
「そうか、だからあの犬の獣人も付けていたのか」
「犬の獣人ですか?」
「まぁ、ユカリ達から話があるだろう」
「それよりも、早く戻りましょ」
俺達はこの掘っ建て小屋を出ようとするが、トンドが扉を開けるのに手こずっている。
それにイラつくペルセポネが、トンドを退かし扉を蹴り付ける。
「何これ! 開かない」
ペルセポネが剣を抜きその扉に切り付けるが、何かに阻まれて弾き返されてしまっている。
何度も切り付けるペルセポネ。
阻害する透明な壁が、ペルセポネの斬撃によって次第に存在が目に見えてくる。
――――やはり、何か隠してたな。さすが異世界。
「はぁはぁ、何よりこれ。 まさかバカ二人が仕組んでいた事?」
「それなら、彼らがこの壁を抜けられる何かを持っているのかもしれん」
俺達は、二人の死体に目をやると死体の傍の空間が歪みだす。
「仮にもねぇ、勇者のパーティーだったんだから……うふふ」
「あの女……」
「キンジョウと共に居た金髪の女だな」
奴隷金髪女と呼んでいたが、いまはその身なりが無い。
袖が無く胸元が開いた真っ赤なドレスを着ている。
その奴隷金髪女は、しゃがんで二つの死体に手をやる。
「何あの女、もしかして死体を回収に来たってこと?」
「勇者の仲間の死体が転がっていたら問題だろ」
「お、お二人さん? あちらさん、明らかに敵対しているような目付きですが」
「この二人なんで、そう解釈なの……にゃ」
焦るトンドとシャルル。
――――ペルセポネの剣でも破壊できないとなら。
俺は二叉の槍バイデントをつかみ出しそれを阻害する壁へ突き刺す。
「フフフッ。 そんな物で空間隔離の宝具が、破れるわけないでしょ。 おかしいんじゃない」
奴隷金髪女は、俺を嘲笑うかのよに叫ぶ。
バイデントの先に火花が散ると、その見えない壁にヒビが入ると一気に砕け散り、その衝撃で扉と小屋の壁も吹き飛んでしまった。
「なっなんでぇ!?」
「さぁ、行くか。 つまらん壁つくってこの俺の期待を裏切りやがって」
俺は、ため息混じりでこの建物から出る。
俺の言葉に頷くペルセポネ。
トンドは、シャルルに何か言い聞かせながら足を進める。
「ちょっと!! 待ちなさいぃぃぃっ」
「うるさいわねっ」
ペルセポネは振り返る。
その表情は、鬼とかし睨む目は奴隷金髪女を捉える。
その視線に怯む奴隷金髪女が、怯えた声を上げると俺の傍にいたペルセポネが消える。
「ヒィィィッ」
「逃がさないっ!!」
一瞬でペルセポネは、斬撃を浴びせようと奴隷金髪女に迫る。
しかし、剣の刃が迫るスレスレで消えてしまった。
渋々、戻ってくるペルセポネ。
「逃げた……」
「もしかしたらあの女性。 空間転移の魔法か何か持っているのかも」
しかめっ面するペルセポネは、ボソッと言葉にするトンドの胸ぐらを掴む。
「魔法なの? 魔法なの?」
「わ分かりません。 もしかしたら……仮の話」
「ちっ、鑑識眼使って見なさいよっ」
手を離すペルセポネは、そのまま帰路に戻る。
むせるトンドの背中をさするシャルルは、ペルセポネの後ろ姿を眺めながら「この女、横暴……にゃ」小声で漏らしていた。
アースドラゴンと引き換えにシャルルを返す、という手紙が勇者キンジョウの使いの者から届いたらしい。
そして、着いた場所は廃屋らしき建物が乱立し雑草が生い茂っている場所。
「お二人。 この辺りなはず」
「殺風景ね。 人一人見ないわ」
「隠れる事にうってつけな所だな」
「この先だと……」
トンドの指し示す方向に、少し大きめの掘っ建て小屋。
軋む扉を開け慎重に中に入る俺たち。
その奥にいたのは、髭と髪がもじゃもじゃとした男モジャサと猿のような顔のオザールの二人。
建物の柱に縛られているシャルルが、俺たちを見るや叫んでいるが、その口は布で塞がれていて何を言っているか分からない。
「おお、来たか来たか」
「オザール。 早すぎだろコイツら」
「取引は早い方が良いことに越したことはないだろ」
「猫のあの悶えた顔、堪んなかったんだがなぁ」
「アースドラゴン手に入れば、もっといいヤツ入るといったろ」
「三度の飯より六度の交わり。 堪んねぇんだからよ」
「なんじゃ、それっ」
オザールとモジャサが、武器を片手に不敵な笑みで近づく。
トンドの声が響く。
「勇者、勇者のパーティーが、こんな犯罪的なことやって良いのかっ」
「勇者勇者って。 俺達はそんなこと気にしねぇよっ」
「そうだ。 早くアースドラゴンを寄越せ」
「それなら、シャルルを解放しろ」
「目の前に出せっ。 こっちはあそこに居るんだ」
「ハーデスさん……お願いします」
トンドが申し訳なさそうな表情で頭を下げる。
――――正直、この場で二人を殺った方が早く終わるが。アースドラゴンを出したらコイツらが、どういう行動をとるか気になる。
「ちょっと、もしかして出さないよね?」
「いや、あっさり殺るのもつまらんからな。出してどう動くか見もの」
「おらっ、何してるっ」
「アースドラゴン、アースドラゴンっ」
苛立ちを見せるオザールとその横でモジャサが鼻を鳴らし睨みつけてくる。
だが、俺はアースドラゴンを出す素振りをしながら彼らに問う。
「そう、二人はどうした? 勇者キンジョウと賢者……」
「はぁっ、どうでもいいだろ。 早く出せ」
「フンフンッ!!」
――――なんで答えん。コイツら単独行動なのか?勇者キンジョウは関与してないのか?
隣で口元を抑えているペルセポネをよそに俺は、空間収納からアースドラゴンを取り出す。
床に置かれるアースドラゴンをまじまじと眺めるオザールとモジャサ。
「ふふふ、これで俺らも安泰だな」
「三度の飯より九度の快楽」
目を輝かせる二人は、アースドラゴンに手をかけようとするとトンドの怒号が飛ぶ。
「シャルルを解放しろっ」
「うるせぇ。 勝手に持ってい来やがれ」
にんまりと笑顔のオザール。
シャルルの元に走るトンド。
全く気に掛けないモジャサ。
トンドに縄を解かれたシャルルは、泣き叫びながらトンドに抱きついている。
オザールがアースドラゴンを大きな袋に入れる。
「これで取引成立っ……だな」
「うむうむ」
――――はっ?
「ねぇ、アースドラゴン返して貰うわ」
「何言ってるんだ。 バカか? 女っ」
「はぁ、こっちは穏便に……してあげると言ってるのよ」
「穏便だとぉっ? 意味わからん」
「そうだそうだ、猫返すアースドラゴン貰う。 その取引だ」
「連れ去っていてよく言う」
「あの猫、誘拐したのは俺達じゃねぇしよっ。 このモジャサが襲うのを止めてたことに感謝して欲しいもんだな」
「華奢な身体堪らん、どんな壊れ方するか見たかった」
オザールとモジャサは、そう残し再び外へ足を進めるが、二人の回答にペルセポネのため息。
そして、俺もため息を吐く。
「まて、勇者キンジョウとあと、賢者は?」
「知らん。 聖女アルダーに呼ばれてどっか行っちまったよ」
「そうか、あと……」
「なんだい、とっととズラかってアースドラゴンを元に大金得るんだから、早く行かせろ」
「オレも早くイキたいんだからなっ」
「モジャサ、うるせぇ。 あと……なんだ?」
苛立つオザールに、叱られたモジャサは大人しくなっている。
「いや、これだけか。 何も無いのか?」
「はぁ? これで終わりだしなんもねぇよ。 取引成立したし、なければおめぇらが俺たちのコレで死んでただけだ」
オザールとモジャサは、片手に持つ武器をチラつかせて、にんまりとする。
――――何も無い?
――――普通、罠が仕掛けてあったりするだろ?
「なんも無ければ、じゃあな」
「フンフン」
軽い足取りで扉に向かうオザールとモジャサ。
その瞬間、二人の頭が転げ落ち血が噴き上げる。
血に染るオザールとモジャサの体。
転がる満悦な笑みの顔が、真っ赤に染っていく。
剣を鞘に収める音がペルセポネから聴こえると、ため息も届く。
「アースドラゴン返して貰うわ。 あんたらには全く不要な物よ」
倒れた二人の体。
オザールの手にある袋を奪うペルセポネ。
その光景を目にしていた俺は、その状況を眺めながら呟く。
「まさか、バカすぎる……」
「本当にバカな二人よ。 この私かはアースドラゴンを奪おうとするなんて」
「いや、それもそうだが。 普通……魔法や道具とかでで罠とか作るだろ」
「どう見てもバカなんだから、何も考えて無いのよ」
「これなら、そもそもアースドラゴン渡す必要なかったでは無いか」
「見た目通りのバカだったって事」
「バカでも仮にも勇者の仲間なんだ、バカはバカなりに何か策を立てるだろ」
俺は、強いため息を吐きながら天井を見上げるとそこにシャルルの肩を担いだトンドが来る。
「お二人とも、ありがとうございます」
「ありがとう……にゃ」
「軽率なのよ。 捕まった事でどれだけの迷惑がかかったか」
「反省している……にゃ」
「語尾の『にゃ』は何? まるで反省しているようには聴こえないのよね」
冷ややかな目でシャルルをみるペルセポネは、腰に手を当てている。
その目に少し引き気味のシャルルは、トンドの体に身を潜めようとする。
「獣人は、何故か他の種族と話す時に語尾が着いてしまう……にゃ」
「そうか、だからあの犬の獣人も付けていたのか」
「犬の獣人ですか?」
「まぁ、ユカリ達から話があるだろう」
「それよりも、早く戻りましょ」
俺達はこの掘っ建て小屋を出ようとするが、トンドが扉を開けるのに手こずっている。
それにイラつくペルセポネが、トンドを退かし扉を蹴り付ける。
「何これ! 開かない」
ペルセポネが剣を抜きその扉に切り付けるが、何かに阻まれて弾き返されてしまっている。
何度も切り付けるペルセポネ。
阻害する透明な壁が、ペルセポネの斬撃によって次第に存在が目に見えてくる。
――――やはり、何か隠してたな。さすが異世界。
「はぁはぁ、何よりこれ。 まさかバカ二人が仕組んでいた事?」
「それなら、彼らがこの壁を抜けられる何かを持っているのかもしれん」
俺達は、二人の死体に目をやると死体の傍の空間が歪みだす。
「仮にもねぇ、勇者のパーティーだったんだから……うふふ」
「あの女……」
「キンジョウと共に居た金髪の女だな」
奴隷金髪女と呼んでいたが、いまはその身なりが無い。
袖が無く胸元が開いた真っ赤なドレスを着ている。
その奴隷金髪女は、しゃがんで二つの死体に手をやる。
「何あの女、もしかして死体を回収に来たってこと?」
「勇者の仲間の死体が転がっていたら問題だろ」
「お、お二人さん? あちらさん、明らかに敵対しているような目付きですが」
「この二人なんで、そう解釈なの……にゃ」
焦るトンドとシャルル。
――――ペルセポネの剣でも破壊できないとなら。
俺は二叉の槍バイデントをつかみ出しそれを阻害する壁へ突き刺す。
「フフフッ。 そんな物で空間隔離の宝具が、破れるわけないでしょ。 おかしいんじゃない」
奴隷金髪女は、俺を嘲笑うかのよに叫ぶ。
バイデントの先に火花が散ると、その見えない壁にヒビが入ると一気に砕け散り、その衝撃で扉と小屋の壁も吹き飛んでしまった。
「なっなんでぇ!?」
「さぁ、行くか。 つまらん壁つくってこの俺の期待を裏切りやがって」
俺は、ため息混じりでこの建物から出る。
俺の言葉に頷くペルセポネ。
トンドは、シャルルに何か言い聞かせながら足を進める。
「ちょっと!! 待ちなさいぃぃぃっ」
「うるさいわねっ」
ペルセポネは振り返る。
その表情は、鬼とかし睨む目は奴隷金髪女を捉える。
その視線に怯む奴隷金髪女が、怯えた声を上げると俺の傍にいたペルセポネが消える。
「ヒィィィッ」
「逃がさないっ!!」
一瞬でペルセポネは、斬撃を浴びせようと奴隷金髪女に迫る。
しかし、剣の刃が迫るスレスレで消えてしまった。
渋々、戻ってくるペルセポネ。
「逃げた……」
「もしかしたらあの女性。 空間転移の魔法か何か持っているのかも」
しかめっ面するペルセポネは、ボソッと言葉にするトンドの胸ぐらを掴む。
「魔法なの? 魔法なの?」
「わ分かりません。 もしかしたら……仮の話」
「ちっ、鑑識眼使って見なさいよっ」
手を離すペルセポネは、そのまま帰路に戻る。
むせるトンドの背中をさするシャルルは、ペルセポネの後ろ姿を眺めながら「この女、横暴……にゃ」小声で漏らしていた。
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