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ラウルの案内を手っ取り早く済ませて、図書室へと向かう。
結局、妖精ちゃん呼びを止めさせる事は出来なかったのだ。
それにウィルフォードにも迷惑をかけてしまった事に罪悪感を覚える。
・・・早く行かなくては。
急く気持ちを抑え、淑女として恥ずかしくないくらいの速足で歩く。
そして図書室へ入ると、いつもの席でウィルフォードが本を片手に読んでいた。
「ウィル?待たせてしまってごめんなさい。さっきは間に入ってくれてありがとう」
「ああ。案内はどうだった?」
眉間に皺を寄せて聞いてくる。
これは、怒っているわ・・・。
「大丈夫だったわ。迷惑をかけてごめんなさい」
「いいや、迷惑じゃない。
君が困っていたら助けるのは当たり前だ。
それよりも、いつ知り合ったんだ?
妖精と呼んでいたが、何かしたのか?」
・・・どうしよう。
言いたくないが、言わない訳にはいかない。
私は黒歴史を少し控えめに話す事にした。
「実は、私が庭園で口ずさんでいたら、留学手続きをしに来た、ネフタリアさんに話かけられたのよ」
話を聞いていたウィルフォードが、少し考えてから再度聞き返して来る。
「・・・そうか。
・・・全速力で逃げた、とはなんだ?」
・・・!?
え?聞こえていたの!?
ウィルフォードの席は結構離れていたから、まさか聞こえていたとは思わなかったのだ。
「えっと、急に話しかけられてビックリしちゃったのよ。
それに、歌っている人に話しかける人って余りいないでしょう?だから、その、おかしな人かと思ったの。
・・・私、失礼よね?」
そう伝えると、ウィルフォードは目を丸くした後、笑いを堪える様に口を開いたのである。
「・・・くくっ。
おかしな人って。ははっ。そんな事があったのか。
確かに驚くよな」
「笑い事ではないのよ!声をかけられた時は怖かったんだから」
「ああ、ごめん。
いや、俺の知らない所で密会しているのかと思ったよ」
「みっ!?密会!?
ちょっとやめて頂戴!そんな事ある訳ないでしょ!」
会話をしているうちに、いつの間にか、ウィルフォードの怒りは収まったようだ。
「そうだな。悪かった。俺が怒っていると思ったから、アイツを案内しに行ったんだろう?」
私はウィルフォードの顔が怖かった事を伝えると『案内中に何か言われたりしたか?』と難しい顔で聞き返してくる。
「友達になって、と言われたわ」
「・・・それ以外は?」
それ以外、とは?
質問の意図が分からず、『特にないわよ』と答えるに留めたのだ。
「そうか。友達はいいが、それ以上は止めて欲しい。
・・・すごく嫌なんだ。
もし、アイツに何か言われても毅然とした態度を取るって約束してくれないか?」
それ以上とは?と思ったが、不安そうにしているウィルフォードを見たら、肯定しか出来なかった。
「もちろんよ!ウィルを嫌な気持ちにさせる事はしないわ。約束する!」
「ありがとう。ほっとしたよ」
そう言って微笑んだのであった。
絶対にあの人に屈してなるものですか!
そう決意を新たにするのだった。
【次の日】
学校へ行くと、『昨日は大丈夫だったの?すごく不穏な空気がしていたけれど』とメルティアが心配そうに話し掛けて来たのだった。
「大丈夫よ。私、ネフタリアさんには負けないわ!」
「えっと、何かを競っていたのかしら?」
「そうじゃないんだけど、負けられないのよ」
そう答えた私に、メルティアもアグネスも、『程々にね、私達も応援するわ』と言ってくれたのだ。
と、その時。
「妖精ちゃんおはよー!」
噂をすれば出て来たな!
私は臨戦態勢に入る。
「あら、ネフタリアさん、ごきげんよう。
そして、私はクリーヴランドですよ」
「妖精ちゃんのお友達?これからよろしくね!」
・・・・・・。
「こちらこそよろしくお願いします。
あの、何故エルを妖精ちゃんと呼ばれるのですか?」
メルティアが疑問に思ったのか、ラウルに聞いている。
・・・え。
ここで黒歴史を暴露されるの?
周りを見たら、まばらだが、クラスメイトがいるのだ。
・・・これはマズイ。
私はラウルが話し始める前に口を開いた。
「いや、あの、昨日そう呼びたいって言われたのよ。ね?」
私が話の流れを持って行くと、ラウルが笑顔で答えてくれた。
「そうだね。初めて会った時、妖精の様だったんだよ!すごく綺麗でビックリしたから話しかけたんだ。
名前は聞けなかったから、妖精ちゃんと呼んでいるんだよ。
だから、僕の中では、もう妖精ちゃんなんだよね。今さら変える気はないよ!」
変える気はないと、みんなの前でゴリ押しして来たのだ。
「そうだったのですね。確かにエルは妖精の様に可愛らしいから納得ですわ!」
・・・メル!納得しないで。
そしてアグネスも頷かないで頂戴。
でも、何とかなったんじゃない?
アニソンを全力で歌っていたのがバレなくて、本当によかった・・・。
思わず、ふぅっと心の中でため息が出てしまった。
そうして、ひと段落した時にウィルフォードがやって来たのだ。
私は、挨拶に行く事を皆に伝えて、その場を離れたのである。
【離れた席での会話】
「妖精ちゃんはさ、婚約者と仲良いの?」
「そうですわね。最近は良く一緒にいますよ」
メルティアはフェアリエルの背中を眺めながら答えた。
「ふーん、そうなんだ。相思相愛なのかな?」
「私は、そう思っているのですが、エルがイマイチ理解していない様で。
なので、見守っているのですよ。
ネフタリアさんも、あまり口出ししないでくださいね」
そう言って釘を刺したのだが・・・。
「へぇ。いい事を聞いたよ。ありがとう。じゃあまたね!」
そう言い残して去って行くラウルの背を見ながら、メルティアとアグネスは、何がいい事なのか、がよく分からなかったのだった。
結局、妖精ちゃん呼びを止めさせる事は出来なかったのだ。
それにウィルフォードにも迷惑をかけてしまった事に罪悪感を覚える。
・・・早く行かなくては。
急く気持ちを抑え、淑女として恥ずかしくないくらいの速足で歩く。
そして図書室へ入ると、いつもの席でウィルフォードが本を片手に読んでいた。
「ウィル?待たせてしまってごめんなさい。さっきは間に入ってくれてありがとう」
「ああ。案内はどうだった?」
眉間に皺を寄せて聞いてくる。
これは、怒っているわ・・・。
「大丈夫だったわ。迷惑をかけてごめんなさい」
「いいや、迷惑じゃない。
君が困っていたら助けるのは当たり前だ。
それよりも、いつ知り合ったんだ?
妖精と呼んでいたが、何かしたのか?」
・・・どうしよう。
言いたくないが、言わない訳にはいかない。
私は黒歴史を少し控えめに話す事にした。
「実は、私が庭園で口ずさんでいたら、留学手続きをしに来た、ネフタリアさんに話かけられたのよ」
話を聞いていたウィルフォードが、少し考えてから再度聞き返して来る。
「・・・そうか。
・・・全速力で逃げた、とはなんだ?」
・・・!?
え?聞こえていたの!?
ウィルフォードの席は結構離れていたから、まさか聞こえていたとは思わなかったのだ。
「えっと、急に話しかけられてビックリしちゃったのよ。
それに、歌っている人に話しかける人って余りいないでしょう?だから、その、おかしな人かと思ったの。
・・・私、失礼よね?」
そう伝えると、ウィルフォードは目を丸くした後、笑いを堪える様に口を開いたのである。
「・・・くくっ。
おかしな人って。ははっ。そんな事があったのか。
確かに驚くよな」
「笑い事ではないのよ!声をかけられた時は怖かったんだから」
「ああ、ごめん。
いや、俺の知らない所で密会しているのかと思ったよ」
「みっ!?密会!?
ちょっとやめて頂戴!そんな事ある訳ないでしょ!」
会話をしているうちに、いつの間にか、ウィルフォードの怒りは収まったようだ。
「そうだな。悪かった。俺が怒っていると思ったから、アイツを案内しに行ったんだろう?」
私はウィルフォードの顔が怖かった事を伝えると『案内中に何か言われたりしたか?』と難しい顔で聞き返してくる。
「友達になって、と言われたわ」
「・・・それ以外は?」
それ以外、とは?
質問の意図が分からず、『特にないわよ』と答えるに留めたのだ。
「そうか。友達はいいが、それ以上は止めて欲しい。
・・・すごく嫌なんだ。
もし、アイツに何か言われても毅然とした態度を取るって約束してくれないか?」
それ以上とは?と思ったが、不安そうにしているウィルフォードを見たら、肯定しか出来なかった。
「もちろんよ!ウィルを嫌な気持ちにさせる事はしないわ。約束する!」
「ありがとう。ほっとしたよ」
そう言って微笑んだのであった。
絶対にあの人に屈してなるものですか!
そう決意を新たにするのだった。
【次の日】
学校へ行くと、『昨日は大丈夫だったの?すごく不穏な空気がしていたけれど』とメルティアが心配そうに話し掛けて来たのだった。
「大丈夫よ。私、ネフタリアさんには負けないわ!」
「えっと、何かを競っていたのかしら?」
「そうじゃないんだけど、負けられないのよ」
そう答えた私に、メルティアもアグネスも、『程々にね、私達も応援するわ』と言ってくれたのだ。
と、その時。
「妖精ちゃんおはよー!」
噂をすれば出て来たな!
私は臨戦態勢に入る。
「あら、ネフタリアさん、ごきげんよう。
そして、私はクリーヴランドですよ」
「妖精ちゃんのお友達?これからよろしくね!」
・・・・・・。
「こちらこそよろしくお願いします。
あの、何故エルを妖精ちゃんと呼ばれるのですか?」
メルティアが疑問に思ったのか、ラウルに聞いている。
・・・え。
ここで黒歴史を暴露されるの?
周りを見たら、まばらだが、クラスメイトがいるのだ。
・・・これはマズイ。
私はラウルが話し始める前に口を開いた。
「いや、あの、昨日そう呼びたいって言われたのよ。ね?」
私が話の流れを持って行くと、ラウルが笑顔で答えてくれた。
「そうだね。初めて会った時、妖精の様だったんだよ!すごく綺麗でビックリしたから話しかけたんだ。
名前は聞けなかったから、妖精ちゃんと呼んでいるんだよ。
だから、僕の中では、もう妖精ちゃんなんだよね。今さら変える気はないよ!」
変える気はないと、みんなの前でゴリ押しして来たのだ。
「そうだったのですね。確かにエルは妖精の様に可愛らしいから納得ですわ!」
・・・メル!納得しないで。
そしてアグネスも頷かないで頂戴。
でも、何とかなったんじゃない?
アニソンを全力で歌っていたのがバレなくて、本当によかった・・・。
思わず、ふぅっと心の中でため息が出てしまった。
そうして、ひと段落した時にウィルフォードがやって来たのだ。
私は、挨拶に行く事を皆に伝えて、その場を離れたのである。
【離れた席での会話】
「妖精ちゃんはさ、婚約者と仲良いの?」
「そうですわね。最近は良く一緒にいますよ」
メルティアはフェアリエルの背中を眺めながら答えた。
「ふーん、そうなんだ。相思相愛なのかな?」
「私は、そう思っているのですが、エルがイマイチ理解していない様で。
なので、見守っているのですよ。
ネフタリアさんも、あまり口出ししないでくださいね」
そう言って釘を刺したのだが・・・。
「へぇ。いい事を聞いたよ。ありがとう。じゃあまたね!」
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