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授業が終わりウィルフォードと一緒に図書室に行こうと思ったが、ウィルフォードが先生に呼ばれた為、一人で先に行く事にしたのだ。
廊下を歩いていたら背後から聞き覚えのある声に呼び止められた。
「クリーヴランドさん!お久しぶりです」
振り向くと、ミレットが小走りに駆け寄って来る。
「あら、バンサムさん、ごきげんよう。お元気でしたか?」
「ええ。同じクラスになれなくて残念でした。
あの、私の事はミレットと呼んではくれませんか?」
「では、私の事もフェアリエルと呼んでください」
そう伝えると嬉しそうに笑う彼女を見て、私も笑みを零したのであった。
「それでは、私は図書室に行くので、またね。ミレットさん」
「はい!フェアリエルさん、またよろしくお願いします」
ミレットさんはいつも元気ね。
とても可愛らしい。
乙女ゲームだったら彼女がヒロイン役にピッタリだ。
そんな事を考えながら、今日も図書室へと向かうのであった。
図書室に着き、ガボの事を思い浮かべる。
鮮度を失わず長期間保存できれば、自領で消費できない物を他領へと流通する事ができるのよね。
・・・やっぱり、冷凍する事かしら?
この国は食べ物を凍らせる習慣がない。
氷は必要な時にマジッククレーで作れる為、冷蔵庫はあるが、冷凍庫は無いのだ。
瞬間冷凍のマジッククレーを作成して、断熱ケースに取り付ければ、持ち運びも可能よね?
しかも、アイスクリームも保存できるから、いつでも好きな時に食べられるわ!
・・・なんて素敵なの!
早速、氷と風の本を見てみましょう。
そうして、本を探しに行き、席へ帰るとウィルフォードが既に来ていた。
私は先ほどの考えをウィルフォードに伝えたのだ。
「ガボか。確かに日持ちしないと聞いた事がある。
俺は食した事がないから、どんな物かは知らないが、ガボ以外にも、自領でしか出回らない物が流通可能となれば、途轍もない利益を生み出すな。
その、瞬間冷凍とは本当に鮮度が落ちないのか?」
「そうね。全ての物が大丈夫なのではなく、物によると思うの。
ガボの場合はそのまま食べる物ではないから、大丈夫だと思うけれど、キュウリとかは難しいと思うわ」
「なんでそんな事を知っているんだ?」
「・・・え?
えーっと、夢!
そう夢の中で見たのよ!
・・・お告げかもしれないじゃない?
試してみる価値はあると思うの。なので、氷と風の本を持って来たのよ」
ウィルフォードがジッと私を見ている。
沈黙が緊張を煽る。
・・・騙されてはくれないかしら?
「・・・そうか。
君が言うと、あり得ない話ではない様な気がしてきたよ。
では、次はこれを作るんだな?」
ふぅ、納得してくれてよかった。
だから私は、これからのビジョンをウィルフォードに伝えたのだ。
「ええ。世の中をもっと快適に出来ればと思うわ!」
そう伝える私を見て、ウィルフォードは眩しい物を見るかのように目を細め口を開いた。
「・・・フェアリエルはすごいな。
以前語っていた夢を聞いて、可愛らしい少女の夢だと思っていた。
けれど今は、目標の為に日々変わって行く君を見るのが、俺はとても好きだよ。
君の考えや、行動力をとても尊いものだと思っている」
愛おしいと言う顔でウィルフォードが伝えてくれる。
・・・これは本格的にマズイかもしれない。
ウィルフォードの存在が目を逸らしたくても、逸らせないぐらいに大きくなってきている。
そう、私は彼の事が好きなのかもしれないという事を・・・。
廊下を歩いていたら背後から聞き覚えのある声に呼び止められた。
「クリーヴランドさん!お久しぶりです」
振り向くと、ミレットが小走りに駆け寄って来る。
「あら、バンサムさん、ごきげんよう。お元気でしたか?」
「ええ。同じクラスになれなくて残念でした。
あの、私の事はミレットと呼んではくれませんか?」
「では、私の事もフェアリエルと呼んでください」
そう伝えると嬉しそうに笑う彼女を見て、私も笑みを零したのであった。
「それでは、私は図書室に行くので、またね。ミレットさん」
「はい!フェアリエルさん、またよろしくお願いします」
ミレットさんはいつも元気ね。
とても可愛らしい。
乙女ゲームだったら彼女がヒロイン役にピッタリだ。
そんな事を考えながら、今日も図書室へと向かうのであった。
図書室に着き、ガボの事を思い浮かべる。
鮮度を失わず長期間保存できれば、自領で消費できない物を他領へと流通する事ができるのよね。
・・・やっぱり、冷凍する事かしら?
この国は食べ物を凍らせる習慣がない。
氷は必要な時にマジッククレーで作れる為、冷蔵庫はあるが、冷凍庫は無いのだ。
瞬間冷凍のマジッククレーを作成して、断熱ケースに取り付ければ、持ち運びも可能よね?
しかも、アイスクリームも保存できるから、いつでも好きな時に食べられるわ!
・・・なんて素敵なの!
早速、氷と風の本を見てみましょう。
そうして、本を探しに行き、席へ帰るとウィルフォードが既に来ていた。
私は先ほどの考えをウィルフォードに伝えたのだ。
「ガボか。確かに日持ちしないと聞いた事がある。
俺は食した事がないから、どんな物かは知らないが、ガボ以外にも、自領でしか出回らない物が流通可能となれば、途轍もない利益を生み出すな。
その、瞬間冷凍とは本当に鮮度が落ちないのか?」
「そうね。全ての物が大丈夫なのではなく、物によると思うの。
ガボの場合はそのまま食べる物ではないから、大丈夫だと思うけれど、キュウリとかは難しいと思うわ」
「なんでそんな事を知っているんだ?」
「・・・え?
えーっと、夢!
そう夢の中で見たのよ!
・・・お告げかもしれないじゃない?
試してみる価値はあると思うの。なので、氷と風の本を持って来たのよ」
ウィルフォードがジッと私を見ている。
沈黙が緊張を煽る。
・・・騙されてはくれないかしら?
「・・・そうか。
君が言うと、あり得ない話ではない様な気がしてきたよ。
では、次はこれを作るんだな?」
ふぅ、納得してくれてよかった。
だから私は、これからのビジョンをウィルフォードに伝えたのだ。
「ええ。世の中をもっと快適に出来ればと思うわ!」
そう伝える私を見て、ウィルフォードは眩しい物を見るかのように目を細め口を開いた。
「・・・フェアリエルはすごいな。
以前語っていた夢を聞いて、可愛らしい少女の夢だと思っていた。
けれど今は、目標の為に日々変わって行く君を見るのが、俺はとても好きだよ。
君の考えや、行動力をとても尊いものだと思っている」
愛おしいと言う顔でウィルフォードが伝えてくれる。
・・・これは本格的にマズイかもしれない。
ウィルフォードの存在が目を逸らしたくても、逸らせないぐらいに大きくなってきている。
そう、私は彼の事が好きなのかもしれないという事を・・・。
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