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エピローグ
今日は正式に婚約を交わす為に父と王宮へと来ている。
そして私は、先日、衝撃的な事実を知ったのだ。
まさか、ウィルフォードと私が仮婚約だったなんて知りもしなかった。
父から経緯を全て聞いた私は、一生懸命に婚約解消をしようと奮闘していた私の努力は何だったのだろう。
と思うのと、それがなければ、ウィルフォードとの今の関係は無かったのではないだろうか。
と考えると、複雑な心境になってしまった。
そして、応接室に通されると、陛下達3人が揃って出迎えてくれたのだ。
「フェアリエルちゃん!これでやっと、わしの娘じゃな!陛下ではなくお義父様と呼んでおくれ」
陛下はいつにも増してご機嫌だった。
そんな陛下を見ていた王妃様が口を開いたのだ。
「フェアリエルさん、私の事もお義母様と呼んでね。
――――あぁ、なんて素敵なの!やっとだわ。
・・・・・やっと、本当の娘になるのね」
王妃様の態度がいつもと違い過ぎて唖然としてしまった・・・。
私の事が苦手だと思っていたが、どうやら勘違いだったみたいだ。
そんな2人を見た父が。
「コホン。
フェアリエルは、まだ婚約者の身です。
お二人とも、程々にしてください」
「ベンジャミンは相変わらず固いのぅ。
そうかっ!わしがフェアリエルちゃんの1番の父になっちゃうのが、そんなに怖いか?」
「!?何を言いますか!!
フェアリエルの1番の父は、いつ迄も私と決まっているのですぞ!
お戯れはやめて頂きたい」
両親の話について行けず、私とウィルフォードは目を合わせて苦笑したのであった。
そうしてやっと、話が纏まった様で、婚約証書へサインをしたのだ。
陛下は『めでたいから飲むぞ!』と父を連れ出して行く。
王妃はそんな2人を見て『仕方ないわね』と言い、コチラに振り向いた。
「二人とも、おめでとう。
あなた達がいつまでも幸せである事を、私達親は願っているのよ。
この先、きっと色々な事があるでしょう。
けれど、2人で話し合い、力を合わせて乗り越えて行きなさい。
あなた達なら、大丈夫よ」
そう言って微笑み、退出して行ったのだった。
私達は顔を見合わせ手を取り微笑み合う。
「フェアリエル、折角だから散歩でもしないか?」
ウィルフォードが誘ってくれたので、2人で庭園へ行く事にしたのだ。
そして、私は昔から気になっていた事があるので、この機会に聞いてみるのもいいだろう、と思い問いかけた。
「ねぇ、ウィルはどうして私の愛称を呼んではくれないの?」
すると、ウィルフォードは暫し考えてから口を開いた。
「みんながエルって呼んでいるから、特別感がないだろう?
それに、俺は君の名が好きなんだ。
だから一文字も省略したくはないんだよ。
これから先、君が自分の名前を忘れたとしても、俺が一生呼び続けるからな」
そう言って笑うウィルフォードに目が釘付けになる。
好きだと言われるより、胸にグッと来た。
今度は私が感極まりウィルフォードに抱き着いたのだ。
そして、ウィルフォードも私を優しく抱きしめてくれた。
好きな人と思いが通じる事が、こんなにも幸せに感じるなんて。
そうして、私達は自然と唇を重ねたのだ。
私は、この日の事を生涯忘れはしないだろう。
今の幸せは過去の出来事を乗り越えて来たから出会えたんだわ。
人生で無駄な事なんて何一つない。
全てが大切で、愛おしい、私の歩む軌跡なのだ。
きっと、これから先も色々な事があるだろう。
けれど、私は諦めずに前へと進み続けたい。
・・・・もちろん、ウィルフォードと一緒に。
だって私は、前世を含めて、今が一番、幸せなのだから。
——END——
そして私は、先日、衝撃的な事実を知ったのだ。
まさか、ウィルフォードと私が仮婚約だったなんて知りもしなかった。
父から経緯を全て聞いた私は、一生懸命に婚約解消をしようと奮闘していた私の努力は何だったのだろう。
と思うのと、それがなければ、ウィルフォードとの今の関係は無かったのではないだろうか。
と考えると、複雑な心境になってしまった。
そして、応接室に通されると、陛下達3人が揃って出迎えてくれたのだ。
「フェアリエルちゃん!これでやっと、わしの娘じゃな!陛下ではなくお義父様と呼んでおくれ」
陛下はいつにも増してご機嫌だった。
そんな陛下を見ていた王妃様が口を開いたのだ。
「フェアリエルさん、私の事もお義母様と呼んでね。
――――あぁ、なんて素敵なの!やっとだわ。
・・・・・やっと、本当の娘になるのね」
王妃様の態度がいつもと違い過ぎて唖然としてしまった・・・。
私の事が苦手だと思っていたが、どうやら勘違いだったみたいだ。
そんな2人を見た父が。
「コホン。
フェアリエルは、まだ婚約者の身です。
お二人とも、程々にしてください」
「ベンジャミンは相変わらず固いのぅ。
そうかっ!わしがフェアリエルちゃんの1番の父になっちゃうのが、そんなに怖いか?」
「!?何を言いますか!!
フェアリエルの1番の父は、いつ迄も私と決まっているのですぞ!
お戯れはやめて頂きたい」
両親の話について行けず、私とウィルフォードは目を合わせて苦笑したのであった。
そうしてやっと、話が纏まった様で、婚約証書へサインをしたのだ。
陛下は『めでたいから飲むぞ!』と父を連れ出して行く。
王妃はそんな2人を見て『仕方ないわね』と言い、コチラに振り向いた。
「二人とも、おめでとう。
あなた達がいつまでも幸せである事を、私達親は願っているのよ。
この先、きっと色々な事があるでしょう。
けれど、2人で話し合い、力を合わせて乗り越えて行きなさい。
あなた達なら、大丈夫よ」
そう言って微笑み、退出して行ったのだった。
私達は顔を見合わせ手を取り微笑み合う。
「フェアリエル、折角だから散歩でもしないか?」
ウィルフォードが誘ってくれたので、2人で庭園へ行く事にしたのだ。
そして、私は昔から気になっていた事があるので、この機会に聞いてみるのもいいだろう、と思い問いかけた。
「ねぇ、ウィルはどうして私の愛称を呼んではくれないの?」
すると、ウィルフォードは暫し考えてから口を開いた。
「みんながエルって呼んでいるから、特別感がないだろう?
それに、俺は君の名が好きなんだ。
だから一文字も省略したくはないんだよ。
これから先、君が自分の名前を忘れたとしても、俺が一生呼び続けるからな」
そう言って笑うウィルフォードに目が釘付けになる。
好きだと言われるより、胸にグッと来た。
今度は私が感極まりウィルフォードに抱き着いたのだ。
そして、ウィルフォードも私を優しく抱きしめてくれた。
好きな人と思いが通じる事が、こんなにも幸せに感じるなんて。
そうして、私達は自然と唇を重ねたのだ。
私は、この日の事を生涯忘れはしないだろう。
今の幸せは過去の出来事を乗り越えて来たから出会えたんだわ。
人生で無駄な事なんて何一つない。
全てが大切で、愛おしい、私の歩む軌跡なのだ。
きっと、これから先も色々な事があるだろう。
けれど、私は諦めずに前へと進み続けたい。
・・・・もちろん、ウィルフォードと一緒に。
だって私は、前世を含めて、今が一番、幸せなのだから。
——END——
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