婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

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さん

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私への風当たりは強かった。
一部の貴族派以外はみなシアを慕い、そして私を敵視してくる。私の味方をする一部の貴族も結局は私を王太子妃にしたかっただけで、私自身を好きなわけではなかった。それが何となく分かっていたから、薄々気付いていたからこそ余計私は荒れた。私の周りにいるものに冷たく当たり、ものを投げ、あの女に嫌がらせをする。きっと寂しかったのだと思う。
一度目に処刑される時、シアは私にあいに来た。牢に拘束された私のところまで訪れて、そして私を見た。それは酷く冷静で冷たい顔で、その顔を見た時私はヒヤリとした。処刑を待たずしてこの女に殺されるのか、とすら思った。
シアは、いつも笑顔で朗らかだった。ただ、私の前を除いて。それでも私にもあたりは良かったし、雰囲気も明るかった。ただ、私が期待しない反応を見せると急に冷たくなるのだ。
二重人格なのかと最初は疑い、途中から決めつけ、周りに言いふらした。だけど当然それは信じられず、みな彼女のことを信じた。
王太子である彼に告げた時の言葉を思い出す。

───彼女が羨ましいのは分かる。だけど、だからといって風評被害をしていい訳では無い

彼は、はなから取り合ってくれなかったのだ。私よりも彼女を信じたことに怒りが湧き、私の彼女への嫌がらせはどんどんエスカレートしていった。
そして、処刑する前に牢屋であった時。彼女は言った。

───ざぁんねん!ゲームーオーバー。
あなたは殺されて、私がお妃様になる。ねえ、今どんな気分?どんな気分?

その時の私の気持ちと言ったら、多分言わなくても分かると思う。悔しさと怒りが混じりあって震えてしまった。それを見て、シアは微笑んだ。初めて見た顔だった。まるで興奮しているような、ときめきを抑えているような顔。

───可哀想なご令嬢。あっ、もう令嬢じゃないんだっけ?もうただの、シャーロットだね!

あはは!そう言って笑う、彼女の笑い声がまだ頭に残っている。
今は春。私は高等部の二年生なので、あと一年時間が残されている。私が処刑されたのは奇しくも卒業式の日だった。いや、あの女のことだ。きっと意図してわざと処刑日をその日にしたのだろう。両親の悔しそうな、悲しそうな顔が脳裏を過る。

───どうしてこんなことしたの。どうしてこうなってしまったの

そう言って泣き崩れる母親の姿は、いつもより小さくて、哀れだった。父親はそんな母親を支えながら、私を見てきた。何かを訴えかけているような顔だった。

その時になって、私は過ちを知った。

シアを傷つけたこと。それは、紛れもない事実。罪を重ねたから、罰がある。私は心底悔やんだ。自分が悪いのだと決めつけた。

だけど、三回目の今となっては疑問がよぎる。
ここまでされるほど?
私は、処刑されるほどの罪を重ねていたのだろうか。
行った嫌がらせは悪辣だったとはいえ、悪口だったり、ものを隠したり、階段から落としたりと言ったものだった。
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