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よん
しおりを挟む階段から落とした時こそ死んでしまえばいい、いや。そんな明確な感情ではなかった。消えてしまえ、いなくなれ、と念じていた。
だけど結局、シアは無事だった。足はくじいたらしいが、目立った傷はないとのことだった。
異世界人だから、目をかけられていたのだろうか。確かに他国の王族を階段から落としたら厳罰ものだろう。だけどそれでも死刑になるだろうか。
なぜ、私は死刑になったのか。それが今でもわからない。
二回目の転生。
私は前回の反省を生かし、シアに優しく振舞った。王太子の婚約者として恥ずかしくないよう生きて、そして社交的になった。それはとてつもなく疲れることだった。大して楽しくもないのに笑い、大して面白くもないのに微笑む。嫌いな人間にだって社交辞令で仲良くし、仮面を貼り付ける。
そうしたら、今度は周りの貴族は私を見下すようになった。いや、見下すという表現は正しくない。
私のことを利用するようになった。私という人間が怖くないと判断したからなのか、威厳がないと思ったのか。きっと両方だ。私はまた間違った。
起こらないように、穏やかな性格を維持するようになれば今度は彼らは打って変わって私に強く出るようになった。
私の意見は流されるようになり、代わりに彼らの意見を押し付けられる。
私の周りに集まるものというのはやはりシアを邪魔に思う人間が大半だったので、結局私はシアのいじめの筆頭に据えられてしまった。
「ほんと、馬鹿みたい………」
ぽつりと呟く。手を伸ばす。何も、つかめなかった。
結局二回目のループも一回目の反省をいかせず、私は死んだ。何も知らなかった、知らないうちに私がシアのいじめの戦犯になっていたのだ。
彼らに罪を押し付けられた時、さすがにこの流れはいけないと気づいた。私はまた間違ったのだと知った。
だけどそれでも正攻法で何とかしたかった私は、まっすぐ彼らと話し合うことにした。今思えば、それがいけなかった。いや、もう何がいけないかなんてわからない。言葉一つとっても、それが積み重なってああなったのかもしれないし。人生は選択の連続だという言葉がある。まさに、それだと思った。
貴族派の数人を集めて、私は話し合いに行った。主にシアに嫌がらせをしているものたちだった。
待ち合わせの場所にいくと、既に数人が集まっていた。話し合いは表面上うまくいっていた。私が怒りを露わにすると、彼らは困惑したように頷いた。そして、彼らはシアにはもう手を出さない、と誓った。
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