婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

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にじゅーいち

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「殿下、わたくしは夢見がちにも愛のある生活に憧れています。愛のない夫婦生活を送ることは、わたくしには耐えられません」

「……そうだね。でも、一ヶ月は決められていることだ」

「はい。ですので殿下にもご承知おきいただきたいのです。一ヶ月後、互いの気持ちが伴わなければ、この婚約は解消すると」

「なるほど………。そこに繋がるんだね」

そう言えば、ここまで長く話したのは3回目の人生で初めてかもしれない。3回目の人生、私は失敗したくなくて。死にたくなくて、必死だった。できるだけ電荷ち関わらないようにして、無事婚約破棄ができるように準備して。それしか考えていなかったから。
今回ばかりは違うかもしれない、なんてそんな大層な夢は見てはいけない。何回巻き戻ったってその人の本質は変わらない。

小手先のやり方じゃ私の未来は変わらない。殿下と私に、未来はない。
私がそう伝えると、殿下は少し視線を落とした後、私に告げた。

「分かった。その約束を呑もう。リーリアにもそう伝えておく」

リーリアは婚約管理なんたら委員会の人間らしいが、双方が合意のもと婚約を白紙に戻すといえばきっと文句は言わないだろう。目指すところはそこだ。そして私はその先でハッピーライフを歩んでやる。
誰にも縛られない、誰の命令にも従わない自由な環境で好きに生きてやる………!

「では、契約者を作成いたしましょう」

そう伝えて私は魔力で練り上げた契約者を作り上げた。透明な膜が貼られたような契約者は、よっぽどのことがない限り破棄できない。この契約者は主に雇用契約書、婚約書、婚姻書などに使われる。

「では、殿下から………お願いしてもよろしいでしょうか」

簡単に内容を確認した後、私は告げた。
即席で作った割にはかなり形になっている契約書。これで十分使えるだろう。
私が差し出すと、殿下は指を持ち上げた。そして人差し指でさらさらと契約書にサインする。あまり内容を読んでないように思われたが、恐らくもう頭に入っているのだろう。彼は感情的な面で人間失格だと思うが、王太子としてはできる。

「………書いたよ」

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