婚約破棄までの大切なプロセス

ごろごろみかん。

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よんじゅう

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声を潜めてラーセルが言ってくる。
シャフィナとアメリアは私の後ろを少し離れて着いてきた。さて、ここからどうしようかしら………。私が本来行きたい場所はバーのような作りになっていて、表立っては酒飲み屋にしか見えないだろう。だけど知る人ぞ知るーーーというより、ラーセルならきっと気づく。私がメゾネリアに用があると気づかれるのはきっと、現状まずいと思う。
人生は選択の連続だとはよく言ったものだと思う。こんな細かい選択肢でさえ、私は選ばなければならない。どの選択肢が正しいのか、それともこの選択肢が既に死につながってるのか。よく分からない。だけどそれでも私は必死に生き抜いてみせる。死ぬために生まれてきたなんて冗談じゃない。そして、死ぬ度に繰り返すこの人生に辟易としていた。

短くない人生。いや、一つ一つの人生は短命で若くして命を落としたけれど、合計すれば結構長く生きているつもりではある。
身体的には若い私はしかし、精神面だと既に老齢ということなのだろうか。あまり考えたくない。
その短くない人生で知り得た情報を総動員して私はとある薬屋に当たりをつけた。

「ここよ、アメリア。着いてきてくれる?」

目の前にはこぢんまりとしたどこにもありそうな薬屋がある。
あまり有名ではない個人店だ。入口にシャフィナ、ラーセルを待たせる。
男性陣はここで待ってるように言い伝えれば思ったより大人しくラーセルは店の近くで待機することにしたようだ。店のすぐ脇にある幹の太い木にもたれながら

「早くな」

と急かしの言葉をいただく。
美容系のお薬ということで気を使ってくれたのだろう。良かった~~~!
薬屋に用事があると言っておいて。まさかラーセルがついてくることになるとは思わなかったが、今となっては起点の聞く店でよかったと思う。
私はそれに頷いて返しながらアメリアを連れて店に入った。
チリリン、と静かに鈴の音が鳴る。ここの店主は色んな意味で貴族女性から有名だ。お茶会で以前ーーー、と言っても一度目の人生で、だけど。耳に挟んだことがある。ここの店主は金を積めばなんでもしてくれるらしい、と。
私は懐に忍ばせた金の重さを確認しながら店主の姿を探した。

「いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね?」

果たして現れたのは、どこか女性的な色合いを漂わせる青年だった。
彼が店主なのだろうか。腰まである水色の長髪をひとつにまとめた彼は私を見るとにこりと微笑んだ。どこか胡散臭く感じる。
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