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タイミングの良さか悪さか 2
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むしろ、半年前までは赤の他人で、半年前にいきなり突然結ばれたのがこの婚約だった。
理由は簡単。元婚約者であった公爵令嬢の不祥事である。その不祥事を暴いた令嬢こそがヴィヴィアナ・リクルリアであり、ヴィヴィアナは公爵令嬢に次ぐ格式高い伯爵家の令嬢だった。不祥事の告発とその聡明さから、次の婚約者は彼女かとまことしとやかに社交界では噂されたがーーー。
しかしすぐにヴィヴィアナも家の不祥事が明らかとなり、その噂話はけ立ち消えとなった。
そんな事情があり、王太子である彼の婚約者の座は一時空白となった。
そして次に婚約者に据えられたのが今の妃、リーフェリア・ミテフュードだ。
彼女は伯爵家で、それなりに格式高い生まれの令嬢なのだが元公爵令嬢の不祥事とヴィヴィアナの不祥事が重なったがために王太子の婚約者に据えられた。
そして王太子の年齢が十九歳だったことも大きい。王家の婚姻で王太子が二十歳の時点で未婚だったことはこのミテフュード国には一度もないことだった。長い婚約期間は取れない。
そのためリーフェとレイルの婚約はかなり短縮され、あっという間に結婚式を迎えたというわけだ。
元公爵令嬢との婚約破棄、そして次の婚約者候補と名高かったヴィヴィアナの不祥事が明らかになり、こぼれ落ちてきた偶奇。
周りはそう見た。その視点から、彼女は密かに『棚ぼた妃』と噂されている。ーーーというのも、もちろんレイルもそれは知っている。
しかも面倒なことにレイルとヴィヴィアナは実は恋仲だったとか、引き裂かれた愛だとか、そんなしょうもない噂話まで出ているらしい。火のないところに煙がたちすぎである。
どうしたって周りは悲恋とか切ない恋話が好きなのかもしれないが、それはれっきとした王族への侮蔑行為であり、不敬罪だとレイルは認識していた。何よりヴィヴィアナとの恋情だとか絶対に有り得ない。レイルから見たヴィヴィアナは正直いい女とは言えなかった。むしろあれをすきになる男がいれば趣味が悪いと思うだろう。だからこそ、そんな人間と噂話されるのは不愉快だった。
とはいえ、あまり騒ぎ立てるのは得策ではない。
もっと穏やかに、かつ的確にそう言ったしょうもない噂話は根絶やしにするべきだ。
彼はその噂を嬉々として流す派閥の特定や、それに論じない真面目な官司や女官の採用など手早く手を回した。
しかしそれはじわじわきいてくるものであり、即効性はない。やはり、噂話をかき消すには新しい火種を投入するのが1番か。そんなことを考えていた矢先。
ここにきて自分の側近であり幼馴染のテオバルト・ドーイナーにヴィヴィアナとのことを聞かれて鬱憤が爆発したのである。
「いや、でもヴィヴィアナ嬢も綺麗じゃん。金髪にくるくるの巻き毛。スタイルもいいし。ちょっと気が強いけど」
「ちょっと?あれは自分の思うことは全て正しいと根拠もなく信じている女だぞ。知性の欠けらも無い」
「そうかなぁ……俺は悪くないと思うけど。体とか」
「趣味が悪いな」
「男なら当然のことだろ」
テオバルトが白い歯を見せて笑うのを見て、レイルは嫌そうに僅かに瞳を細めた。ただ、すぐに視線を持っていた文献へと戻し、ページをぺらりとめくる。そもそも今はそんな話をしている場合ではない。仕事は山ほどあるのだ。その仕事の息抜きにでもとテオバルトは話を振ったのかもしれないが無駄に時間を使った。
「さっきの話だけどーーーリーヴェルト市はベネリア海に面していたな。30年前にも3代前の国王が海水被害による作物の軽減を測って堤防を作ったというが、あれはどうだった」
「それならここら辺の文献に………確か残ってるはずです。成果はまあまあってところですかね。海水の水侵は防げてますけど、潮風は防げませんし。ダメになる作物はそれでも2~3割程度だそうですよ」
「やっぱりそれをどうにかするより潮風にも耐える作物の種を開発した方がよほど早そうだな………」
「トリタスの実とかどうです?」
テオバルトの言葉に、レイルは思案の末短く首を振る。トリタスの実は南海区域で売られる果物である。小さな、さくらんぼ程度の実である。
「トリタスの実も悪くは無いけれどあれで生活を確定するほどの売上を出すのは無理だ。となると一から開発をする手筈になるだろうけど………種の研究費が問題だな………」
レイルはため息をついた。研究費の捻出といえば間違いなく農畜輪園大臣との話し合いは避けられない。あの男は机上の話をするのが大嫌いである。であれば、データを取りまとめて理論で推していくのが一番なのだが、その手間すら惜しい。というより、レイルはここ最近まともな睡眠すら取れていない。
レイルの業務量は果てしない。
本来であれば各王子と分担してこなすであろう業務はほぼほぼレイルがこなしていた。第一王子であるレイルの義兄は数年前にレイルから王太子の座を奪おうと躍起になって、結果自分を追い詰める結果となった。
第一王子には既に王位継承権がなく、政務に携われるはずがない。第三王子のダリルは政務よりも女遊びの方が好きなようで、これもまた役に立たない。第四王子のセディアスはまだ十二歳でそもそも政務に携われる年齢でもない。一人でこなすには無理がある量をそれでもこなせているのはレイルが優秀だったからであり、優秀であるからこそレイルの業務量は毎日増えていく。
レイルは幼い時より異常に勘が良く、覚えが良かった。何においてもコツを掴むのが早く、剣術においても勉学においても少しかじればなんでも上達していった。本人はそれが当然だと思ったしわざわざ何かに打ち込まなくても出来るのだから当然上は目指さない。
しかし、リーフェにあってから全てが変わったのだ。基準がリーフェなのだから。
リーフェに何があっても守れるように剣術にも励んだし、国を豊かにして彼女に苦労をかけないためにも、進んで国の歴史や過去の政策、細かいところでいえば地方からの嘆願書のフォーマット作成まで全てに目を通した。
やろうとすればやるべき事なんて山ほどある。それを着実にこなしていったのが今の現状であり、山のような仕事である。
正直、王太子なんて座はいらない。
政務だって楽しいだけではない。
むしろ前例のない未知数を予測と経験と勘だけで政策として取りまとめるのだからとてつもなく疲れる。
レイルは未だに政務も剣術も好きではない。
だけどリーフェとの結婚生活続けるためなのだからやるしかない。
ようやく十年以上かけて初恋の彼女と結婚したのだ。この幸せを継続させるためなら何だってやるに決まってる。
レイルは静かに切れ長の瞳で文献を見ていった。傍から見てるだけなら落ち着いて見える、容姿端麗の、少しだけ冷たい雰囲気のする美青年だ。そう、見てるだけなら。レイルはいつだって自分の本心をさらけ出すような真似はしない。砕けて話すのも幼馴染のテオバルトだけである。
だけど実際のレイルはかなり自分の妻に依存した、傾倒していると言ってもいいーーー重い男だったのである。
理由は簡単。元婚約者であった公爵令嬢の不祥事である。その不祥事を暴いた令嬢こそがヴィヴィアナ・リクルリアであり、ヴィヴィアナは公爵令嬢に次ぐ格式高い伯爵家の令嬢だった。不祥事の告発とその聡明さから、次の婚約者は彼女かとまことしとやかに社交界では噂されたがーーー。
しかしすぐにヴィヴィアナも家の不祥事が明らかとなり、その噂話はけ立ち消えとなった。
そんな事情があり、王太子である彼の婚約者の座は一時空白となった。
そして次に婚約者に据えられたのが今の妃、リーフェリア・ミテフュードだ。
彼女は伯爵家で、それなりに格式高い生まれの令嬢なのだが元公爵令嬢の不祥事とヴィヴィアナの不祥事が重なったがために王太子の婚約者に据えられた。
そして王太子の年齢が十九歳だったことも大きい。王家の婚姻で王太子が二十歳の時点で未婚だったことはこのミテフュード国には一度もないことだった。長い婚約期間は取れない。
そのためリーフェとレイルの婚約はかなり短縮され、あっという間に結婚式を迎えたというわけだ。
元公爵令嬢との婚約破棄、そして次の婚約者候補と名高かったヴィヴィアナの不祥事が明らかになり、こぼれ落ちてきた偶奇。
周りはそう見た。その視点から、彼女は密かに『棚ぼた妃』と噂されている。ーーーというのも、もちろんレイルもそれは知っている。
しかも面倒なことにレイルとヴィヴィアナは実は恋仲だったとか、引き裂かれた愛だとか、そんなしょうもない噂話まで出ているらしい。火のないところに煙がたちすぎである。
どうしたって周りは悲恋とか切ない恋話が好きなのかもしれないが、それはれっきとした王族への侮蔑行為であり、不敬罪だとレイルは認識していた。何よりヴィヴィアナとの恋情だとか絶対に有り得ない。レイルから見たヴィヴィアナは正直いい女とは言えなかった。むしろあれをすきになる男がいれば趣味が悪いと思うだろう。だからこそ、そんな人間と噂話されるのは不愉快だった。
とはいえ、あまり騒ぎ立てるのは得策ではない。
もっと穏やかに、かつ的確にそう言ったしょうもない噂話は根絶やしにするべきだ。
彼はその噂を嬉々として流す派閥の特定や、それに論じない真面目な官司や女官の採用など手早く手を回した。
しかしそれはじわじわきいてくるものであり、即効性はない。やはり、噂話をかき消すには新しい火種を投入するのが1番か。そんなことを考えていた矢先。
ここにきて自分の側近であり幼馴染のテオバルト・ドーイナーにヴィヴィアナとのことを聞かれて鬱憤が爆発したのである。
「いや、でもヴィヴィアナ嬢も綺麗じゃん。金髪にくるくるの巻き毛。スタイルもいいし。ちょっと気が強いけど」
「ちょっと?あれは自分の思うことは全て正しいと根拠もなく信じている女だぞ。知性の欠けらも無い」
「そうかなぁ……俺は悪くないと思うけど。体とか」
「趣味が悪いな」
「男なら当然のことだろ」
テオバルトが白い歯を見せて笑うのを見て、レイルは嫌そうに僅かに瞳を細めた。ただ、すぐに視線を持っていた文献へと戻し、ページをぺらりとめくる。そもそも今はそんな話をしている場合ではない。仕事は山ほどあるのだ。その仕事の息抜きにでもとテオバルトは話を振ったのかもしれないが無駄に時間を使った。
「さっきの話だけどーーーリーヴェルト市はベネリア海に面していたな。30年前にも3代前の国王が海水被害による作物の軽減を測って堤防を作ったというが、あれはどうだった」
「それならここら辺の文献に………確か残ってるはずです。成果はまあまあってところですかね。海水の水侵は防げてますけど、潮風は防げませんし。ダメになる作物はそれでも2~3割程度だそうですよ」
「やっぱりそれをどうにかするより潮風にも耐える作物の種を開発した方がよほど早そうだな………」
「トリタスの実とかどうです?」
テオバルトの言葉に、レイルは思案の末短く首を振る。トリタスの実は南海区域で売られる果物である。小さな、さくらんぼ程度の実である。
「トリタスの実も悪くは無いけれどあれで生活を確定するほどの売上を出すのは無理だ。となると一から開発をする手筈になるだろうけど………種の研究費が問題だな………」
レイルはため息をついた。研究費の捻出といえば間違いなく農畜輪園大臣との話し合いは避けられない。あの男は机上の話をするのが大嫌いである。であれば、データを取りまとめて理論で推していくのが一番なのだが、その手間すら惜しい。というより、レイルはここ最近まともな睡眠すら取れていない。
レイルの業務量は果てしない。
本来であれば各王子と分担してこなすであろう業務はほぼほぼレイルがこなしていた。第一王子であるレイルの義兄は数年前にレイルから王太子の座を奪おうと躍起になって、結果自分を追い詰める結果となった。
第一王子には既に王位継承権がなく、政務に携われるはずがない。第三王子のダリルは政務よりも女遊びの方が好きなようで、これもまた役に立たない。第四王子のセディアスはまだ十二歳でそもそも政務に携われる年齢でもない。一人でこなすには無理がある量をそれでもこなせているのはレイルが優秀だったからであり、優秀であるからこそレイルの業務量は毎日増えていく。
レイルは幼い時より異常に勘が良く、覚えが良かった。何においてもコツを掴むのが早く、剣術においても勉学においても少しかじればなんでも上達していった。本人はそれが当然だと思ったしわざわざ何かに打ち込まなくても出来るのだから当然上は目指さない。
しかし、リーフェにあってから全てが変わったのだ。基準がリーフェなのだから。
リーフェに何があっても守れるように剣術にも励んだし、国を豊かにして彼女に苦労をかけないためにも、進んで国の歴史や過去の政策、細かいところでいえば地方からの嘆願書のフォーマット作成まで全てに目を通した。
やろうとすればやるべき事なんて山ほどある。それを着実にこなしていったのが今の現状であり、山のような仕事である。
正直、王太子なんて座はいらない。
政務だって楽しいだけではない。
むしろ前例のない未知数を予測と経験と勘だけで政策として取りまとめるのだからとてつもなく疲れる。
レイルは未だに政務も剣術も好きではない。
だけどリーフェとの結婚生活続けるためなのだからやるしかない。
ようやく十年以上かけて初恋の彼女と結婚したのだ。この幸せを継続させるためなら何だってやるに決まってる。
レイルは静かに切れ長の瞳で文献を見ていった。傍から見てるだけなら落ち着いて見える、容姿端麗の、少しだけ冷たい雰囲気のする美青年だ。そう、見てるだけなら。レイルはいつだって自分の本心をさらけ出すような真似はしない。砕けて話すのも幼馴染のテオバルトだけである。
だけど実際のレイルはかなり自分の妻に依存した、傾倒していると言ってもいいーーー重い男だったのである。
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