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最後の夜 5
しおりを挟む「可愛いね、リーフェ。イきたいイきたいって顔してる。焦らしちゃってるもんね。ここ、こんなに腫らしちゃってるし」
「アっ…………!!」
ぐり、と下肢の尖りを親指の腹で押されて背中をよじる。だけど私の上にはしっかりとレイルが乗っていて、その快楽から逃げることは不可能だった。レイルが肩口に吸い付いてまたしても赤い花を散らす。それに首を逸らしてその刺激を逃がそうとした。
「イっちゃいそう?リーフェはイきそうになると赤くなるよね、こことか」
ちゅ、と口付けられたのは頬だった。知らなかった。私、達しそうになると顔赤くなるの。ぐりぐりと親指の腹で粒を潰されて、逃げるそれを親指と人差し指で挟まれて扱かれる。ぐちゅぐちゅという音と鮮烈な刺激に喘ぐように呼吸する。
「あっ………ふ、ぅ」
「………ん。もうそろそろいいかな。リーフェも辛いよね。すごい濡れてる」
多分それはレイルにとってはただの事実をのべたまでなのだろうけど、私は彼に指摘されるほどに濡らしてしまったことに羞恥心を抱いた。レイルはそのままぬぷりと音がするほど濡れそぼった腟内に人差し指をさしこみ、それを出すとぱくりと口にくわえた。それが一瞬の出来事で、だけど私を衝撃をもたらすには十分で思わず固まった。
「ななななっ…………何、を!?」
「何って、確認?リーフェの味、久しぶりだし」
「ーーーっ…………!」
「可愛い、リーフェ。顔真っ赤だよ。そんなに恥ずかしい?」
当たり前だ。すごく恥ずかしい。
レイルはちゅぱちゅぱと何度かそれを舐めると、ようやく自分の服を乱し始めた。中途半端に乱された私とは違いレイルはまだ服を着込んでいた。白のシャツに黒のズボンという簡素な出で立ちだけど、それだけに彼のスタイルの良さをはっきりとさせている。腰の位置が高く、足はすらりとしている。だけど細すぎず、しっかりと筋肉がついているのを知ったのは初めて彼に抱かれた日の事だった。彼は着痩せするタイプらしい。ズボンのチャックを外してそれを押し下げると、レイルは少し困ったように笑った。
「あまり見られてると照れるんだけどな。男の脱ぐところなんて見ててもつまらないでしょ」
そんなことない、とは思うのに、それを口にしてもいいのか分からない。私は曖昧に笑うだけで、答えは口にしなかった。だけどレイルは返答を求めていたわけではないらしく、私の視界を覆うようにまぶたにひとつキスをする。
そうして、衣擦れの音がすると彼は私をゆっくり抱きしめてきた。
「はー………リーフェの匂いだ。いい香り。リーフェはいつも森みたいな……新緑みたいな香りがするよね。香油の香りかな」
そう言われて私ははっとする。確かに私はいつも香油はそんな感じの香りのするものを使っている。保湿と髪のパサつきを抑えるには一番の香油で、サラサラの髪を持つお母様が使っているのを見て私も同じものを使い始めたのだ。
レイルはそのまま私の肩口に顔を埋めると、少ししてようやく体を起こした。
そしてふわりと微笑むと、少しだけ目元を赤くしたレイルがこつりと額を合わせた。
「リーフェ。好きだよ。愛してる。きみがいなかったら、今の俺はいないくらいに」
「レイル………」
「挿れるね」
「っ………!」
不意に、下腹部にぬるりとした硬い熱を当てられた。それがレイルのものだと既に知っている。だけどその熱を当てられると未だに体が硬直してしまう。びくりとしてしまうのだ。
レイルは私のそんな反応に苦笑して、ちゅ、と頬に口付けの雨を降らせた。それがすごく幸せで、だけどこの幸せは偽りで、いつまでも私が甘受していていいものではない。私はレイルに口付けされる度に身が軋むような痛みと心の切なさを覚えた。
とっても、とても。好きだったの。だから。
だから、これで最後にするから。どうか許して。ごめんなさい、レイル。浅ましい女で、ごめんなさい。あなたの仮初の愛を心から嬉しいと思う私は、きっと滑稽で、みっともない。
ぬるりとそれが入り込んでくる。久しぶりだから少しきついかもと思ったが、散々解された腟内はあっさりと彼を迎え入れた。ぬるぬるとした感触。レイルの感触だ。それがすごく嬉しくて、悲しくて、切なくて、私はレイルに抱きついてしまった。それにレイルが小さく息を飲む。嫌だっただろうか?………嫌よね。好きでもない女に、こんな。
「………煽ってる?」
「えっ………」
そういった途端、ぐっと奥までいきなり押し込まれた。その衝撃と奥をいきなり突かれた快楽に背筋が弓なりになる。
「あっ…………!?」
「言ったよ、リーフェ。溜まってるって。それを刺激したのはリーフェだよ。俺は優しく、抱きたかったのに。………でもごめん。止められない」
「レイッ………あっ……ぁっ………ぁアッ……!!」
ぐりぐりと奥を擦られたかと思いきや、ゆるゆるとストロークが始まる。緩やかな抽挿はやがて激しくなり、水音が激しくたつ。上を見ればレイルがどこか辛そうな、それでも嬉しそうな、そんな笑みを口元にうかべていて、それをみとめた私はずくりと下腹部が疼くのがわかった。レイルが小さく息を吐く。
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