文字の大きさ
大
中
小
10 / 25
最後の夜 6
「リーフェっ………」
「レイ、あっ………ん、ゃっ、ああっ………!」
レイルは私の左の太ももを掴むとそのまま持ちあげて激しく腰をぶつけてきた。レイルの瞳は情欲のためか少し濡れているように見える。見てるこちらがゾクゾクしてしまうくらい今のレイルは色っぽくて、凄艶な色気を滲ませていた。額にかかる前髪が鬱陶しいのかレイルは手荒にそれを後ろに払う。その仕草のせいでいつもは見えない白い額が目に入って、ますますドキドキした。
やっぱり、好きだ。すごく、好き。昔と何ら変わらない海のような瞳をした彼は、今はまっすぐ私を見ている。
ーーー本当は、この瞳に映るべき人は私ではない
わかっている。分かっているからこそ、これを最後にするから。それを免罪符に私はレイルにすがりついた。
「ぁっ……あァッ……ふ、あぁっ…!やっ……~~~~っ………!!イっちゃう、イっ………!」
「うん………何回でもイって。大丈夫、いくらでも気持ちよくさせてあげるから」
「やぁっ………!レイっ…ル、ぅっ………!深っ……これ、………ッ、ひ、ぅん、~~~~ッ………!!」
ぢゅぽぢゅぽと音がして弱い部分をぐりぐりと突かれて、目の前に星が散る。白か黒か分からない視界で私はそれでも目を開けていた。
最後くらいしっかりと彼の姿を刻みつけておきたい。時折彼の前髪が額に触れて、それがくすぐったい。焦れたようにレイルが突然唇を合わせてくる。当然舌を差し込もうとするから逆に私が啄むようなキスを彼に繰り出す。それに驚いたのだろう。僅かにレイルが息を飲む気配がした。だけどそれは一瞬で、なかを満たすそれの質量がぐっと増えた。その感触に喘ぐと、レイルがお腹の上の方をぐりぐりと擦り付けるようにそれを動かした。その刺激にめっぽう弱い私はさんざん昇りつめていたのもあって、あっという間に達してしまった。
「あっ………ァッ………ーーーッ………!」
「んっ………く、」
レイルにすがりついて絶頂に耐えると、レイルも続いて私の中に熱い飛沫を送り込んだ。お腹の奥に温度を感じて、それにまた私が喘ぐ。レイルは暫く私を抱きしめていたが、やがて深いため息とともに体を起こした。
「はー…………すごい、すっごい良かった」
「レイ………」
喘ぎすぎて既に少し声が枯れている私が見ると、レイルは先程よりも情交に濡れた瞳で私を見た。
背筋がゾワゾワする。レイルの色気に、あてられている。
レイルの容姿は男女問わず人を魅了する。以前、女性だけではなく男性にも迫られたこともあるとどこかで聞いたことがあった。
だけどそれもなるほどと、納得するほどの色気と、美貌と、綺麗すぎる瞳。この海面のような瞳に囚われる人は、なるほど。多すぎるほどだろう。実際私だって、彼の瞳に恋をしている。いつもは性交やそういった行為には全く興味が無いと言った様子のレイルが、今は情欲に溺れている。それが偽りだとしても、嬉しいと思ってしまう。きっと私は愚かだ。
清廉潔白な、美しい王太子殿下。白金の髪に薄い唇、前髪はいつもどちらか片耳にかけられていて、無造作に下ろされた髪はクセもなくサラサラだ。まぶたにかかりそうな前髪は彼の神秘的な美しさによくあっていて、目元のホクロもまた彼に色気を差し込んでいる。
どこか静かで、落ち着いていて、だけど少し高めな声をしている彼は、やっぱりとても綺麗で、美しいのだ。
初めてレイルに微笑まれた日は、驚きのあまり心臓が止まるかと思ったし、今でもドキドキしてしまう。
神域のような、不可侵とも言える彼の洗練された美に、人は堕ちてしまうのだ。
「んー…………まだ足りないな……。うん。全然足りない。リーフェ、まだ大丈夫?」
「えっ………あ………」
気づけば、レイルのそれはまだ高ぶっていて、私の腟内で存在を主張していた。私はそれに気づくと思わず顔が熱くなるのを知った。
「大丈夫なら、まだしたい。こんなんじゃ全然足らない。もっと、もっとリーフェを感じたい。ねぇ………ダメかな」
「……ダメ、じゃ、ない、です」
むしろ、最後がこんなに幸福であったことに、感謝するべきなのだろう。情事後の余韻なのか、少しかすれたレイルの声は酷く甘く、お腹の奥の方に響く。ぞくりとしてしまえばそれはすぐに気づかれてしまって、レイルは小さく笑った。
「リーフェは俺の声も好き?………嬉しいな。俺も、リーフェの声も、瞳の色も、顔も、匂いも、全部が好きだよ」
そう言ってまたひとつ抱きしめてくれたレイルは、どんな顔をして言ってるのだろう。見えないからこそ、わからなくて、不安になる。だけど私はその怖がる気持ちを隠して、私もまたレイルを抱きしめた。
感想 20
あなたにおすすめの小説
愛しい人、あなたは王女様と幸せになってください
クロエの婚約者は銀の髪の美貌の騎士リュシアン。彼はレティシア王女とは幼馴染で、今は護衛騎士だ。二人は愛し合い、クロエは二人を引き裂くお邪魔虫だと噂されている。王女のそばを離れないリュシアンとは、ここ数年、ろくな会話もない。愛されない日々に疲れたクロエは、婚約を破棄することを決意し、リュシアンに通告したのだが――
【完結】他の人が好きな人を好きになる姉に愛する夫を奪われてしまいました。
私の愛する旦那様。私は貴方と結婚して幸せでした。
姉は「協力するよ!」と言いながら友達や私の好きな人に近づき「彼、私の事を好きだって!私も話しているうちに好きになっちゃったかも♡」と言うのです。
そんな姉が離縁され実家に戻ってきました。
【完結】愛する人はあの人の代わりに私を抱く
年上の優しい婚約者は、叶わなかった過去の恋人の代わりに私を抱く。気付かない振りが我慢の限界を超えた時、私は………そして、愛する婚約者や家族達は………悔いのない人生を送れましたか?
〖完結〗愛しているから、あなたを愛していないフリをします。
ずっと大好きだった幼なじみの侯爵令息、ウォルシュ様。そんなウォルシュ様から、結婚をして欲しいと言われました。
但し、条件付きで。
「子を産めれば誰でもよかったのだが、やっぱり俺の事を分かってくれている君に頼みたい。愛のない結婚をしてくれ。」
彼は、私の気持ちを知りません。もしも、私が彼を愛している事を知られてしまったら捨てられてしまう。
だから、私は全力であなたを愛していないフリをします。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全7話で完結になります。
〈完結〉デイジー・ディズリーは信じてる。
デイジー・ディズリーは信じてる。
婚約者の愛が自分にあることを。
だけど、彼女は知っている。
婚約者が本当は自分を愛していないことを。
これは愛に生きるデイジーが愛のために悪女になり、その愛を守るお話。
☆8000文字以内の完結を目指したい→無理そう。ほんと短編って難しい…→次こそ8000文字を目標にしますT_T
届かぬ温もり
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
王子殿下の慕う人。諦めるつもりが執着されています!?
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※レジーナブックスより6月下旬刊行
能力持ちの若き夫人は、冷遇夫から去る
「婚姻は王命だ。私に愛されようなんて思うな」
若き宰相次官のボルスターは、薄い夜着を纏って寝台に腰掛けている今日妻になったばかりのクエッカに向かって言い放った。
実力でその立場までのし上がったボルスターには敵が多かった。
一目惚れをしたクエッカに想いを伝えたかったが、政敵から彼女がボルスターの弱点になる事を悟られるわけには行かない。
巻き込みたくない気持ちとそれでも一緒にいたいという欲望が鬩ぎ合っていた。
ボルスターは国王陛下に願い、その令嬢との婚姻を王命という形にしてもらうことで、彼女との婚姻はあくまで命令で、本意ではないという態度を取ることで、ボルスターはめでたく彼女を手中に収めた。
けれど。
「旦那様。お久しぶりです。離縁してください」
結婚から半年後に、ボルスターは離縁を突きつけられたのだった。
※復縁、元サヤ無しです。
※時系列と視点がコロコロゴロゴロ変わるのでタイトル入れました
※えろありです
※ボルスター主人公のつもりが、端役になってます(どうしてだ)
※タイトル変更→旧題:黒い結婚