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ロウディオ
エピローグ
しおりを挟むその日、僕は陛下にことのあらましを報告した。陛下は僕が事細かに状況を把握していることに驚いたが、部分的に思い出したと言い繕っておく。日記まで提出しろと言われたら、冗談ではないからだ。とてもではないがあの妄想癖甚だしい、痛い男の独白を見せる気にはなれなかった。
陛下は証人のために宮廷魔術師と主治医を呼んで状況確認をすると、苦々しく言った。
「だが、ロウディオ。ソフィアはすでに離縁の手筈を整えているぞ」
「妊娠の可能性があるのです。離縁は必要ありません」
「周りがそれを許すと思うか?魔女の件を明るみにすべきだと思うが」
「それも不要です。時止まり──避妊の呪いを受けていたソフィアが、たとえそれが解呪されたと言えどとやかく言う人間も出てくるでしょう。後遺症はないのか、とか。本当に呪いは解けたのか、とか。でしたら公表は不要」
「……ふむ。何か考えがあるのか」
陛下が真っ直ぐに僕を見る。
記憶よりもずいぶん歳をとった父親を前に、僕は陛下に言った。
「僕は今、十三歳という年齢です。この年齢で子作りをすることは思わしくない。十五歳からと年齢制限を設けて──何事も問題なければ、そのうち子は授かるでしょう」
「だけど、その間ソフィアはまた言われもない中傷を受けるわ。貴方がそれを知っているかは分からないけど、ソフィアはずいぶん酷い目にあったの」
言ったのは王妃陛下だ。
僕は膝をつきながら母上に笑みを見せた。
「その時は僕が対処します。以前のようにソフィアを矢面に立たせるような真似はしません。そもそも、王太子が若返ったという特殊な状況なのです。今回の魔女の呪いは王太子妃のイメージアップに使わせてもらいます。ソフィアを蹴落とすやつらが何も言えないように」
「ソフィアは気にするかもしれないわ。貴方が十五歳の時、ソフィアは二十八歳よ。子を産むには遅いわ」
「それも問題ありません」
僕が目配せをすると、宮廷魔術師が恭しく礼を取り、陛下に申し出る。
「発言のお許しを」
「オールディー宮廷魔術師長?なにか?」
陛下が答えると、宮廷魔術師は僕に説明したように陛下に話をした。両陛下はそれを聞いて、納得したようだった。理論上は。
「では、ソフィアはじゅうぶん妊娠をのぞめるということね」
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