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第二十七話
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食糧は自作せずに売ってあるものを買った。ちょっと多目に準備したし釣り道具も一応作ってきた。弓も矢を多目に準備したのでかなり余裕がある。木の矢なら作れるし。ちなみに弓を使うのはイアンナさんには内緒にしている。なので他所の工房で気負わずにウルフラップド・ボウ+4を造った。
早めに着いたので荷物の確認をしていたらエルファ達が来た。
エルファの他には猫の獣人と盾装備の騎士かな? の人がいた。共に女性だ。
彼女達は此方に来ず立ち止まっていた。
「おはよう、エルファ。そっちの二人が一緒に来てくれるのか?」
エルファ達が動かないので此方から声をかける。
「初めまして。ユルです。一緒に来てくれるみたいで、ありがとうございます」
「私はティアだよ。馬が手に入るんだし気にしないで。仲良くしようね!」
「エリザです。不束者ですがよろしくお願いします」
初対面の三人でよろしく、こちらこそ、と挨拶をしているとエルファが詰め寄ってきた。
「な、何、かな? エルファ、近いよ」
「……その格好、どうしたのよ。見た感じだと初心者には結構な値段がするはずよ(似合ってるけど今日それじゃなくてもいいでしょうに)」
ああ、装備見てびっくりしたのか。実際、俺も驚いた。実は最初にコートを造った時に気付いたけど、下級装備と上級装備では値段が素敵に違う。生産アビリティ自体が違うのであたりまえだけど、素材の選別や加工箇所も様々。下級装備はある程度サイズの手直しが出来るが、上級装備は完全にオーダーメイドになる分、高価になる。
「結構大変だったけど自分で造ったよ」
「「「造った!?」」」
……うん、驚き過ぎだと思う。しかも他の二人まで。
俺は昨日エルファと別れてからのことを説明した。
「それでもおかしいんだけどね。普通、そんなに早く製造レベル上がらないし」
「でも上がったのは事実だしな。……死ぬかと思ったけど」
実はまだユル達も誰も知らないが、チェーンクエストは途中で止めるとそれまでの成果はすべて消えるのだ。代わりにそのクエスト間の成長率と報酬は高めである。この情報はもうしばらくするととある事情により流れることとなる。
そして永遠に誰も知らないことだが、ユルを指導した三人は生産ギルドの各職人の代表で《技の伝道師》《鬼指導官》の称号をもち、さらに《スパルタ》のアビリティ持ちだった。
ユルの成長ブーストとこれらの相乗効果がユルの急成長の理由だが、もちろん誰も知らない。
「まぁそんなこと言われてもどうしようもないことだし」
事実成長したんだし、造ったのも事実だ。
「……余計なことを」
エルファはまだ何かぶつぶつ言っている。
そろそろ出発したいんだけど。
「エルファ、そろそろ出発しませんか」
エルザさんがエルファに促し、漸く出発しようということになった。
何はともあれ、俺にとって初の旅だ。
いざ冒険へ、なんてね
どうやらみんな同い年のようで敬語は止めた。エリザはあれがデフォらしい。慣れるとそのうちに少しは砕けた物言いになるとのこと。いいところの御嬢さんかと思ったけど、小学校の高学年くらいから身長が伸び始めて、ガサツになって男に思われたくないと中学校から丁寧な言葉づかいをするようにしたら癖になったそうだ。
俺達のパーティーは前衛の盾持ちのエリザ、ハンターのティア、後衛の魔術師エルファ、そしてダンサーの俺。
……新しいジョブが欲しい。ジョブだけ見ると役割謎すぎる。
装備を替えてから見た目とジョブが明らかに一致してない。
武器職人とかでもいいのに、と思ったら武器職人は存在しないらしい。意味わからん、と言ったらジョブとしての職人は刀剣鍛冶や皮加工職人などのプロで特化職らしい。総合の武器、防具や装飾品といったジョブは無いそうだ。なので装備を変更するときには自分の装備の加工ジョブを持っているところに行くと良いものがあるらしい。他よりも高くはなるそうだが。
早めに着いたので荷物の確認をしていたらエルファ達が来た。
エルファの他には猫の獣人と盾装備の騎士かな? の人がいた。共に女性だ。
彼女達は此方に来ず立ち止まっていた。
「おはよう、エルファ。そっちの二人が一緒に来てくれるのか?」
エルファ達が動かないので此方から声をかける。
「初めまして。ユルです。一緒に来てくれるみたいで、ありがとうございます」
「私はティアだよ。馬が手に入るんだし気にしないで。仲良くしようね!」
「エリザです。不束者ですがよろしくお願いします」
初対面の三人でよろしく、こちらこそ、と挨拶をしているとエルファが詰め寄ってきた。
「な、何、かな? エルファ、近いよ」
「……その格好、どうしたのよ。見た感じだと初心者には結構な値段がするはずよ(似合ってるけど今日それじゃなくてもいいでしょうに)」
ああ、装備見てびっくりしたのか。実際、俺も驚いた。実は最初にコートを造った時に気付いたけど、下級装備と上級装備では値段が素敵に違う。生産アビリティ自体が違うのであたりまえだけど、素材の選別や加工箇所も様々。下級装備はある程度サイズの手直しが出来るが、上級装備は完全にオーダーメイドになる分、高価になる。
「結構大変だったけど自分で造ったよ」
「「「造った!?」」」
……うん、驚き過ぎだと思う。しかも他の二人まで。
俺は昨日エルファと別れてからのことを説明した。
「それでもおかしいんだけどね。普通、そんなに早く製造レベル上がらないし」
「でも上がったのは事実だしな。……死ぬかと思ったけど」
実はまだユル達も誰も知らないが、チェーンクエストは途中で止めるとそれまでの成果はすべて消えるのだ。代わりにそのクエスト間の成長率と報酬は高めである。この情報はもうしばらくするととある事情により流れることとなる。
そして永遠に誰も知らないことだが、ユルを指導した三人は生産ギルドの各職人の代表で《技の伝道師》《鬼指導官》の称号をもち、さらに《スパルタ》のアビリティ持ちだった。
ユルの成長ブーストとこれらの相乗効果がユルの急成長の理由だが、もちろん誰も知らない。
「まぁそんなこと言われてもどうしようもないことだし」
事実成長したんだし、造ったのも事実だ。
「……余計なことを」
エルファはまだ何かぶつぶつ言っている。
そろそろ出発したいんだけど。
「エルファ、そろそろ出発しませんか」
エルザさんがエルファに促し、漸く出発しようということになった。
何はともあれ、俺にとって初の旅だ。
いざ冒険へ、なんてね
どうやらみんな同い年のようで敬語は止めた。エリザはあれがデフォらしい。慣れるとそのうちに少しは砕けた物言いになるとのこと。いいところの御嬢さんかと思ったけど、小学校の高学年くらいから身長が伸び始めて、ガサツになって男に思われたくないと中学校から丁寧な言葉づかいをするようにしたら癖になったそうだ。
俺達のパーティーは前衛の盾持ちのエリザ、ハンターのティア、後衛の魔術師エルファ、そしてダンサーの俺。
……新しいジョブが欲しい。ジョブだけ見ると役割謎すぎる。
装備を替えてから見た目とジョブが明らかに一致してない。
武器職人とかでもいいのに、と思ったら武器職人は存在しないらしい。意味わからん、と言ったらジョブとしての職人は刀剣鍛冶や皮加工職人などのプロで特化職らしい。総合の武器、防具や装飾品といったジョブは無いそうだ。なので装備を変更するときには自分の装備の加工ジョブを持っているところに行くと良いものがあるらしい。他よりも高くはなるそうだが。
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