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第一章 裏切りの王都編
第1話 プロローグ
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季節は秋。少し肌寒くなり、庭の木の葉は赤く染まりつつある。
街中を歩く人々は、まだ長袖を用意できていないのだろうか、半袖の上に軽く布を羽織っているような人が多い。かくいう僕も、半袖の上にマントをつけているのだが。寒いからなのだろうか、街行く人の数は少ない。
ただ、街の中央でやっている市場は人がたくさん集まっており、とても賑わっている。こんな風に平和に過ごせるとは、50年前まで思いもしなかったらしい。
50年前までは…怒号と悲鳴が飛び交っていたからだ。
僕の住むタールランドは、ワーズ大陸にある人口4000ほどの小さな国だ。近隣諸国は皆人口が5万を越えており、いずれも有名な魔法使いや騎士たちがいる。また、生活のためにほとんどの住民が生活魔法を使うことができ、体格も大きい。生活水準が高いお陰だろう。でも、タールランドは違う。
魔法を使える人はごくわずか。騎士なんて高貴な身分に相当する者は1人もおらず、職業も農家ばっかり。ただ、生活水準は決して悪いわけではないし、人口も少ないからご近所みな顔見知りだ。王都………………と言えるくらい発展はしてないけど、都から遠くはなれていても、王族の顔を知らないなんてこともない。あと、みんな仲が良い。この前イナゴとかいう魔物が大量発生して食糧不足が発生したときも、みんなで助け合って解決した。他の国なら、この混乱に生じて内乱でも起きるんじゃないかなって思う。それくらい仲が良いのだ。盗賊が国内で発生することも50年前にあった以来1度もない。本当に平和だ。こんな風に、僕らが当たり前に生活できるのは、父ルーク・タールの執政力によるものだ。
この国は、もともと6つに分かれていた。それを、父が武力で1つの国に統一したのだ。もちろん、武力で押さえつけるのだから、普通は周りの豪族や貴族達からは不満や不平が出る。それを、父は威圧だけで押さえつけたらしい。
50年もの間、一代で成し遂げた統治を、今もまだ続けている。
5つの諸豪族・諸貴族のうち、大部分は父に賛同してくれてるし、色々と協力してくれているのだが、ある1つの家は、敵目かたきめで僕らのことを見ている。だから、完全に統治が行き渡っているわけではないから、少しでも綻びができたら、裏切って内乱を起こすのではないかな、と思う。
この前のイナゴのとき、よく裏切らなかったなぁ。
さて、と。父の武勇伝ばかりを語っていてもしょうがないだろうから、僕の話をしよう。だいぶ申し遅れたが、僕の名前はタイト・タール。この国の第三王子だ。王子と言っても、実際に父から王位を継ぐのは、僕の兄である第一王子のジーク兄さんだ。兄さんは、父と同じ武闘派だし、周りからの信頼も厚い。だから、ジーク兄さんが王位につくなら、みんなが兄さんに従うだろう。もしもジーク兄さんが病気かなんかで倒れたとしても、代理で執政官をするのは、僕のもう1人の兄である、第二王子のマクドル兄さんだ。マクドル兄さんは父とは違って穏健派で、平和を好む人だ。僕も、政治の方針としては、僕としてはマクドル兄さんに統治をしてほしい。だけど、ジーク兄さんも悪い人ではないから、僕はどっちがついてもいいと思ってるけどね。
僕は、第三王子。何があるうと、多分政治の表舞台には立てないだろう。だけども、僕は椅子にふんぞり返って執政するよりかは、町かなんかで、1人のんびりと暮らす方が性に合ってるような気がする。僕ももう12歳。この国では、もうすでに大人と同じ扱いだ。合格すれば、士官することができる年でもある。また、12歳にはとても大きなイベントが待っている。
この国では12歳になると、男女みな教会で成人の儀式を受ける。これを受けることによって、自分の適正職業や能力などが分かるのだ。更に、神から祝福を受けるものは、神の贈り物、“ギフト”を受けとることができる。これはとても数少ない人のみしか受けとれず、父もその1人で、12歳の時に『剣聖』のギフトを受けとり、その力を使って6つの地域を統一したのだ。
だから、息子である僕たちみんな『剣聖』のギフトを受けとるのではないかとひそかに民衆の噂になっているらしいが、僕としてはそんな物騒なギフトは受けとりたくない。とにかく、平穏に暮らしたいのだ。僕は王族だから、近隣諸国の貴族や王族の集まりに呼ばれたりするのだが、とにかくめんどくさい。儀礼があったりするなら、なおさらだ。
なんてことを呟きながら、市場を通過して僕は家へと向かった。
街中を歩く人々は、まだ長袖を用意できていないのだろうか、半袖の上に軽く布を羽織っているような人が多い。かくいう僕も、半袖の上にマントをつけているのだが。寒いからなのだろうか、街行く人の数は少ない。
ただ、街の中央でやっている市場は人がたくさん集まっており、とても賑わっている。こんな風に平和に過ごせるとは、50年前まで思いもしなかったらしい。
50年前までは…怒号と悲鳴が飛び交っていたからだ。
僕の住むタールランドは、ワーズ大陸にある人口4000ほどの小さな国だ。近隣諸国は皆人口が5万を越えており、いずれも有名な魔法使いや騎士たちがいる。また、生活のためにほとんどの住民が生活魔法を使うことができ、体格も大きい。生活水準が高いお陰だろう。でも、タールランドは違う。
魔法を使える人はごくわずか。騎士なんて高貴な身分に相当する者は1人もおらず、職業も農家ばっかり。ただ、生活水準は決して悪いわけではないし、人口も少ないからご近所みな顔見知りだ。王都………………と言えるくらい発展はしてないけど、都から遠くはなれていても、王族の顔を知らないなんてこともない。あと、みんな仲が良い。この前イナゴとかいう魔物が大量発生して食糧不足が発生したときも、みんなで助け合って解決した。他の国なら、この混乱に生じて内乱でも起きるんじゃないかなって思う。それくらい仲が良いのだ。盗賊が国内で発生することも50年前にあった以来1度もない。本当に平和だ。こんな風に、僕らが当たり前に生活できるのは、父ルーク・タールの執政力によるものだ。
この国は、もともと6つに分かれていた。それを、父が武力で1つの国に統一したのだ。もちろん、武力で押さえつけるのだから、普通は周りの豪族や貴族達からは不満や不平が出る。それを、父は威圧だけで押さえつけたらしい。
50年もの間、一代で成し遂げた統治を、今もまだ続けている。
5つの諸豪族・諸貴族のうち、大部分は父に賛同してくれてるし、色々と協力してくれているのだが、ある1つの家は、敵目かたきめで僕らのことを見ている。だから、完全に統治が行き渡っているわけではないから、少しでも綻びができたら、裏切って内乱を起こすのではないかな、と思う。
この前のイナゴのとき、よく裏切らなかったなぁ。
さて、と。父の武勇伝ばかりを語っていてもしょうがないだろうから、僕の話をしよう。だいぶ申し遅れたが、僕の名前はタイト・タール。この国の第三王子だ。王子と言っても、実際に父から王位を継ぐのは、僕の兄である第一王子のジーク兄さんだ。兄さんは、父と同じ武闘派だし、周りからの信頼も厚い。だから、ジーク兄さんが王位につくなら、みんなが兄さんに従うだろう。もしもジーク兄さんが病気かなんかで倒れたとしても、代理で執政官をするのは、僕のもう1人の兄である、第二王子のマクドル兄さんだ。マクドル兄さんは父とは違って穏健派で、平和を好む人だ。僕も、政治の方針としては、僕としてはマクドル兄さんに統治をしてほしい。だけど、ジーク兄さんも悪い人ではないから、僕はどっちがついてもいいと思ってるけどね。
僕は、第三王子。何があるうと、多分政治の表舞台には立てないだろう。だけども、僕は椅子にふんぞり返って執政するよりかは、町かなんかで、1人のんびりと暮らす方が性に合ってるような気がする。僕ももう12歳。この国では、もうすでに大人と同じ扱いだ。合格すれば、士官することができる年でもある。また、12歳にはとても大きなイベントが待っている。
この国では12歳になると、男女みな教会で成人の儀式を受ける。これを受けることによって、自分の適正職業や能力などが分かるのだ。更に、神から祝福を受けるものは、神の贈り物、“ギフト”を受けとることができる。これはとても数少ない人のみしか受けとれず、父もその1人で、12歳の時に『剣聖』のギフトを受けとり、その力を使って6つの地域を統一したのだ。
だから、息子である僕たちみんな『剣聖』のギフトを受けとるのではないかとひそかに民衆の噂になっているらしいが、僕としてはそんな物騒なギフトは受けとりたくない。とにかく、平穏に暮らしたいのだ。僕は王族だから、近隣諸国の貴族や王族の集まりに呼ばれたりするのだが、とにかくめんどくさい。儀礼があったりするなら、なおさらだ。
なんてことを呟きながら、市場を通過して僕は家へと向かった。
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