弱輩者の第三王子~僕なんかに執政できるんですかね。~

拙糸

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第二章 第一次〈ムーン〉制圧作戦編

第4話 まじかよ。

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軍議が終わり、僕はジーク兄さんの部屋で二人で話していた。そこで、兄さんからとんでもない提案をされた。


「え?潜入?」


ジーク兄さんはうなずく。


「うむ。〈ムーン〉は今現在外部からの侵入者を拒んでいる。たとえ新規で加入したくても、だ。なかなかに警戒が高まっているようだが、これはたぶん指導者が〈ムーン〉に戻ってきたからだろう。どうやら、奴らにとって大切な儀式があるようだ。集まるのは、やつらのアジト。場所は不明。ただし、重要拠点がいくつかあり、そのうちの一つはここ、タールランド内にある。…というのが今俺がつかんでいる情報だ。」

「つまり、アジトに入るのはどのみち無理だ、ということ?」


兄さんが僕の肩をたたく。


「そこでお前の出番なんだよ、タイト。お前の言う通り、常人にはアジトの侵入は不可能だ。教団員の服装をつけようが、顔を変装しようが、各地のアジトにある“真実の眼”に見破られてしまうんだ。でも、お前には特殊なギフトがあるんだろう?」

「ああ、そうか。隠匿魔法を使うのか。」

「そう。変装の魔法にさらに魔法をかける。つまり、魔法を使ったことを魔法で隠すんだ。いくら真実の眼であっても、隠匿魔法を見破ることはできないからな。」


隠匿魔法か… 僕は全く考えていなかった。僕の職業適性であり、ギフトでもある“為政者”の適用範囲は、タールランド内のみ。アジトがあるのは国内。つまり、“為政者”のギフトを使える。このギフトが便利なもので、生活魔法から高等魔法まで、これ一つで扱えてしまう。…魔法適性が無い僕にもだ。この前の成人の儀式の後に、魔力をどこから呼び出しているのかが気になり、調べてみた。

この為政者ギフトで使える魔力は、すべて根源魔法。――つまり、誰か他の魔力保持者から力を借りて、実行する。この魔力を借りてくる起源によって、得意魔法やレベルが決まったりするのだが…

僕が根源としている魔力は、相当強いみたいだ。

そんなことは今はいい。勘のいい読み手のみんなは気づいているかもしれないが、隠匿魔法は大臣であるマージ・アイザップが得意としているもので、僕が使えるわけではない。

じゃあ、なぜ僕が扱えるのを前提に話を進めているかって?

ふっふっふっ…





成人の儀式などが全て終った後、僕は自室でステータスを確認していた。

この世界は便利なもので、「ステータス!」というだけで、自分の状態が表示されるのだ。僕は、自分の受け取ったギフトがどんなものなのか、確認してみることにした。


~ギフト:為政者~

このギフトは、職業適性としても反映されます。タールランド国内に限り、たくさんの人々を従えることのできる魔法や、強制力のある魔法などを使用できます。


ー使用可能魔法(一部)ー

・全範囲攻撃魔法

・魔物使役

・隷属印付与

・コピー魔法

…etc


なかなか物騒なのもあるが、そのなかで一つ、僕の目に止まったものがある。“コピー魔法”だ。

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