経理補佐は、今日も大騒ぎ

静華

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経理補佐は、今日も大騒ぎ 8

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やはり、ギャンブルか?いや違う!何だこれは!嫌らしいにも程がある!結婚、離婚を繰り返し、訴訟問題にもなっている。凜の場合は、出産後父親は離婚を申し出て、育児手当を払う予定が、行方をくらました。そして、凜は母親のもとで育ったが、幼稚園に上がる頃、男が出来実家を出た。その男は、ギャンブル好きでまたもや破局。母親は、男好きなのかまた、男のもとへと県外へ。それ以降は足取りが掴めない。父親は、凜が昔自分が務めていた会社に居ることを知り、1度は凜に会いに行ったが留守中で会えず諦めたが、近頃(俺と付き合いだしてから)急に接近して来た。俺の親の会社も調べ上げているらしく、親の所へも姿を見せているらしく、警察沙汰にもなっている。で、次は俺の所へ凜が居ることを知り、知り合いに頼んで行動を監視しているらしい。「誰が好き好んで凜を渡すか!」と大きな声を出したせいか凜が、「うっうん」と起きてきそうだったが、また寝てくれた。「あ~ヤバ」凜の周りは狙われていると言う訳か。どうすべきか、此方も親のコネで雇うか?それしかないな。「明日の朝、シャワールームから連絡を入れよう。今日はもう遅いからな」と独り言を言いながら、凜の隣で眠ることにした。「凜、小さい凜。可哀想に。今までよく頑張ったな」とキスをすると「ん、ん!」と起きてしまった。「貴一さん?起きていたの?」「あぁ」「…嫌い!起きてたなんて」とすねてしまった。「可愛いな。凜は」「まっ」と言い顔を紅くしてと言うか、体中紅くしてそっぽを向いた。「り~ん」チュッとするとより一層紅くなった。

次の日、親父に連絡をした。「俺と長谷川凜は籍を入れたが、凜の父親がいろんな奴を雇って凜からお金を巻き取ろうとしている」と伝えると少し間をおいて、「長谷川…遼介の娘か!欲もまぁヌケヌケと連絡出来たな!まぁいい終わたっ事だ。めでたいが、どうして欲しい」ざっと説明すると「何人欲しいんだ?」とヤクザ的な物言いで言うから、怖くなったが「ざっと10人位」と言うと「今日中に向かわせる」住所を伝えると、昼前には到着し守備につくのが見えた。礼の連絡を入れると「私の処へ1度娘を連れて来い。孫の顔が見たいからな。凜と言ったか、お前の目に狂いはないはずだ。しっかり守れよ」プツンと切れた。
「当たり前だろう。凜には俺しかいない。絶対助けるさ」と誓った。凜もやっと起きてきた。「凜。ここ」と膝の上に来るように合図をすると、嬉しいのか、膝に飛び乗る!「凜。左に塡めてくれたんだね。指輪」「はい。一生の宝物です。」「凜、凜何処にも行かないでくれ」と言うと頭をくしゃくしゃと撫でた「私はここしか行くところないから」ポッと頬を染める。「可愛いな」とくすぐると、落ちそうになり支えた。朝、昼、夜と関係なく愛し合った。「凜。俺の親に会ってくれないか?」と言うと暫く黙ると「はい」返ってきた。「凜」「はい?」「絶対守るから…」「はい」「愛してるよ」「私も」何度聞いても、ゾクッとして凜が欲しくなる。口吻をする。もう一度、凜がいくまで熱いキスをする。「ん、ん!」ビクンビクンと跳ねる。「凜?いったの?」と聞くと「あぁん。意地悪ぅ。今度はわたしぃん。」「あっあっ」キスをすると、もう一度ビクンビクンと跳ね。「また、いったの?」「あぁんもぅだめぇ」ベットルームへと行き凜に覆い被さる。「凜あぁ凜」と凜の胸に顔をうづめながら愛撫する。凜がまたビクンビクンと痺れた。「貴一ぃばっかりぃん酷ぃん」と艶っぽい声に感じながら、もう一度愛撫すると直ぐに、ビクンと震える。「凜感じやすくなった?」「誰のせいですかぁ、ん」と俺に抱きつく。「凜。明日親父に会ってくれないか?」まだ、痺れている凜は視線が定まっていないせいか、返事に困ったようだ。もう一度「俺の親父に会ってくれないか?」と聞くと「怖いな」と言いながらもOKしてくれた。その晩に、「会いに行く」事を告げた。明日の朝11時に食事もかねて会うことになった。その電話から、凜はそわそわしている。が、そんな凜を抱きしめて愛撫すると「あぁだめぇ」と言いながら夢の中へと落ちていった。
 
今日は、凜を親父に会わせる日だ。2人だけの外出。久しぶりだな。警部長に一礼して「守ってくれるように目配せする。」向こうも頷く。凜はびくびくしている。「大丈夫だよ凜あの人達は、大丈夫だよ凜」と片手で抱きしめ、もう片方で、ハンドルを握る。「ん?何かに囲まれているような。いや、囲まれている!
」疑問が確信へと代わる!「凜!掴まれ!囲まれている!」親父に電話をしようとスマホへ手が届く前に相手に詰め寄られガードレールに、キーッと擦ってしまった!頭に血が登り!「いい加減にしやがれ!」言うや否や急ブレーキを踏みバックにギアチェンして対向車線へと代わり、猛スピードで交わす!「隊長か!今追われている!直ぐに押さえろ!」「ラジャー!」プツッと切れた。少し間を置き、対向車線から数台の車が通り過ぎた。どうやら隊長が警察へも連絡をしてくれたらしい。凜はガクガクと震えている。「もう大丈夫だよ」と言いながらも、後ろが気になるや否や前方を邪魔するように立ち塞がる!よく見ると…凜の父親だ!「何を考えているんだ!」と寸前でぶつかるのを回避!後ろを見れば、まだ追いかけてくる。「ちっ!」と舌打ちをし隊長に連絡。「白のセダンが追いかけてくる押さえてくれ!」「イエッサー」「!」「此奴は隊長じゃない!誰だ!」確信に変わる頃、親父の令で出動した者達とすれ違う。もう安心だろう。「凜?」「いっ今の何ですか?私のせい?」「いや違うよ。さぁもう、うちに着いたよ」「え?」「このお屋敷が、貴一の家?」呆然として言葉にならない。ガレージだけで3つ、玄関?が3つ、え?全て3つ。凜が目眩を起こそうとした瞬間、俺以外の誰かが助ける。「酷く車を擦りましたね。兄者」「まさし!」雅史俺の双子の弟だった。俺たちは、二卵性双生児だ。「触るな!」「それにしても、可愛らしい方ですね」「だから雅史!離れろ!」「おぉこわ。彼女、目を醒ましますよ。」と言って、主屋へと消えた。「凜?」ハッとして目を覚ましたが焦点が合わない。「凜?大丈夫か?」「今誰かに支えられたような…貴一以外の誰かに…」「はぁ。俺の弟の雅史だよ。」「え?貴一3人も居るの?兄弟姉」「まぁな。じゃ親父に会いに行こう」と言うと「お姉様や雅史さんに会うのですか?」と聞いてくるから「いや、親父一人だよ。じゃあ行こうか」「はい」とか細い声で答えた。「カーチェイスの後だから仕方ないな」と思い、玄関を開けた。直ぐにお座敷に案内されて、暫く経つと、スーッと、障子が開いた。「ご無沙汰しております。お父さん」とあの貴一が、深々と頭を下げる。私も一緒に慌てて頭を下げる。
「ふ~む。ワシが想像していた感じのお嬢さんとは違うな。可愛らしい娘じゃないか」「あっあの…長谷川」「凜さんじゃな?」「はい?何故知っていらっしゃるのですか?」「貴一から聞いているからな」「で、何のようだ?孫でも出来たか?ふふふ」と意地悪そうに笑う所が親子さすがに似ているなと思い「クス」ッと笑ってしまった。
貴一さんが今までの事を話す。私が、経理補佐として働いていた事、そこで知り合った事、そして恋に落ちた事等を話をした。そして、籍を入れて今ここに居ること。そこへ「旦那様お連れしました。」と障子が開いた!「凜!」「この人誰ですか?」「凜!」貴一が、「この人は…」「凜!会いたかったよ。お父さんだよ。」「嫌!違う!お父さんはいない!この人誰ですか!?」「凜!凜!」その男を押さえつけ引き剥がす。「し、知らない。知らない!」と泣き出した!「下がれ」と貴一の父親が停止した。「凜君。君に危害を加えた男だ。それがあの男。君の父親何だよ。」「ち、違います。私の父は、お酒が大好きで何時も笑ってくれる。それが私の父です!」「じゃあその男名を知っているかい?」
優しく聞いてきたが、「解りませんが、先ほどの方は父では有りません!」泣きながらも言い切る。それを見て「それ以上は、無理だ」と貴一に向かって首を振る。泣いている凜をそっと抱き寄せた。暫くして、昼食の準備が始まった。「さて、凜君先ほどの男。どうすべきかな?」「知らない人をどうすべきかなんて…答えられません!」とはっきり言う。それを聞いた父は、少し驚いて、「では、警察に来て貰ってもいいかな?」「お好きなようにして下さい!私には関係ありません!」パンパンと貴一の父親が警備隊隊長を呼び、耳元で囁き凜の父親を警察に渡した。貴一の父親は警部補補佐官で在ると、凜は後で知る。
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