上 下
105 / 106
番外編(初夜編)

4.昼日中の初夜(2)*

しおりを挟む
「気持ちよかったな」
「うん……」

 心底嬉しそうに、ジークが瞼に口づけてくる。
 ルディも、現実の体が問題なく快感を得られて安堵していた。

 今なら、更に続きをしても上手くできるのではないか。
 結局痛い可能性は高いが、緊張により最大限痛いのに対し、それよりはマシな痛みで済むかもしれない。

「ジーク、最後までしてくれる?」
「急がなくてもいい」
「大丈夫。急いでるんじゃなくて、なんだか、今はすごく前向きな気分なの」

 初夜に失敗した日から、性交に後ろ向きになり、恐怖があった。だが、現在は一時的にかもしれないが、前向きになって痛みの可能性にも勇気が湧いている。
 夢から得た快感と、ジークに不安を打ち明けた心理的な変化のおかげだ。

 ルディが無理をしている様子はないとわかってくれたのか、ジークは力強く頷いた。

「わかった。でも、いつでもやめていいや、ってぐらいに思っていてくれ」
「うん。ありがとう」

 そうしてジークは、肉芽に指で弱く刺激を与えながら、隘路にゆっくり指を沈めていった。

 ルディは深呼吸をしながら、埋め込まれた指へ落ち着いて意識を向ける。圧迫感はあるが、戸惑い、ジークにとりあえず先へ進めてもらった最初の夜ほど違和感はない。

「次いくぞ」

 一旦引き抜かれてから、続いて二本のそろえられた指が押し入ってくる。
 初日は、それはもう痛くて怖かった。だが今回は、入り口付近の浅いところに弱い痛みがあった程度で、平気だった。

「大丈夫か?」
「うん」

 ジークの言う通り、最初にあれだけ痛かったのは濡れていなかったからなのだろう。
 まだ指二本より太い未知の領域が残っているが、越えられない壁ではないように思えた。

 そのまま中を弱く圧迫されたり、出し入れを繰り返され、ゆっくり慣らされていくのがわかる。また、快感が途切れないようにと、肉芽も舐って絶えず刺激を与えられる。

 ルディの呼吸が快感でまた早くなってきたころに、ジークは指を引き抜いた。

「いつでもやめられるのは、ここから先もそうだからな」

 再度念押ししながら、ジークは服を脱いでいく。

 下穿きから飛び出た、彼の腹部に付きそうなほど反り返った性器は、夢での経験からするとすぐにでも挿入できる状態だ。
 夢で絶頂したせいか、それは夢精で既に白濁にまみれており、何とも言えないにおいが漂ってくる。

「うん。大丈夫。半魔は人より頑丈だから。ひと思いにお願い」

 丈夫なのと痛みを感じないのとは別だが、ルディは枕を握りしめ、衝撃に備えた。
 ジークはルディの膝裏を抱えるようにして広げ、体を密着させる。

「まぁ、痛くないかはさておき、正直俺のは人並みだから、大変なことにはならないと思うよ……」
「今はむしろ、もっと細かったらよかったのにと思ってる」
「おいおい。ありのままのこいつを好きになってくれ」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

開発……そして、調教……

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:7

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:262pt お気に入り:2,421

叔父からのメール

ホラー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

水辺のリフレイン

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

君と花とで会いにきて (ちゃぼ茶の短編小説)

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

*いにしえのコトノハ*9 苦くて、甘くて、時々しょっぱい

N&N
青春 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

東京の空の下 ~猫と狐と天狗~

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

よくある令嬢物語の婚約者たちの話

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:21

処理中です...