魔王召喚 〜 召喚されし歴代最強 〜

四乃森 コオ

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新たなる決意

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ギルドへの登録を終えて安堵したスズネとミリアは、少し疲れたのでフロアの椅子に腰を掛けて休息を取ることにした。
とりあえず登録が済んだとはいえ、それ以外は完全にノープランで来ていた為、この後どうしたらいいのか分からず、二人の間をただただ沈黙が流れるだけであった。


「え~っと、これからどうしようか?」


沈黙に耐えかねたミリアが重い口を開く。


「そうだよね・・・冒険者って、何から始めたらいいのかな」


口を開いたはいいが、二人とも何ひとつ案が出ず時間だけが過ぎていく。
そんな二人の様子を見かねたクロノは、「はぁ~」と深い溜息をつくと受付の方へと足を進めた。


「おい、さっきの女」


ぶっきらぼうに呼び付けるクロノに対してもマリは笑顔で対応する。


「はい。クロノさん、どうされました?」

「あそこにいるバカ二人なんだが、とりあえず登録したはいいが何をすればいいのか分からず、ずっと項垂れているから手解きしてやってくれ」


クロノの話を聞いたマリは、フロアで腰掛けているスズネとミリアの方へと視線を向けた。
遠目から見ても不安いっぱいの様子の二人。
右も左も分からず困惑している新米冒険者と、それを心配して助けを求めに来る魔王、この何とも言えないミスマッチにマリは思わずフフフッと笑ってしまった。


「なるほど、畏まりました」


スズネたちがキョロキョロと辺りを見渡しながらあたふたしていると、クロノと共にマリがやって来た。


「さっそくお困りのようね。お二人さん!!」

「「マリさ~~~~~ん」」


二人は半ベソをかきながら縋るようにマリへと駆け寄った。
まるで妹たちに頼られる姉のように二人を優しく笑顔で宥めるマリ。
その隣でクロノはやれやれと言いたげな様子で腕を組み、溜め息混じりに呆れ顔を見せている。

そして、改めて冒険者になったはいいが何から手を付ければいいのかが分からず、四苦八苦している現状をマリに説明した。


「冒険者についてはさっき説明したよね。まずは、自分のランクに合わせてクエストをこなしていく感じなんだけど、二人はどこかのパーティかクランに入ったりするの?」


マリの質問に対してポカンとした表情を見せるスズネ。
頭の上に大きな?マークが出ているのがひと目で分かる。


「パーティとはなんだ?」


それまで三人のやり取りを黙って聞いていたクロノが唐突に質問する。
初歩的な質問ではあるが、まぁ~無理もない。
スズネとミリアは学校での実習の際に数人でパーティを組むこともあったが、ずっと魔族領の玉座に座っていたクロノには知る由もないことである。
クロノからの質問を受けマリが説明を始める。


「パーティというのは、クエストを攻略するために複数人で組むことを指します。一般的には4~5人で組むことが多いです。さらに多くの人数が集まり大きな組織を形成したものをクランと呼びます。また、クランにもランクがあり、Sランク冒険者と同様にSランククランというのは、冒険者はもちろんのこと国民からも人気が高いですね!」


マリの説明を聞きながらミリアは目をキラキラさせ、まるでお祈りでもするかのように両手を胸の前で組み交わし遠くを見つめる。


「アタシはやっぱり“ローズガーデン”だな~。ああ~シャルロッテ様・・・」


よほどの想い入れがあるのか、強い憧れの意思と共に声が漏れ出る。
傍には、その様子を微笑ましく見つめるマリとあ~なんか遠くへ行っちゃったな~と呆れ顔で見つめるスズネとクロノの姿があった。


「男性にももちろん人気がありますが、女性冒険者には特に人気が高いですよね。ローズガーデン」


二人の盛り上がりからして、どうやらかなり人気のあるクランらしい。
その辺りの情報に関して、全く無知であるスズネとクロノにはさっぱり分からない話題であった。


「えっと…ローズ…ガーデン…だっけ?そんなに有名ななの??」


盛り上がるミリアとマリに対し、スズネは恐る恐る質問してみた。
すると、物凄い勢いでミリアが身体を寄せてきたのだ。


「ちょっと、有名なんてもんじゃないわよ!何百とあるクランの中で5つしかないSランククランのひとつであり、しかもメンバーは全員女性。リーダーであるシャルロッテ様は女性冒険者たちの憧れなんだから」


話せば話すほどに熱を帯びていくミリア。
その姿を前に恐怖を感じずにはいられず、スズネとクロノはそっと一歩後退りするのであった。
そして、そんな状況を見かねたマリが人気の高いクランについてレクチャーしてくれることになった。


「それじゃ、次は冒険者ギルド最高戦力である5つのSランククランについて教えますね」


===========================================


「一つ目は、先ほど話にも出た『深紅の女王(クリムゾンクイーン)』ことシャルロッテ率いる”ローズガーデン”。リーダーであるシャルロッテのカリスマ性に憧れた女性のみで構成されたクラン。総数380名」


「二つ目は、『炎の魔神(ヴォルケーノ)』ことカルラ率いる”焔(ほむら)”。リーダーのカルラ同様に火炎系の冒険者を多く有しており、ギルド登録している全クランの中でもトップクラスの攻撃力を持つ。総数800名」


「三つ目は、『騎士王(キング)』ことアルバート率いる”トライデント”。元々は別々だった3つのクランが合わさって出来た連合クランで、紅の騎士団・蒼の騎士団・黒の騎士団からなるギルド最大のクラン。総数1,550名」


「四つ目は、『破壊僧(デストロイ)』ことゼン率いる”八咫烏ヤタガラス”。クラン全員が修行僧のような装いをしており、己の肉体・精神と共に武を極めんとする強さのみを追い求めるクラン。総数660名」


「五つ目は、『殺戮ピエロ(キラークラウン)』ことクラウン率いる”デス・パレード”。総数10名というSランククランの中で最小人数。全員がサーカス団員の格好をしており、基本的に自分たちが楽しければ何でもいいというクラン。黒い噂が絶えず、これまでに幾つものパーティやクランを壊滅させているという噂もあるが、確たる証拠もなく全て不問とされている」


===========================================


「あと有名なところで言うと、Aランククランの”九尾の狐”や”モノリス”、”ミネルヴァ”なんかは人気が高いわね」


マリから教わる人気クランの情報に目をキラキラさせるスズネとミリア。
そんな凄いクランに入れたら─────なんて淡い夢でも見そうになるが、現実はそんなに甘くはない。
主席卒業のミリアはともかく、ギリギリ卒業の自分には到底無理な話だと凹むスズネであった。
まるでジェットコースターのように気持ちが上下するスズネの姿にマリは思わず笑ってしまう。


「うふふ。ほんと見ていて飽きないわね。まぁ~いきなりパーティやクランに入るんじゃなくて、地道にレベルを上げてからでもいいんじゃない」

「そうよ。まずは自分たちの力を磨いていこう。アタシもスズネと一緒じゃないと嫌だしね」

「ミリア~~~」


マリの提案に大きく頷くミリアに半ベソをかきならが抱きつくスズネ。
その光景を見たマリは、少し考えた後にもうひとつの提案をする。


「二人は一緒のパーティがいいのよね。それなら自分たちでパーティを作ってみたらどう?仲間を集めていきながら、自分たちで1から作っていくっていうのも、二人には合ってるんじゃないかしら」


唐突に出された提案に驚きながら顔を見合わせる二人だったが、それも束の間、みるみる二人の顔は笑顔へと変わり、目を大きく見開きながら興奮気味に声を合わせる。


「「それだ!!」」


かくして、二人は自分たちでパーティを立ち上げる決心をしたのであった。


───────────────────────────────────


マリからパーティ立ち上げの提案を受け、意気揚々とするスズネとミリア。
そして、話し合いの結果パーティメンバーは最低でも5人欲しいということでまとまった。
そんな訳で、二人はメンバーを集めることにしたのだった。


「よーし、頑張って仲間を集めるぞ~」


一先ずやる事がはっきりし、やる気に満ち張り切るスズネの横で冷静に方法を考え始めるミリア。


「う~ん。とりあえず、まずは掲示板にメンバー募集の張り紙を張り出すとして・・・。いや~分かってはいたけど、やっぱりクロノはダメだったか~」

「マリさんに釘刺されちゃったもんね」


先ほどパーティ立ち上げの話を受けた後に、マリから「クロノはあくまでもスズネの召喚獣としての認識となっているから、もちろんメンバーには含まれないからね」と笑顔で釘を刺されたのであった。


「ふん。そもそも最強であるこの俺がなぜパーティなんて組まなきゃいけないんだ。何人いようが全員足手まといになるだけだろ」

「「あはははは・・・ですよね~」」


残酷なまでに事実を突きつけてくるクロノに、スズネとミリアは苦笑いを返すしかなかった。


「メンバーか~。私が後方からの支援タイプで、ミリアへの負担が大きくなっちゃうから、出来れば前衛タイプがいいよね。そうだ!!一緒に卒業したアシュロット君なんて…」

「絶対イヤ!!」


スズネの言葉を遮るようにミリアは語気を強めて拒絶した。
普段スズネに対して甘々なミリアがここまで強い口調を見せるということは、余程の理由があるのだろう。
雰囲気から察するに、ただの好き嫌いというよりも憎悪にも似た感情を持っているように思える。


「スズネ、アンタだって何されたか忘れた訳じゃないでしょ。あんな奴ちょっと顔が良くて、剣の才能があるからって(まぁアタシ程ではないけどね)、自分が認めた人間以外を下に見て偉そうにすることしか出来ないクズよ」

「あはははは…まぁ~アシュロット君はミリアに次ぐ成績だったからね」

「あんな奴大したことないわよ。現に一度たりとも負けたことないしね。あの野郎~、次アタシのスズネを馬鹿にしやがったら細切れにしてやるわ」


当時のことを思い出したのか、ミリアは怒りが収まらない様子。
メラメラを燃えるような闘気を身に纏いなが憤慨している。
どうやら自身が何かをされたというより、親友であるスズネを馬鹿にされたことに対してお怒りのようである。
ただ一言だけ言っておこう・・・スズネはお前のモノではない。


「まぁ~考え込んでるだけじゃ始まらないよね」

「そうね。地道に頑張っていこう」

「「おーーーーー」」



──────────  1週間後  ──────────


「「はぁ~~~」」


ギルド登録をした日から早くも一週間が経った。
しかし、未だに新メンバー獲得には至っていない。
ギルド内にある掲示板にメンバー募集の張り紙を貼り、ソロの冒険者や同期の卒業生にも声を掛けたが全て空振りに終わった。
そんな現状に二人はうなだれていたのだった。


「そもそも何の実績もないお前らとパーティを組もうなんて物好きがいるわけないだろ。募集と同時進行でクエストをこなして、まずは目に見える結果を出した方がいいんじゃないか」


クロノからの的確な指摘にぐぅの音もでない二人。


「ホント…仰る通りです」

「そうだよね。せっかく冒険者になったんだから、クエストに挑戦しながら気長に待とうよ」


自身の見通しの甘さに項垂れているミリアに対し、笑顔で声を掛け励ますスズネであった。

そして、三人はクエストを受けるためにマリの元へ ───────



「マリさーん」

「あら二人とも一週間ぶりね。メンバー集めは進んでる?」


一週間ぶりに訪れた三人をマリは笑顔で迎えてくれた。
そんなマリに安心感を覚えたスズネとミリアは、さっそく頼れるお姉さんに泣きついたのだった。


「それが全く・・・。あちこち回ってもみたんですけど全部空振りでした。そこで気長に待ちつつクエストをこなしていこうってことになったので、何か私たちでも受けられるクエストを紹介してもらいたいんですけど、何かありますか?」

「なるほど、ちょっと待ってね。何か二人でも出来そうなEランクのクエストを探してみるわね」


そう言うと、マリは数多くの依頼書が入ったファイルの中から今の二人に合うモノを見繕ってくれた。


「う~ん。これなんかどうかな?家の改築用木材の運搬と改築のお手伝い」

「「へぇ~こんなクエストもあるんだ~」」


初めてのクエストで右も左も分からない二人は、不思議そうに提示された依頼書を覗き込む。


「新人の冒険者のほとんどが、まずは素材集めや手伝いなんかのクエストを通して、他の冒険者や街の人たちに顔や名前を覚えてもらうのよ。そこから指名依頼なんかをもらって場数を踏んでいく感じになるかな」


マリの説明を受けて自分たちがやるべき事や方向性が決まり、ますますやる気が出てきたスズネとミリアは目をキラキラと輝かせながら顔を見合わせた。


「よし。これにしよう!!ミリアもクロノもいいよね」

「いいね、いいね。どんどん場数を増やしていこう」

「えっ…こんな雑用を俺もやるのか?」


見るからに面倒くさそうなクロノに対して、二人はグイッと身体を寄せて声を上げる。


「「当たり前でしょ!!!」」


ドタバタした三人の掛け合いと、少女二人に怒られタジタジになっている魔王の姿に、フフフッとほくそ笑むマリであった。



───────────────────────────────────


「三人ともご苦労さん。今日は本当に助かったよ、ありがとう」


一日中動き回りヘトヘトになっているスズネとミリアに、今回の依頼主であるおじさんが声を掛けてくれた。
次から次へと押し寄せる仕事に疲労困憊だったが、二人はおじさんからの一言で全てが報われたような充実感を得ることができた。


「お前らもっと鍛えたほうがいいぞ」


充実感に浸っていた二人に汗ひとつかかず涼しい顔をしたクロノが声をかける。

イラッ ───────

瞬時にミリアの眉間にシワが寄る。


「クロノ!!アンタ楽しすぎなのよ。こっちが必死に汗水流してんのに、一人だけ涼しい顔しちゃってさ」

「ん??荷物の運搬や組み立て作業に魔法を使って何が悪い。そもそもお前らの鍛錬が甘いからそうなるんだ」


ミリアが怒りたくなるのも無理はない。
みんなが重い荷物の運搬などを大粒の汗を流しながらせっせと行っている中、クロノは一人涼しい顔で魔法を使い淡々と作業を進めていたのだった。


「そりゃ~魔王様ともなれば、さぞ厳しい鍛錬を積まれてきたんでしょうね」


溜まりに溜まった怒りと悔しさのあまり皮肉をもって返すミリア。
しかし、そんなミリアの皮肉の言葉もクロノには効果を発揮しない。


「は?生まれ持って最強であるこの俺が鍛錬などするわけがないだろ。そういう事は弱い奴がやっておけばいいんだ」


まさに火に油を注ぐとはこの事である。
ミリアの怒りは頂点に達したどころか限界突破していた。


「こ…ん…の…野郎……」


ミリアとクロノの間にバチバチと火花が飛ぶ。
そして、ミリアは力いっぱい拳を握り締める。

一触即発かと思われた、その時 ───── 。

パンッ!!

大きく手を叩く音が鳴り響く。
ミリアとクロノが音のした方へと目を向けると、スズネがニッコリと笑っている。


「二人ともそこまで。今日はせっかくの初クエスト達成なんだから、最後の最後にケンカなんてしないの。一日いろいろあったけど楽しかったね。二人ともありがとう」


スズネの言葉により一気に熱が下がった二人は、呆れたように笑い出した。


「あはははは。ホント…スズネには敵わないわ。こちらこそありがとね」

「フッ。とりあえず、俺は腹が減った。さっさと帰って飯にするぞ」


こうして紆余曲折ありながらも、何とか初クエストをクリアした三人なのであった。


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