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壊滅、そして全滅
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単眼巨人の群れが棲まうであろう洞窟を発見したスズネたち。
その中から漂ってくる血の臭いに顔を歪めつつも、彼女たちは恐る恐る魔窟へと足を踏み入れる。
ザッ…ザッ…ザッ…。
ガラガラガラッ ──────── 。
「中はかなり暗いっすね」
「ラーニャちゃん、灯りをお願いできる?」
「任せるのじゃ。闇を照らせ ───── 光球」
「なによラーニャ、アンタ光属性の魔法まで覚えたの?」
「ワッハッハッ、わっちは天才じゃからな。当然なのじゃ」
ラーニャの魔法によって薄暗く数メートル先すらも見えづらかった景色がパッと明るく照らされる。
そして、灯りが灯され視界がひらけたことで気付いたことがある。
洞窟の入口付近こそ大小様々な大きさの石がゴロゴロと転がっている不安定な足場であったのだが、中に入ってみると平地とまではいかなくとも普通に歩くぶんにはなんら支障がないくらいには整えられたものであった。
それによってスズネたちの進行速度も当初予定していたよりもかなりスムーズに進めたことにより早くなっていた。
「それにしても・・・何も起きないわね」
「それどころか魔獣の一匹すらも出てこないっすよ」
スズネたちが洞窟に入ってから二時間ほどが経過しただろうか。
閉鎖的な空間の中でいつ敵と遭遇するかも分からない状況、慎重に慎重を重ねて進んできたものの、その間単眼巨人どころか他の魔獣とも相対することはなかった。
「とりあえず、一度休憩にしようか」
「賛成。なんか疲れてるようなそうでもないような変な感じだわ」
「確かにそんな感じですね。何か魔法にでもかかっているみたいです」
「う~む。特に魔法を使用した形跡などは無さそうじゃがな」
敵からの攻撃を受けたわけでも、魔法トラップにかかったわけでもないが、彼女たちは明らかに疲弊していた。
敵との遭遇こそなかったものの、数時間にも及ぶ極度の緊張状態が続いたことで彼女たち自身も気付かぬうちに思っている以上の疲労を心身ともに受けていたのだった。
束の間の休息。
モグモグ、モグモグ ──────── 。
スーッ、スーッ、スーッ ──────── 。
クロノが張った防御結界の中で、各自速やかに食事を取り、休める者は瞳を閉じて浅い睡眠を取る。
本番を前に可能な限りの疲労を抜いておくためである。
幸か不幸かここまで単眼巨人とは対峙していない。
それは素直に喜ぶべきことなのか、それともこの先に待ち構える何かしらの策と捉えるべきなのか。
「ねぇ、スズネちょっといい?」
「ん?どうしたのミリア」
「ここから先のことなんだけど・・・」
疲れをとるための休息時間ではあるのだが、ミリアの頭の中は一向に休まる気配がない。
いつも自信に満ち溢れている彼女ではあるが、今回のクエストに関してはそれだけではダメだと感じているのかもしれない。
何かしていないと不安に押し潰されそうになるのかもしれない。
もしくは、誰かに話すことによって自分の頭の中を整理したかったのかもしれない。
身体を休めることも忘れ、彼女たちは時間の限りお互いの考えを擦り合わせたのだった。
「よし。みんな少しは休めたかな?それじゃ先に進もう!」
小休止を終えたスズネたちはさらに奥へ奥へと進んでいく。
それでも魔獣に遭遇することはなかったのだが、その真実を告げるかのように先へ進んでいくほどに血腥い匂いは強烈になっていくのだった。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ ───── ゴツッ。
「うわっ!?」
ガシャーーーンッ!!
「ちょっと大丈夫?シャムロム」
再び行動を開始してから一時間ほどが経った時、先頭を歩いていたシャムロムが何かに躓き派手に転倒した。
彼女を心配した仲間たちが集まり、転倒した彼女の手を取り起き上がらせようとしたその時。
「キャッ!!」
静寂を切り裂くようにセスリーが悲鳴を上げる。
驚いた他のメンバーたちがセスリーへ視線を向けると、彼女はギュッと強く目を閉じながら地面を指差していた。
そして、その指差した先にあったものとは ───── 白骨化したヒト族の頭蓋骨であった。
「うわっ!?」
「これは・・・見た感じヒト族のモノですね」
「なんでこんな所に頭蓋骨が落ちてるんすか」
「いや、おぬしら周りをよく見るんじゃ」
ラーニャによって大きく照らされた前方にスズネたちが視線を向けると、そこには目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
それは数多くの大小様々な魔獣の骨であった。
さらに目を凝らしてよく見てみると、ここ訪れた冒険者と思われる鎧を着た者や衣服やマントを身に纏った者などの白骨が転がっており、なかには今回のクエストで訪れたであろう者たちが血塗れの状態で息を引き取っていたのだった。
「ウッ・・・」
「これは…なかなかキツいっす」
「僕たちの前にも多くの人たちが来ていたんですね」
「ギルドでも何組もパーティが戻ってきてないって言ってたけど」
「これも単眼巨人たちの仕業なんだよね」
乱雑に放置された数多くの亡骸。
それは単眼巨人たちが食べた魔獣や返り討ちにした冒険者たちの残骸であり、これらが洞窟内に漂う鼻を突くような強臭の発生源であった。
「近いかもしれないわね」
「みんなもうすぐ敵の本陣かもしれない。ここからはさらに気を引き締めていこう」
そのおびただしい屍の数に恐怖を覚えながらもそれらを踏み越えて先へと進んでいく。
すると、突如として前方に微かな光が現れる。
決戦の時は近い ──────── 。
全員がそう確信し、物音を立てないように慎重に進んでいく。
そうして、スズネたちはようやく単眼巨人の群れが棲まう地へと辿り着いたのだった。
─────────────────────────
どうやら洞窟の最奥は開けた場所になっており、天井の隙間から差し込む陽の光によって明るくなっているようであった。
そして、最奥の部屋まで辿り着いたスズネたちが恐る恐る中を覗き込むと、そこには誰もが予想だにしていなかった光景が待ち構えていた。
「「「「「「 えっ!? 」」」」」」
なんと、そこにあったのは単眼巨人たちの亡骸。
血塗れになった状態であちらこちらに討ち倒されている。
その数はゆうに五十を超えていた。
いったい・・・何があったのか。
ググッ…ドシーンッ。
大きな音と共に一体の単眼巨人が立ち上がる。
しかし、その姿は明らかに弱っており、フラフラとしながらなんとか立ち上がっているにすぎない。
「ハァ…ハァ…ハァ…。ふざけるな!!」
怒りを露わにする単眼巨人が何者かに向けて感情をぶちまける。
「俺様が、単眼巨人を統べる俺が、王である俺が、負けるわけねぇーだろ!!」
!?!?!?!?!?!?
怒り狂う単眼巨人が言い放った衝撃の言葉に一瞬耳を疑うスズネたち。
確かにあの単眼巨人は自らを王だと言った。
そうなのだ。
目の前で血塗れになりながら瀕死の状態で立っている単眼巨人こそが、ミリアが待ち望んだ単眼巨人の王だったのだ。
「ハァ…ハァ…ハァ…。こんなところで終われるか・・・。この世界は俺様のモノだ・・・。貴様は…必ず…殺す!!」
その中から漂ってくる血の臭いに顔を歪めつつも、彼女たちは恐る恐る魔窟へと足を踏み入れる。
ザッ…ザッ…ザッ…。
ガラガラガラッ ──────── 。
「中はかなり暗いっすね」
「ラーニャちゃん、灯りをお願いできる?」
「任せるのじゃ。闇を照らせ ───── 光球」
「なによラーニャ、アンタ光属性の魔法まで覚えたの?」
「ワッハッハッ、わっちは天才じゃからな。当然なのじゃ」
ラーニャの魔法によって薄暗く数メートル先すらも見えづらかった景色がパッと明るく照らされる。
そして、灯りが灯され視界がひらけたことで気付いたことがある。
洞窟の入口付近こそ大小様々な大きさの石がゴロゴロと転がっている不安定な足場であったのだが、中に入ってみると平地とまではいかなくとも普通に歩くぶんにはなんら支障がないくらいには整えられたものであった。
それによってスズネたちの進行速度も当初予定していたよりもかなりスムーズに進めたことにより早くなっていた。
「それにしても・・・何も起きないわね」
「それどころか魔獣の一匹すらも出てこないっすよ」
スズネたちが洞窟に入ってから二時間ほどが経過しただろうか。
閉鎖的な空間の中でいつ敵と遭遇するかも分からない状況、慎重に慎重を重ねて進んできたものの、その間単眼巨人どころか他の魔獣とも相対することはなかった。
「とりあえず、一度休憩にしようか」
「賛成。なんか疲れてるようなそうでもないような変な感じだわ」
「確かにそんな感じですね。何か魔法にでもかかっているみたいです」
「う~む。特に魔法を使用した形跡などは無さそうじゃがな」
敵からの攻撃を受けたわけでも、魔法トラップにかかったわけでもないが、彼女たちは明らかに疲弊していた。
敵との遭遇こそなかったものの、数時間にも及ぶ極度の緊張状態が続いたことで彼女たち自身も気付かぬうちに思っている以上の疲労を心身ともに受けていたのだった。
束の間の休息。
モグモグ、モグモグ ──────── 。
スーッ、スーッ、スーッ ──────── 。
クロノが張った防御結界の中で、各自速やかに食事を取り、休める者は瞳を閉じて浅い睡眠を取る。
本番を前に可能な限りの疲労を抜いておくためである。
幸か不幸かここまで単眼巨人とは対峙していない。
それは素直に喜ぶべきことなのか、それともこの先に待ち構える何かしらの策と捉えるべきなのか。
「ねぇ、スズネちょっといい?」
「ん?どうしたのミリア」
「ここから先のことなんだけど・・・」
疲れをとるための休息時間ではあるのだが、ミリアの頭の中は一向に休まる気配がない。
いつも自信に満ち溢れている彼女ではあるが、今回のクエストに関してはそれだけではダメだと感じているのかもしれない。
何かしていないと不安に押し潰されそうになるのかもしれない。
もしくは、誰かに話すことによって自分の頭の中を整理したかったのかもしれない。
身体を休めることも忘れ、彼女たちは時間の限りお互いの考えを擦り合わせたのだった。
「よし。みんな少しは休めたかな?それじゃ先に進もう!」
小休止を終えたスズネたちはさらに奥へ奥へと進んでいく。
それでも魔獣に遭遇することはなかったのだが、その真実を告げるかのように先へ進んでいくほどに血腥い匂いは強烈になっていくのだった。
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ ───── ゴツッ。
「うわっ!?」
ガシャーーーンッ!!
「ちょっと大丈夫?シャムロム」
再び行動を開始してから一時間ほどが経った時、先頭を歩いていたシャムロムが何かに躓き派手に転倒した。
彼女を心配した仲間たちが集まり、転倒した彼女の手を取り起き上がらせようとしたその時。
「キャッ!!」
静寂を切り裂くようにセスリーが悲鳴を上げる。
驚いた他のメンバーたちがセスリーへ視線を向けると、彼女はギュッと強く目を閉じながら地面を指差していた。
そして、その指差した先にあったものとは ───── 白骨化したヒト族の頭蓋骨であった。
「うわっ!?」
「これは・・・見た感じヒト族のモノですね」
「なんでこんな所に頭蓋骨が落ちてるんすか」
「いや、おぬしら周りをよく見るんじゃ」
ラーニャによって大きく照らされた前方にスズネたちが視線を向けると、そこには目を覆いたくなるような光景が広がっていた。
それは数多くの大小様々な魔獣の骨であった。
さらに目を凝らしてよく見てみると、ここ訪れた冒険者と思われる鎧を着た者や衣服やマントを身に纏った者などの白骨が転がっており、なかには今回のクエストで訪れたであろう者たちが血塗れの状態で息を引き取っていたのだった。
「ウッ・・・」
「これは…なかなかキツいっす」
「僕たちの前にも多くの人たちが来ていたんですね」
「ギルドでも何組もパーティが戻ってきてないって言ってたけど」
「これも単眼巨人たちの仕業なんだよね」
乱雑に放置された数多くの亡骸。
それは単眼巨人たちが食べた魔獣や返り討ちにした冒険者たちの残骸であり、これらが洞窟内に漂う鼻を突くような強臭の発生源であった。
「近いかもしれないわね」
「みんなもうすぐ敵の本陣かもしれない。ここからはさらに気を引き締めていこう」
そのおびただしい屍の数に恐怖を覚えながらもそれらを踏み越えて先へと進んでいく。
すると、突如として前方に微かな光が現れる。
決戦の時は近い ──────── 。
全員がそう確信し、物音を立てないように慎重に進んでいく。
そうして、スズネたちはようやく単眼巨人の群れが棲まう地へと辿り着いたのだった。
─────────────────────────
どうやら洞窟の最奥は開けた場所になっており、天井の隙間から差し込む陽の光によって明るくなっているようであった。
そして、最奥の部屋まで辿り着いたスズネたちが恐る恐る中を覗き込むと、そこには誰もが予想だにしていなかった光景が待ち構えていた。
「「「「「「 えっ!? 」」」」」」
なんと、そこにあったのは単眼巨人たちの亡骸。
血塗れになった状態であちらこちらに討ち倒されている。
その数はゆうに五十を超えていた。
いったい・・・何があったのか。
ググッ…ドシーンッ。
大きな音と共に一体の単眼巨人が立ち上がる。
しかし、その姿は明らかに弱っており、フラフラとしながらなんとか立ち上がっているにすぎない。
「ハァ…ハァ…ハァ…。ふざけるな!!」
怒りを露わにする単眼巨人が何者かに向けて感情をぶちまける。
「俺様が、単眼巨人を統べる俺が、王である俺が、負けるわけねぇーだろ!!」
!?!?!?!?!?!?
怒り狂う単眼巨人が言い放った衝撃の言葉に一瞬耳を疑うスズネたち。
確かにあの単眼巨人は自らを王だと言った。
そうなのだ。
目の前で血塗れになりながら瀕死の状態で立っている単眼巨人こそが、ミリアが待ち望んだ単眼巨人の王だったのだ。
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