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第三部
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ぼくはソファに寝転んでMFD端末でゲームをしていた。窓の白いカーテンがゆらゆらと揺れ、蝉の音が外からずっと響いている。
「ゲームはどうだいコズ、勝てそうかい?」
父さんがぼくに声をかける。
「何とか~」
「じゃあそれが終わったらドライブに行かないか?」
「うん、いいよ!」
ぼくはゲームが終わるとすぐに荷物をまとめ初めた。自分の部屋から白い水筒を持ってきて、冷蔵庫の中のお茶を水筒に移す。父さんはポロシャツに着替えて母さんにも声をかけていた。
───さんさんと夏の太陽が輝く。ぼくは父さんの車に乗っている。外を見るとあたり一面に向日葵が咲いていた。向日葵たちは胸を張って太陽に顔を向け、眩しいくらいに真っ黄色だった。
「ほうらコズ、この景色を見せたかったんだ」
父さんが言う。父さんは車の操作パネルに命令を入力して車の走る速度を落とした。
「すごく綺麗だよ!」
ぼくは窓ガラスを下げる。そうすると夏の湿ったくて暖かい風が流れ込んできた。頭を少しだけ出してみる、風がぼくの顔を優しく撫でる。
「気をつけてね」
母さんがぼくにそう言った。母さんはぼくが喜ぶさまを微笑んで見守る。ぼくはしばらくこうやって顔を出していた。走っているのは車なのに、まるで自分が走ってるみたいに思える。風が心地良い。ずっと向日葵畑を見ているとぼくは何かに気づいた。
「あれ? あそこに誰かいるよ」
ぼくは向日葵畑の向こうを指差す。そこには白い服を着た男の子が立っていた。何かをするでもなく一人でじっとこちらを見つめている。でも遠くて顔まではよく見えなかった。
「いいやコズ、あそこには誰もいないよ」
ぼくは父さんの方を見る。父さんがそう言うから、たしかに何かの見間違えのような気もした。もう一度そっちの方向を見たら男の子はいなくなっていた。すこし不思議な感じがした。
「コズももうすぐ四年生か」
父さんが言う。今は小学三年生の夏休みだった。ぼくは父さんの顔を見ようとしたけど太陽が眩しくてよく見えなかった。
「新しいクラスでも友達できるかな」
「なぁに、コズはいい子だからきっと大丈夫さ」
「そうよ、きっとできるわ」
隣に座った母さんがぼくの頭を撫でる。すこしくすぐったかった。
「父さん、次はどこに旅行しに行くの?」
父さんはよく海外旅行しに行く。ぼくが産まれる前は母さんとよく旅行してたそうだ。
「次はね、ロシアに行くんだ。コズにもお土産を買ってくるよ」
「ぼくも行きたい」
「ははは、もう少し大きくなったらな。どこか行きたい国はあるのか?」
ぼくはすこし考える。知ってる国はそう多くない。
「じゃあ合衆国、合衆国に行きたい」
「そうかそうか、わかった。じゃあコズが高校生になったら連れてってやろう」
「本当に? 約束だよ」
しばらくして父さんは白い車を道路のわきに停めて手にMFD端末を持った。
「ここらで一枚写真を撮ろう」
ぼくと母さんは車から降りて向日葵畑を背に立った。父さんが車から降りるのを待ってる間にぼくは向日葵畑の中に小さな小屋を見つけた。トイレだろうか、ぼくは自然とそっちに引き寄せられた。
赤いドアがある小屋だった。窓はなく、中の様子は見えない。ドアを開けて中に入ってみる。母さんが呼ぶ声が後ろから聞こえたような気がした。
「ゲームはどうだいコズ、勝てそうかい?」
父さんがぼくに声をかける。
「何とか~」
「じゃあそれが終わったらドライブに行かないか?」
「うん、いいよ!」
ぼくはゲームが終わるとすぐに荷物をまとめ初めた。自分の部屋から白い水筒を持ってきて、冷蔵庫の中のお茶を水筒に移す。父さんはポロシャツに着替えて母さんにも声をかけていた。
───さんさんと夏の太陽が輝く。ぼくは父さんの車に乗っている。外を見るとあたり一面に向日葵が咲いていた。向日葵たちは胸を張って太陽に顔を向け、眩しいくらいに真っ黄色だった。
「ほうらコズ、この景色を見せたかったんだ」
父さんが言う。父さんは車の操作パネルに命令を入力して車の走る速度を落とした。
「すごく綺麗だよ!」
ぼくは窓ガラスを下げる。そうすると夏の湿ったくて暖かい風が流れ込んできた。頭を少しだけ出してみる、風がぼくの顔を優しく撫でる。
「気をつけてね」
母さんがぼくにそう言った。母さんはぼくが喜ぶさまを微笑んで見守る。ぼくはしばらくこうやって顔を出していた。走っているのは車なのに、まるで自分が走ってるみたいに思える。風が心地良い。ずっと向日葵畑を見ているとぼくは何かに気づいた。
「あれ? あそこに誰かいるよ」
ぼくは向日葵畑の向こうを指差す。そこには白い服を着た男の子が立っていた。何かをするでもなく一人でじっとこちらを見つめている。でも遠くて顔まではよく見えなかった。
「いいやコズ、あそこには誰もいないよ」
ぼくは父さんの方を見る。父さんがそう言うから、たしかに何かの見間違えのような気もした。もう一度そっちの方向を見たら男の子はいなくなっていた。すこし不思議な感じがした。
「コズももうすぐ四年生か」
父さんが言う。今は小学三年生の夏休みだった。ぼくは父さんの顔を見ようとしたけど太陽が眩しくてよく見えなかった。
「新しいクラスでも友達できるかな」
「なぁに、コズはいい子だからきっと大丈夫さ」
「そうよ、きっとできるわ」
隣に座った母さんがぼくの頭を撫でる。すこしくすぐったかった。
「父さん、次はどこに旅行しに行くの?」
父さんはよく海外旅行しに行く。ぼくが産まれる前は母さんとよく旅行してたそうだ。
「次はね、ロシアに行くんだ。コズにもお土産を買ってくるよ」
「ぼくも行きたい」
「ははは、もう少し大きくなったらな。どこか行きたい国はあるのか?」
ぼくはすこし考える。知ってる国はそう多くない。
「じゃあ合衆国、合衆国に行きたい」
「そうかそうか、わかった。じゃあコズが高校生になったら連れてってやろう」
「本当に? 約束だよ」
しばらくして父さんは白い車を道路のわきに停めて手にMFD端末を持った。
「ここらで一枚写真を撮ろう」
ぼくと母さんは車から降りて向日葵畑を背に立った。父さんが車から降りるのを待ってる間にぼくは向日葵畑の中に小さな小屋を見つけた。トイレだろうか、ぼくは自然とそっちに引き寄せられた。
赤いドアがある小屋だった。窓はなく、中の様子は見えない。ドアを開けて中に入ってみる。母さんが呼ぶ声が後ろから聞こえたような気がした。
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