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Third Chapter
妬み、嫉み、僻み
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「それから半日も過ぎないのに『これ』です」
『くたばれ(意訳)』等と罵倒が遠慮なく書かれているのであろう投げ文が、オレ達が帰ってきたら『黒葉宮』の前で小山になっていた。
……何があったのか状況は一発で飲み込めたが、祝福よりも先に心配しなければならないなんて……。
「せめて殿下にもう少し権力があったら話も違ったのでしょうが」
大丈夫だ、クノハルの心はまだ折れていない。オレ達に嫌味を言える元気が残っている。
「クノハル、他に何をされた?」
「いえ。この状況下なのに一人きりで出歩くのはあまりにも危険すぎるので、ずっと引きこもっておりました」
「それで正しい。広い帝国城の何処かに監禁されでもしたら命に関わる」
数年後に干からびたクノハルが発見された、なんて想像しただけで最悪である。
「殿下、やはり見合いは無かった事に出来ないかと……」
それは不可能だ。レーシャナ皇后様もキアラカ皇妃様もノリノリだったとあれば、あまりにも無理過ぎる案件だ……。
「こうなったらレーシャナ皇后様に直訴に行こう。別件でも話があった所だった」
「別件?」
オレ達がロサリータ姫とサレフィ姫の話をすると、クノハルは顔を露骨にしかめた。
「女は、同じ女の悪意に対しては過敏な程に聡いものです」
「第十二皇子殿下は、普段は陛下からのお呼び出しに返事もせぬ無礼千万な態度を取っている癖に、今更私ごときに何の御用だ?」
うわ……分かってはいたが開口一番にレーシャナ皇后から嫌味を言われた。
「これが『黒葉宮』に投げ込まれ続けております故」
オレ達がユルルアちゃんに頼んで風呂敷に包んでもらっていた投げ文の山をぶちまけたら、レーシャナ皇后は一瞬だけ眉をひそめた。明らかに紙とは違う、硬質な音が幾つも響いたからだ。針や剃刀入り投げ文なんて古典的すぎやしないか?
「……成る程、事情は分かった。こちらで適切に対処しよう」
助かった、とオレ達は恭しく頭を下げる。クノハルも恭しく一礼した。
「何卒、よろしくお頼み申し上げます」
しかし、とレーシャナ皇后は堅く鋭い声で、まるで抉るように訊ねてくる。
「どうして殿下が陛下からのお呼び出しを頑なに断るのか、その理由は未だご説明頂いていないが?」
「まだ僕は陛下のお目に掛ることは出来ません。ですが、心は影のように御側におります」
「陛下を蔑ろにして、再び鞭打たれぬよう精々留意する事だ」
おお、怖い。これ以上に舐めた態度を続けるなら分かっているだろうな、と脅してきた。
「はっ。ところで、お耳に入れたい事がもう一つ……」
「さて、と」『黒葉宮』に帰ったオレ達はまず投げ文を片付けてから、クノハルに言った。「おめでとう、だったな」
「……その、本を」と顔を赤くして目をそらすクノハル。「そうです、ほ、本のため、です……」
ユルルアちゃんもおめでとうと笑顔で告げてから、
「オユアーヴやロウさんにも、早く知らせてあげないとね」
『ロウさんはこの所からっきし駄目ですぜー、まだ泣きながら飲んでいるんですぜー……』
と流石に辟易しているらしいゲイブンの声の背後から、まだロウの嗚咽が聞こえる。
『ロウさーん、もうお酒は駄目ですぜー……おいらだってロウさんのお世話、いい加減にウンザリなんですぜー……』
ロウが喚いた。
『うるさい!うるさいぞゲイブン!うるさいうるさいうるさいいいいいいいいいいいい!!!』
うるさいのはそっちだぞ、ロウ……。
パーシーバーがため息をつく。
『ごめんねゲイブン、テオ……。ああ見えてロウはクノハルに内心では甘えきっていたから……プライドピノキオ君に横から奪い取られちゃって凄く悲しいのよ……』
『おいら、てっきりクノハルの姐さんの方が筋金入りのブラコンなんだーって思ってましたけど、ロウさんの方がもっとシスコンだったんですぜー……』
『お、俺は、クノハルを、3つの時から……!!!!』
また盛大な嗚咽が始まった。
これはギルガンドを本気で殺しに行くかも知れないと危惧したオレ達は、ロウに言った。
「ロウ、クノハルの話を聞け。これ以上離れられたくは無いだろう?」
『……うぅ……』
ようやく嗚咽が啜り泣きに変わったところで、クノハルが話し出した。
「兄さん、正直を言うとね、彼と結婚する将来が見えたから交際しようと思った訳じゃ無いんだ」
『クノハル……?』
「彼が本気だったから、私も本気で話をしてみたいと思ったの。そうやって何処の本にも書かれていない事を、知りたいと思った。生まれて初めて……そう思ったんだ」
『本当に、良いんだな……?』
「うん、真剣に交際してみる。何より私が、そうしたい」
『……分かった、分かったよクノハル』
――コツン、とまた投げ文か石ころかが戸に当たる音が聞こえた。
「……うん?」オユアーヴが訝しげな顔をして外を見に行って、投げ文を拾ってきた。「まだ投げ文をするヤツがいたぞ」
そのまま捨てようとした時、クノハルが止めた。
「オユアーヴ、待って下さい。紙が違います」
「ああ、よく分かったな。これはホーロロの最高級の紙だ。他の産地の紙とは手触りが全く違う」
芸術作品を作る時に手にする事があるからな、とオユアーヴは付け足した。
「投げ文にそんな高級紙を使うなんて、少し奇妙ではありませんか?」
確かに、とオレ達は頷いた。
「開けてみよう」
『「ジンクス」を殺して』
それだけが書かれた紙面の文字は、書き手が焦っていたかのように酷く乱れていた。
「『ジンクス』とは誰、いえ、何かしら……?」
ユルルアちゃんが首をかしげる。
「さる精霊獣が語ったお言葉によれば、『迷信』『縁起の悪いもの』『不運を招くもの』と言った単語らしいです。
職人が酒色を断たず身も清めずに神々へ捧げる奉納品を作ると、神々がお怒りになる、と言ったような……」と、クノハルが説明してくれる。
「おい、それにはちゃんと理由がある。酒を飲んだり情欲を持ったりしていると集中力不足で良い芸術作品が作れないんだ。何一つ迷信じゃあない!」
何を勘違いしたのか、オユアーヴが怒った。いつもの事である。
クノハルは呆れた顔をした。
「でも、それは神々がお怒りになるのとは直結しないでしょう?」
「……」
あまり納得できていない様のオユアーヴに向けて、オレ達は補足した。
「例えばだが。……朝、出かける時に黒い鳥が大声で鳴いた。その日に限って不幸があった。それが何度も続けば、黒い鳥が大声で鳴いた日には必ず不幸が起きると関連付けて考えるのが人間だ。
こう言った考えや事象を一般に『ジンクス』と呼ぶのだが……」
ユルルアちゃんが眉をひそめる。
「でも、そんなものをどうやって殺せなんて……ましてや人に依頼するなんて……」
クノハルが少し考えてから、
「この文の筆跡が……非常に特徴的です。何と言うか、下手では無いのですがやけに個性的ですから……。更にホーロロの最高級紙が使われています。まずはこれらから当たって探してみましょう」
『くたばれ(意訳)』等と罵倒が遠慮なく書かれているのであろう投げ文が、オレ達が帰ってきたら『黒葉宮』の前で小山になっていた。
……何があったのか状況は一発で飲み込めたが、祝福よりも先に心配しなければならないなんて……。
「せめて殿下にもう少し権力があったら話も違ったのでしょうが」
大丈夫だ、クノハルの心はまだ折れていない。オレ達に嫌味を言える元気が残っている。
「クノハル、他に何をされた?」
「いえ。この状況下なのに一人きりで出歩くのはあまりにも危険すぎるので、ずっと引きこもっておりました」
「それで正しい。広い帝国城の何処かに監禁されでもしたら命に関わる」
数年後に干からびたクノハルが発見された、なんて想像しただけで最悪である。
「殿下、やはり見合いは無かった事に出来ないかと……」
それは不可能だ。レーシャナ皇后様もキアラカ皇妃様もノリノリだったとあれば、あまりにも無理過ぎる案件だ……。
「こうなったらレーシャナ皇后様に直訴に行こう。別件でも話があった所だった」
「別件?」
オレ達がロサリータ姫とサレフィ姫の話をすると、クノハルは顔を露骨にしかめた。
「女は、同じ女の悪意に対しては過敏な程に聡いものです」
「第十二皇子殿下は、普段は陛下からのお呼び出しに返事もせぬ無礼千万な態度を取っている癖に、今更私ごときに何の御用だ?」
うわ……分かってはいたが開口一番にレーシャナ皇后から嫌味を言われた。
「これが『黒葉宮』に投げ込まれ続けております故」
オレ達がユルルアちゃんに頼んで風呂敷に包んでもらっていた投げ文の山をぶちまけたら、レーシャナ皇后は一瞬だけ眉をひそめた。明らかに紙とは違う、硬質な音が幾つも響いたからだ。針や剃刀入り投げ文なんて古典的すぎやしないか?
「……成る程、事情は分かった。こちらで適切に対処しよう」
助かった、とオレ達は恭しく頭を下げる。クノハルも恭しく一礼した。
「何卒、よろしくお頼み申し上げます」
しかし、とレーシャナ皇后は堅く鋭い声で、まるで抉るように訊ねてくる。
「どうして殿下が陛下からのお呼び出しを頑なに断るのか、その理由は未だご説明頂いていないが?」
「まだ僕は陛下のお目に掛ることは出来ません。ですが、心は影のように御側におります」
「陛下を蔑ろにして、再び鞭打たれぬよう精々留意する事だ」
おお、怖い。これ以上に舐めた態度を続けるなら分かっているだろうな、と脅してきた。
「はっ。ところで、お耳に入れたい事がもう一つ……」
「さて、と」『黒葉宮』に帰ったオレ達はまず投げ文を片付けてから、クノハルに言った。「おめでとう、だったな」
「……その、本を」と顔を赤くして目をそらすクノハル。「そうです、ほ、本のため、です……」
ユルルアちゃんもおめでとうと笑顔で告げてから、
「オユアーヴやロウさんにも、早く知らせてあげないとね」
『ロウさんはこの所からっきし駄目ですぜー、まだ泣きながら飲んでいるんですぜー……』
と流石に辟易しているらしいゲイブンの声の背後から、まだロウの嗚咽が聞こえる。
『ロウさーん、もうお酒は駄目ですぜー……おいらだってロウさんのお世話、いい加減にウンザリなんですぜー……』
ロウが喚いた。
『うるさい!うるさいぞゲイブン!うるさいうるさいうるさいいいいいいいいいいいい!!!』
うるさいのはそっちだぞ、ロウ……。
パーシーバーがため息をつく。
『ごめんねゲイブン、テオ……。ああ見えてロウはクノハルに内心では甘えきっていたから……プライドピノキオ君に横から奪い取られちゃって凄く悲しいのよ……』
『おいら、てっきりクノハルの姐さんの方が筋金入りのブラコンなんだーって思ってましたけど、ロウさんの方がもっとシスコンだったんですぜー……』
『お、俺は、クノハルを、3つの時から……!!!!』
また盛大な嗚咽が始まった。
これはギルガンドを本気で殺しに行くかも知れないと危惧したオレ達は、ロウに言った。
「ロウ、クノハルの話を聞け。これ以上離れられたくは無いだろう?」
『……うぅ……』
ようやく嗚咽が啜り泣きに変わったところで、クノハルが話し出した。
「兄さん、正直を言うとね、彼と結婚する将来が見えたから交際しようと思った訳じゃ無いんだ」
『クノハル……?』
「彼が本気だったから、私も本気で話をしてみたいと思ったの。そうやって何処の本にも書かれていない事を、知りたいと思った。生まれて初めて……そう思ったんだ」
『本当に、良いんだな……?』
「うん、真剣に交際してみる。何より私が、そうしたい」
『……分かった、分かったよクノハル』
――コツン、とまた投げ文か石ころかが戸に当たる音が聞こえた。
「……うん?」オユアーヴが訝しげな顔をして外を見に行って、投げ文を拾ってきた。「まだ投げ文をするヤツがいたぞ」
そのまま捨てようとした時、クノハルが止めた。
「オユアーヴ、待って下さい。紙が違います」
「ああ、よく分かったな。これはホーロロの最高級の紙だ。他の産地の紙とは手触りが全く違う」
芸術作品を作る時に手にする事があるからな、とオユアーヴは付け足した。
「投げ文にそんな高級紙を使うなんて、少し奇妙ではありませんか?」
確かに、とオレ達は頷いた。
「開けてみよう」
『「ジンクス」を殺して』
それだけが書かれた紙面の文字は、書き手が焦っていたかのように酷く乱れていた。
「『ジンクス』とは誰、いえ、何かしら……?」
ユルルアちゃんが首をかしげる。
「さる精霊獣が語ったお言葉によれば、『迷信』『縁起の悪いもの』『不運を招くもの』と言った単語らしいです。
職人が酒色を断たず身も清めずに神々へ捧げる奉納品を作ると、神々がお怒りになる、と言ったような……」と、クノハルが説明してくれる。
「おい、それにはちゃんと理由がある。酒を飲んだり情欲を持ったりしていると集中力不足で良い芸術作品が作れないんだ。何一つ迷信じゃあない!」
何を勘違いしたのか、オユアーヴが怒った。いつもの事である。
クノハルは呆れた顔をした。
「でも、それは神々がお怒りになるのとは直結しないでしょう?」
「……」
あまり納得できていない様のオユアーヴに向けて、オレ達は補足した。
「例えばだが。……朝、出かける時に黒い鳥が大声で鳴いた。その日に限って不幸があった。それが何度も続けば、黒い鳥が大声で鳴いた日には必ず不幸が起きると関連付けて考えるのが人間だ。
こう言った考えや事象を一般に『ジンクス』と呼ぶのだが……」
ユルルアちゃんが眉をひそめる。
「でも、そんなものをどうやって殺せなんて……ましてや人に依頼するなんて……」
クノハルが少し考えてから、
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