248 / 297
Final Chapter
尻に敷かれる系主人公
しおりを挟む
「……と言う事があってだな、ゲイブン……」
事情を聞いたゲイブンは、軽蔑の目から打って変わった同情の眼差しでオレ達を見つめる。
「あー、テオの兄貴ってオラオラ系に見えるけど、実際はユルルア姫さんの尻に完全に敷かれているからー……」
「言うな、言うな!しかもまだ続きがあるんだぞ……」
「これは第十二皇子殿下、先ほどロサリータ姫から事情は詳らかに聞いたぞ。どうやって誘惑なさったのかは皆目存じ上げぬが、既に婚約者としてカドフォ家の姫君がいる身でありながら随分とご自由に振る舞われているようだな」
うるせえええええ!向こうが勝手に迫ってきてしかも宿敵のはずの婚約者を先に落としやがったんだ!
オレ達は嫌だ嫌だってずっと言ってんのにさ、いつの間にか二人がオレ達の後ろで仲良くなって手まで繋いでニコニコしているんだ!
これはある意味ではテオに対する裏切りだろうが!ユルルアちゃん、酷すぎるぞ!
「幾ら陛下の同母弟であろうと、斯様な奔放な振る舞いを看過しては皇族全員の品位に関わる」
だ!か!ら!
オレ達は嫌だと言っているんだ!
オレ達に嫌味を言う暇があったら、頼むからレーシャナ皇后様の手でロサリータ姫の首根っこを抑えていてくれ!本当に邪魔だから!
……と言う内容の言葉をオレ達はオブラートと敬語に包んで伝える、
「二度と僕からはロサリータ姫に接近しませぬ故、レーシャナ皇后様からもロサリータ姫には良く言い含めて……」
が、すかさず邪魔が入った。
「私がサレフィの件で帝国第一高等学院で冷遇されていた時に、テオ様とテオ様の知己が私にとても良くして下さったのです!護衛さえも私を軽んじていたのに、彼らだけは物事の真偽を見極めておりましたのよ!」
ロサリータ姫からだった。
タイミングと言い発言の内容と言い、控えめに言っても最悪だ!
「ほう」とレーシャナ皇后様が身を乗り出した。「その者達は誰か?」
「官僚志望の学生達ですわ。テオ様もですが――私の護衛でさえ話せなかったマーロウスントの公用語も完璧なまでに習得しておりましたの。それなのに、本物の発音を学びたいからと言う名目で私に話しかけて、何かと手助けしてくれたのです」
「また後でその者らの名前を教えて貰おう。しかし平均点しか取っておらぬ第十二皇子殿下が、まさかマーロウスントの公用語を習得しておられたとは。難易度自体は高くないとは言え、意外であるな?」
「……僕の武術師範が多才な男でしたので……」
テオの武術師範兼養育係だったタルヤンは正に万能の天才と呼ぶに相応しい男だった。
平民の出だったけれども、ネロキーア公家のコルスにその才能を見いだされて、テオの武術師範にまで上り詰めた。
ただ、今は――後ろ盾だったネロキーア公家が没落した事、テオが処刑された事でどうしようも無くなり、世俗と縁を切って神殿に入ってしまったのだ。
『強い言葉や分かりやすい言葉は人々にとって魅力的で分かりやすく、とても印象的です。でも、果たして真理や真心はその中にあるのでしょうか。殿下、どうか何時までもお忘れ無きよう……』
「そうであったか。しかし婚約者でも無い若い男女が密に、親しくすると言うのは後々の問題になる。誰ぞお目付役を置かねばなるまい」
とレーシャナ皇后様は少し考えてから周囲を見つめるが、誰も目を合わせようとしない。
『不出来な第十二皇子』と今更コネが出来た所で、今後の出世に繋がる訳でも一つのメリットが有る訳でも無い。
……完全に面倒かつ損なだけの役目だからな。
「でしたらー、私が立候補しても良いですかー?」
そこに『睡虎』がひょっこりと顔を出したので、オレ達は驚愕する。
「ど、どうして?!」
多忙を極める帝国十三神将に、どうしてオレ達のお目付役に立候補する余裕なんてあるんだ!?
「貴様……」
だがレーシャナ皇后様の様子がおかしい。
『睡虎』に対して気が立っていると言うか、警戒しているような……何があったんだ?
「暇すぎて死んじゃいそうなのでー、レーシャナ皇后、どうかどうか切にお願い申し上げますー!」
……いや、ここは断った方が良さそうだ。
無論だ。何時もより胡散臭さが10割増しになっているからな。
とにかく適当な理由を挙げて断ろうと、テオが口を開いた時だった。
「帝国十三神将なれば過ちも無いでしょう!」
「同感にてございます!」
レーシャナ皇后様の取り巻き(※貴族)が勝手な事を言い出したのは。
逆に、平民上がりの官僚達は誰もが険しい顔をしている。
「むしろ不出来な殿下には勿体ないお目付役でしょう!」
と貴族が言えば、
「しかし、帝国十三神将程の者をご許可も無く独断で殿下がたのお目付役に命じては、陛下とてお許しにはなりますまい」
と官僚達が反論した。
そりゃそうだ。帝国十三神将程の人材をオレ達のお目付役にするのは、幾ら何でも過剰戦力だ。
彼らにはもっと重要で機密性の高い任務が向いているし、その実力も充分にあるんだから。
「レーシャナ皇后様にその程度の裁量権も無いと申すか!貴様はレーシャナ皇后様を……引いてはウツラーフ家を軽んじているのか!?」
――あっ!思い出したぞ、誰かと思えばコイツらはロサリータ姫達の役立たずの護衛の連中だ!
恐らく先ほどの『軽んじていた』『マーロウスントの公用語も話せなかった』の一言で面子を潰された腹いせか……。
本当に面倒な連中だな。貴族なんて基本的にプライドで食べているような連中だから、仕方無いのだろうけどさ。
腹いせをする暇があったらマーロウスントの公用語を覚えれば良いのだが。トラセルチアの第二公用語ほど難解では無いのだし……。
「まあまあー、レーシャナ皇后様の前で争うなんて止めましょうー。私は今現在とっても暇なので、暇つぶしに勝手にお目付役に立候補した、それで良いじゃありませんかー!」
「……『睡虎』、何を考えている?」
レーシャナ皇后様が険しい声で問うと、
「えーっとー……いや、本当に私、暇で暇で仕方ないんですよー?」
と薄目を開けて『睡虎のハルハ』は答えた。
「……道理で、帝国十三神将様が牛車の後ろを馬に乗って付いてくる訳ですぜ……。おいらてっきりテオの兄貴が何かやらかしたんだと思って、ぶったまげて心臓が吹っ飛びかけましたぜ」
ゲイブンは前を向いて、ハアーッと盛大な溜息をついた。
「あまり喋らない方が良いぞゲイブン。相手はハイエルフでしかも相手の嘘を即座に見抜く固有魔法の持ち主だ。しかも何を考えているか分からない、胡散臭さもある……」
「うーん……おいらも聖地に巡礼に行きたかったんですけどね……。だったら話すのは止めておきますぜー」
そう呟いてゲイブンも見上げた空高くには、聖地リシャデルリシャがポツンと浮かんでいるのだった。
事情を聞いたゲイブンは、軽蔑の目から打って変わった同情の眼差しでオレ達を見つめる。
「あー、テオの兄貴ってオラオラ系に見えるけど、実際はユルルア姫さんの尻に完全に敷かれているからー……」
「言うな、言うな!しかもまだ続きがあるんだぞ……」
「これは第十二皇子殿下、先ほどロサリータ姫から事情は詳らかに聞いたぞ。どうやって誘惑なさったのかは皆目存じ上げぬが、既に婚約者としてカドフォ家の姫君がいる身でありながら随分とご自由に振る舞われているようだな」
うるせえええええ!向こうが勝手に迫ってきてしかも宿敵のはずの婚約者を先に落としやがったんだ!
オレ達は嫌だ嫌だってずっと言ってんのにさ、いつの間にか二人がオレ達の後ろで仲良くなって手まで繋いでニコニコしているんだ!
これはある意味ではテオに対する裏切りだろうが!ユルルアちゃん、酷すぎるぞ!
「幾ら陛下の同母弟であろうと、斯様な奔放な振る舞いを看過しては皇族全員の品位に関わる」
だ!か!ら!
オレ達は嫌だと言っているんだ!
オレ達に嫌味を言う暇があったら、頼むからレーシャナ皇后様の手でロサリータ姫の首根っこを抑えていてくれ!本当に邪魔だから!
……と言う内容の言葉をオレ達はオブラートと敬語に包んで伝える、
「二度と僕からはロサリータ姫に接近しませぬ故、レーシャナ皇后様からもロサリータ姫には良く言い含めて……」
が、すかさず邪魔が入った。
「私がサレフィの件で帝国第一高等学院で冷遇されていた時に、テオ様とテオ様の知己が私にとても良くして下さったのです!護衛さえも私を軽んじていたのに、彼らだけは物事の真偽を見極めておりましたのよ!」
ロサリータ姫からだった。
タイミングと言い発言の内容と言い、控えめに言っても最悪だ!
「ほう」とレーシャナ皇后様が身を乗り出した。「その者達は誰か?」
「官僚志望の学生達ですわ。テオ様もですが――私の護衛でさえ話せなかったマーロウスントの公用語も完璧なまでに習得しておりましたの。それなのに、本物の発音を学びたいからと言う名目で私に話しかけて、何かと手助けしてくれたのです」
「また後でその者らの名前を教えて貰おう。しかし平均点しか取っておらぬ第十二皇子殿下が、まさかマーロウスントの公用語を習得しておられたとは。難易度自体は高くないとは言え、意外であるな?」
「……僕の武術師範が多才な男でしたので……」
テオの武術師範兼養育係だったタルヤンは正に万能の天才と呼ぶに相応しい男だった。
平民の出だったけれども、ネロキーア公家のコルスにその才能を見いだされて、テオの武術師範にまで上り詰めた。
ただ、今は――後ろ盾だったネロキーア公家が没落した事、テオが処刑された事でどうしようも無くなり、世俗と縁を切って神殿に入ってしまったのだ。
『強い言葉や分かりやすい言葉は人々にとって魅力的で分かりやすく、とても印象的です。でも、果たして真理や真心はその中にあるのでしょうか。殿下、どうか何時までもお忘れ無きよう……』
「そうであったか。しかし婚約者でも無い若い男女が密に、親しくすると言うのは後々の問題になる。誰ぞお目付役を置かねばなるまい」
とレーシャナ皇后様は少し考えてから周囲を見つめるが、誰も目を合わせようとしない。
『不出来な第十二皇子』と今更コネが出来た所で、今後の出世に繋がる訳でも一つのメリットが有る訳でも無い。
……完全に面倒かつ損なだけの役目だからな。
「でしたらー、私が立候補しても良いですかー?」
そこに『睡虎』がひょっこりと顔を出したので、オレ達は驚愕する。
「ど、どうして?!」
多忙を極める帝国十三神将に、どうしてオレ達のお目付役に立候補する余裕なんてあるんだ!?
「貴様……」
だがレーシャナ皇后様の様子がおかしい。
『睡虎』に対して気が立っていると言うか、警戒しているような……何があったんだ?
「暇すぎて死んじゃいそうなのでー、レーシャナ皇后、どうかどうか切にお願い申し上げますー!」
……いや、ここは断った方が良さそうだ。
無論だ。何時もより胡散臭さが10割増しになっているからな。
とにかく適当な理由を挙げて断ろうと、テオが口を開いた時だった。
「帝国十三神将なれば過ちも無いでしょう!」
「同感にてございます!」
レーシャナ皇后様の取り巻き(※貴族)が勝手な事を言い出したのは。
逆に、平民上がりの官僚達は誰もが険しい顔をしている。
「むしろ不出来な殿下には勿体ないお目付役でしょう!」
と貴族が言えば、
「しかし、帝国十三神将程の者をご許可も無く独断で殿下がたのお目付役に命じては、陛下とてお許しにはなりますまい」
と官僚達が反論した。
そりゃそうだ。帝国十三神将程の人材をオレ達のお目付役にするのは、幾ら何でも過剰戦力だ。
彼らにはもっと重要で機密性の高い任務が向いているし、その実力も充分にあるんだから。
「レーシャナ皇后様にその程度の裁量権も無いと申すか!貴様はレーシャナ皇后様を……引いてはウツラーフ家を軽んじているのか!?」
――あっ!思い出したぞ、誰かと思えばコイツらはロサリータ姫達の役立たずの護衛の連中だ!
恐らく先ほどの『軽んじていた』『マーロウスントの公用語も話せなかった』の一言で面子を潰された腹いせか……。
本当に面倒な連中だな。貴族なんて基本的にプライドで食べているような連中だから、仕方無いのだろうけどさ。
腹いせをする暇があったらマーロウスントの公用語を覚えれば良いのだが。トラセルチアの第二公用語ほど難解では無いのだし……。
「まあまあー、レーシャナ皇后様の前で争うなんて止めましょうー。私は今現在とっても暇なので、暇つぶしに勝手にお目付役に立候補した、それで良いじゃありませんかー!」
「……『睡虎』、何を考えている?」
レーシャナ皇后様が険しい声で問うと、
「えーっとー……いや、本当に私、暇で暇で仕方ないんですよー?」
と薄目を開けて『睡虎のハルハ』は答えた。
「……道理で、帝国十三神将様が牛車の後ろを馬に乗って付いてくる訳ですぜ……。おいらてっきりテオの兄貴が何かやらかしたんだと思って、ぶったまげて心臓が吹っ飛びかけましたぜ」
ゲイブンは前を向いて、ハアーッと盛大な溜息をついた。
「あまり喋らない方が良いぞゲイブン。相手はハイエルフでしかも相手の嘘を即座に見抜く固有魔法の持ち主だ。しかも何を考えているか分からない、胡散臭さもある……」
「うーん……おいらも聖地に巡礼に行きたかったんですけどね……。だったら話すのは止めておきますぜー」
そう呟いてゲイブンも見上げた空高くには、聖地リシャデルリシャがポツンと浮かんでいるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
エレンディア王国記
火燈スズ
ファンタジー
不慮の事故で命を落とした小学校教師・大河は、
「選ばれた魂」として、奇妙な小部屋で目を覚ます。
導かれるように辿り着いたのは、
魔法と貴族が支配する、どこか現実とは異なる世界。
王家の十八男として生まれ、誰からも期待されず辺境送り――
だが、彼は諦めない。かつての教え子たちに向けて語った言葉を胸に。
「なんとかなるさ。生きてればな」
手にしたのは、心を視る目と、なかなか花開かぬ“器”。
教師として、王子として、そして何者かとして。
これは、“教える者”が世界を変えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる