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第2章 愛しいあなたへのラブレター
優しい手紙
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広瀬 太一様へ
太一君、覚えていますか?
私たちが初めてあった時のことを。
大学の授業で偶然隣の席になって、「初めまして」から始まった話をして、徐々に会う機会が増えて、そして付き合い始めて。
本当に太一君は私に優しくしてくれた。
嬉しかったんだよ?
あの時太一君と出会えたこと、私はラッキーだと思ってる。
ねぇ、もし私が病気でいなくなったら太一君は寂しがってくれますか?
あのね、私思うの。
寂しがってくれることは嬉しいけど、いつまでも太一君のこと縛りたくないなって。
だから、こんな手紙送るの早いけど、もし私が死んだら、私のことは忘れて、他にいい人を見つけて幸せになってね。
太一君の幸せが、私の幸せ。
約束してね。
ずっとずっと、好きだよ。
前山 恵より
俺が仕事から帰ってくると、ポストにこの手紙が入っていた。
恵が亡くなった後に来た手紙だから違和感を感じたが、おそらく恵が「私が死んだ後に、この手紙を送ってください。」みたいなことを看護師さんにでも伝えたのだろう。
・・・・・・。
あ、俺?俺はこの手紙に書いてある「広瀬太一」だ。
そして今俺は、自分の部屋で涙を静かに流していた。
ずっと大事にしてきた彼女が、俺のために優しくも寂しい手紙を書いてくれた。
この手紙には「こんな手紙送るの早いけど」って書いてあるが、遅すぎだ。
恵が亡くなったという報告を受けてから、俺は心にぽっかりと穴が空いたようだった。
というか空いてるはず。
それくらい彼女が好きだった。
俺は何故か紙とペンを持ち、もういないはずの彼女へと手紙を書き始めた。
前山 恵様へ
手紙読みました。
送るのが遅すぎなんだよお前。
もっと早く送っていれば、俺の気持ちを全部伝えられたのに。
俺はお前と出会えた事後悔してない。
大学で出会って、仲良くなって、恋人になって。
俺はお前とこうやって一緒にいた思い出が出来たこと、後悔してない。
でも一つだけ。
忘れろって言われて、忘れられるわけないだろ。
何勝手なこと言って死んでるんだよ。
ふざけんな。
俺の気持ち、こんな紙なんかじゃ全然伝えられねぇよ。
勝手に寝るなよ、勝手にどこか行くなよ、勝手に死ぬなよ、勝手に俺を1人にすんなよ。
こんな事言っても、お前はもう帰ってこない。
こっちは勝手に1人にされてムカついてるんだよ。
ムカついてるけど・・・、今もまだ愛してる。
忘れるなんて出来ない、お前ばっかり勝手な事して許されると思うなよ。
だから、俺も勝手に覚えてる事にする。
恵、愛してる。
今までありがとう。
広瀬 太一より
「何してんだろうな俺。こんなのただの自己満足じゃねぇか。」
俺は書き終えた手紙を、机のすぐ側にあるゴミ箱へと放り投げ、机の上で泣きながら、いつの間にか眠っていた。
太一君、覚えていますか?
私たちが初めてあった時のことを。
大学の授業で偶然隣の席になって、「初めまして」から始まった話をして、徐々に会う機会が増えて、そして付き合い始めて。
本当に太一君は私に優しくしてくれた。
嬉しかったんだよ?
あの時太一君と出会えたこと、私はラッキーだと思ってる。
ねぇ、もし私が病気でいなくなったら太一君は寂しがってくれますか?
あのね、私思うの。
寂しがってくれることは嬉しいけど、いつまでも太一君のこと縛りたくないなって。
だから、こんな手紙送るの早いけど、もし私が死んだら、私のことは忘れて、他にいい人を見つけて幸せになってね。
太一君の幸せが、私の幸せ。
約束してね。
ずっとずっと、好きだよ。
前山 恵より
俺が仕事から帰ってくると、ポストにこの手紙が入っていた。
恵が亡くなった後に来た手紙だから違和感を感じたが、おそらく恵が「私が死んだ後に、この手紙を送ってください。」みたいなことを看護師さんにでも伝えたのだろう。
・・・・・・。
あ、俺?俺はこの手紙に書いてある「広瀬太一」だ。
そして今俺は、自分の部屋で涙を静かに流していた。
ずっと大事にしてきた彼女が、俺のために優しくも寂しい手紙を書いてくれた。
この手紙には「こんな手紙送るの早いけど」って書いてあるが、遅すぎだ。
恵が亡くなったという報告を受けてから、俺は心にぽっかりと穴が空いたようだった。
というか空いてるはず。
それくらい彼女が好きだった。
俺は何故か紙とペンを持ち、もういないはずの彼女へと手紙を書き始めた。
前山 恵様へ
手紙読みました。
送るのが遅すぎなんだよお前。
もっと早く送っていれば、俺の気持ちを全部伝えられたのに。
俺はお前と出会えた事後悔してない。
大学で出会って、仲良くなって、恋人になって。
俺はお前とこうやって一緒にいた思い出が出来たこと、後悔してない。
でも一つだけ。
忘れろって言われて、忘れられるわけないだろ。
何勝手なこと言って死んでるんだよ。
ふざけんな。
俺の気持ち、こんな紙なんかじゃ全然伝えられねぇよ。
勝手に寝るなよ、勝手にどこか行くなよ、勝手に死ぬなよ、勝手に俺を1人にすんなよ。
こんな事言っても、お前はもう帰ってこない。
こっちは勝手に1人にされてムカついてるんだよ。
ムカついてるけど・・・、今もまだ愛してる。
忘れるなんて出来ない、お前ばっかり勝手な事して許されると思うなよ。
だから、俺も勝手に覚えてる事にする。
恵、愛してる。
今までありがとう。
広瀬 太一より
「何してんだろうな俺。こんなのただの自己満足じゃねぇか。」
俺は書き終えた手紙を、机のすぐ側にあるゴミ箱へと放り投げ、机の上で泣きながら、いつの間にか眠っていた。
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