ツンデレの「デレ」はわんこにお見通し

ぽんぽこまだむ

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第16話:狼さんのわからセッッ

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 ルーイは、アーロンの上着を羽織って、衛兵に一連の出来事を届け出た。

 どうやら大男たちは、虎族のならず者で、雑貨屋を襲っただけでなく、他にも暴行や恐喝、押し貸し、人身売買などで、かなりの悪事を重ねていたようだ。

 有無を言わさず殺したものの、アーロンはおとがめなしになりそうで、むしろ衛兵たちには感謝された。

 盗まれた金は、一部はならず者たちが身につけていたが、全額が見つかったわけではなく、引き続き衛兵隊で捜査を続けることになった。



 アーロンは血まみれだし、ルーイも服がボロボロだったので、屯所で風呂を借り、服を着替えさせてもらった。

 その間じゅう、アーロンはルーイにべったりと貼りつき、着替えや入浴の最中も、ずっとルーイを、狼の目で見つめていた。



 ◇ ◇ ◇



 ルーイの部屋は、荒らされた状態のままだった。

 しかしアーロンは、部屋に戻ってくるとすかさず、ルーイをベッドに押し倒した。

「ちょっとあいつらの匂いが残ってるけど、ルーイの部屋の匂いは、やっぱりいい匂いだね」

 そう言って、ルーイの首筋に唇を添わせ、

「ルーイもいい匂いだよ」

 とフンフンした。

 するりとズボンの紐をほどき、流れるような動作でルーイの下半身を裸にしてしまった。

 さっきよりはマシな状況だが、明るいところで見るぶん、恥ずかしくてたまらない。



「ほ、ほんとにまたするの……か……?」

 ルーイが戸惑いながら言うと、

「ルーイは、まだ『わかってない』みたいだね」

 と言ってアーロンは、唇を重ねてきた。



 ──ちゃ、ちゃんと話そうと思ってたのに……。

 ちゅるっ、ちゅるっと舌を絡め、はあ、はあ、と荒い吐息を交錯させていると、ルーイの身体も熱くなってきて、舌を絡めてしまう。

 乳首をコリコリといじられ、ルーイが、

「あん……」

 と小さく喘ぐと、

「俺とキスして感じちゃってるのも、ドキドキしちゃってるのも、全部匂いと音でわかってるから……」

 恥ずかしがらないで、もっとおっきな声で鳴いてね、とアーロンが耳元でささやいた。



「そんな……」

 ルーイは、羞恥心で消えたくなった。今まで、ルーイが意地を張ったり、冷たくしていたり、時にはドキドキしていたのも、全部見透かされていたのだ。

 ──なんで……? わかってたのになんで……? 

 わかっていたのになぜそれを言わなかったのか、と文句を言おうと思って、ルーイは気がついた。

 アーロンにとっては、ルーイが本当はアーロンのことを好きなのは、明らかだったから、当たり前のように一緒にクエストに行きたいと言い、キスをしたら手をつなごうとしてきたのだ。

 しかもちゃんと言葉でも伝えていたのに、「わかっていなかった」のは確かにルーイのほうなのだ。



「ルーイの乳首、かわいい」

 あれこれ考えるいとまもなく、アーロンは嬉しそうに、乳首をきゅっとつまんで引っ張ってくる。

「ひゃん!」

 思わず甘い声をあげてしまう。

 すると、その声を待っていたかのように、アーロンはルーイの唇にむしゃぶりついて舌を吸いながら、両方の手で乳首をぐりぐりと押しつぶしてきた。

「ルーイ、かわいい……」

「ああんっ!」

 ──なんで、両手でされるだけで、こんなにおかしくなっちゃうんだよぉ……。

 ルーイは、両足を上げて身を縮めたが、アーロンは、

「ルーイ、かわいいね……。こっちもいじってほしいんだね」

 と言いながら、今度はルーイのペニスをつかんだ。もうすでにパンパンに張りつめている。

「でも今日は、ルーイに『わからせる』から、こっちで気持ちよくなろうね」

 アーロンは、鋭い犬歯を見せて笑うと、つぷっと指をルーイの穴に入れた。

「あっ! アーロン、俺、俺そこ準備する魔法、覚えてて……」

 誰かに無理矢理犯されそうになった時に、怪我をしないようにと思って必死で覚えたものだった。

 実際には、パニックに陥ってしまって使う心の余裕がまったくなかったが。

「ふーん、そんな魔法あるんだ。でもルーイのココは、俺のモノだから、そんな魔法使うの禁止ね」

 アーロンは興味なさそうに言って、ちゅぷちゅぷと指で中をこねくり回した。

 さっきの刺激をまだ覚えている穴の中は、すぐに快感を拾い始めた。



 ──んんっ! で、でも、ちゃんと話さないと……。

 ルーイが喘ぎ声を我慢すると、アーロンは、クチュクチュッと指を激しく動した。

「ルーイ、今気持ちよかったのを俺に隠そうとしたでしょ。どこがイイのか、ちゃんとわかってるんだよ」

「あぁあんっ!」

 ルーイはたまらず、大きく喘いだ。

「ね?」

 とアーロンは得意げに言うと、さらに指の動きを激しくした。

「あぁんっ……、はぁんっ……」

 アーロンは指を増やし、なおもその場所をトントンとしたり、わざと場所を外してじらしたりする。

「ルーイ、気持ちいい?」

 アーロンは、気持ちのいい部分を指の腹で円を描くようにこすりながら、ルーイの顔を覗き込んだ。

「そ、そんなっ……」

 ルーイが喘ぎ声をこらえて弱々しく抗弁すると、アーロンは指をスルッと抜き、

「じゃあ、してあげない」

 と言いながら、ルーイの乳首をつまみ、首筋をぺろりと舐めた。

「やあんっ」

 ルーイは、甘い声を漏らしてしまった。

 すると、アーロンは笑いながら、

「今の声、すごくかわいい……。もっかいチャンスあげるから、気持ちよかったらちゃんと『気持ちいい』って言ってね」

 とささやき、再び、ルーイの中に指を入れると、くちゅくちゅと前立腺を愛撫した。

「あんっ……き、気持ちいい……」

 ルーイが、喘ぎながら答えると、

「はあ……、はあ……、ルーイ、気持ちいいんだね……。もっともっと、気持ちよくしてあげる……」

 アーロンは、いきり立ったペニスを、ルーイの穴の入り口に当てた。

 ──だめだ、今言わないと……!

 ルーイはアーロンの肩を押し、眼を合わせてはっきり言った。

「アーロン、ちょっと待ってくれ!」

「ダメだよ、ルーイに『わからせる』んだから」

 アーロンは、狼のような鋭い瞳のまま、手首をつかんできた。



「アーロン、ちゃんと、わかったから……。だから、聞いてくれよ……」

 ルーイが涙目で訴えると、アーロンの瞳から、狼のような鋭い輝きが一瞬消え、手の力が緩む。

 その隙に、手首をつかまれたまま、話し始める。



「俺、めんどくさい奴なんだ……。アーロンは、すごい強くて、期待されてて……。だからいつかどこかに行っちゃうだろうって……。結婚だってするんだろうなって……」

 言葉にしてみたら、涙がポロポロ出てきた。

「それだったら、悲しくないように、最初っから『一緒にいたい』なんて思わないほうがいいって……。俺は一人で生きていけるようにしなきゃダメだって……」

 アーロンの瞳が、狼のような鋭い目つきから、飼い主を待っている犬のようになっていった。

「ルーイ、俺は……」

 手首をつかむ力がほとんどなくなり、ルーイはそっと手を外した。

「うん、わかってる。……いや、『わかった』。アーロンは、ちゃんと俺に伝えてくれてたよな……」

 ルーイは、勇気を振り絞って、アーロンの頬を両手で挟んだ。



「逃げてたのは、俺なんだ……。ちゃんと、言わなきゃ……」

 ドクドクと体中が熱い。言うことは心にはっきり浮かんでいるのに、口にするのが怖い。多分拒絶されないとわかっているのに、こんなにも手が震える。



「俺、アーロンが好きだ……。だから、一緒にいてくれるなら、ずっと、ずっと……ずーっと一緒じゃなきゃ、やだ……」

 潤んだ視界の中で、アーロンが頬を染めたのがわかった。



 アーロンは、ルーイの肩に頭を乗せ、背中に腕を回して、強く、強く抱きしめた。

「ルーイ……」



 温かい感触に胸が熱くなって、ルーイもアーロンの背中に手を回した。

「ずっと、ずっと、ずーっと一緒にいるよ……。絶対、離れない……」

 ルーイの肩に顔を埋め、アーロンが震える声で言った。



 どちらからともなく、唇を近づけ、重ねる。

 ちゅ、ちゅっ……、と最初は優しく、次第に舌を差し入れて、ちゅるっ、ちゅぱっ……と絡め合わせた。



「アーロン……、入れて、いいよ……」

 唇を離すと、ルーイはアーロンの肩に頭を乗せ、小さな声で言った。

 さすがに恥ずかしくて、顔を見ながら言う自信はなかった。

 アーロンは、ルーイを力強く抱きしめて体を支えながら、先ほどほぐされたところに、ずぶりと挿入した。

「あああんっ!」

 ルーイは全身を震わせた。

 さっきよりも、ずぷずぷとスムーズに入ってくるし、すごく気持ちいい。

 アーロンがちゅっ、ちゅっ、とキスしながら腰を動かす度に、快感の波が襲ってくる。



 ──好きな人とするのって、気持ちいいんだな……。

 陽だまりに包まれているような快楽に、アーロンの背中を撫でさすった。



 ──気持ちいい……好き……好き……! 

「……んっ、……んっ、……んっ……!」

 ルーイは、声にならない声で喘いだ。

「はあ、はあ……、ルーイの中、熱くて、柔らかくて、俺のに吸い付いてくる……」

「あぁんっ……、あぁんっ……、あぁんっ……!」

 アーロンの抽送に合わせて、ルーイの口からは甘い声が漏れた。

「ダメだからね……、こんなに、こんなエッチなのに、俺以外の男についていっちゃ……」

 ずちゅっ、ずちゅっと気持ちいいところを大きいモノで突きながら、アーロンが言った。

 正確には「ついていった」わけではないのだが、ルーイはコクコクと頷きながら喘いだ。

「うんっ……、あぁんっ……!」

「ルーイ、ルーイはもう俺のモノだから……」

「うん、うん……。あんっ」



 ルーイは、アーロンの背中に指を立てて、大きな胸板に体を添わせ、むさぼるようにぬくもりを求めて体をこすりつけた。

 汗ばんだ身体から、アーロンの匂いが立ち上り、ルーイの身体が熱くなった。



 ──俺まで、匂いで興奮しちゃうなんて……。

「ルーイ、今までで一番いい匂い出してる……」

 アーロンがルーイの首筋に鼻を埋めてクンクンした。



「ああん……俺……なんかヘンになっちゃうよぉ……」

 ルーイは、アーロンの匂いにあてられて、すっかりトロトロになってしまった。

「発情してるルーイ、かわいい……。もっと、もっとエッチになって」

「あんっ、あんっ、あんっ、あぁんっ……!」



 気が付けば二人は、夢中で腰を絡ませ、唇を吸い、舌を絡め、唾液をすすり合っていた。

「ルーイ……。いっぱい、いっぱい、俺の、あげるからね……」



「はぁんっ、出して……、出して……、いっぱい……いっぱい……」



 アーロンが、どちゅんっ!!どちゅんっ!! とペニスを奥に叩きつけると、ルーイの中はきゅうっと脈打ち、ルーイはビクンッビクンッと身体を震わせた。



 びゅっ! びゅびゅびゅっーー!!

 熱いモノで中が満たされる感触に、ルーイがくずおれるように、アーロンの肩に頭を埋めると、アーロンはルーイの頬に、優しくキスをした。
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