神様の配達員 思いを 願いを 届けます

紅玲葉

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狛犬の過去1

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神社を離れた2匹は新たな神社の元へと歩き出した
だが簡単に見つかるものではなかった
鉄の塊が高速で移動し、時には引かれそうになった時もあった
1晩かけて歩き続けた時もあった
ある日の事である
硬い道を歩いていると吽形が突然叫び出した

「阿形!あれを見ろ!鳥居があるぞ!」

そこには小さな鳥居があっただが阿形は喜べなかった

「吽形兄様、あの鳥居なんだか寂しがってます。」

「何を言っている阿形、あれのどこが寂しいと感じとれるのだ。綺麗な鳥居ではないか」

目をキラキラとさせながら喜ぶ吽形だったが
阿形はその言葉に違和感を感じていた
なぜなら阿形の目の前に写っているのは、ツタが巻かれ、草が茂っており、亀裂が入っている鳥居だった

「吽形兄様、これのどこが綺麗な鳥居なのでしょうか、私にはわかりません。」

阿形の言葉に対し吽形は小さな声で話しかける

「阿形にはお見通しか…なぁ阿形、もう諦めよう…我はもう疲れたのだ…このまま歩いた先に何がある、7日も歩いておるのだ、それでもなお見つからん。我らの力も削がれていくばかり、今になっては小さきものと化してしまった」

吽形の言葉に阿形は涙を浮かべていた

「そんな、私達は頑張ったではありませんか!7日も歩いたのです!兄様がいたから私も頑張れたのです!どうか吽形兄様、前を向いて歩きましょう。今度こそ良き事が起こりうるかもしれません!」

涙を見せながらも必死に生きようとする阿形
それを見て吽形も涙を流し始めた

「ごめんな…阿形、こんな兄を許してくれ。頑張ろう。一緒に」

お互いに笑顔を見せ合い、励まし合い再び歩き始めた
だがその選択が2匹の別れを告げる選択となった。
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