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第二十六話
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『大地の恵亭』は順調なスタートを切った。開店翌日である今日も朝から人が絶えない。アトマス商会からセレンさんが応援に来てくれているので昨日の様な混乱は無い。実は、昨日閉店後、ユーリは食堂部分を魔法で改築した。入り口側の壁を押し出してスペースを確保し、テーブル席を3つ増やしたのである。これで40名だった定員も52名まで入れるようになった。
『大地の恵亭』の外観は普通だが、窓が違う。この世界では珍しい透明な窓ガラスを採用している。これによって外からでも中の様子が分かり、入りやすさを手助けしている。
また、客層も、女性やファミリー層が他の食堂より圧倒的に多い。夜はアルコールも出す店だが、大衆食堂と言うよりちょっと贅沢な料理を食べる店と言う位置づけになっている様だ。
昨日に引き続き味噌ラーメンが良く出る。原因は解らないが、迷ったらとりあえず味噌ラーメンと言うのが常連の間で良く聞かれる。お子様にはハンバーグが人気だ。こんな事ならお子様ランチもメニューに入れて置けば良かった。
ちなみに伯爵家へ帰って味噌ラーメンの話をしたら、皆が食べたいと言うので出してあげた。伯爵家でも味噌ラーメンは大人気だ。やはりこの世界の住人を虜にする何かが味噌ラーメンにはあるらしい。そう言えば、伯爵家ではカレーも出した事がある。この時は父上がこんなに香辛料をぜいたくに使った料理は食べた事が無いといたく感動していた。
一方、『銀の猫亭』ではアイスクリームを正式採用し、個数も倍の100個になった。暖かくなるこの季節にピッタリはまったようだ。パスタも採用するとの事で旦那さんのコールさんは味の最終調整をしていて、完成次第店に出すらしい。追加で30キロのパスタを注文された。『大地の恵亭』で出してるパスタはミートソース、カルボナーラ、ペペロンチーノなので被らないはずだ。パスタは比較的応用が利くので商会での販売も早めにしたい。
アトマス商会は相変わらず儲かっている。商品さえあればアトマスさんだけでもやって行けるだろう。オーナーを譲る日も近いかも。
季節は初夏、日々気温が上がっている。新製品として冷蔵庫を出したいのだが、暇がない。アトマスさんが店に来てくれても話をする時間が取れない、メニューを多くした為作り置きも出来ない状況だ。とりあえず店に一台冷蔵庫を設置しているのでそれを見て貰って、感想を聞くとしよう。
実を言うと貴族用にクーラーも開発してあるのだが、これも『大地の恵亭』が定休日を設定するまでお預け状態だ。このままでは一番売れる季節を逃しそうだ。
そんな事を考えているうちにお昼の地獄タイムに突入する。食堂内は熱気が凄いので、時折ユーリが氷魔法を発動させ、気温を若干下げている。お昼タイムになると冒険者が多くやってくる。冒険者はガッツリとしたものを好むらしく、丼物が多く出る。ついでと言っては何だが生ビールが沢山出る。冒険者の世界ではエールは水代わりと言うのが常識らしい。女性の冒険者もガッツリ食べてガッツリ飲んでる。
地獄タイムが終わると今度は女性客が増えてくる、軽い物を食べながらソフトドリンクを飲み談笑して帰って行く。そんなタイミングでアトマスさんが巡回に来た。
「アトマスさん、今日は何とか乗り切れそうです。」
「それは良かった。商会の方も順調だよ。」
「所でキッチンに冷蔵庫があるんですけど、あれって商会で売れませんかね?これからの季節にピッタリだと思うんですけど。」
「冷蔵庫ですか?この間見せて貰いましたけど、魔石を使ってますよね?」
「小さな魔石ですが、1年は持ちます。金貨1枚で行けませんか?」
「魚屋や肉屋ならもう少し大きめにして金貨2枚位が妥当かと、業務用ですよね?」
「そうですね、最初は業務用から行きましょうか。業務用、貴族用と色々考えてみて下さい。」
「解りました、忙しそうなのでまた後で!」
そう言ってアトマスさんは帰って行った。商会をカレン一人に任せて置くのが心配なのだろう。また、明日の開店前にでも商会に寄って話をしよう。
客がのんびりと食事をしているうちに交代で食事を取る。午後4時を過ぎるとアルコール目当ての客で忙しくなるからだ。しかし、忙し過ぎて料理人を鍛える時間が取れない、何とか早めに定休日を作ろう。
この時ユーリは忙しいのは最初の1週間位だろうと考えていた。1週間もすれば物珍しさも減り、客足も安定して暇な時間も出来るだろうと。しかし、それが甘い考えだと知るのはもう少し先だった。
そして、夜のアルコールタイムに突入する。この時間は一品料理が大量に出るので忙しい、追加オーダーもどんどん入る。アルコールは、生ビール、ウイスキー、チューハイ、日本酒と揃えているが、季節柄生ビールが良く出る。一品料理は唐揚げ、ポテトフライ、各種揚げ物、煮込み料理などが提供される。また、ここでも味噌ラーメンがやたらと出るのあった。
閉店して家へ帰ると父上に呼び止められた。
「大衆食堂は流行ってる様だな。どうだ、貴族用の食事処を作る気は無いか?」
「貴族用ですか?」
「そうだ、大衆食堂に貴族が行くわけにはいくまい。貴族も美味い料理に飢えている。ビジネスチャンスだとは思わないか?」
「確かに非常に魅力的な提案ですが、料理人が育たないと難しいですね。」
「そう、焦って結論を出さずに良い。そう言う提案もあると言う事を心に留めて置いてくれ。」
父上はそう言って部屋へ戻って行った。その後、伯爵家の料理人達に最近新作メニューが食べられなくて寂しいと訴えられたので、カレーパンを出してあげた。いつも通りレシピと材料も置いておく。
「頑張って研究してね!」
ユーリの一日はやっと終わるのであった。
『大地の恵亭』の外観は普通だが、窓が違う。この世界では珍しい透明な窓ガラスを採用している。これによって外からでも中の様子が分かり、入りやすさを手助けしている。
また、客層も、女性やファミリー層が他の食堂より圧倒的に多い。夜はアルコールも出す店だが、大衆食堂と言うよりちょっと贅沢な料理を食べる店と言う位置づけになっている様だ。
昨日に引き続き味噌ラーメンが良く出る。原因は解らないが、迷ったらとりあえず味噌ラーメンと言うのが常連の間で良く聞かれる。お子様にはハンバーグが人気だ。こんな事ならお子様ランチもメニューに入れて置けば良かった。
ちなみに伯爵家へ帰って味噌ラーメンの話をしたら、皆が食べたいと言うので出してあげた。伯爵家でも味噌ラーメンは大人気だ。やはりこの世界の住人を虜にする何かが味噌ラーメンにはあるらしい。そう言えば、伯爵家ではカレーも出した事がある。この時は父上がこんなに香辛料をぜいたくに使った料理は食べた事が無いといたく感動していた。
一方、『銀の猫亭』ではアイスクリームを正式採用し、個数も倍の100個になった。暖かくなるこの季節にピッタリはまったようだ。パスタも採用するとの事で旦那さんのコールさんは味の最終調整をしていて、完成次第店に出すらしい。追加で30キロのパスタを注文された。『大地の恵亭』で出してるパスタはミートソース、カルボナーラ、ペペロンチーノなので被らないはずだ。パスタは比較的応用が利くので商会での販売も早めにしたい。
アトマス商会は相変わらず儲かっている。商品さえあればアトマスさんだけでもやって行けるだろう。オーナーを譲る日も近いかも。
季節は初夏、日々気温が上がっている。新製品として冷蔵庫を出したいのだが、暇がない。アトマスさんが店に来てくれても話をする時間が取れない、メニューを多くした為作り置きも出来ない状況だ。とりあえず店に一台冷蔵庫を設置しているのでそれを見て貰って、感想を聞くとしよう。
実を言うと貴族用にクーラーも開発してあるのだが、これも『大地の恵亭』が定休日を設定するまでお預け状態だ。このままでは一番売れる季節を逃しそうだ。
そんな事を考えているうちにお昼の地獄タイムに突入する。食堂内は熱気が凄いので、時折ユーリが氷魔法を発動させ、気温を若干下げている。お昼タイムになると冒険者が多くやってくる。冒険者はガッツリとしたものを好むらしく、丼物が多く出る。ついでと言っては何だが生ビールが沢山出る。冒険者の世界ではエールは水代わりと言うのが常識らしい。女性の冒険者もガッツリ食べてガッツリ飲んでる。
地獄タイムが終わると今度は女性客が増えてくる、軽い物を食べながらソフトドリンクを飲み談笑して帰って行く。そんなタイミングでアトマスさんが巡回に来た。
「アトマスさん、今日は何とか乗り切れそうです。」
「それは良かった。商会の方も順調だよ。」
「所でキッチンに冷蔵庫があるんですけど、あれって商会で売れませんかね?これからの季節にピッタリだと思うんですけど。」
「冷蔵庫ですか?この間見せて貰いましたけど、魔石を使ってますよね?」
「小さな魔石ですが、1年は持ちます。金貨1枚で行けませんか?」
「魚屋や肉屋ならもう少し大きめにして金貨2枚位が妥当かと、業務用ですよね?」
「そうですね、最初は業務用から行きましょうか。業務用、貴族用と色々考えてみて下さい。」
「解りました、忙しそうなのでまた後で!」
そう言ってアトマスさんは帰って行った。商会をカレン一人に任せて置くのが心配なのだろう。また、明日の開店前にでも商会に寄って話をしよう。
客がのんびりと食事をしているうちに交代で食事を取る。午後4時を過ぎるとアルコール目当ての客で忙しくなるからだ。しかし、忙し過ぎて料理人を鍛える時間が取れない、何とか早めに定休日を作ろう。
この時ユーリは忙しいのは最初の1週間位だろうと考えていた。1週間もすれば物珍しさも減り、客足も安定して暇な時間も出来るだろうと。しかし、それが甘い考えだと知るのはもう少し先だった。
そして、夜のアルコールタイムに突入する。この時間は一品料理が大量に出るので忙しい、追加オーダーもどんどん入る。アルコールは、生ビール、ウイスキー、チューハイ、日本酒と揃えているが、季節柄生ビールが良く出る。一品料理は唐揚げ、ポテトフライ、各種揚げ物、煮込み料理などが提供される。また、ここでも味噌ラーメンがやたらと出るのあった。
閉店して家へ帰ると父上に呼び止められた。
「大衆食堂は流行ってる様だな。どうだ、貴族用の食事処を作る気は無いか?」
「貴族用ですか?」
「そうだ、大衆食堂に貴族が行くわけにはいくまい。貴族も美味い料理に飢えている。ビジネスチャンスだとは思わないか?」
「確かに非常に魅力的な提案ですが、料理人が育たないと難しいですね。」
「そう、焦って結論を出さずに良い。そう言う提案もあると言う事を心に留めて置いてくれ。」
父上はそう言って部屋へ戻って行った。その後、伯爵家の料理人達に最近新作メニューが食べられなくて寂しいと訴えられたので、カレーパンを出してあげた。いつも通りレシピと材料も置いておく。
「頑張って研究してね!」
ユーリの一日はやっと終わるのであった。
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