創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

文字の大きさ
27 / 151

第二十七話

しおりを挟む
 翌朝、何時もより早めに家を出てアトマス商会にやって来た。まだだいぶ早い時間だったが、アトマスさんは既に来ていた。最近商会は任せっきりなので自分の店と言う自覚が出てきたのかもしれない。早速会議室で昨日の話の続きをする。店員達はまだ自室の様だ。

「まず、冷蔵庫の件ですが、相手側にサイズを決めて貰ってから値段を決めては如何でしょう?業務用でも店によって入れるスペースが違いますので、大きさも違うでしょう。また、職種によってもサイズが変わってくると思います。」

 流石にアトマスさんは、商売になると頭が回る。ユーリはサイズは一定の方が売りやすと考えていたが、言われてみれば確かにそうだ。

「そうですね、完全オーダーメイドにしましょう。とりあえずサンプルとして1台商会に設置して置くので、その方向で販売してみて下さい。価格設定はアトマスさんに任せます。」

「解りました、お任せください。商いが成立しましたら、2人で設置に行きましょう。」

「ですね、で次の件なんですが。新人はどうなりましたか?」

「はい、現在商業ギルドが探してくれています。多分明日か明後日には面談出来るのではないかと。場合によってはセレンかカレンを食堂へ行かせて、新人はこちらで教育する事も考えています。」

「それは助かります。」

 確かに新人にこれから食堂の仕事を教えるのは大変だ、であれば、慣れているセレンかカレンを食堂に移動させた方が早い。新人にはどちらで働くにせよ両方の仕事を教えて置いて損は無い。

「あと、もう一件。実は貴族用の食堂を作って欲しいと言う要望が来ているんですが、どうしたら良いかと。」

「貴族向けの食事処ですか、それは是非やってみたいですね。実は、商会に見える貴族のお客様からも同様の要望が来てるんですよ。特に男爵様の結婚披露宴の後からが多いですね。」

「確かに魅力的ではあるんですけどね。料理人がまだ育ってないのがネックで。」

「ユーリ様が2人居れば良いんですけどね。」

 料理人を育てるのは難しい、特にユーリの作る食事は異世界の調味料や材料を使っているので、そう簡単には行かない。

 となると、メニューを限定する。材料はユーリが用意する、料理人は半完成品の料理を混ぜて温めるだけと言うシステムを作らないといけない。もしくはコース料理のみにして、あらかじめ作って置いたものをマジックバッグから提供するか。いずれにしろユーリの負担が大きい。

 伯爵家の料理長ですら、まだ、柔らかいパンとパスタ位しか作れない。他の料理はユーリが材料を用意して、最後の仕上げだけしてる感じだ。焼く、煮る以外の調理法、揚げる、蒸す等は教えてあるが、まだ応用が利かない。

「まず、商会で調味料を販売しましょう。そして、料理人を育てる場所も用意して、僕の料理を再現できる人間を最低でも10人は育てないと、この話は難しいですね。」

「調味料販売ですか。冷蔵庫も販売するんですよね?これはもう一人くらい従業員が必要かもしれませんね。」

「そうですね。食堂は6人体制で何とかなりますので、商会は人材育成も考えて、あと3人位雇っても良いのでは?」

「ん~、確かにこのクラスの商会ならその位の人数が居てもおかしくないかもしれませんね。誰かが倒れた時に交代も利きますし。」

「では、そう言う事で、追加で3人補充して鍛えて下さい。」

「解りました。そちらはお任せください。」

 話を終えるとユーリは『銀の猫亭』へと向かった。時間が早いので一旦食堂へ行くより、そっちの方が早いからだ。

 『銀の猫亭』へ着くと、丁度ルーネさんが出かける支度をしてる所だった。

「間に合って良かったです。今日の分のケーキとアイスクリーム持って来ましたよ。」

「あら、ユーリ君今日はどうしたの?」

「今日は商会の方へ顔を出してまして。食堂へ戻るより、ここへ来る方が近かったので。それにパスタの様子も気になりますので。」

 旦那さんは、調理場で黙々と調理をしている。匂いからしてナポリタンだろう。

「コールさんおはようございます。調子はどうですか?」

「一応店に出せるレベルにはなった。だが、どうも納得がいかない。」

「じゃあ、味見をさせて貰えますか?」

「う~ん。これなんだが。」

 そう言ってコールさんはナポリタンを皿に盛って出してくれた。一口食べてみる。立派にナポリタンだ。だが、物足りないと言う。トマト感、酸味が若干強いかな?

「これは甘みが足りないのかもしれません。ソースを作る時に甘い果物の汁を隠し味程度に加えてみて下さい。」

「なるほど、甘みか・・・」

「そうですね。でも、これでも十分お金を取れる味になってますよ。この短期間で凄いです。」

「解った。店に出しながら徐々に完成品にして行くよ。ありがとなユーリ君。」

「いえいえ、パスタには無限の可能性があります。完成したら次の味も模索してみて下さい。」

 そう言ってユーリは『銀の猫亭』を後にし『大地の恵亭』へと向かうのであった。朝の空気は気持ち良い。しかし、これからどんどん熱くなって行くだろう、今日はアイスクリームが沢山出る事だろう。

(うちの店でも何か冷たい物を出すかな?)

「そうだ!あれだ!!」

 ユーリはニマニマしながら道を歩いて行くのであった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

まったく知らない世界に転生したようです

吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし? まったく知らない世界に転生したようです。 何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?! 頼れるのは己のみ、みたいです……? ※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。 私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。 111話までは毎日更新。 それ以降は毎週金曜日20時に更新します。 カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...