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第二十八話
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『大地の恵亭』に着いたユーリは早速店の外に『冷やし中華はじめました』と言うのぼりを立てた。店内にも写真入りのポスターを2枚貼る。従業員達が何事かと言う顔で見ている。
「今日から夏限定メニューとして冷やし中華を出します。まあ、ヒットするかどうかは分かりませんが、こう言う季節限定メニューは時々出して行きたいと思ってます。」
そう宣言してテーブルに冷やし中華を人数分出して試食会を始める。
「暑い夏でもさっぱりと食べられるラーメンです。とりあえず食べてみて下さい。」
従業員達の評価も悪く無い。まあ、メニューがマンネリ化しない為の投入でもあるので良しとする。
結果、この日は30杯程の冷やし中華が出た。これから暑くなるにしたがって数も増えるだろうし口コミによる宣伝にも期待したい。
相変わらず味噌ラーメンは良く出る。この世界の人は暑くても平気で熱い物を食べる。多分、日本ほど夏が暑くないのも影響してるだろう。氷水の評判も良い。おかわり自由なのも、冷たい飲み物が今までに無かったと言うのも大きいだろう。
ソフトドリンクも暑さと共に提供数が増えている。お試しで出していたコーラがここへ来て伸びている。どうやらあの味にハマった人が出てき始めたらしい。カフェインが入ってるから中毒性があるんだよね。
そう言えば、料理人の育成が全然出来ていない。これは何かテコ入れをしないといけない。しかし料理学校を作るにも講師が居ない。元の世界の料理本を翻訳して料理人に渡すと言うのも考えたが、日本の調味料を理解できないだろう。出汁と言う概念も無い世界だ。
昼過ぎにアトマスさんがやって来た。いつもの巡回だ。明日の朝から調味料販売を始めたいと言う事を伝えて置いた。頼んで置いた従業員はとりあえず2人確保できたらしい。明日面接をするらしい。調味料販売とかち合うのは不味いので調味料販売を明後日に変更する。販売する調味料は既に決めてある。
翌日、早朝にアトマス商会に訪れる。面接は午後からだと言うので、販売する調味料の打ち合わせをして置く。
「販売するのは、まず砂糖です。砂糖を普及させます。価格は1キロ大銅貨1枚で行きます。」
「本気ですか?砂糖1キロだと普通なら金貨1枚はしますよ。」
この世界では塩は国が値段を決めていて、国が決めた商会しか販売出来ない。これは塩が生活必需品なので、値段が上下すると庶民が生活できなくなるからだ。国が決めた価格は1キロ大銅貨3枚。これでも高いとユーリは思っている。出来るなら塩も安く売りたいのだが、法を破るわけにはいかない。そこで砂糖を安く売って調味料の価格破壊をしたいと思っている。砂糖が安価で普及すれば塩の価格も下がる可能性がある。
「本気です。調味料の価格を破壊するのが僕の目的ですからね。それに元手は只なので、大銅貨1枚でも儲けは出ますよ。」
「かなりの人が押し寄せるんじゃないでしょうか?それに転売屋が来ますよ。」
「一人1キロと言う制限は付けます。転売屋についてはあまり心配していません。ここへ来れば、何時でも砂糖が大銅貨1枚で手に入る。そう皆が理解すれば転売屋は成り立ちませんからね。」
「でも、地方へ持って行けば高く売れるのでは?」
「最初はそうでしょうね。しかし、旅商人達がうちで仕入れてくれれば徐々に価格は下がるはずです。」
「と言う事で明日から砂糖を売りまくりましょう!宣伝の為のポスターを何枚か外に貼って置きますので。」
「解りました。やりましょう!」
ユーリは砂糖の在庫として50トンをバックヤードに、アイテムボックスを付与したストッカーを作り入れて置いた。
「足りなくなったら連絡してくださいね。また、明日の朝様子を見に来ます。」
こうして、ユーリの調味料普及計画が始まるのであった。まずは砂糖から、そして、醤油、味噌、マヨネーズ、ソース、胡椒、唐辛子等々、徐々に種類を増やしていく予定だ。どれも価格は大銅貨1枚。調味料が普及すれば、料理の幅も広がり、料理文化が少し進むはずだ。いきなり『大地の恵亭』クラスの料理は無理だろうが、真似料理ならこの世界の料理人でも出来るはずだ。
他にも柔らかいパンを作るレシピとドライイーストの販売も控えている。これらが広まったらいよいよ料理学校計画を推進するつもりだ。
あと4年とちょっとしたらユーリは学院へ行く。学院へ行ったら今までの様に商売に専念は出来なくなる。それまでになんとか王都だけでも料理を普及させたい。王都に料理が普及すればいずれは地方へと広まって行くだろう。料理が普及すれば冷蔵庫も売れる。冷蔵庫が普及すれば、冷たい飲み物が普及したり、食材の無駄が無くなる。人間は一度便利を覚えたら、そこから下へは戻れなくなる動物だ。
砂糖普及計画、一度砂糖の甘さに魅入られたらもう元へは戻れなくなる。この心理を利用した、一種の麻薬販売の様な物だ。安い砂糖を握っているのは現状ユーリだけ。この世界の砂糖は精製の甘い茶色っぽい砂糖のみだ。これが金貨1枚もする。ユーリの砂糖は純白の上白糖、普通に売れば金貨2枚だって出す貴族は居るだろう。それが大銅貨1枚だ。他の砂糖は売れなくなるだろう。そして、ユーリが供給を絶てば砂糖は無くなる。今、ユーリはこの国の料理の未来をその手に握っている状態なのだ。
「今日から夏限定メニューとして冷やし中華を出します。まあ、ヒットするかどうかは分かりませんが、こう言う季節限定メニューは時々出して行きたいと思ってます。」
そう宣言してテーブルに冷やし中華を人数分出して試食会を始める。
「暑い夏でもさっぱりと食べられるラーメンです。とりあえず食べてみて下さい。」
従業員達の評価も悪く無い。まあ、メニューがマンネリ化しない為の投入でもあるので良しとする。
結果、この日は30杯程の冷やし中華が出た。これから暑くなるにしたがって数も増えるだろうし口コミによる宣伝にも期待したい。
相変わらず味噌ラーメンは良く出る。この世界の人は暑くても平気で熱い物を食べる。多分、日本ほど夏が暑くないのも影響してるだろう。氷水の評判も良い。おかわり自由なのも、冷たい飲み物が今までに無かったと言うのも大きいだろう。
ソフトドリンクも暑さと共に提供数が増えている。お試しで出していたコーラがここへ来て伸びている。どうやらあの味にハマった人が出てき始めたらしい。カフェインが入ってるから中毒性があるんだよね。
そう言えば、料理人の育成が全然出来ていない。これは何かテコ入れをしないといけない。しかし料理学校を作るにも講師が居ない。元の世界の料理本を翻訳して料理人に渡すと言うのも考えたが、日本の調味料を理解できないだろう。出汁と言う概念も無い世界だ。
昼過ぎにアトマスさんがやって来た。いつもの巡回だ。明日の朝から調味料販売を始めたいと言う事を伝えて置いた。頼んで置いた従業員はとりあえず2人確保できたらしい。明日面接をするらしい。調味料販売とかち合うのは不味いので調味料販売を明後日に変更する。販売する調味料は既に決めてある。
翌日、早朝にアトマス商会に訪れる。面接は午後からだと言うので、販売する調味料の打ち合わせをして置く。
「販売するのは、まず砂糖です。砂糖を普及させます。価格は1キロ大銅貨1枚で行きます。」
「本気ですか?砂糖1キロだと普通なら金貨1枚はしますよ。」
この世界では塩は国が値段を決めていて、国が決めた商会しか販売出来ない。これは塩が生活必需品なので、値段が上下すると庶民が生活できなくなるからだ。国が決めた価格は1キロ大銅貨3枚。これでも高いとユーリは思っている。出来るなら塩も安く売りたいのだが、法を破るわけにはいかない。そこで砂糖を安く売って調味料の価格破壊をしたいと思っている。砂糖が安価で普及すれば塩の価格も下がる可能性がある。
「本気です。調味料の価格を破壊するのが僕の目的ですからね。それに元手は只なので、大銅貨1枚でも儲けは出ますよ。」
「かなりの人が押し寄せるんじゃないでしょうか?それに転売屋が来ますよ。」
「一人1キロと言う制限は付けます。転売屋についてはあまり心配していません。ここへ来れば、何時でも砂糖が大銅貨1枚で手に入る。そう皆が理解すれば転売屋は成り立ちませんからね。」
「でも、地方へ持って行けば高く売れるのでは?」
「最初はそうでしょうね。しかし、旅商人達がうちで仕入れてくれれば徐々に価格は下がるはずです。」
「と言う事で明日から砂糖を売りまくりましょう!宣伝の為のポスターを何枚か外に貼って置きますので。」
「解りました。やりましょう!」
ユーリは砂糖の在庫として50トンをバックヤードに、アイテムボックスを付与したストッカーを作り入れて置いた。
「足りなくなったら連絡してくださいね。また、明日の朝様子を見に来ます。」
こうして、ユーリの調味料普及計画が始まるのであった。まずは砂糖から、そして、醤油、味噌、マヨネーズ、ソース、胡椒、唐辛子等々、徐々に種類を増やしていく予定だ。どれも価格は大銅貨1枚。調味料が普及すれば、料理の幅も広がり、料理文化が少し進むはずだ。いきなり『大地の恵亭』クラスの料理は無理だろうが、真似料理ならこの世界の料理人でも出来るはずだ。
他にも柔らかいパンを作るレシピとドライイーストの販売も控えている。これらが広まったらいよいよ料理学校計画を推進するつもりだ。
あと4年とちょっとしたらユーリは学院へ行く。学院へ行ったら今までの様に商売に専念は出来なくなる。それまでになんとか王都だけでも料理を普及させたい。王都に料理が普及すればいずれは地方へと広まって行くだろう。料理が普及すれば冷蔵庫も売れる。冷蔵庫が普及すれば、冷たい飲み物が普及したり、食材の無駄が無くなる。人間は一度便利を覚えたら、そこから下へは戻れなくなる動物だ。
砂糖普及計画、一度砂糖の甘さに魅入られたらもう元へは戻れなくなる。この心理を利用した、一種の麻薬販売の様な物だ。安い砂糖を握っているのは現状ユーリだけ。この世界の砂糖は精製の甘い茶色っぽい砂糖のみだ。これが金貨1枚もする。ユーリの砂糖は純白の上白糖、普通に売れば金貨2枚だって出す貴族は居るだろう。それが大銅貨1枚だ。他の砂糖は売れなくなるだろう。そして、ユーリが供給を絶てば砂糖は無くなる。今、ユーリはこの国の料理の未来をその手に握っている状態なのだ。
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