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第二十九話
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今日はいよいよ砂糖の販売日だ。ユーリは朝8時にはアトマス商会へ着いていた。着いてすぐに、商会の表に面する壁際に砂糖販売用のブースを作成した。
形は日本でよく見る宝くじ売り場を参考にして作った。中には集金用のマジックバッグと砂糖の入ったアイテムボックスを付与したストッカーも準備する。中は狭いので日中気温が上がった時の事を考えてクーラーの魔道具も設置した。
アトマス商会が砂糖を安く販売すると言う事はあまり大々的には宣伝していない。なのに何故か王都中で噂になってると聞く。口コミ効果恐るべしだ。
アトマスさんは新人2人に色々レクチャーしている。タバサと言う金髪の女性とエミリと言う黒髪の色っぽい女性の2人だが同じ17歳だと言う。タバサは商会で働いた過去があるらしく、エミリは全くの初心者らしい。
まずはアトマスさんがお金の受け取り。カレンさんが砂糖渡し係となる。これは順次入れ替えながら休憩を取るらしい。護衛の2人は列の整理。手の空いた者は砂糖販売のシステムを並んでる人に説明する係だ。
砂糖販売のシステムは簡単だ。列に並び順番が来たら、アトマスに大銅貨1枚ないし銅貨10枚を支払う。右横にずれて砂糖を受け取る。これだけだ。制限は1人1キロつまり1人1袋だ。面倒くさいので砂糖は透明なビニールで梱包してある。日本でスーパーで売ってるアレだ。
徐々に砂糖販売の時間が近づいてくると、行列も少しずつ長くなってくる。開店は9時にした。閉店は17時だ17時を過ぎたら列には並べない様になっている。
ユーリも参加したかったが、食堂があるので、アトマスに声を掛けて去る事にする。
「アトマスさん、後はよろしくお願いします。」
「解りました。ユーリ様も食堂頑張って下さい。」
ユーリは後ろ髪を引かれながら紹介を後にした。この後『銀の猫亭』に寄ってケーキとアイスクリームを卸さないといけない。
アトマス商会では行列が100人を超えた所で早めの開店をする。もっと騒然となるかと考えていたが、思ったより皆紳士的だ。まずは料理店関係者が多い。行列が進んで行くと、主婦やたまたま王都へ来ていた旅商人が話を聞きつけて並び出している。
アトマス商会の砂糖は純白の極上品である。買った人たちがあちこちでそう口にすると。行列の並びに拍車がかかり、昼前には1000人近い列になっていた。
均一の値段で商品は1種類、並ぶ方も多いが、捌く方も素早い。だいたい1人10秒程度で捌いて行く。お昼の段階で既に3000人以上は捌いただろう。このペースでいけば1万人は捌ける計算だ。
最初にアトマスが抜けタバサと交代する。ユーリが食堂に置いて行ったマジックバッグから好きな軽食を取り出して食べる。15分程休憩して、今度はカレンを休ませる。カレンの席にアトマスが付く。指示を出して、護衛の2人にも交代で食事をさせ、最後にエミリが休憩を取る。
エミリは基本、遊撃だ。誰かが疲れた所へサポートに入る。それ以外は列に並ぶ人にシステムを解説する。
「大銅貨1枚、または銅貨10枚を用意して列に並んで下さい。お金を支払ったら右へずれて砂糖を受け取るだけです!砂糖は沢山ありますので焦らなくても買えます。明日も明後日もその後もずっとこの値段で販売しますので焦らずに!!」
商会で働いた事が無いと言う事だったが、結構堂に入っている。この分なら明日からはカウンターに入って貰っても大丈夫だろう。そう考えるアトマスだった。
17時目前になっても列は1000名近い。アトマスは合図を出して、護衛に並び終了を伝える。
「もうしわけありませんが、本日は閉店の時間なのでここまでとさせて頂きます。現在列に並んでる人は買えますのでご安心下さい。」
護衛の2人は更に並ぼうとする人たちに頭を下げている。明日も販売する事、この後ずっと同じ値段で販売する事を伝えると皆、引き下がってくれた。
結局18時過ぎまで掛かって1万袋以上の砂糖を販売した。アトマスは従業員達に休む様に言って、食堂へと向かうのであった。
食堂に着くとこちらも戦場だった。今日は結構暑かったので、生ビールを求めた客が大挙して押し寄せていた。アトマスはカウンターの横から裏を通り、ユーリの元へ急ぐ。
「ユーリ様、砂糖の販売大成功です!」
「おお、アトマスさんやりましたね~結局幾つ出ました?」
「1万以上出ましたよ。あまり宣伝してないのに凄いですね。」
「明日はもっと来るよ。頑張ってね!」
大銅貨1万枚、日本円で1000万円である。これは従業員にボーナスを出さないとな。ちなみに、従業員の給料は、食堂の給料を一律金貨1枚と決めたので、商会の方もそれに倣って金貨1枚にしてある。住み込み通い関係なく出ある。商会長のアトマスさんは金貨20枚にアップすると言ったら断られた。金貨10枚でも大商会の会長並の給料らしい。
ユーリの読みでは砂糖フィーバーは1週間程度だろうと考えている。砂糖が落ち着いたら次の調味料を投入予定である。これはそれ程爆発的には売れないだろうから、商会の通常業務も復活できるだろう。
ユーリは生ビールが30杯程とフライドポテトや唐揚げなどの入ったバッグをアトマスに渡し。これを飲ませて早めに皆を寝かせてね。と笑うのであった。
形は日本でよく見る宝くじ売り場を参考にして作った。中には集金用のマジックバッグと砂糖の入ったアイテムボックスを付与したストッカーも準備する。中は狭いので日中気温が上がった時の事を考えてクーラーの魔道具も設置した。
アトマス商会が砂糖を安く販売すると言う事はあまり大々的には宣伝していない。なのに何故か王都中で噂になってると聞く。口コミ効果恐るべしだ。
アトマスさんは新人2人に色々レクチャーしている。タバサと言う金髪の女性とエミリと言う黒髪の色っぽい女性の2人だが同じ17歳だと言う。タバサは商会で働いた過去があるらしく、エミリは全くの初心者らしい。
まずはアトマスさんがお金の受け取り。カレンさんが砂糖渡し係となる。これは順次入れ替えながら休憩を取るらしい。護衛の2人は列の整理。手の空いた者は砂糖販売のシステムを並んでる人に説明する係だ。
砂糖販売のシステムは簡単だ。列に並び順番が来たら、アトマスに大銅貨1枚ないし銅貨10枚を支払う。右横にずれて砂糖を受け取る。これだけだ。制限は1人1キロつまり1人1袋だ。面倒くさいので砂糖は透明なビニールで梱包してある。日本でスーパーで売ってるアレだ。
徐々に砂糖販売の時間が近づいてくると、行列も少しずつ長くなってくる。開店は9時にした。閉店は17時だ17時を過ぎたら列には並べない様になっている。
ユーリも参加したかったが、食堂があるので、アトマスに声を掛けて去る事にする。
「アトマスさん、後はよろしくお願いします。」
「解りました。ユーリ様も食堂頑張って下さい。」
ユーリは後ろ髪を引かれながら紹介を後にした。この後『銀の猫亭』に寄ってケーキとアイスクリームを卸さないといけない。
アトマス商会では行列が100人を超えた所で早めの開店をする。もっと騒然となるかと考えていたが、思ったより皆紳士的だ。まずは料理店関係者が多い。行列が進んで行くと、主婦やたまたま王都へ来ていた旅商人が話を聞きつけて並び出している。
アトマス商会の砂糖は純白の極上品である。買った人たちがあちこちでそう口にすると。行列の並びに拍車がかかり、昼前には1000人近い列になっていた。
均一の値段で商品は1種類、並ぶ方も多いが、捌く方も素早い。だいたい1人10秒程度で捌いて行く。お昼の段階で既に3000人以上は捌いただろう。このペースでいけば1万人は捌ける計算だ。
最初にアトマスが抜けタバサと交代する。ユーリが食堂に置いて行ったマジックバッグから好きな軽食を取り出して食べる。15分程休憩して、今度はカレンを休ませる。カレンの席にアトマスが付く。指示を出して、護衛の2人にも交代で食事をさせ、最後にエミリが休憩を取る。
エミリは基本、遊撃だ。誰かが疲れた所へサポートに入る。それ以外は列に並ぶ人にシステムを解説する。
「大銅貨1枚、または銅貨10枚を用意して列に並んで下さい。お金を支払ったら右へずれて砂糖を受け取るだけです!砂糖は沢山ありますので焦らなくても買えます。明日も明後日もその後もずっとこの値段で販売しますので焦らずに!!」
商会で働いた事が無いと言う事だったが、結構堂に入っている。この分なら明日からはカウンターに入って貰っても大丈夫だろう。そう考えるアトマスだった。
17時目前になっても列は1000名近い。アトマスは合図を出して、護衛に並び終了を伝える。
「もうしわけありませんが、本日は閉店の時間なのでここまでとさせて頂きます。現在列に並んでる人は買えますのでご安心下さい。」
護衛の2人は更に並ぼうとする人たちに頭を下げている。明日も販売する事、この後ずっと同じ値段で販売する事を伝えると皆、引き下がってくれた。
結局18時過ぎまで掛かって1万袋以上の砂糖を販売した。アトマスは従業員達に休む様に言って、食堂へと向かうのであった。
食堂に着くとこちらも戦場だった。今日は結構暑かったので、生ビールを求めた客が大挙して押し寄せていた。アトマスはカウンターの横から裏を通り、ユーリの元へ急ぐ。
「ユーリ様、砂糖の販売大成功です!」
「おお、アトマスさんやりましたね~結局幾つ出ました?」
「1万以上出ましたよ。あまり宣伝してないのに凄いですね。」
「明日はもっと来るよ。頑張ってね!」
大銅貨1万枚、日本円で1000万円である。これは従業員にボーナスを出さないとな。ちなみに、従業員の給料は、食堂の給料を一律金貨1枚と決めたので、商会の方もそれに倣って金貨1枚にしてある。住み込み通い関係なく出ある。商会長のアトマスさんは金貨20枚にアップすると言ったら断られた。金貨10枚でも大商会の会長並の給料らしい。
ユーリの読みでは砂糖フィーバーは1週間程度だろうと考えている。砂糖が落ち着いたら次の調味料を投入予定である。これはそれ程爆発的には売れないだろうから、商会の通常業務も復活できるだろう。
ユーリは生ビールが30杯程とフライドポテトや唐揚げなどの入ったバッグをアトマスに渡し。これを飲ませて早めに皆を寝かせてね。と笑うのであった。
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