創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

文字の大きさ
35 / 151

第三十五話

しおりを挟む
 ユーリの朝は早い。6時半には起きて、厨房へ行き、本日の伯爵家の食事の材料をストッカーに入れて置く。その後商会へ行き売れた商品を補充する。そのまま『大地の実亭』へ行き、やはりストッカーに材料を補充。更に『銀の猫亭』へ行き本日の商品を卸す。そして、一旦伯爵家へ戻り馬車で学院へと登校するのである。

 本日からは魔法訓練の授業だ。最初は火の魔法から。ファイアは生活魔法にもあるので、ここではファイアーボールを使用する。使用魔力量は2なので、比較的安全な魔法である。ただし、これは普通に使った場合。同じファイアーボールでも魔力量を多く込めればサイズも威力も大きくなる。

 体育館の壁に多数の的が設置されており。生徒達はそれに向かってファイアーボールを打つ。見る点は威力ではなく正確性。正確なコントロールが出来れば威力は小さくとも武器になる。

 ユーリは平民3人組と同じ班に入り、訓練を開始する。皆杖を持って来てるのでユーリも持っている。

「ファイアーボールってなんか地味ね。」

 イルミが相変わらずな事を言ってるが、放っているファイアーボールは結構派手に的に当たった。

「イルミさん凄いです。初めてで的に当たるなんて、練習でもしてたんですか?」

 ユーカが褒めているが、この世界の魔法ってこのレベルなのか?

「僕も途中で失速して消えちゃいました。」

 ルーカスが情けない顔で報告してくる。って言うか見てたから言わなくても良いのだが・・・

「ユーリは楽勝でしょ?」

「いや、僕も属性魔法は使った事無いんだよ。」

 そう言って杖を振り下ろした。
 瞬間明かに大きすぎるファイアーボールが飛び出したので、慌てて霧散させる。

「ヤバッ、これ意外と難しいぞ。」

「いや、そう言う問題じゃないでしょ?」

「先生が見てなかったからセーフだね。」

 杖か?杖のせいか?今度は杖無しでやってみる。慎重に。
 今度は大きさは問題ない。スピードも大丈夫だ。だが、的に当たった瞬間、的が爆発した。

「「「え?」」」

 悪い事にこう言う時に限って先生が見ていた。

「ユーライナ君何をしたのかな?」

「いえ、普通にファイアーボールを打っただけなんですけど・・・」

「普通にねぇ~。悪いけどもう一回やってくれる?」

 断れる状況ではない。壊れた的の隣の的の方へ移動する。周りの生徒達も何事かと集まって来た。

「もう一回、普通にファイヤーボールを打ってくれる?ユーライナ君。」

「はい」

 失敗は許されない、目一杯力加減をして慎重にファイアーボールを打つ。
 大きさに問題は無い。スピードは大丈夫。問題はこの後だ。
 的に当たった瞬間またも爆発した。

「ファイアーボールの威力が強くて的が爆発する事は稀にあるわ。問題はそこじゃない。詠唱は?杖は?」

「あっ」

 久しぶりにやらかしたユーリであった。

「いや、杖や詠唱を使うと威力が大きくなり過ぎてしまうので・・・」

「ほう?そんな理由で杖や詠唱を破棄したの?この体育館の壁は魔法障壁で守られているから問題ないわ。もう一度普通に打ってみなさい。」

 魔法障壁?プロテクトの魔法の様な物だろうか?

「いや、危険ですから。」

「危険は無いって言ってるの。さあ、新しい的に向けて普通に打ってごらんなさい。」

「解りました。」

 ユーリは新しく用意された的を目掛けファイアーボールを打つ。詠唱を付け杖を振ると、直径1メートル程のファイアーボールが物凄いスピードで飛んで行き、体育館の壁を突き破って隣の校舎の壁で大爆発を起こす。校舎は爆発の威力で2階部分まで吹き飛んだ。

 幸い無人の教室だったため怪我人は出なかったが、職員室へ呼ばれ事情聴取を2時間受けた。

 「危険は無いって言ったくせに、責任を押し付けやがって。」

 担当教師に文句を言うユーリであった。
 ちなみに壊れた教室や体育館の壁はユーリが魔法で直した。その際、見ていた教師陣は呆気に取られていたのが可笑しかった。

 と言う事で入学早々教師陣に目を付けられたユーリであったが、特に気にする様子もなく毎日楽しく学院生活を送るのであった。

 その後授業では水、風、土等の属性魔法を教わった。氷や雷は派生魔法で属性魔法とは違うので2年になってから習うらしい。

「ところでユーリ君、魔法を教えて貰いたいんだけど、無理かな?」

「無理じゃないけどなんで?授業を受けていれば理解できるでしょ?」

 平民3人組が揃って魔法を教えて欲しいと言って来た。

「確かに授業で理論は理解出来るわ。でも実践が伴わないのよ。」

「ん~、でもそれは他の子も一緒でしょ?魔力量を高めて、魔法の威力が増すまで練習する。貴族の子だって平民の子だって、同じはず。」

「あなたは違うじゃない?それに、成績上位の子は既に1歩先を学んでいるわ。」

「そこまで成績に拘るのには何か理由があるの?」

「あるわ。この学院で卒業する時、Aクラスに何人の平民が居るか知ってる?」

「いや、僕は学院の事は詳しくないから。」

「ゼロよ。この学院は平等を謳ってる。でもね、卒業時にAクラスだった平民は過去1人も居ないのよ。」

 イルミの言う通りである。この学院では貴族が裏から手を回して、自分の子供をAクラスに残したまま卒業させると言う不正がまかり通っている。その犠牲になるのが平民なのだ。余程の実力が無い限り、平民でAクラス卒業は不可能なのだ。

「なるほどね。ところで皆は自分のステータスって知ってる?」

「「「ステータス???」」」
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。 ご都合主義のSS。 お父様、キャラチェンジが激しくないですか。 小説家になろう様でも投稿しています。 突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

 社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依
ファンタジー
 山本優(やまもとまさる)45歳はブラック企業に勤め、 残業、休日出勤は当たり前で、連続出勤30日目にして 遂に過労死をしてしまい、女神に異世界転移をはたす。  そして、あまりな強大な力を得て、貴族達にその身柄を 拘束させられ、地球のように束縛をされそうになり、 町から逃げ出すところから始まる。

モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき
ファンタジー
無能テイマーとしてSランクパーティをクビになったオース。 モフモフテイマーという、モフモフモンスター専門のテイマーであった彼は、すぐに最強モンスター『マーナガルム』をテイムするが……。 実はオースこそが、Sランクパーティを支える最強メンバーだったのだ。 あらゆるモンスターへの深い知識。 様々なクラスを持つことによる、並外れた器用さ。 自由になったオースは、知識の力で最高の冒険者へと成り上がっていく。 降って湧いた凶悪な依頼の数々。 オースはこれを次々に解決する。 誰もがオースを最高の冒険者だと認めるようになっていく。 さらに、新たなモフモフモンスターが現れて、仲間も増えて……。 やがて、世界を巻き込む陰謀にオースは関わっていくのだ。

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

処理中です...