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第三十五話
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ユーリの朝は早い。6時半には起きて、厨房へ行き、本日の伯爵家の食事の材料をストッカーに入れて置く。その後商会へ行き売れた商品を補充する。そのまま『大地の実亭』へ行き、やはりストッカーに材料を補充。更に『銀の猫亭』へ行き本日の商品を卸す。そして、一旦伯爵家へ戻り馬車で学院へと登校するのである。
本日からは魔法訓練の授業だ。最初は火の魔法から。ファイアは生活魔法にもあるので、ここではファイアーボールを使用する。使用魔力量は2なので、比較的安全な魔法である。ただし、これは普通に使った場合。同じファイアーボールでも魔力量を多く込めればサイズも威力も大きくなる。
体育館の壁に多数の的が設置されており。生徒達はそれに向かってファイアーボールを打つ。見る点は威力ではなく正確性。正確なコントロールが出来れば威力は小さくとも武器になる。
ユーリは平民3人組と同じ班に入り、訓練を開始する。皆杖を持って来てるのでユーリも持っている。
「ファイアーボールってなんか地味ね。」
イルミが相変わらずな事を言ってるが、放っているファイアーボールは結構派手に的に当たった。
「イルミさん凄いです。初めてで的に当たるなんて、練習でもしてたんですか?」
ユーカが褒めているが、この世界の魔法ってこのレベルなのか?
「僕も途中で失速して消えちゃいました。」
ルーカスが情けない顔で報告してくる。って言うか見てたから言わなくても良いのだが・・・
「ユーリは楽勝でしょ?」
「いや、僕も属性魔法は使った事無いんだよ。」
そう言って杖を振り下ろした。
瞬間明かに大きすぎるファイアーボールが飛び出したので、慌てて霧散させる。
「ヤバッ、これ意外と難しいぞ。」
「いや、そう言う問題じゃないでしょ?」
「先生が見てなかったからセーフだね。」
杖か?杖のせいか?今度は杖無しでやってみる。慎重に。
今度は大きさは問題ない。スピードも大丈夫だ。だが、的に当たった瞬間、的が爆発した。
「「「え?」」」
悪い事にこう言う時に限って先生が見ていた。
「ユーライナ君何をしたのかな?」
「いえ、普通にファイアーボールを打っただけなんですけど・・・」
「普通にねぇ~。悪いけどもう一回やってくれる?」
断れる状況ではない。壊れた的の隣の的の方へ移動する。周りの生徒達も何事かと集まって来た。
「もう一回、普通にファイヤーボールを打ってくれる?ユーライナ君。」
「はい」
失敗は許されない、目一杯力加減をして慎重にファイアーボールを打つ。
大きさに問題は無い。スピードは大丈夫。問題はこの後だ。
的に当たった瞬間またも爆発した。
「ファイアーボールの威力が強くて的が爆発する事は稀にあるわ。問題はそこじゃない。詠唱は?杖は?」
「あっ」
久しぶりにやらかしたユーリであった。
「いや、杖や詠唱を使うと威力が大きくなり過ぎてしまうので・・・」
「ほう?そんな理由で杖や詠唱を破棄したの?この体育館の壁は魔法障壁で守られているから問題ないわ。もう一度普通に打ってみなさい。」
魔法障壁?プロテクトの魔法の様な物だろうか?
「いや、危険ですから。」
「危険は無いって言ってるの。さあ、新しい的に向けて普通に打ってごらんなさい。」
「解りました。」
ユーリは新しく用意された的を目掛けファイアーボールを打つ。詠唱を付け杖を振ると、直径1メートル程のファイアーボールが物凄いスピードで飛んで行き、体育館の壁を突き破って隣の校舎の壁で大爆発を起こす。校舎は爆発の威力で2階部分まで吹き飛んだ。
幸い無人の教室だったため怪我人は出なかったが、職員室へ呼ばれ事情聴取を2時間受けた。
「危険は無いって言ったくせに、責任を押し付けやがって。」
担当教師に文句を言うユーリであった。
ちなみに壊れた教室や体育館の壁はユーリが魔法で直した。その際、見ていた教師陣は呆気に取られていたのが可笑しかった。
と言う事で入学早々教師陣に目を付けられたユーリであったが、特に気にする様子もなく毎日楽しく学院生活を送るのであった。
その後授業では水、風、土等の属性魔法を教わった。氷や雷は派生魔法で属性魔法とは違うので2年になってから習うらしい。
「ところでユーリ君、魔法を教えて貰いたいんだけど、無理かな?」
「無理じゃないけどなんで?授業を受けていれば理解できるでしょ?」
平民3人組が揃って魔法を教えて欲しいと言って来た。
「確かに授業で理論は理解出来るわ。でも実践が伴わないのよ。」
「ん~、でもそれは他の子も一緒でしょ?魔力量を高めて、魔法の威力が増すまで練習する。貴族の子だって平民の子だって、同じはず。」
「あなたは違うじゃない?それに、成績上位の子は既に1歩先を学んでいるわ。」
「そこまで成績に拘るのには何か理由があるの?」
「あるわ。この学院で卒業する時、Aクラスに何人の平民が居るか知ってる?」
「いや、僕は学院の事は詳しくないから。」
「ゼロよ。この学院は平等を謳ってる。でもね、卒業時にAクラスだった平民は過去1人も居ないのよ。」
イルミの言う通りである。この学院では貴族が裏から手を回して、自分の子供をAクラスに残したまま卒業させると言う不正がまかり通っている。その犠牲になるのが平民なのだ。余程の実力が無い限り、平民でAクラス卒業は不可能なのだ。
「なるほどね。ところで皆は自分のステータスって知ってる?」
「「「ステータス???」」」
本日からは魔法訓練の授業だ。最初は火の魔法から。ファイアは生活魔法にもあるので、ここではファイアーボールを使用する。使用魔力量は2なので、比較的安全な魔法である。ただし、これは普通に使った場合。同じファイアーボールでも魔力量を多く込めればサイズも威力も大きくなる。
体育館の壁に多数の的が設置されており。生徒達はそれに向かってファイアーボールを打つ。見る点は威力ではなく正確性。正確なコントロールが出来れば威力は小さくとも武器になる。
ユーリは平民3人組と同じ班に入り、訓練を開始する。皆杖を持って来てるのでユーリも持っている。
「ファイアーボールってなんか地味ね。」
イルミが相変わらずな事を言ってるが、放っているファイアーボールは結構派手に的に当たった。
「イルミさん凄いです。初めてで的に当たるなんて、練習でもしてたんですか?」
ユーカが褒めているが、この世界の魔法ってこのレベルなのか?
「僕も途中で失速して消えちゃいました。」
ルーカスが情けない顔で報告してくる。って言うか見てたから言わなくても良いのだが・・・
「ユーリは楽勝でしょ?」
「いや、僕も属性魔法は使った事無いんだよ。」
そう言って杖を振り下ろした。
瞬間明かに大きすぎるファイアーボールが飛び出したので、慌てて霧散させる。
「ヤバッ、これ意外と難しいぞ。」
「いや、そう言う問題じゃないでしょ?」
「先生が見てなかったからセーフだね。」
杖か?杖のせいか?今度は杖無しでやってみる。慎重に。
今度は大きさは問題ない。スピードも大丈夫だ。だが、的に当たった瞬間、的が爆発した。
「「「え?」」」
悪い事にこう言う時に限って先生が見ていた。
「ユーライナ君何をしたのかな?」
「いえ、普通にファイアーボールを打っただけなんですけど・・・」
「普通にねぇ~。悪いけどもう一回やってくれる?」
断れる状況ではない。壊れた的の隣の的の方へ移動する。周りの生徒達も何事かと集まって来た。
「もう一回、普通にファイヤーボールを打ってくれる?ユーライナ君。」
「はい」
失敗は許されない、目一杯力加減をして慎重にファイアーボールを打つ。
大きさに問題は無い。スピードは大丈夫。問題はこの後だ。
的に当たった瞬間またも爆発した。
「ファイアーボールの威力が強くて的が爆発する事は稀にあるわ。問題はそこじゃない。詠唱は?杖は?」
「あっ」
久しぶりにやらかしたユーリであった。
「いや、杖や詠唱を使うと威力が大きくなり過ぎてしまうので・・・」
「ほう?そんな理由で杖や詠唱を破棄したの?この体育館の壁は魔法障壁で守られているから問題ないわ。もう一度普通に打ってみなさい。」
魔法障壁?プロテクトの魔法の様な物だろうか?
「いや、危険ですから。」
「危険は無いって言ってるの。さあ、新しい的に向けて普通に打ってごらんなさい。」
「解りました。」
ユーリは新しく用意された的を目掛けファイアーボールを打つ。詠唱を付け杖を振ると、直径1メートル程のファイアーボールが物凄いスピードで飛んで行き、体育館の壁を突き破って隣の校舎の壁で大爆発を起こす。校舎は爆発の威力で2階部分まで吹き飛んだ。
幸い無人の教室だったため怪我人は出なかったが、職員室へ呼ばれ事情聴取を2時間受けた。
「危険は無いって言ったくせに、責任を押し付けやがって。」
担当教師に文句を言うユーリであった。
ちなみに壊れた教室や体育館の壁はユーリが魔法で直した。その際、見ていた教師陣は呆気に取られていたのが可笑しかった。
と言う事で入学早々教師陣に目を付けられたユーリであったが、特に気にする様子もなく毎日楽しく学院生活を送るのであった。
その後授業では水、風、土等の属性魔法を教わった。氷や雷は派生魔法で属性魔法とは違うので2年になってから習うらしい。
「ところでユーリ君、魔法を教えて貰いたいんだけど、無理かな?」
「無理じゃないけどなんで?授業を受けていれば理解できるでしょ?」
平民3人組が揃って魔法を教えて欲しいと言って来た。
「確かに授業で理論は理解出来るわ。でも実践が伴わないのよ。」
「ん~、でもそれは他の子も一緒でしょ?魔力量を高めて、魔法の威力が増すまで練習する。貴族の子だって平民の子だって、同じはず。」
「あなたは違うじゃない?それに、成績上位の子は既に1歩先を学んでいるわ。」
「そこまで成績に拘るのには何か理由があるの?」
「あるわ。この学院で卒業する時、Aクラスに何人の平民が居るか知ってる?」
「いや、僕は学院の事は詳しくないから。」
「ゼロよ。この学院は平等を謳ってる。でもね、卒業時にAクラスだった平民は過去1人も居ないのよ。」
イルミの言う通りである。この学院では貴族が裏から手を回して、自分の子供をAクラスに残したまま卒業させると言う不正がまかり通っている。その犠牲になるのが平民なのだ。余程の実力が無い限り、平民でAクラス卒業は不可能なのだ。
「なるほどね。ところで皆は自分のステータスって知ってる?」
「「「ステータス???」」」
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