77 / 151
第七十七話
しおりを挟む
あれから4度の魔物襲来があった。全てユーリが瞬殺したが、王国軍は寝る時間を取れなかった。
敵の魔法使いの技量は解った。Aランクの魔物を1度に30匹まで操れる。1度魔法を発動すると次の魔物を操るまでのリキャストタイムは1時間だ。1時間のリキャストタイムは致命的なんじゃないかとユーリは思う。しかし、ユーリは勘違いをしていた。通常Aランクの魔物30匹はSランクの魔物3匹分、これはもはや災害級と言って良いだろう。王都近辺で起こったなら騎士団総動員の上、冒険者ギルドからSランクパーティーを含むAランクパーティーが全員召集され、それでもギリギリ追い返せるかどうかと言う案件だ。瞬殺するユーリが規格外なのだ。1時間に1回災害級が押し寄せれば王都は2、3回の襲撃で沈むだろう。
現に帝国軍の指揮官は何故砦が落ちないのか苛ついていた。魔物を操っていた魔法使いも魔力切れで動けなくなっている。
そんな事になってると知らないユーリは、魔力回復ポーションがあれば、また何度でも仕掛けて来るんじゃないかと待ち構えている。
魔物の来襲が途切れてからは兵士たちは交代で仮眠を取っている。ユーリも空が明るくなり始める頃、休みを取った。
3時間程寝ただろうか、外の喧騒で目覚める。どうやら王国軍が砦の内側で集結しているらしい。
急いでユーリも駆けつけると総指揮官のヘルムウッド辺境伯に声を掛けられた。
「昨夜は活躍だったようだな。良くやった。今日も同じ事が起こったら任せて良いか?」
「御意。魔物とそれを操っている魔法使いは任せて下さい。」
「頼んだぞ。」
ユーリは魔物を操っている魔法使いを早めに捕獲するつもりである。流石に兵士と連携を取られたら死傷者が出かねない。
9時を回った頃、帝国軍に動きがあった。3万程の部隊が進軍し前線を押し上げて来る。砦まであと3キロと言う地点で進軍を止める。これは良い判断だ。これで王国軍が焦れて砦から出れば帝国の勝利に繋がる。しかし、本体が動いていない。通常なら前線を押し上げたら本体も遅れて進軍してくるはずなのだが、まさか捨て駒?あるいは3万の軍と魔物で攻める気か?
しかし、そのどちらでもなかった。3万の軍は動かず、魔物も現れない。ユーリは不思議に思い、サーチで本体を探ってみる。魔物を操れるほどの大きな魔力は感じない。では前線の3万の中に?そちらにも魔法使いらしき反応は無かった。
睨み合いは続く。その間ユーリは魔法使いの反応を探り続けるが見つからない。流石に焦れたのか、幾人かの貴族が出兵を具申する。しかしヘルムウッド辺境伯は許可しない。大丈夫だ、この人にはちゃんと状況が見えている様だ。
ユーリは壁の上に上り3万の軍を視認する。視認できればこちらの物だ。敵の軍隊の周囲を四角く囲い。ガイアコントロールで足元の地面を30センチ程液状化する。液状と言っても水の様にサラサラではない。粘土の様な粘り気のある液だ。帝国軍の兵士は足を取られ転ばない様に必死にバランスを取っている。沈み切ったのを確認し、液状化を解く。すると元の固い地面に戻り。兵士は足を30センチ地面に埋められた状態になる。たかが30センチだが、両足が埋まっていると抜け出す事が出来ないのだ。
総指揮官の元へ行くとお前も進軍の具申か?と問われたので違うと答えた。
「前線の3万は無力化しました。面倒だから捕虜にするのはやめた方が良いですよ。あ、これから敵の本隊を偵察して来ますので一応警戒だけして置いて下さい。すぐに戻るつもりです。」
「確かに3万の捕虜は邪魔だな。まあ、好きにやれ。そう言う命令だからな。」
ヘルムウッド辺境伯はどうやら有能な指揮官らしい。
ユーリは視認出来る範囲で転移しながら帝国軍の本隊を目指す。3回転移した所で魔法使いの反応が幾つか現れる。どれも1万程度だ。どうやら魔法使いの質では王国より帝国の方が上らしい。しかし、1万程度の魔力では魔物を操るのは無理があるだろう。何処へ行ったんだ?魔物を呼びに?
ここからは相手にもサーチの魔法があると仮定して、歩いて偵察に向かう。なるべく林の中を歩くようにしてサーチを掛けながら敵に見つからない様に隠密行動に徹する。この時点で敵陣まで1キロと言った所だろう。フライで飛べばすぐに視認できるのだが、こちらも見つかってしまう。
どうしようかと考えていると、砦方面から走って来る人物を3人ほどサーチで捉えた。多分敵の情報部隊であろう。前線の3万が無力化された事を伝える伝令だと思われる。盗聴器でもあればなぁ。って魔法で何とかならないか?『賢者の叡智』を使うと遠くの音を収音する魔法があるようなので、それを獲得する。
帝国軍の位置は解っているのでさっきの伝令の3人を追い。辿り着いた地点の音声を拾う。やはり3万の軍が無力化された事を指揮官に伝えている様だ。周りの兵士たちがざわめく声も聞こえる。その後も暫く聞いていたが、どうやら帝国軍の指揮官は怒りっぽい性格の様だ。なんでも昨日も1人魔法使いを剣で斬首したとか・・・それって、例の魔物を操る魔法使いじゃ?秘密兵器を1回のミスで切り捨てるとか、愚か過ぎるでしょう。なんか戦争やってるの馬鹿らしくなって来たぞ。
ユーリはフライで浮き上がり帝国軍の本隊が視認出来る地点まで上がる。視認した瞬間地面を液状化する。今回は5センチほど水の様にと言うか水にする。そこへ弱目のサンダーを数発撃ち込む。7万は痺れて気絶した。スタンガンの要領だ。そのまま転移で砦に戻る。
ヘルムウッド辺境伯に事情を話し、今日は敵襲は無いと思いますよと言って部屋で寝る。寝不足は良く無いからね。
敵の魔法使いの技量は解った。Aランクの魔物を1度に30匹まで操れる。1度魔法を発動すると次の魔物を操るまでのリキャストタイムは1時間だ。1時間のリキャストタイムは致命的なんじゃないかとユーリは思う。しかし、ユーリは勘違いをしていた。通常Aランクの魔物30匹はSランクの魔物3匹分、これはもはや災害級と言って良いだろう。王都近辺で起こったなら騎士団総動員の上、冒険者ギルドからSランクパーティーを含むAランクパーティーが全員召集され、それでもギリギリ追い返せるかどうかと言う案件だ。瞬殺するユーリが規格外なのだ。1時間に1回災害級が押し寄せれば王都は2、3回の襲撃で沈むだろう。
現に帝国軍の指揮官は何故砦が落ちないのか苛ついていた。魔物を操っていた魔法使いも魔力切れで動けなくなっている。
そんな事になってると知らないユーリは、魔力回復ポーションがあれば、また何度でも仕掛けて来るんじゃないかと待ち構えている。
魔物の来襲が途切れてからは兵士たちは交代で仮眠を取っている。ユーリも空が明るくなり始める頃、休みを取った。
3時間程寝ただろうか、外の喧騒で目覚める。どうやら王国軍が砦の内側で集結しているらしい。
急いでユーリも駆けつけると総指揮官のヘルムウッド辺境伯に声を掛けられた。
「昨夜は活躍だったようだな。良くやった。今日も同じ事が起こったら任せて良いか?」
「御意。魔物とそれを操っている魔法使いは任せて下さい。」
「頼んだぞ。」
ユーリは魔物を操っている魔法使いを早めに捕獲するつもりである。流石に兵士と連携を取られたら死傷者が出かねない。
9時を回った頃、帝国軍に動きがあった。3万程の部隊が進軍し前線を押し上げて来る。砦まであと3キロと言う地点で進軍を止める。これは良い判断だ。これで王国軍が焦れて砦から出れば帝国の勝利に繋がる。しかし、本体が動いていない。通常なら前線を押し上げたら本体も遅れて進軍してくるはずなのだが、まさか捨て駒?あるいは3万の軍と魔物で攻める気か?
しかし、そのどちらでもなかった。3万の軍は動かず、魔物も現れない。ユーリは不思議に思い、サーチで本体を探ってみる。魔物を操れるほどの大きな魔力は感じない。では前線の3万の中に?そちらにも魔法使いらしき反応は無かった。
睨み合いは続く。その間ユーリは魔法使いの反応を探り続けるが見つからない。流石に焦れたのか、幾人かの貴族が出兵を具申する。しかしヘルムウッド辺境伯は許可しない。大丈夫だ、この人にはちゃんと状況が見えている様だ。
ユーリは壁の上に上り3万の軍を視認する。視認できればこちらの物だ。敵の軍隊の周囲を四角く囲い。ガイアコントロールで足元の地面を30センチ程液状化する。液状と言っても水の様にサラサラではない。粘土の様な粘り気のある液だ。帝国軍の兵士は足を取られ転ばない様に必死にバランスを取っている。沈み切ったのを確認し、液状化を解く。すると元の固い地面に戻り。兵士は足を30センチ地面に埋められた状態になる。たかが30センチだが、両足が埋まっていると抜け出す事が出来ないのだ。
総指揮官の元へ行くとお前も進軍の具申か?と問われたので違うと答えた。
「前線の3万は無力化しました。面倒だから捕虜にするのはやめた方が良いですよ。あ、これから敵の本隊を偵察して来ますので一応警戒だけして置いて下さい。すぐに戻るつもりです。」
「確かに3万の捕虜は邪魔だな。まあ、好きにやれ。そう言う命令だからな。」
ヘルムウッド辺境伯はどうやら有能な指揮官らしい。
ユーリは視認出来る範囲で転移しながら帝国軍の本隊を目指す。3回転移した所で魔法使いの反応が幾つか現れる。どれも1万程度だ。どうやら魔法使いの質では王国より帝国の方が上らしい。しかし、1万程度の魔力では魔物を操るのは無理があるだろう。何処へ行ったんだ?魔物を呼びに?
ここからは相手にもサーチの魔法があると仮定して、歩いて偵察に向かう。なるべく林の中を歩くようにしてサーチを掛けながら敵に見つからない様に隠密行動に徹する。この時点で敵陣まで1キロと言った所だろう。フライで飛べばすぐに視認できるのだが、こちらも見つかってしまう。
どうしようかと考えていると、砦方面から走って来る人物を3人ほどサーチで捉えた。多分敵の情報部隊であろう。前線の3万が無力化された事を伝える伝令だと思われる。盗聴器でもあればなぁ。って魔法で何とかならないか?『賢者の叡智』を使うと遠くの音を収音する魔法があるようなので、それを獲得する。
帝国軍の位置は解っているのでさっきの伝令の3人を追い。辿り着いた地点の音声を拾う。やはり3万の軍が無力化された事を指揮官に伝えている様だ。周りの兵士たちがざわめく声も聞こえる。その後も暫く聞いていたが、どうやら帝国軍の指揮官は怒りっぽい性格の様だ。なんでも昨日も1人魔法使いを剣で斬首したとか・・・それって、例の魔物を操る魔法使いじゃ?秘密兵器を1回のミスで切り捨てるとか、愚か過ぎるでしょう。なんか戦争やってるの馬鹿らしくなって来たぞ。
ユーリはフライで浮き上がり帝国軍の本隊が視認出来る地点まで上がる。視認した瞬間地面を液状化する。今回は5センチほど水の様にと言うか水にする。そこへ弱目のサンダーを数発撃ち込む。7万は痺れて気絶した。スタンガンの要領だ。そのまま転移で砦に戻る。
ヘルムウッド辺境伯に事情を話し、今日は敵襲は無いと思いますよと言って部屋で寝る。寝不足は良く無いからね。
12
あなたにおすすめの小説
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
【本編完結】転生隠者の転生記録———怠惰?冒険?魔法?全ては、その心の赴くままに……
ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。
そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。
※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。
※残酷描写は保険です。
※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる