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第八十一話
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ギルド職員から鍵と地図を受け取って、購入した邸宅に向かう。オーバルバイン伯爵邸より若干北よりで、割と近い。王城にも近いので立地的には満足だ。
貴族街を王城に向かい歩いて行くと徐々に家の数が減って来る。これは家が少ないのではなく1軒1軒の家が大きいのだ。特に庭が広く緑が多く感じる。その中でも一際大きな邸宅があり、凄いなぁと感心していたら、購入した家だった。地図で確認すると公爵家の隣だ。双方とも庭が広いのでお隣さんと言っても200メートルは離れているだろう。公爵家もうちに負けず劣らず大きい。
鍵を開けて中に入るとかび臭い匂いと淀んだ空気が不快だ。すぐさまクリーンを家中に掛ける。更にオールリペアもかけて置く。床を踏み抜いたりしたら危ないからね。とりあえず人が住める環境にはなったが、やはり家が古いので使い勝手が悪そうだ。気になったところからいじって行く。まず、風呂が3つもあるのに驚いた。1階に大浴場、これは使用人用だろう。2階に家族用のお風呂、伯爵家の物より大きい。更に客間にもお風呂が付いていた。1世紀前のお風呂なので新しい物にリフォームして行く。魔石を使った最新型だ。更に3階が使用人の寮になっているので1部屋潰してシャワールームを作った。ここはどうやらメイド用の寮らしい。庭の樹木のお陰で外から中が見えないので窓ガラスを片っ端から透明な物に変えていく。厨房は使用人用の食堂と一体になっている。広さはかなりあるので、料理人を8人は雇えるだろう。食堂は50人は座れそうだ。ここも使い易い様にいじって置く。庭には厩舎がある。10台は馬車が入りそうだ。厩舎の横に牧場の様な物が付いている。多分、ここで馬を放し飼いにするのだろう。裏手には使用人用の寮が別棟で付いている。こちらは家族用らしく、3~4人が暮らせるスペースが横に長屋の様に繋がっている。ちなみに2階建てだ。この寮だけでも子爵邸より大きいかもしれない。8家族が住めるようになっている。最大で32人が暮らせる。こちらには風呂やキッチンが付いていない。多分、母屋の物を使用するのだろう。トイレは1階、2階、両方に付いていた。更に中庭まで付いている。多分、ここでお茶会などをするのだろう。正面の門には門番の休憩用の小部屋が付いているのに驚いた。庭は樹木が伸び放題になっているので綺麗に剪定すれば、かなりの広さがあるだろう。ちなみに門から玄関まで100メートル以上ありそうだ。庭の剪定はプロに任せる事にして、門を少し丈夫な物に替えて置く。
家具や調度品は子爵邸から持って来よう。足りない分は買うしかないな。後は執事のフロッシュさんに任せよう。時間が足りなかったので、まだ、使用人は全員で15名しか居ない。引き続き使用人の雇用もフロッシュさんに頼まないと。使用人は50人は雇えって父上に言われてるしね。
内部はだいたい終わった。細かい所はその都度直せばよいだろう。問題は外観だ。かなり装飾が華美だ。それはまあ良い。何やら家紋の様な物が付いているのだがこれは削って良い物か?ギルド職員は自由にして良いって言ってたしなぁ。最悪元に戻せばよいだろう。決意して、紋章を全部排除し華美な装飾も今風のデザインに変えて置く。これで完成かな?あとはイルミとユーカに相談しながらやろうか。
一旦子爵邸に戻り、フロッシュさんに家の事を話す。使用人を増やす事を伝え、出来れば早めに向こうに引っ越すように通達する。家具やその他はアイテムボックスでユーリが運んでおくと言う事も伝える。それから地図も渡すのを忘れない。
自室に戻りベッドに横になり考え事をする。最近のユーリの生活スタイルだ。時間がある時は良くこうしている。通信機器の事を考える。この世界に電波の概念は無い。ではどうやって通信を行うかが問題だ。この世界の空気中には魔素と言うのが充満している。これは文字通り魔力の源だ。これはどっちかと言うと電波よりバッテリーに使えるのではないかとユーリは考えている。魔石に魔素をチャージし稼働時間を延ばす事は可能だろう?では電波を使わずに通信するにはどうすれば良いのか?一番可能性が高いのが空間魔法だ。転移の魔法の様に音声のみを転移させれば良いのではないだろうか?だいたいの案が決まると『賢者の叡智』を発動させる。ユーリのアイデアが実現できるかどうかを判断するためだ。
『賢者の叡智』によると『ゲート』と言う移動魔法があるそうだ、この魔法は場所と場所を繋げる魔法らしい。転移と同じことが出来るが、原理が全く違う。この魔法を付与すれば、一定時間距離をゼロにする事が可能だ。つまり、距離を考えずに会話が出来る。まさにユーリが求めていた回答だ。
さっそく『ゲート』の魔法を覚える。使用魔力量は200程度だった。まず、ゲートがどんな魔法かを体験する事にした。
グラストフの領主館をイメージしてゲートを開く。空間が歪み、ユーリの視界にグラストフの自分の部屋が見えた。思い切ってゲートを潜ってみる。すると次の瞬間グラストフの領主館の自分の部屋に立っていた。これはある意味、転移より使える魔法かもしれない。転移では触れている物しか飛ばせないが、ゲートなら開いてる間は魔法使いでなくとも自由に行き来が可能だ。
一旦王都の家に戻り、ベッドに転がる。ゲートをごく小さな大きさに開ければ音声だけ相手に届ける事が可能かもしれない。問題は何にどう付与するかだ。やっぱスマホだよな。現代日本を知るユーリには通信機器と言うと真っ先にスマホが出て来る。スマホ作っちゃって大丈夫かな?
まあ、音声通話だけなら大丈夫だよね?
貴族街を王城に向かい歩いて行くと徐々に家の数が減って来る。これは家が少ないのではなく1軒1軒の家が大きいのだ。特に庭が広く緑が多く感じる。その中でも一際大きな邸宅があり、凄いなぁと感心していたら、購入した家だった。地図で確認すると公爵家の隣だ。双方とも庭が広いのでお隣さんと言っても200メートルは離れているだろう。公爵家もうちに負けず劣らず大きい。
鍵を開けて中に入るとかび臭い匂いと淀んだ空気が不快だ。すぐさまクリーンを家中に掛ける。更にオールリペアもかけて置く。床を踏み抜いたりしたら危ないからね。とりあえず人が住める環境にはなったが、やはり家が古いので使い勝手が悪そうだ。気になったところからいじって行く。まず、風呂が3つもあるのに驚いた。1階に大浴場、これは使用人用だろう。2階に家族用のお風呂、伯爵家の物より大きい。更に客間にもお風呂が付いていた。1世紀前のお風呂なので新しい物にリフォームして行く。魔石を使った最新型だ。更に3階が使用人の寮になっているので1部屋潰してシャワールームを作った。ここはどうやらメイド用の寮らしい。庭の樹木のお陰で外から中が見えないので窓ガラスを片っ端から透明な物に変えていく。厨房は使用人用の食堂と一体になっている。広さはかなりあるので、料理人を8人は雇えるだろう。食堂は50人は座れそうだ。ここも使い易い様にいじって置く。庭には厩舎がある。10台は馬車が入りそうだ。厩舎の横に牧場の様な物が付いている。多分、ここで馬を放し飼いにするのだろう。裏手には使用人用の寮が別棟で付いている。こちらは家族用らしく、3~4人が暮らせるスペースが横に長屋の様に繋がっている。ちなみに2階建てだ。この寮だけでも子爵邸より大きいかもしれない。8家族が住めるようになっている。最大で32人が暮らせる。こちらには風呂やキッチンが付いていない。多分、母屋の物を使用するのだろう。トイレは1階、2階、両方に付いていた。更に中庭まで付いている。多分、ここでお茶会などをするのだろう。正面の門には門番の休憩用の小部屋が付いているのに驚いた。庭は樹木が伸び放題になっているので綺麗に剪定すれば、かなりの広さがあるだろう。ちなみに門から玄関まで100メートル以上ありそうだ。庭の剪定はプロに任せる事にして、門を少し丈夫な物に替えて置く。
家具や調度品は子爵邸から持って来よう。足りない分は買うしかないな。後は執事のフロッシュさんに任せよう。時間が足りなかったので、まだ、使用人は全員で15名しか居ない。引き続き使用人の雇用もフロッシュさんに頼まないと。使用人は50人は雇えって父上に言われてるしね。
内部はだいたい終わった。細かい所はその都度直せばよいだろう。問題は外観だ。かなり装飾が華美だ。それはまあ良い。何やら家紋の様な物が付いているのだがこれは削って良い物か?ギルド職員は自由にして良いって言ってたしなぁ。最悪元に戻せばよいだろう。決意して、紋章を全部排除し華美な装飾も今風のデザインに変えて置く。これで完成かな?あとはイルミとユーカに相談しながらやろうか。
一旦子爵邸に戻り、フロッシュさんに家の事を話す。使用人を増やす事を伝え、出来れば早めに向こうに引っ越すように通達する。家具やその他はアイテムボックスでユーリが運んでおくと言う事も伝える。それから地図も渡すのを忘れない。
自室に戻りベッドに横になり考え事をする。最近のユーリの生活スタイルだ。時間がある時は良くこうしている。通信機器の事を考える。この世界に電波の概念は無い。ではどうやって通信を行うかが問題だ。この世界の空気中には魔素と言うのが充満している。これは文字通り魔力の源だ。これはどっちかと言うと電波よりバッテリーに使えるのではないかとユーリは考えている。魔石に魔素をチャージし稼働時間を延ばす事は可能だろう?では電波を使わずに通信するにはどうすれば良いのか?一番可能性が高いのが空間魔法だ。転移の魔法の様に音声のみを転移させれば良いのではないだろうか?だいたいの案が決まると『賢者の叡智』を発動させる。ユーリのアイデアが実現できるかどうかを判断するためだ。
『賢者の叡智』によると『ゲート』と言う移動魔法があるそうだ、この魔法は場所と場所を繋げる魔法らしい。転移と同じことが出来るが、原理が全く違う。この魔法を付与すれば、一定時間距離をゼロにする事が可能だ。つまり、距離を考えずに会話が出来る。まさにユーリが求めていた回答だ。
さっそく『ゲート』の魔法を覚える。使用魔力量は200程度だった。まず、ゲートがどんな魔法かを体験する事にした。
グラストフの領主館をイメージしてゲートを開く。空間が歪み、ユーリの視界にグラストフの自分の部屋が見えた。思い切ってゲートを潜ってみる。すると次の瞬間グラストフの領主館の自分の部屋に立っていた。これはある意味、転移より使える魔法かもしれない。転移では触れている物しか飛ばせないが、ゲートなら開いてる間は魔法使いでなくとも自由に行き来が可能だ。
一旦王都の家に戻り、ベッドに転がる。ゲートをごく小さな大きさに開ければ音声だけ相手に届ける事が可能かもしれない。問題は何にどう付与するかだ。やっぱスマホだよな。現代日本を知るユーリには通信機器と言うと真っ先にスマホが出て来る。スマホ作っちゃって大丈夫かな?
まあ、音声通話だけなら大丈夫だよね?
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