創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

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第百二十話

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 邪神の子をなんとか1匹倒したが、全部で何体現れるのか判らない。魔物の活性化は進んでおり強化も進んでいる。このままでは町に魔物が現れる日も近いだろう。

 冒険者ギルドは大規模な討伐を計画している。町周辺の魔物を一掃しようと言うのである。この町の冒険者は千人を超えるが、現状魔物に対抗できる戦力はCランク以上の冒険者に限られる。そうなると300人位になる。

 その内Sランクはリュートを含めて4名だ。当初は東西南北に分けて討伐する計画だった様だが、魔物の強化が思ったより深刻で、四日に分けての各個撃破作戦に変更になった。

 まず初日は北から始めるらしい。ここが最大の激戦区になる事は解っている、だから冒険者が万全な最初に持って来た様だ。

 作戦の開始は明日の朝10時。リュート達4人も参加する。ミントとシーネはエリシアにしごかれてランクをBに上げている。

 ギルマスに討伐隊の隊長を依頼されたリュートだが、遊撃に徹したいと断った。代わりの討伐隊隊長はSランクの戦士ゴートだ。彼はベテランの冒険者で皆の信頼も厚い。多分俺より適任だろう。

 リュート達は家に集合して明日の打ち合わせをしている。今回もリュートと他の3人は別行動になる。だが、エリシアが居るので3人は心配ないだろう。問題は他の特にランクの低い冒険者だ。邪神の子さえ出なければ、大抵の魔物は何とかなるだろう。リュートは後ろに下がって回復要因として立ち回りながら、大物が出たら対処に回ると言う遊撃を選んだ。

「まあ、俺が後ろで援護するから3人は思いっきりやれ。」

 そう言って3人を安心させる。少し早めだが食事に行って休みを取ろう。今日はアルコール禁止にしないとな。





 翌朝10時に討伐は開始された。魔物を逃がさない様に冒険者たちは横に広がって包囲網を敷く。

 そのまま進んで行くと早い者は数分で魔物にぶつかる。予想以上に下まで降りて来ている様だ。

 作戦としては単純だ、高ランクが魔物に当たり打ち漏らした魔物を低ランクが止めを刺す。

 単純だけにそれぞれの役割が重要になる。3人のSランカーがそれぞれ、前線の重要なポイントに配置されている。エリシアたちは左翼だ。リュートは殿に居る。サーチで魔物の反応が判るので大きい反応があるとそこへと飛ぶ。

 2時間程は順調に進んでいた。一度休みを取り再度動き出そうとした時、事件が起きた。右翼の更に右側から多数の魔物の反応があったのだ。リュートのサーチ能力は10キロをカバーするが前方を気にしていたので発見が遅れた。既に3キロ地点まで迫られている。

 リュートは急いで隊長のゴートに報告する。

「右舷から大量の魔物の群れが押し寄せている。多分1000は超えるだろう。陣形を変えて迎え撃った方が良いぞ。」

「ここまで深く潜ってからの奇襲か。魔物を統率する何かが居るのかもしれんな。解った高ランクを右舷に集結させる。左舷は一旦捨てる。」

「予想以上に早いぞ気をつけろ。」

「あとどの位だ?」

「10分は無いな。」

「本当に早いな。魔物の強化は力だけでなくスピードもか。」

「低ランクは俺が面倒みる。あとは頼むぞ。」

「解った。任せろ。」

 ゴートが手際よく陣形を変えていく。低ランカーはそう言う臨機応変さに欠けるのでリュートが一々指示して後退させる。

 何とか間に合った。そう思った時魔物の群れが襲い掛かって来た。どうやらオークキングが率いているらしい。しかし、オークだけでなく他の魔物も混じっている。これも邪神の影響なのか?

 オークキングは群れの中央に居る。リュートは瞬間移動で背後に回りエアバレットを高圧縮してオークキングのみに叩き込む。オークキングが沈黙する。

 キングの死により魔物たちの統率が乱れ、乱戦になる。しかし高ランカーは慌てずに捌いて行く。この町の冒険者もこの数か月でだいぶ鍛えられた様だ。

 1000匹の群れを退治するのに40分程掛かってしまった。しかし、こちらに怪我人が出なかったのは幸いだ。

「で、この後はどうするんだ?予定通り奥へ進むのか?」

「いや、想定外の事態が起こった時は撤退だ。」

 これは冒険者の鉄則の様な物だ。流石にSランクは伊達じゃ無いらしい。まだ行ける。は死を招く。それを良く知っている。

「体制を整えて後日再戦か?」

「不満か?」

「いや、良い判断だと思ってな。」

「小僧には言われたくないな。」

 討伐隊は撤退した。ギルドに戻りゴートがギルマスと何やら話し込んでいる。

 俺は皆が狩った魔物の死体をアイテムボックスに全部収納してあるのでそれをギルド前に山積みにして行く。

 ギルド職員を一人捕まえて、この山を捌いて皆にバーベキューを振舞ってはどうだと提案する。職員は上に聞いてみますと走って行った。

 バーベキューは好評だった。冒険者たちだけでは食べ切れない量なので町の人達にも振舞われた。

 俺はマジックボックスに眠っていたハーブソルトとガーリックソルトを提供した。あとはひたすらエールを冷やしていた気がする。

 エリシアたち3人も合流している。よくやったと褒めたらミントとシーネではなくエリシアが一番嬉しそうだった。

 大規模討伐計画は延期になった。計画を練り直して再度行う予定だが、未定だ。どうやら討伐中にも下の方へ降りて来た魔物が居たらしく、あわや町へと侵入する寸前だったそうだ。なんとかDランカーたちが頑張って討伐したらしい。

 今度大規模討伐をするならAランカー辺りを町の護衛に残す必要がありそうだ。

 時間はまだ早いが一旦家に帰る。食事はバーベキューで済ませたので、何もする事が無い。寝るにはまだ明るい。

 明日はどうしようかと聞いたが皆気が抜けた様で。返事がない。

「じゃあ、明日は休みにするか?たまには休息も必要だろう?」

「そうですね。ここの所ずっと気を張りっぱなしでしたからね。」

 シーネが珍しく乗って来た。

「じゃあ、今日は羽目を外して呑むか?」

「いいかも。」

 皆が賛成の様なので急遽宴会になる。

 料理を作る気も無いのでアイテムボックスを探すと昔入れた物が結構入っている。冷えたビールやウイスキーを出し、それに合いそうな食べ物を幾つか出して行く。

 エリシアたちが見た事が無い料理やビール、ウイスキーに吃驚している。

「今日は特別だからな。普段は絶対出さないから味わって食えよ。」

 俺はそう言ってラーメンをすすっている。久しぶりに食べたかったんだよ~

「リュート、君はこんな美味い物を隠し持っていたのだな?」

 あら?エリシアさんもう酔ってます?

「まだ何か持っているに違いません。」

 ミントさんも酔ってる様で。

「そうだな、悪い事は言わない。今出せば許してやるぞ。」

「いや、本当に無いから。」

「嘘です。目が泳ぎました。」

 シーネさんあなたもですか。

「解った。今は酔ってるから明日出してやる。とっておきの甘味だ。今日はそれで我慢しろ。」

「明日だな?シーネメモして置け。リュートはすぐに誤魔化そうとするから証拠を残して置け。」

 エリシアさん酔ってるのに何でそこだけ冷静なの?

「それからさっきリュートが食べてたのも美味しそうだ出してくれ。」

 そう言われて味噌ラーメンを3杯出した。3人はもうベロベロなのに美味いうまいと言って完食していた冒険者半端ないな。

 翌朝、早朝から甘味を要求された。流石に朝から甘味はキツイだろう、と言ったが、聞く耳を持たないので。ショートケーキを3人に出してあげる。

 3人はあっという間に食べ切りお替りを要求して来る。

「お替りは上げるとは約束してないよな?」

「ずるいぞリュート!」

「解った次で最後だ。これ以上は出さない。味わって食えよ。」

 そう言って3つのショートケーキを出す。

 今度はじっくり味わって食べた様だ。冷たい紅茶を出してあげて。本当に特別だからなと念を押して置く。

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