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第15話 公子の従者ミフェル
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王都リュンカーラの白亜宮の一室。
ビオレール公国一行をもてなす晩餐会は表向きは和やかに進行していた。
ディンレル、ビオレール両国の特産品が並ぶ豪華な食卓、上質な酒、貴族たちの耳障りな笑い声。
アノス陛下やパルパティーン宰相はキース公子や取り巻きたちと、外交辞令と腹の探り合いを交えた談笑に興じている。
そんな華やかな喧騒とは裏腹に、アニスの周りだけは妙に静かだ。
第二王女という微妙な立場に加え、彼女の放つどこか近寄りがたい雰囲気が、他の貴族たちを遠ざけているのかもしれない。
手持ち無沙汰に料理を口に運びながら、アニスは姉アリスに媚びへつらう貴族たちや、姉の隣で涼しい顔をしているキース公子と、彼の背後に控えるビオレールの一行を観察していた。
「どうしたんだい、アニス。さっきから難しい顔をして。何か気になることでもあるのかね?」
隣で豪快に肉料理を頬張っていたクレマンティーヌが、目敏くアニスの様子に気づいて声をかけてきた。
「……クレア」
アニスは声を潜め、真剣な眼差しで師匠を見る。
「ねえ、神聖魔法以外の魔法は絶対に、魔女……つまり女性にしか使えない、よね?」
「ああ、そうさねえ。少なくとも、この大陸の歴史において例外は存在しないとされている。それがどうかしたのかい?」
クレマンティーヌは即答したが、アニスのただならぬ様子に、僅かに眉をひそめる。
「あの人……キース公子のすぐ後ろにいる、茶髪の従者……ミフェルとか言ったかな。あの人から、何か……感じるの。魔力そのものじゃないんだけど、もっとこう、魔力が流れる『器』みたいな……魔女特有の、あの感覚に近いものを」
アニスの言葉は少し要領を得ない。
だが彼女の魔力感知能力は、姉アリスにも匹敵する鋭さを持つ。
特に同質の力、つまり魔女の力に対する感度は他の追随を許さない。
そのアニスが何かを感じるというのだ。
クレマンティーヌはアニスの視線の先、キース公子の背後に立つミフェルに意識を集中させた。
青年は主君の言葉に静かに頷いたり、時折、周囲に油断なく視線を走らせたりしている。
彼の所作は洗練されており、隙がない。
クレマンティーヌほどの魔女でも、彼から直接的な魔力の波動や、魔導具を使っている痕跡を感じ取ることはできなかった。
「……私には何も感じられないねえ。ディル、君はどうだい?」
クレマンティーヌはアニスの隣に控えるディルに問いかけた。
ディルも、じっとミフェルを凝視していたが静かに首を横に振る。
「私も、明確な魔力は……ですが、アニスがそう言うのなら、何かあるのかもしれません。アニスの魔力感知、特に『魔女』に対する感度は私たちの中でも群を抜いていますから」
「はて……精霊族や高位の妖魔が、よほど巧妙な魔導具で変装している、とでもいうのかねえ。こういう、人の目や魔力感知を欺く『化け』を見破るのはマツバが得意なんだが……今日はあの子、お留守番だったね」
そう、アニスが晩餐会に連れてこられる従者は1名のみ。
マツバとチャービルはアニスの部屋で、きっと今頃お菓子でも食べながら留守番していることだろう。
今日の随行者を決めるじゃんけんはディルが勝ったのだ。
「アニスがこれほど言うのなら、看過はできないね。よし、私が少し探りを入れてみよう」
「クレア、待って。私にやらせてくれない? 大丈夫、無茶はしないから。姉様の婚約相手の従者だもの、ちゃんと礼儀正しく……」
「だめさね」
クレマンティーヌはアニスの言葉を穏やかに遮った。
「これはアリスの婚約を祝う席さね。妹である君が、相手方の従者に疑いの目を向けていると取られれば、角が立つ。こういう役目は年長者の、それも君たちの師匠である私の仕事さ。私に任せるさね」
師の有無を言わせぬ口調に、アニスもディルも、それ以上は何も言えなかった。
クレマンティーヌは優雅に席を立つと、何食わぬ顔でキース公子の一団に近づいていく。
「これはキース公子。ご歓談中、失礼いたします」
「おお、これはクレマンティーヌ殿。いや、お美しい。何か私にご用ですかな?」
キース公子は社交的な笑顔を浮かべ、クレマンティーヌを迎える。
「ディンレル王国宮廷魔術師長のクレマンティーヌと申します。以後、お見知りおきを。もっとも、宮廷魔術師は私以外は皆、まだまだ愛らしい見習いの少女ばかりですが」
クレマンティーヌは微笑み返し、自然な仕草で右手を差し出した。
キース公子も心得たもので、すぐに手を握り返す。
握手は魔道に通じた者同士にとって、互いの力量を探るための儀式でもある。
クレマンティーヌがキース公子の手から感じ取れたのは、ごく普通の魔力を持たない人間の気配だけだった。
「クレマンティーヌ……ああ、もしや、フェロニア大神殿にいらっしゃる大司祭のお嬢様では? お噂はかねがね。こうしてお会いできて光栄です」
不意に、キース公子の背後に控えていたミフェルが滑らかな口調で話しかけてきた。
彼の声にはどこか人ならざる響きが混じっているような……いや、気のせいか。
彼が優雅に一礼する所作は完璧で、貴族としての高い教養を感じさせる。
「おや、私のことまでご存知とは。恐れ入ります。貴方様とも、今後良き関係を築ければと存じます」
クレマンティーヌはミフェルにも同じように手を差し伸べた。
だが、ミフェルは下げていた手を胸の前で静かに交差させ、再び深くお辞儀をするのみ。
握手に応じる気はないらしい。
実に巧妙に、自然に、直接的な接触を避けた。
(……なるほどねえ。これだけ間近で見ても、魔導具を使っている気配は微塵もない。変装だとしたら、極めて高度な魔法か、あるいは……だが、私の直感が告げている。このミフェルという男、ただの人間ではないねえ)
「キース公子様、失礼ながら、こちらの方は?」
クレマンティーヌはあくまで自然に尋ねた。
「ああ、彼はミフェル。我がビオレール公国の西の守り、ソルト辺境伯が嫡男にして、私の腹心です。見ての通り、礼儀作法には明るいが、剣を取らせても国内で一、二を争う腕前でね。頼りになる男ですよ」
キース公子がミフェルを誇らしげに紹介する。
表情に、何かを隠しているような素振りはない。
むしろ有能な腹心を紹介できることを喜んでいるようにすら見える。
あるいはミフェルの正体を知った上で、それを隠し通せる自信があるのか。
クレマンティーヌは当たり障りのない会話を二言三言交わした後、アニスたちの元へと戻った。
「どうだった、クレア?」
アニスが、期待と不安の入り混じった目で尋ねる。
「……あのミフェルという茶髪の男、やはり普通の人間ではないねえ。アニスの言う通りだ。直接的な魔力は感じられなかったが、私の握手を巧妙に避けた。それに間近で対峙した時の、あの底知れない雰囲気……何らかの魔道的な手段で、己の正体を偽っている可能性が高い。それも、相当な手練れだよ」
クレマンティーヌの言葉に、アニスは息を呑み再びミフェルへと視線を向けた。
ちょうどその時、ミフェルもこちらに気づき、アニスに向かって軽く会釈をしてくる。
彼の唇の端が、ほんの一瞬、人間にはありえないほど横に裂けたように見えたのは……気のせいだろうか?
ぶるり、とアニスは背筋に走った悪寒に身を震わせた。
(人間じゃない……? でも、ソルト辺境伯領って、ビオレールの文献によれば、純粋な人族だけで構成された土地のはずじゃ……)
「先生、その者は……危険なのでしょうか?」
ディルが不安そうに尋ねる。
「さあねえ……古来より、精霊族や妖魔の類が、人間の権力者に取り入って、悪戯をしたり、逆にその土地を守ったりした、という伝承は数多くある。そういった類の存在なのかもしれないねえ。目的が善意によるものか、悪意によるものかはまだ判別できないが……まあ、いずれにせよ、注意深く観察しておく必要はあるだろうねえ」
クレマンティーヌは表面上、冷静にそう結論付けた。
だが彼女の瞳の奥にはアニスと同じように、拭いがたい疑念と警戒の色が浮かんでいる。
アニスの胸騒ぎも、クレマンティーヌの言葉では少しも収まることはなかった。
あのミフェルという男の存在は、これから始まる嵐の予兆なのかもしれない。
ビオレール公国一行をもてなす晩餐会は表向きは和やかに進行していた。
ディンレル、ビオレール両国の特産品が並ぶ豪華な食卓、上質な酒、貴族たちの耳障りな笑い声。
アノス陛下やパルパティーン宰相はキース公子や取り巻きたちと、外交辞令と腹の探り合いを交えた談笑に興じている。
そんな華やかな喧騒とは裏腹に、アニスの周りだけは妙に静かだ。
第二王女という微妙な立場に加え、彼女の放つどこか近寄りがたい雰囲気が、他の貴族たちを遠ざけているのかもしれない。
手持ち無沙汰に料理を口に運びながら、アニスは姉アリスに媚びへつらう貴族たちや、姉の隣で涼しい顔をしているキース公子と、彼の背後に控えるビオレールの一行を観察していた。
「どうしたんだい、アニス。さっきから難しい顔をして。何か気になることでもあるのかね?」
隣で豪快に肉料理を頬張っていたクレマンティーヌが、目敏くアニスの様子に気づいて声をかけてきた。
「……クレア」
アニスは声を潜め、真剣な眼差しで師匠を見る。
「ねえ、神聖魔法以外の魔法は絶対に、魔女……つまり女性にしか使えない、よね?」
「ああ、そうさねえ。少なくとも、この大陸の歴史において例外は存在しないとされている。それがどうかしたのかい?」
クレマンティーヌは即答したが、アニスのただならぬ様子に、僅かに眉をひそめる。
「あの人……キース公子のすぐ後ろにいる、茶髪の従者……ミフェルとか言ったかな。あの人から、何か……感じるの。魔力そのものじゃないんだけど、もっとこう、魔力が流れる『器』みたいな……魔女特有の、あの感覚に近いものを」
アニスの言葉は少し要領を得ない。
だが彼女の魔力感知能力は、姉アリスにも匹敵する鋭さを持つ。
特に同質の力、つまり魔女の力に対する感度は他の追随を許さない。
そのアニスが何かを感じるというのだ。
クレマンティーヌはアニスの視線の先、キース公子の背後に立つミフェルに意識を集中させた。
青年は主君の言葉に静かに頷いたり、時折、周囲に油断なく視線を走らせたりしている。
彼の所作は洗練されており、隙がない。
クレマンティーヌほどの魔女でも、彼から直接的な魔力の波動や、魔導具を使っている痕跡を感じ取ることはできなかった。
「……私には何も感じられないねえ。ディル、君はどうだい?」
クレマンティーヌはアニスの隣に控えるディルに問いかけた。
ディルも、じっとミフェルを凝視していたが静かに首を横に振る。
「私も、明確な魔力は……ですが、アニスがそう言うのなら、何かあるのかもしれません。アニスの魔力感知、特に『魔女』に対する感度は私たちの中でも群を抜いていますから」
「はて……精霊族や高位の妖魔が、よほど巧妙な魔導具で変装している、とでもいうのかねえ。こういう、人の目や魔力感知を欺く『化け』を見破るのはマツバが得意なんだが……今日はあの子、お留守番だったね」
そう、アニスが晩餐会に連れてこられる従者は1名のみ。
マツバとチャービルはアニスの部屋で、きっと今頃お菓子でも食べながら留守番していることだろう。
今日の随行者を決めるじゃんけんはディルが勝ったのだ。
「アニスがこれほど言うのなら、看過はできないね。よし、私が少し探りを入れてみよう」
「クレア、待って。私にやらせてくれない? 大丈夫、無茶はしないから。姉様の婚約相手の従者だもの、ちゃんと礼儀正しく……」
「だめさね」
クレマンティーヌはアニスの言葉を穏やかに遮った。
「これはアリスの婚約を祝う席さね。妹である君が、相手方の従者に疑いの目を向けていると取られれば、角が立つ。こういう役目は年長者の、それも君たちの師匠である私の仕事さ。私に任せるさね」
師の有無を言わせぬ口調に、アニスもディルも、それ以上は何も言えなかった。
クレマンティーヌは優雅に席を立つと、何食わぬ顔でキース公子の一団に近づいていく。
「これはキース公子。ご歓談中、失礼いたします」
「おお、これはクレマンティーヌ殿。いや、お美しい。何か私にご用ですかな?」
キース公子は社交的な笑顔を浮かべ、クレマンティーヌを迎える。
「ディンレル王国宮廷魔術師長のクレマンティーヌと申します。以後、お見知りおきを。もっとも、宮廷魔術師は私以外は皆、まだまだ愛らしい見習いの少女ばかりですが」
クレマンティーヌは微笑み返し、自然な仕草で右手を差し出した。
キース公子も心得たもので、すぐに手を握り返す。
握手は魔道に通じた者同士にとって、互いの力量を探るための儀式でもある。
クレマンティーヌがキース公子の手から感じ取れたのは、ごく普通の魔力を持たない人間の気配だけだった。
「クレマンティーヌ……ああ、もしや、フェロニア大神殿にいらっしゃる大司祭のお嬢様では? お噂はかねがね。こうしてお会いできて光栄です」
不意に、キース公子の背後に控えていたミフェルが滑らかな口調で話しかけてきた。
彼の声にはどこか人ならざる響きが混じっているような……いや、気のせいか。
彼が優雅に一礼する所作は完璧で、貴族としての高い教養を感じさせる。
「おや、私のことまでご存知とは。恐れ入ります。貴方様とも、今後良き関係を築ければと存じます」
クレマンティーヌはミフェルにも同じように手を差し伸べた。
だが、ミフェルは下げていた手を胸の前で静かに交差させ、再び深くお辞儀をするのみ。
握手に応じる気はないらしい。
実に巧妙に、自然に、直接的な接触を避けた。
(……なるほどねえ。これだけ間近で見ても、魔導具を使っている気配は微塵もない。変装だとしたら、極めて高度な魔法か、あるいは……だが、私の直感が告げている。このミフェルという男、ただの人間ではないねえ)
「キース公子様、失礼ながら、こちらの方は?」
クレマンティーヌはあくまで自然に尋ねた。
「ああ、彼はミフェル。我がビオレール公国の西の守り、ソルト辺境伯が嫡男にして、私の腹心です。見ての通り、礼儀作法には明るいが、剣を取らせても国内で一、二を争う腕前でね。頼りになる男ですよ」
キース公子がミフェルを誇らしげに紹介する。
表情に、何かを隠しているような素振りはない。
むしろ有能な腹心を紹介できることを喜んでいるようにすら見える。
あるいはミフェルの正体を知った上で、それを隠し通せる自信があるのか。
クレマンティーヌは当たり障りのない会話を二言三言交わした後、アニスたちの元へと戻った。
「どうだった、クレア?」
アニスが、期待と不安の入り混じった目で尋ねる。
「……あのミフェルという茶髪の男、やはり普通の人間ではないねえ。アニスの言う通りだ。直接的な魔力は感じられなかったが、私の握手を巧妙に避けた。それに間近で対峙した時の、あの底知れない雰囲気……何らかの魔道的な手段で、己の正体を偽っている可能性が高い。それも、相当な手練れだよ」
クレマンティーヌの言葉に、アニスは息を呑み再びミフェルへと視線を向けた。
ちょうどその時、ミフェルもこちらに気づき、アニスに向かって軽く会釈をしてくる。
彼の唇の端が、ほんの一瞬、人間にはありえないほど横に裂けたように見えたのは……気のせいだろうか?
ぶるり、とアニスは背筋に走った悪寒に身を震わせた。
(人間じゃない……? でも、ソルト辺境伯領って、ビオレールの文献によれば、純粋な人族だけで構成された土地のはずじゃ……)
「先生、その者は……危険なのでしょうか?」
ディルが不安そうに尋ねる。
「さあねえ……古来より、精霊族や妖魔の類が、人間の権力者に取り入って、悪戯をしたり、逆にその土地を守ったりした、という伝承は数多くある。そういった類の存在なのかもしれないねえ。目的が善意によるものか、悪意によるものかはまだ判別できないが……まあ、いずれにせよ、注意深く観察しておく必要はあるだろうねえ」
クレマンティーヌは表面上、冷静にそう結論付けた。
だが彼女の瞳の奥にはアニスと同じように、拭いがたい疑念と警戒の色が浮かんでいる。
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