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第2章 英雄の最期
第30話 毒入り肉
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洞窟で、ナフトさんの名前を呼びながら進んだが返答がない。
徐々に嫌な予感がし、慎重に奥へと進む。
そして私たちが見たものは……倒れているナフトさんだった。
「まだ生きてる!」
捕らえていた十数名の盗賊の姿が見えない。
リョウもベレニスも警戒を強めるが、洞窟内に人の気配どころか魔獣の気配すらない。
「う……これはリョウ殿。ローゼさんたちも……うっ」
「何があったんですか?」
リョウは冷静に周囲を警戒しつつ、ナフトさんを抱えながら言った。
「壮年ぐらいの旅人風の男が、洞窟を見つけたんでちょっと休ませてくれと入ってきまして。……盗賊を縛っている状況を説明して立ち去ってもらおうとしたんです。ですが……大変でしょう。携帯食ですが、干し肉をどうぞと……」
ナフトさんは苦しそうにしながらも、私たちに説明を続ける。
「これね。クンクン、毒ね。苦味で痺れるヤツ」
ベレニスが落ちていた干し肉を拾い、臭いを嗅いで告げた。
「そいつが盗賊を解放した? だがナフト殿を殺しもせず、放置したのは不可解だな」
「その旅人の人相はどうだったっすか?」
「そうですね……あっ……剣だこが……ありました。ガッシリした体格で、髪は茶色で縮れていて……日焼けで浅黒く……」
フィーリアの問いにナフトさんは思い出そうとしていたが、ぼんやりとした記憶しか浮かばないようだ。
どこかで見たことあるような外見だけど……
フィーリアも何かを考えているようだった。
「ザガンの街までナフト殿を連れて行こう。盗賊がどうなったかは気になるが、情報が少なすぎる」
「ところで……ルシエンはどうなりましたか? 黒竜がドワーフの里を襲ったというのも」
私は黒竜を倒し、ルシエンは自死したこと。
頭目を含む盗賊の本隊は、ドワーフたちが1人残らず殺した事実のみを告げた。
「魔女ルシエン。何者だったのか。……ともあれ黒竜すら倒すとは、この目で見れなかったのが残念無念。リョウ殿たちは本当に強いのだな。ザガン伯爵様にはしかと報告します」
洞窟を出て歩き出す私たち。
フィーリアは洞窟を暫し眺め、ナフトさんの表情を見つめたが、何も言わずに歩き出した。
「盗賊の仲間が逃がしたのか。はたまた別の目的で盗賊を連れ去ったのか。リョウはどう思う?」
「他にも手柄の横取りの可能性もある。ザガンに着いたら、すでに盗賊は別の奴が捕らえて領主に報告していた、ってな」
「は? そうなったら私への報酬は?」
「無論なしっすね。下手したらこっちが嘘をついていると、投獄されるってのもあるかもっすねえ」
フィーリアが、リョウの最悪な予想に輪をかけて呟く。
お金が入らない絶望で、発狂するベレニスをからかって楽しんでいるようだ。
「仮にそうなったとしても、このナフトがそうはさせません。真実を必ず伯爵様へお伝えします」
「絶対よ! 頼むからね‼」
そんなベレニスの叫びが森の中を木霊した。
リョウは頭の中で、あらゆる可能性に思考を巡らせているようだ。
フィーリアとベレニスはというと、お金が入ったら何を食べるかと話題がそれていた。
……肉料理か山菜料理を食べたいかで口論が始まっている。
もう、しゃあないなあ。
私も2人の会話に混ざりつつ、第三勢力の川魚料理がいいかなと対抗する。
「賑やかな少女たちですね、リョウ殿」
「……はあ」
リョウはナフトさんの言葉に、苦笑を浮かべるしかないようだった。
すでに陽が傾き始めた夕暮れ時、ザガンの街の城門が見えてきた。
徐々に嫌な予感がし、慎重に奥へと進む。
そして私たちが見たものは……倒れているナフトさんだった。
「まだ生きてる!」
捕らえていた十数名の盗賊の姿が見えない。
リョウもベレニスも警戒を強めるが、洞窟内に人の気配どころか魔獣の気配すらない。
「う……これはリョウ殿。ローゼさんたちも……うっ」
「何があったんですか?」
リョウは冷静に周囲を警戒しつつ、ナフトさんを抱えながら言った。
「壮年ぐらいの旅人風の男が、洞窟を見つけたんでちょっと休ませてくれと入ってきまして。……盗賊を縛っている状況を説明して立ち去ってもらおうとしたんです。ですが……大変でしょう。携帯食ですが、干し肉をどうぞと……」
ナフトさんは苦しそうにしながらも、私たちに説明を続ける。
「これね。クンクン、毒ね。苦味で痺れるヤツ」
ベレニスが落ちていた干し肉を拾い、臭いを嗅いで告げた。
「そいつが盗賊を解放した? だがナフト殿を殺しもせず、放置したのは不可解だな」
「その旅人の人相はどうだったっすか?」
「そうですね……あっ……剣だこが……ありました。ガッシリした体格で、髪は茶色で縮れていて……日焼けで浅黒く……」
フィーリアの問いにナフトさんは思い出そうとしていたが、ぼんやりとした記憶しか浮かばないようだ。
どこかで見たことあるような外見だけど……
フィーリアも何かを考えているようだった。
「ザガンの街までナフト殿を連れて行こう。盗賊がどうなったかは気になるが、情報が少なすぎる」
「ところで……ルシエンはどうなりましたか? 黒竜がドワーフの里を襲ったというのも」
私は黒竜を倒し、ルシエンは自死したこと。
頭目を含む盗賊の本隊は、ドワーフたちが1人残らず殺した事実のみを告げた。
「魔女ルシエン。何者だったのか。……ともあれ黒竜すら倒すとは、この目で見れなかったのが残念無念。リョウ殿たちは本当に強いのだな。ザガン伯爵様にはしかと報告します」
洞窟を出て歩き出す私たち。
フィーリアは洞窟を暫し眺め、ナフトさんの表情を見つめたが、何も言わずに歩き出した。
「盗賊の仲間が逃がしたのか。はたまた別の目的で盗賊を連れ去ったのか。リョウはどう思う?」
「他にも手柄の横取りの可能性もある。ザガンに着いたら、すでに盗賊は別の奴が捕らえて領主に報告していた、ってな」
「は? そうなったら私への報酬は?」
「無論なしっすね。下手したらこっちが嘘をついていると、投獄されるってのもあるかもっすねえ」
フィーリアが、リョウの最悪な予想に輪をかけて呟く。
お金が入らない絶望で、発狂するベレニスをからかって楽しんでいるようだ。
「仮にそうなったとしても、このナフトがそうはさせません。真実を必ず伯爵様へお伝えします」
「絶対よ! 頼むからね‼」
そんなベレニスの叫びが森の中を木霊した。
リョウは頭の中で、あらゆる可能性に思考を巡らせているようだ。
フィーリアとベレニスはというと、お金が入ったら何を食べるかと話題がそれていた。
……肉料理か山菜料理を食べたいかで口論が始まっている。
もう、しゃあないなあ。
私も2人の会話に混ざりつつ、第三勢力の川魚料理がいいかなと対抗する。
「賑やかな少女たちですね、リョウ殿」
「……はあ」
リョウはナフトさんの言葉に、苦笑を浮かべるしかないようだった。
すでに陽が傾き始めた夕暮れ時、ザガンの街の城門が見えてきた。
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