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第6章 雪原は鮮血に染まる
第33話 迷宮攻略戦
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一旦ガーデリアに戻った私たち。
「あの部屋から離れられないってのは間違いないと思う。けど、それがいつまでって保証は何もないから、早めに倒すべきだとも思う」
「バアフィンの復活と、迷宮の維持に必要な存在ということっすかねえ。とするとっす、ヴィクティムはあの場から絶対動かないはずっすね。言わば迷宮のボス。倒さなければ迷宮から魔獣が溢れ、いずれはガーデリア地方に最悪の結末を齎すでしょうっすね」
フィーリアの言葉に、みんなは深く頷いた。
「つまり正攻法であの部屋で戦い、勝利するのが我々の使命ですね! く~、燃えてきました! これぞ英雄譚たる冒険の醍醐味です! 姉様、策など不要! このレオノールが単身ヴィクティムを引き付け、その隙に姉様たちが攻撃、そして私も合流してみんなで倒しましょう! この案は如何です?」
レオノールが目をキラキラさせて提案する。
この娘、本当にブレないな……でもその無鉄砲さが今は心強い。
「ヴィレッタとフィーリアと私で防御に徹し、ベレニスとクリスとリョウとレオノールが攻撃。それでヴィクティムの攻撃に耐える。単純な感じかもしれないけど、これが今の最善策になるかな? ただ相手サイドも二度も脱出なんてさせないだろうから、絶対に勝てる万全の状態にして挑まないとね。とりあえず、今日はみんな寝て体力を回復させておいて。私もベッドの中で、他に策がないか考えてみる」
こうして、私たちは迷宮の攻略に向けて作戦会議を終えた。
翌日、私たちはガーデリアの街を出発した。吹雪は落ち着いているが、いつまた激しくなるかわからない。
なので、私たちは急いで目的の場所に向かうことにした。
魔獣を蹴散らしつつ進み、迷宮への入口に到着した。
「ヴィクティムのいる部屋まで一気に進むけど、油断しないように」
私が注意を促すと、私たちは頷き合い中へと入る。
迷宮の中の魔獣は、外に比べて少し強力だ。
だが私たちの敵ではない。順調に進んで行き、ヴィクティムのいる部屋まで辿り着いた。
「やあ遅かったね。もう来ないのかと、がっかりしてたんだけどね。よかった、よかった」
そこには以前と変わらぬ様子のヴィクティムが、まるで友達を出迎えるように立っていた。
「ずっとこの部屋に引きこもってるのに、随分と私たちに詳しいのね。外をうろちょろさせてる魔獣の視界に、アクセスしてるってとこかな?」
「うんうん。そういう知識がある人間を僕は嬉しく思うよ。だって、知ってただけで、何もできずに醜く哀れな最期を遂げるのって、より絶望を感じるだろう?」
ヴィクティムの触手が私たちへと伸びるが、リョウが剣を一閃させ斬り落とす。
「バアフィンを伏兵にしようとするなら無駄。とっとと出したら? そうじゃないと、このままあんたを倒して、この迷宮をぶっ壊しちゃうよ? あ、まだ復活してないから無理かあ」
私が告げると、ヴィクティムの不気味な表情が途端に一変する。
表情は怒りに染まり、激情を吐き出した。
「図に乗るな! 人間如きが! どいつもこいつも不愉快な! 前回のように脱出はさせん! 貴様ら全員、僕が殺し、死体をバアフィン様に献上してやる! 血肉の一片まで有効利用して、貴様らに地獄を見せてくれる!」
ヴィクティムの殺気が一気に膨れ上がり、私たちを圧倒しだした。
無数に、無限に、無言で伸びてくる触手。
私は魔法で焼き払い、ヴィレッタとフィーリアが結界を張って防ぎ、リョウたち、剣の所持者が幾度となくヴィクティムに迫ろうと試みる。
けれど、その都度触手によって阻まれている。
フィーリアが魔導具による魔法の矢を放つが、ヴィクティムには一切効いていない様子であった。
リョウの漆黒の剣、ベレニスのレイピア、レオノールの二対の剣、クリスのロングソード、何とか触手の攻撃を防いでいるものの、奴への攻撃が全て防がれている現状に歯がゆい思いだ。
無限に伸びてくる触手と体力勝負では、こちらが圧倒的に不利になる。
「やはり、迷宮をなんとかしないと駄目か」
ヴィクティムは一切この部屋から離れようとしない。
無限に湧き出る触手は、ここにいるから可能なのだろう。
ならば、何か方法があるはずだと私は考える。
バアフィンは気になるけど、まずはヴィクティムを倒さないと先に進めない。
「触手だけってのが妙っすね。確かに延々とやればこっちの体力は尽きるっすが、あまりにも芸がないっす」
フィーリアが、ヴィクティムに聞こえないように呟いた。
たしかに奴の今までの言動からして、遊んでいるようにも見えない。
しかし、下手に手を出せばあの無数の触手が襲い掛かってくるだろう。
今現在ですら、ヴィレッタやフィーリアの負担が大きい。
リョウたちも触手を防ぐので手一杯だ……とその時、閃きが走った。
……もしかして……そういう事? 私は試してみる。
『我が魔力よ! 全てを変換して、力の根源たる迷宮を封じよ! アブソーブ』
私の魔法が発動すると、ヴィクティムから伸びた無数の触手がピタリと止まり、制御を失ってそのまま床に伸びていった。
これは魔力を吸収して、逆にこちらの魔力へと変換してしまう魔法だ。
ただ、人格ある相手や、意図を持って使用されている魔導具には効果は薄い。
迷宮のような広大な無機物に対しては効果的だ。
ヴィクティムの核がどこにあろうが、迷宮全体に対応できているとは思えない。
できるなら、目の前のヴィクティムは迷宮のあちこちに移動できるはずだ。
ヴィクティムの制御が迷宮全体に行き届いていないため干渉しやすいなら、迷宮に漂う魔力なら吸収できると私は結論づけたのだ。
「信じられん。……迷宮の魔力を奪う……だと?」
驚愕するヴィクティムから、もう触手は発生しない。
「それじゃ、トドメといくわね! ……なっ⁉」
「私もいきます! ……わっ⁉」
「ベレニス! レオノール!」
そう叫ぶが間に合わない!
ヴィクティム自身が、無数の触手に変貌して私たちを飲み込もうとした。
前に飛び出したベレニスとレオノールが、真っ先に触手に包まれる。
が……リョウの剣が間に合い、2人に纏わり付く触手を全て斬り刻む。
ふう、よかった。みんな無事だし、消滅する触手を見て、この場での戦いが終わったのを確信する。
「おお! さすが師匠! あのウネウネ触手がいっぱいで気持ち悪いのを一瞬で消しちゃうなんて! チラッと脳裏に、師匠が触手に捕まってあんなところやこんなところに触手が……なんて想像してしまいました!」
レオノールの邪な妄想に、ベレニスもヴィレッタも釣られてなのか嫌そうな顔をした。
「そういう役目は、ローゼとヴィレッタが似合いそうだよね~。両手足を触手で縛られて、穴という穴に触手がヌプッと入って……」
クリス、何を想像してるんだ⁉
誰だ? クリスにそういう知識与えたのは⁉
「ああ、あれでしょ? ローゼがリオーネで買ってた本よね?」
「そうだよベレニス。ローゼがヴィレッタに、下調べせずに買うからって、怒られて捨てられてた本にあったよ~」
……うん。元凶は私だった。
でもしょうがないじゃん。あれ冒険活劇だと思って買ったんだし。あれは事故みたいなもんだぞ。
リョウめ。顔を赤らめたのから察するに妄想したな。
後で絶対に忘れさせてやる。
「コホン。それで現状ですが……ヴィクティムは死んだのでしょうか?」
「さっきのローゼさんの魔法、迷宮の魔力を吸い尽くしたってとこっすかね。その影響で、ヴィクティムはあの場に幻影を維持するだけの魔力もなくなった……そう思っていいっすね」
ふう、ヴィレッタとフィーリアの真面目組のおかげで、逸れた話が戻って助かるよ。
「そうだと思う。ヴィクティムがどのくらいの魔力で、幻影を出せるかって問題あるけど、現状、反応はないかな」
「どうする? 迷宮を壊すか⁉」
「ううん、リョウ、恐らく迷宮は、破壊して解決できる代物ではなさそう。封印が一番だと思う。多分できると思う」
迷宮を出た私は、みんなに下がるように告げ、ゆっくりと迷宮へと歩み寄る。
そして迷宮の壁に手を翳し、魔力を込めて呪文を唱えた。
『我が魔力よ! 全てを変換して、力の根源たる迷宮の力を吸収せよ! アブソーブ』
私の魔法が発動すると、迷宮は光に包まれ、そのまま雪に吸い込まれる様に消えていった。
これでヴィクティム本体や、バアフィンの復活はなくなるはず。
「迷宮そのものはこの空間から切り離し、異次元に封じ込めたけれど、完全に消滅させたわけじゃない。迷宮がこの地にあったという事実はなくならないし、何らかの方法で封印が解かれればまた現れる可能性もある。すでに外に溢れ出ている魔獣もいるけど、当面の脅威は消えたといっていいかな」
「迷宮という、大昔に消えた遺物の対処法を知っているローゼに驚きです。何かの書籍にあったのでしょうか?」
ヴィレッタに言われ、私はそう言われてみれば本で読んだ記憶がないと気づいた。
(なんだろう……実際に体験したかのような感じ)
考え込む私を、みんなが心配そうに見つめていた。
「何かの本で読んだのかも?」
苦笑いしながら呟く私を、ベレニスがジッと見つめていた。
私たちは迷宮のあった地を離れ、ガーデリアの街へと戻るのだった。
「あの部屋から離れられないってのは間違いないと思う。けど、それがいつまでって保証は何もないから、早めに倒すべきだとも思う」
「バアフィンの復活と、迷宮の維持に必要な存在ということっすかねえ。とするとっす、ヴィクティムはあの場から絶対動かないはずっすね。言わば迷宮のボス。倒さなければ迷宮から魔獣が溢れ、いずれはガーデリア地方に最悪の結末を齎すでしょうっすね」
フィーリアの言葉に、みんなは深く頷いた。
「つまり正攻法であの部屋で戦い、勝利するのが我々の使命ですね! く~、燃えてきました! これぞ英雄譚たる冒険の醍醐味です! 姉様、策など不要! このレオノールが単身ヴィクティムを引き付け、その隙に姉様たちが攻撃、そして私も合流してみんなで倒しましょう! この案は如何です?」
レオノールが目をキラキラさせて提案する。
この娘、本当にブレないな……でもその無鉄砲さが今は心強い。
「ヴィレッタとフィーリアと私で防御に徹し、ベレニスとクリスとリョウとレオノールが攻撃。それでヴィクティムの攻撃に耐える。単純な感じかもしれないけど、これが今の最善策になるかな? ただ相手サイドも二度も脱出なんてさせないだろうから、絶対に勝てる万全の状態にして挑まないとね。とりあえず、今日はみんな寝て体力を回復させておいて。私もベッドの中で、他に策がないか考えてみる」
こうして、私たちは迷宮の攻略に向けて作戦会議を終えた。
翌日、私たちはガーデリアの街を出発した。吹雪は落ち着いているが、いつまた激しくなるかわからない。
なので、私たちは急いで目的の場所に向かうことにした。
魔獣を蹴散らしつつ進み、迷宮への入口に到着した。
「ヴィクティムのいる部屋まで一気に進むけど、油断しないように」
私が注意を促すと、私たちは頷き合い中へと入る。
迷宮の中の魔獣は、外に比べて少し強力だ。
だが私たちの敵ではない。順調に進んで行き、ヴィクティムのいる部屋まで辿り着いた。
「やあ遅かったね。もう来ないのかと、がっかりしてたんだけどね。よかった、よかった」
そこには以前と変わらぬ様子のヴィクティムが、まるで友達を出迎えるように立っていた。
「ずっとこの部屋に引きこもってるのに、随分と私たちに詳しいのね。外をうろちょろさせてる魔獣の視界に、アクセスしてるってとこかな?」
「うんうん。そういう知識がある人間を僕は嬉しく思うよ。だって、知ってただけで、何もできずに醜く哀れな最期を遂げるのって、より絶望を感じるだろう?」
ヴィクティムの触手が私たちへと伸びるが、リョウが剣を一閃させ斬り落とす。
「バアフィンを伏兵にしようとするなら無駄。とっとと出したら? そうじゃないと、このままあんたを倒して、この迷宮をぶっ壊しちゃうよ? あ、まだ復活してないから無理かあ」
私が告げると、ヴィクティムの不気味な表情が途端に一変する。
表情は怒りに染まり、激情を吐き出した。
「図に乗るな! 人間如きが! どいつもこいつも不愉快な! 前回のように脱出はさせん! 貴様ら全員、僕が殺し、死体をバアフィン様に献上してやる! 血肉の一片まで有効利用して、貴様らに地獄を見せてくれる!」
ヴィクティムの殺気が一気に膨れ上がり、私たちを圧倒しだした。
無数に、無限に、無言で伸びてくる触手。
私は魔法で焼き払い、ヴィレッタとフィーリアが結界を張って防ぎ、リョウたち、剣の所持者が幾度となくヴィクティムに迫ろうと試みる。
けれど、その都度触手によって阻まれている。
フィーリアが魔導具による魔法の矢を放つが、ヴィクティムには一切効いていない様子であった。
リョウの漆黒の剣、ベレニスのレイピア、レオノールの二対の剣、クリスのロングソード、何とか触手の攻撃を防いでいるものの、奴への攻撃が全て防がれている現状に歯がゆい思いだ。
無限に伸びてくる触手と体力勝負では、こちらが圧倒的に不利になる。
「やはり、迷宮をなんとかしないと駄目か」
ヴィクティムは一切この部屋から離れようとしない。
無限に湧き出る触手は、ここにいるから可能なのだろう。
ならば、何か方法があるはずだと私は考える。
バアフィンは気になるけど、まずはヴィクティムを倒さないと先に進めない。
「触手だけってのが妙っすね。確かに延々とやればこっちの体力は尽きるっすが、あまりにも芸がないっす」
フィーリアが、ヴィクティムに聞こえないように呟いた。
たしかに奴の今までの言動からして、遊んでいるようにも見えない。
しかし、下手に手を出せばあの無数の触手が襲い掛かってくるだろう。
今現在ですら、ヴィレッタやフィーリアの負担が大きい。
リョウたちも触手を防ぐので手一杯だ……とその時、閃きが走った。
……もしかして……そういう事? 私は試してみる。
『我が魔力よ! 全てを変換して、力の根源たる迷宮を封じよ! アブソーブ』
私の魔法が発動すると、ヴィクティムから伸びた無数の触手がピタリと止まり、制御を失ってそのまま床に伸びていった。
これは魔力を吸収して、逆にこちらの魔力へと変換してしまう魔法だ。
ただ、人格ある相手や、意図を持って使用されている魔導具には効果は薄い。
迷宮のような広大な無機物に対しては効果的だ。
ヴィクティムの核がどこにあろうが、迷宮全体に対応できているとは思えない。
できるなら、目の前のヴィクティムは迷宮のあちこちに移動できるはずだ。
ヴィクティムの制御が迷宮全体に行き届いていないため干渉しやすいなら、迷宮に漂う魔力なら吸収できると私は結論づけたのだ。
「信じられん。……迷宮の魔力を奪う……だと?」
驚愕するヴィクティムから、もう触手は発生しない。
「それじゃ、トドメといくわね! ……なっ⁉」
「私もいきます! ……わっ⁉」
「ベレニス! レオノール!」
そう叫ぶが間に合わない!
ヴィクティム自身が、無数の触手に変貌して私たちを飲み込もうとした。
前に飛び出したベレニスとレオノールが、真っ先に触手に包まれる。
が……リョウの剣が間に合い、2人に纏わり付く触手を全て斬り刻む。
ふう、よかった。みんな無事だし、消滅する触手を見て、この場での戦いが終わったのを確信する。
「おお! さすが師匠! あのウネウネ触手がいっぱいで気持ち悪いのを一瞬で消しちゃうなんて! チラッと脳裏に、師匠が触手に捕まってあんなところやこんなところに触手が……なんて想像してしまいました!」
レオノールの邪な妄想に、ベレニスもヴィレッタも釣られてなのか嫌そうな顔をした。
「そういう役目は、ローゼとヴィレッタが似合いそうだよね~。両手足を触手で縛られて、穴という穴に触手がヌプッと入って……」
クリス、何を想像してるんだ⁉
誰だ? クリスにそういう知識与えたのは⁉
「ああ、あれでしょ? ローゼがリオーネで買ってた本よね?」
「そうだよベレニス。ローゼがヴィレッタに、下調べせずに買うからって、怒られて捨てられてた本にあったよ~」
……うん。元凶は私だった。
でもしょうがないじゃん。あれ冒険活劇だと思って買ったんだし。あれは事故みたいなもんだぞ。
リョウめ。顔を赤らめたのから察するに妄想したな。
後で絶対に忘れさせてやる。
「コホン。それで現状ですが……ヴィクティムは死んだのでしょうか?」
「さっきのローゼさんの魔法、迷宮の魔力を吸い尽くしたってとこっすかね。その影響で、ヴィクティムはあの場に幻影を維持するだけの魔力もなくなった……そう思っていいっすね」
ふう、ヴィレッタとフィーリアの真面目組のおかげで、逸れた話が戻って助かるよ。
「そうだと思う。ヴィクティムがどのくらいの魔力で、幻影を出せるかって問題あるけど、現状、反応はないかな」
「どうする? 迷宮を壊すか⁉」
「ううん、リョウ、恐らく迷宮は、破壊して解決できる代物ではなさそう。封印が一番だと思う。多分できると思う」
迷宮を出た私は、みんなに下がるように告げ、ゆっくりと迷宮へと歩み寄る。
そして迷宮の壁に手を翳し、魔力を込めて呪文を唱えた。
『我が魔力よ! 全てを変換して、力の根源たる迷宮の力を吸収せよ! アブソーブ』
私の魔法が発動すると、迷宮は光に包まれ、そのまま雪に吸い込まれる様に消えていった。
これでヴィクティム本体や、バアフィンの復活はなくなるはず。
「迷宮そのものはこの空間から切り離し、異次元に封じ込めたけれど、完全に消滅させたわけじゃない。迷宮がこの地にあったという事実はなくならないし、何らかの方法で封印が解かれればまた現れる可能性もある。すでに外に溢れ出ている魔獣もいるけど、当面の脅威は消えたといっていいかな」
「迷宮という、大昔に消えた遺物の対処法を知っているローゼに驚きです。何かの書籍にあったのでしょうか?」
ヴィレッタに言われ、私はそう言われてみれば本で読んだ記憶がないと気づいた。
(なんだろう……実際に体験したかのような感じ)
考え込む私を、みんなが心配そうに見つめていた。
「何かの本で読んだのかも?」
苦笑いしながら呟く私を、ベレニスがジッと見つめていた。
私たちは迷宮のあった地を離れ、ガーデリアの街へと戻るのだった。
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