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第三話
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「カトリーヌ! カトリーヌは部屋にいるか?!」
「ど、どうしようセバスチャン!! 部屋に2人でいるところを見られたらお叱りを受けるわ!」
「ご安心下さいお嬢様。私は隠し扉から出ますので夜皆が寝た後に伺いますね」
「わ、わかったわ!」
隠し扉なんてあったのね。知らなかったわ。
「お父様、お待たせ致しました。クローゼットにおりましたので遅くなりましたの。またわたくしのアクセサリーがなくて……」
結局、アクセサリーは回収できなかったから言い訳にして良いわよね。
「ふん! そんな事どうでもいい」
娘の持ち物がない事を心配もしないのね。お父様も変わってしまったわ。
「そうですわね。お父様には関係ありませんわ」
「相変わらず可愛げのない。いいか! お前とルバート王子の婚約は、破棄だ! いま王城に使いを出している! ルバート王子と、キャシーが婚約して公爵家を継ぐからな。お前は近日中に、学園の寮に戻れ。最後の情けで学園だけは卒業させてやるから、卒業まであと3ヶ月のうちに身の振り方を決めろ! いいな!」
「……そんな」
「ふん、泣きもしないとは可愛げのない! 早く荷物を纏めておけ!」
そのままお父様は乱暴にドアを閉めて出て行った。
「ストーリー通りなんて……どうしてよ……」
………………
「愛の果てに」
三角関係がテーマの乙女ゲームで、やたらと三角関係になる。主人公のキャシーは、母親の再婚で公爵家に入った元平民。母親は、父親の愛人だった元娼婦。カトリーヌの母が死んで、娘のキャシーが居るからと公爵家に受け入れられる。
姉のカトリーヌにいびられながらも、努力を重ねて立派な公爵令嬢になる。その頃、いじめにを助けてくれたルバートと恋仲になり、カトリーヌとの婚約が破棄されると同時にルバートの婚約者になる。
元々婚約が決まっていたクロードとは、まだ婚約を結んでわずかな期間しか経っていないからと、穏便に解消された筈が、クロードは毎日学園で話しかけるようになる。
それを見たルバートも嫉妬して、クロードは婚約者の時より近づいてくるようになり、更にルバートの護衛も兼ねたルシアンもキャシーに興味を持ちだす。
ドロドロがテーマなだけあるわよね。
そこにずっと邪魔者として現れるのが、私、カトリーヌだ。
ルバートとの婚約が破棄されても婚約者ヅラをして、幼馴染のクロードとベタベタして、ルシアンと剣の稽古をする。
キャシーが攻略対象の3人と過ごそうとすると、ほぼ邪魔をしに来る。ゲームをしていると、うざったく思っていたのよね。大抵、攻略が進むと事故で死んだり、酷い時は攻略対象に殺されたりする。特に、宰相の息子のクロードは、気が付かないように毒を盛ったり、事故に見せかけて殺したりするから、要注意人物だ。
ルシアンは、正義感が強いからさほど酷いことにはならないんだけど、バッドエンドだとキャシーを守ろうとしたルシアンに剣で殺されるのよね。あれは痛そうだから勘弁してほしい。
ルバートは、どのルートでも好感度マックスですぐ攻略できるけど、王子の権力ですぐ国外追放してくるのよね。しかも、いきなり国境に捨てられる。死ねって事よね。
「セバスチャン、もう無理! いきなり婚約破棄だなんて! 私は、毒を盛られるか、剣で切られるか、事故死か、国外で野垂れ死ぬわ! 死ぬしか私の未来はないの?! 前世も早世したんだから、今世はおばあちゃんまで生きたいわ!」
「落ち着いて下さい。お嬢様の知る未来を、全て私に教えて下さい。大丈夫、オレが居ますよ」
セバスチャンが、自分の事をオレと言うのは珍しい。昔はオレだったけど、最近はずっと私だったのに。そんな下らない事を考えていたら、セバスチャンの目が真っ直ぐ私を見つめている。
セバスチャンとは、5歳も違うのに! 優しいお兄さんだと思ってたのに! なんでこんなにドキドキするのよ!
……思い出したわ。前世の私、セバスチャンがカトリーヌを助けるシーンが大好きで、いつも何度もリピートしていたんだったわ。
チラッと映るだけのセバスチャンの姿が、とってもかっこよかったのよね。
「ど、どうしようセバスチャン!! 部屋に2人でいるところを見られたらお叱りを受けるわ!」
「ご安心下さいお嬢様。私は隠し扉から出ますので夜皆が寝た後に伺いますね」
「わ、わかったわ!」
隠し扉なんてあったのね。知らなかったわ。
「お父様、お待たせ致しました。クローゼットにおりましたので遅くなりましたの。またわたくしのアクセサリーがなくて……」
結局、アクセサリーは回収できなかったから言い訳にして良いわよね。
「ふん! そんな事どうでもいい」
娘の持ち物がない事を心配もしないのね。お父様も変わってしまったわ。
「そうですわね。お父様には関係ありませんわ」
「相変わらず可愛げのない。いいか! お前とルバート王子の婚約は、破棄だ! いま王城に使いを出している! ルバート王子と、キャシーが婚約して公爵家を継ぐからな。お前は近日中に、学園の寮に戻れ。最後の情けで学園だけは卒業させてやるから、卒業まであと3ヶ月のうちに身の振り方を決めろ! いいな!」
「……そんな」
「ふん、泣きもしないとは可愛げのない! 早く荷物を纏めておけ!」
そのままお父様は乱暴にドアを閉めて出て行った。
「ストーリー通りなんて……どうしてよ……」
………………
「愛の果てに」
三角関係がテーマの乙女ゲームで、やたらと三角関係になる。主人公のキャシーは、母親の再婚で公爵家に入った元平民。母親は、父親の愛人だった元娼婦。カトリーヌの母が死んで、娘のキャシーが居るからと公爵家に受け入れられる。
姉のカトリーヌにいびられながらも、努力を重ねて立派な公爵令嬢になる。その頃、いじめにを助けてくれたルバートと恋仲になり、カトリーヌとの婚約が破棄されると同時にルバートの婚約者になる。
元々婚約が決まっていたクロードとは、まだ婚約を結んでわずかな期間しか経っていないからと、穏便に解消された筈が、クロードは毎日学園で話しかけるようになる。
それを見たルバートも嫉妬して、クロードは婚約者の時より近づいてくるようになり、更にルバートの護衛も兼ねたルシアンもキャシーに興味を持ちだす。
ドロドロがテーマなだけあるわよね。
そこにずっと邪魔者として現れるのが、私、カトリーヌだ。
ルバートとの婚約が破棄されても婚約者ヅラをして、幼馴染のクロードとベタベタして、ルシアンと剣の稽古をする。
キャシーが攻略対象の3人と過ごそうとすると、ほぼ邪魔をしに来る。ゲームをしていると、うざったく思っていたのよね。大抵、攻略が進むと事故で死んだり、酷い時は攻略対象に殺されたりする。特に、宰相の息子のクロードは、気が付かないように毒を盛ったり、事故に見せかけて殺したりするから、要注意人物だ。
ルシアンは、正義感が強いからさほど酷いことにはならないんだけど、バッドエンドだとキャシーを守ろうとしたルシアンに剣で殺されるのよね。あれは痛そうだから勘弁してほしい。
ルバートは、どのルートでも好感度マックスですぐ攻略できるけど、王子の権力ですぐ国外追放してくるのよね。しかも、いきなり国境に捨てられる。死ねって事よね。
「セバスチャン、もう無理! いきなり婚約破棄だなんて! 私は、毒を盛られるか、剣で切られるか、事故死か、国外で野垂れ死ぬわ! 死ぬしか私の未来はないの?! 前世も早世したんだから、今世はおばあちゃんまで生きたいわ!」
「落ち着いて下さい。お嬢様の知る未来を、全て私に教えて下さい。大丈夫、オレが居ますよ」
セバスチャンが、自分の事をオレと言うのは珍しい。昔はオレだったけど、最近はずっと私だったのに。そんな下らない事を考えていたら、セバスチャンの目が真っ直ぐ私を見つめている。
セバスチャンとは、5歳も違うのに! 優しいお兄さんだと思ってたのに! なんでこんなにドキドキするのよ!
……思い出したわ。前世の私、セバスチャンがカトリーヌを助けるシーンが大好きで、いつも何度もリピートしていたんだったわ。
チラッと映るだけのセバスチャンの姿が、とってもかっこよかったのよね。
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☻2021.04.23 183,747pt/24h☻
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ありがとうございます!
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